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保母資格とは何か?概要・保育士との違い・切替手続きの方法を紹介

保育士に関係する資格の一つに「保母資格」がありますが、保母とはそもそもどのような特徴を持つ資格なのでしょうか。

保母資格を持っている方、保育士として仕事をしたい方のなかには、「保母さんと保育士さんは何が違うの?」と気になっている方も多いでしょう。

資格は仕事をするうえで重要なスキル証明や免許になるため、事前に理解を深めておく必要があります。

そこで今回は、保母資格とは何かわかりやすく解説したうえで、保育士と異なる点や切り替えのポイントを紹介していきます。

保母資格とは何か

まずは、保母資格について概要を整理していきましょう。

・保母資格の特徴

・保母資格のはじまりとは

・保育士の呼び名に変わったいきさつは何?

ここからは、上記の点について要点をかいつまんで解説していきます。

保母資格の特徴

保母という名前の資格は、簡単にいうと現代でいう保育士の旧称です。

1999年よりも前の時代は、一般的に保育士さんは保母さんといわれていました。

過去に保育士関連の仕事に触れたことがある方などは、「昔は保母さんとよく言っていた気がする」と実際に感じたことがあるでしょう。

保母は保育園や託児所などの施設で働く人を指し、定義は現代の保育士と基本的に同一のものです。

厳密な違いについては後述しますが、一般的には昔でいう保母さん=保育士さんととらえて問題はないといえるでしょう。

保母資格のはじまりとは

保母資格は、児童福祉法という法律に則り、昭和23年にはじまりました。

当時は保育士ではなく、呼び名は保母になります。

保母という名前が使われたのは、この資格試験を受ける方の多くは女性だったためです。

保育士の呼び名に変わったいきさつは何?

保母資格が現代の保育士資格に変更された時期は、保母資格が誕生ししばらく経ってからです。

具体的なきっかけは、平成11年の男女雇用機会均等法の大幅改正となります。

時代の移り変わりに伴い、この頃には保育所や託児所で働く方は女性ばかりではなくなっていました。

そのため以前より仕事上の男女の垣根をなくそうという動きから、保母資格の名称変更は社会的に求められていたのです。

そこで国は法改正にあわせ、保母資格を正式に保育士資格に変更しました。

実際に、保育士への変更を境に、保育士資格試験の男性受験者数は大きく伸びたといいます。

なお、類似する事例でいうと、看護婦から看護師への名称変更が挙げられます。

現代でいう看護師は近年まで、女性の多い仕事ということもあり、看護婦の名称が使われていました。

しかし看護婦も同じように、平成のなか頃を機に名称が変わっています。

名称変更の背景には、保母と同様に、男女平等推進の流れがあったとされます。

保母と保育士は同じ資格?違いとは

保母は、保育士の前身といえる資格になります。

そのため資格のおおまかな内容自体は変わらないのですが、保母と保育士で異なる点は、単純に今と昔の名称という考え方のみでは片付けられないため注意が必要です。

というのも保育士資格に変わる前に保母の資格試験に合格している方は、切り替え手続きを自分自身で済ませていないと、有資格者として仕事をすることはできないからです。

これは、保育士資格のルールを定めている児童福祉法によって、明確に決められています。

児童福祉法は平成15年に改正が実施され、保育士は国家資格の一つとなりました。

その影響により、国家資格ではなかった保母資格は、少なくとも自動的に保育士に移行されるわけではなくなったのです。

当時保育士に切り替え登録をしていない場合は?

保育士への切り替え・登録手続きを済ませていない保母資格保有者の方は、資格を活かして働くなら、切り替え手続きをおこないましょう。

保母→保育士となった当時、保母さんとして働いた方のほとんどは、資格の切り替えを済ませました。

また、当時は休業していたものの、働く予定にあった方は同じように切り替えをおこなったでしょう。

しかしたとえば、以下のような方は切り替え手続きを済ませていないことが多いです。

・保母資格とは関係ない別の仕事に就いていた

・結婚や出産を機に仕事から離れていた

上記に該当する方で、昔取得した保母資格を活かして働きたいと考えている方は、保育士への切り替えが欠かせません。

次項からは保育士に切り替える登録手続きの手順を紹介していくため、切り替えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

保母資格では保育士になれない!保育士への切り替え方

保母資格は保育士資格の前身にあたりますが、保母資格のままでは保育士の有資格者として仕事をすることはできません。

ここからは、保母資格から切り替えて保育士登録する方法を紹介していきます。

具体的な手順は次のとおりです。

1.返信用封筒を送付し手引きをもらう

2.手数料を支払う

3.登録の申し込み用紙に記入する

4.必要書類をそろえる

5.申し込み用紙と必要書類を提出する

6.保育士証が発行される

では、具体的な手続き方法を、一つひとつのステップごとに紹介していきます。

1.返信用封筒を送付し手引きをもらう

切り替え手続きには、まず保育士登録の書類などが入った手引き(手続きの冊子)が必要です。

手引きは、日本保育協会が運営する事務処理センター宛てに返信用封筒を送付して取り寄せます。

取り寄せにあたって必要なものは次のとおりです。

①返信用封筒・1枚・角形2号(A4サイズが入るもの)・封筒に【保育士登録手引き ×部】と内容を赤字で記入・宛先に自分の住所と名前を書いておく
②140円分の切手・手引きを2~3部請求する場合は250円・4~6部の場合は390円・あらかじめ返信用封筒に貼っておく
③返信用封筒を送るための封筒・定形の封筒で良い・返信用封筒は折り畳んで送るかたちでも問題ない・封筒に【保育士登録手引き ×部】と内容を赤字で記入
④84円切手・定形外の重さのときは84円を超えるため、郵便局での計量が必要

【送付先】

102-0083

東京都千代田区麹町1丁目6-2 登録事務処理センター

必要なものをすべてそろえたら、上記の送付先まで切手を貼った状態の返信用封筒を郵送しましょう。

するとしばらく経ってから、返信用封筒に入った状態の手引きが送られてきます。

2.手数料を支払う

資格を切り替えるには、手数料が必要です。

手引きを受け取ったあとは、同封の払込用紙を使用することで手数料の支払いができます。

【手数料】

1人4,200円

払い込み用紙には名前を記入するところが3箇所あるため、まずすべてに記入しましょう。

記入を済ませたら、郵便局の窓口にて、用紙を使用して支払いを済ませてください。

支払いが完了すると受領証と証明書がもらえるため、郵便局の日付入りのハンコがあることをチェックしたうえで、保管しておきましょう。

3.登録の申し込み用紙に記入する

続いて、登録の申し込み用紙に必要事項を記入しましょう。

申し込み用紙は取り寄せた手引きに同封されています。

用紙は1人分のため、2人以上の方が保育士の登録を希望する場合は人数分の手引きの取り寄せが必要です。

4.必要書類をそろえる

申し込み用紙以外では、次の3点の書類(人によっては2点)を用意します。

①振替払込受付証明書・郵便局で手数料の支払いを済ませたときにもらう証明・受領証と間違えないように注意
②保母資格証明書・原本
③現在の戸籍抄本・保母資格証明書記載の住所・氏名が変わっている場合のみ必要・変更経緯がわかる書類が必要・用意する書類は登録書類を送付する日より6か月以内に発行されていることが必須

特に振替払込受付証明書は、手数料支払い時に一緒に受け取る受領証と間違わないように十分に注意しましょう。

戸籍抄本が必要な場合は準備に時間がかかることも多いため、時間に余裕をもって手続きをはじめるのが望ましいです。

5.申し込み用紙と必要書類を提出する

申し込み用紙への記入を済ませ、必要書類を一式そろえたら、提出作業を済ませましょう。

送付先は手引きを取り寄せた住所と同じのため、わかりやすいでしょう。

なお、申し込み用紙と必要書類を送る際の送料は自己負担となります。

また、安全に手続きを済ませるためにも、郵送時は簡易書留の使用が推奨されています。

6.保育士証が発行される

書類到着後は、不備の有無なども含めて審査がおこなわれます。

不備などがなく無事に保育士への切り替えが決定した際には、保育士証が送付されます(送付方法は主に簡易書留)。

なお、切り替え手続きには審査期間も含めると、ある程度長い時間がかかります。

そのため保育士証交付までには、おおよそ2か月程度かかると見ておきましょう。

保母資格や保育士登録に関するよくある質問

ここからは、保母資格や保育士登録に関するよくある疑問や不安を紹介していきます。

保母資格を取得しているが、保育士に切り替えるにあたって困っていることがある…という方は、以下のよくある質問をチェックしてみてください。

・保母資格証明書が見つからないときの対処法は?

・保育士資格に切り替えたか覚えていないときはどうする?

・登録事務処理センターに直接足を運んで手続きすることはできますか?

・書類不備があったときはどうすれば良いですか?

・保母から保育士資格に切り替え申請したものの、3か月以上返答がありません…

上記のよくある質問は、保母資格から保育士資格に切り替えるにあたってトラブルになりやすい点です。

スムーズに登録を済ませるためにも、質問と回答は事前にチェックしておきましょう。

保母資格証明書が見つからないときの対処法は?

保母資格証明書を紛失したときは、再発行手続きをおこなったうえで保育士資格の切り替え手続きをしましょう。

再発行手続きは、同じく登録事務処理センターに問い合わせることで受け付けてもらえます。

再発行の申請には、次の手順が必要です。

1.返信用封筒を送付し再交付手引きを取り寄せる

2.再発行の手数料を支払う(1人1,100円)

3.再交付申請書とその他の必要書類を提出する

4.2か月前後で保母資格証明書が再発行される

再発行手続きにも時間がかかるため、書類がないとわかったら、その段階で早めに再発行の申請をしましょう。

保育士への切り替えにあたって保母資格証明書の再発行が必要な場合は、証明書再発行→切り替えの流れで、どんなに早くても最終的に4か月前後かかります。

保育士資格に切り替えたか覚えていないときはどうする?

保母資格を持っていたのはだいぶ前のことで、正直保育士に切り替えたかどうか覚えていない…という方も一定数いるでしょう。

その場合、登録事務処理センターに問い合わせることで、自分自身の登録状況を調べてもらうことができます。

問い合わせ先は次のとおりです。

電話番号03-3262-1080※フリーダイヤルはありません
受付時間通常の案内:平日9時~17時音声案内:終日受付

登録状況がわからないときは、すみやかに問い合わせるようにしましょう。

事務処理センターで直接手続きすることはできますか?

保育士資格への切り替えや証明書の再発行手続きなどは、直接足を運ぶかたちではおこなえません。

近隣に住んでいる方は、直接行ったほうが楽と感じる場合も多いでしょう。

しかしセンターでは窓口業務をおこなっていないため、通常、関係者以外の訪問はできません。

書面での手続きはやや時間がかかるため不便に感じられるポイントですが、現状書面での手続きのみのため、案内に従って手続きしましょう。

書類不備があったときはどうすれば良いですか?

保母資格から保育士資格に切り替える際に書類不備があったときは、手続きはやり直しになります。

書類不備があった箇所やその後の対応方法については、登録事務処理センターの担当者より個別で連絡があるため、指示に従って手続きしてください。

なお、書類不備があると、保育士資格への切り替えはどんどん遅くなってしまいます。

申請時は、記入内容や必要書類に不備がないか、十分にチェックするようにしましょう。

保育士資格に切り替え申請したものの、何か月も返答がありません…

切り替え申請後、センターから何か月も返答がないときは、次の対処法を実践しましょう。

・申請から2か月前後ならもうしばらく様子を見る

・申請から3か月以上経過しているときは問い合わせる

そもそも保育士証の交付には、平均的に2か月前後の時間を要します。

そのため申請から2か月前後の場合は、もうしばらく様子を見るのが望ましいです。

しかし3か月以上経過している場合は郵送トラブルなども考えられるため、まずは電話で問い合わせてみましょう。

問い合わせの際は、次の書類があると状況確認がよりスムーズです。

・書留郵便受領書

・振替払込請求書兼受領証

上記の書類がないと状況確認ができないことがあり、最悪の場合手続きがやり直しになってしまうため、万が一に備えて書類はしっかり保管しておきましょう。

まとめ

保母の資格は保育士の前身のため、一般的に見た資格の内容はほとんど変わりません。

しかし保育士資格はのちに国家資格になったため、保母資格のままでは、自動的に保育士資格を得ることはできません。

保母資格のままで手続きをおこなっていない方は、有資格者として保育園などで働くときは、保育士資格への切り替え申請を済ませましょう。

切り替え書類の取り寄せから保育士証の交付までには長い時間がかかるため、早めに行動することが大切です。