転職ノウハウ

小規模保育園とは?仕事の内容や保育園との違い。働くか迷った時の対処法も!

保育士の就職活動をしていると、「小規模保育園」という言葉を目にすることがあります。

小規模保育園というのが、施設の大きさと預かる子どもの数が保育園とは違う、というのはわかりますが、他に何か違うところってあるのでしょうか?

・小規模保育園って、駅の近くでよく見るけど、最近増えた?

・施設の大きさが違うと、保育士の仕事の内容も違ってくるの?

・働くとしたら、小規模保育園と保育園では、どちらがお給料が高いの?

など、小規模保育園について疑問に思うことも多いでしょう。

そこで本記事では、小規模保育園で働くことを考えている人に、その特徴や保育園との違いをご説明していきます。

あわせて、どういう形態の保育園で働くか考えている人に、選択の判断基準にすべきことをお伝えするので、ぜひ参考になさってください!

小規模保育園とはどんなところ?

小規模保育園とは、定員が6〜19名で、0〜2歳児の子どもを預かる、認可保育施設を指します。

近年次々と設置されているのは、日本の保育の状況にあと押しされてのことです。

この章では、小規模保育園の背景や特徴、また地域に合わせた形態で運営されている、3種類の施設の概要をお伝えしていきます。

近年の小規模保育園、背景と特徴

小規模保育園とは、0〜2歳児の子どもを対象に預かる、認可保育施設のことです。定員は、6〜19名と定められています。

もともと20名以下の小規模保育園は、「認可外」の保育事業でした。

しかし2015年4月に『子ども・子育て支援制度』が施行されたことで、市区町村による「認可事業」として生まれ変わります。

これにより小規模保育園も、補助金や財政支援の対象となったわけです!

今や小規模保育園は、「地域型保育事業」の内の「小規模保育事業」に位置づけられています。

制度が施行される前は、低年齢の待機児童が都市部で非常に多いことが、問題になっていました。

しかし、保育園を建てるためには、ある程度の敷地面積を確保する必要があります。

それを交通の利便性の良い場所に求めることは、非常に困難なことです。

そこで、小規模保育園の新設が考え出されました。

定員が20名に満たない小規模施設であるならば、マンションの1室の様な小さなスペースでも、認可保育園として運営できるからです。

しかも、一定の基準を満たせば、短期間の開園の準備ができます。

こうして特に需要のある都市部で、小規模保育園が次々と開園していきました。

低年齢児の待機児童問題も、大幅に緩和されたわけです。

地域に合わせた小規模保育園の形態:A型、B型、C型

小規模保育園は地域型保育の「小規模保育事業」に位置づけられていることもあり、それぞれの地域ニーズに合わせた保育形態をとることが可能です。

小規模保育園の種類は、A型・B型・C型の3種類があります。

小規模保育 設置基準 

対象年齢定員職員数職員資格
従来の保育園0~5歳児20人以上0歳:子3人に1人1~2歳:子6人に1人  保育士※保健師または看護師などの特例あり
A型0~2歳児   6~19人 保育園の基準+1人 
B型1/2以上が保育士※保健師または看護師などの特例あり。                保育士以外には研修を実施
C型6~10人子3人に1人補助者を置く場合:子5人に2人家庭的保育者

※ A型、B型では、職員が従来の保育園に比べ、1名プラスされています。

  これにより、保育の質を担保しています。

※ C型の職員資格「家庭的保育者」とは、下記のどちらかに該当する人を指します。

●市区町村の提供する研修を受けた人

●保育士と同等以上の知識、経験があると認められた人

地域に合った保育形態をとることで、それぞれのニーズに丁寧に対応できるようになっているのです。

頼もしい連携施設の存在

小規模保育園では、3歳で卒園する子どもの受け入れ先として、連携施設を準備することが定められています。

連携先は、近隣の保育園や幼稚園です。

【連携内容】

①保育内容への支援

●集団保育の体験:行事参加や、園庭開放など

●必要な相談や助言の提供

●合同での健康診断など

②代替保育の提供

職員が体調不良や休暇を取るためなどで保育できない場合、代わりに保育を行う

③卒園後の受け皿

小規模保育園を卒園する子どもが、優先して受け入れてもらえる「利用枠」を設ける

小規模保育園ならではの心配ごと、問題になってくることを解消するため、多方面からのフォロー体制が整えられています。

保護者が安心して小規模保育園に子どもを預けることができるよう、随所に対策がなされているのです。

小規模保育園、従来の保育園との違いは?

小規模保育園は、従来の保育園とは何が異なり、どのような点が同じなのでしょう?

この章では子どもの人数だけではない、従来型保育園との違い、人数が少ないからこそ異なってくる点などをご紹介します。

あわせて、1日の仕事の流れや給与についても比較していくので、参考になさってください。

小規模保育園と従来の保育園を比べることで、小規模保育園の特徴が、より深く理解できるようになりますよ!

従来の保育園との、特徴の比較

小規模保育園の特徴を理解するためにも、まず従来の保育園と異なる点を見ていきましょう。

小規模保育園と一般的な認可保育園の大きな違いは、なんと言っても定員数と、対象年齢です。

【定員数】

小規模保育園:6~14名

保育園:20名以上

【対象年齢】

小規模保育園:0歳~年度中に3歳になる2歳児

保育園:0歳~年度中に6歳になる5歳児

【施設の大きさ】

人数が異なるため、当然施設全体の大きさは異なります。

施設内に園庭がある保育園は、かなりあります。

一方小規模保育園は、マンションの1室や空き店舗を利用して開設していることが多く、敷地内に庭が無い園がほとんどです。

【設置場所】

小規模保育園は、たいていは交通手段などの利便性の良いところに設置されますが、保育園の立地環境はさまざまです。

【保育環境】

小規模保育園の保育は、より家庭的な環境で、保護者の子育て方針に応じた保育を提供できます。

なぜなら、定員が6〜19名で保育スペースも小さいため、保育士が子どもたち一人ひとりに目が届きやすいからです。

子どもの性格や発達、変化に気づきやすく、またアットホームな雰囲気で子どもと過ごすことができます。

乳幼児に、少人数ならではの保育を施すことができるのも、保育園とは異なる特徴です。

次に、同じ点を見ていきます。入園方法、保育料については、違いはありません。

【入園方法】

市区町村が窓口となって、保育認定を行う

保育の必要性が高い子どもを優先して、入園先が決まっていく

【保育料】

市区町村によって設定された金額が異なる。

 考慮される項目

●保護者の勤労状況

●世帯所得

●子どもの年齢

●兄弟の人数 など、さまざまな条件を考慮して算出される

他にも類似点は多くありますが、小規模保育園のために現在もさまざまな制度が整えられつつあります。

それにより、児童が従来の保育園で過ごす子どもたちと同様な環境を提供することができるよう、配慮されているのです。

従来の保育園との、仕事内容の比較

小規模保育園の基本的な1日の流れは、従来の保育園とほとんど違いはありません。

小規模保育園における一般的な1日の流れは、以下の通りです。

時間仕事内容
7:00~・登園する児童の受け入れ、及び健康観察・遊びの見守り
9:00~・遊びの見守り・朝の会:ダンスや体操、歌、等・午前中の活動
11:30~・昼食の介助
13:00~・子どもの午睡の見守り・交代で休憩・事務作業や、保育活動の準備
15:00~・おやつの介助
16:00~・帰りの会・遊びの見守り・順次降園する子どもの送り出し
18:00~・延長保育

※ 表には記載しませんが、ここにオムツ替えと2歳児の排泄サポートが、随時入ります。

個々の成長により異なりますが、通常2歳になると、トイレットトレーニングが始まります。                                       トイレに何人かでまとめて連れて行ったり、その子の特徴や様子を配慮して、保育士がその都度連れて行ったりします。

0から2歳児は、まだ思ったことを言葉で伝えるということが十分にできない年齢です。

その点に小規模保育園や保育園の違いは無く、全ての子どもに必ず保育士の目が届くよう連携して1日を過ごさなければなりません。

子どもを預かっている時間帯は、常に緊張感を持って過ごすのが、保育士業務の特徴です。

小規模保育園で働く上で、保育園と大きく異なる点は、「敷地面積の違いから生じる、動き方」です。

つまり、動く距離や範囲に差があり、園庭が無い施設で働く大変さがある、ということです。

小規模保育園は、保育園のように広さやスペースはないので、子どもたちを移動させるのにも見守るのにも、またトイレに連れていくのでも保育園ほどの労力はかかりません。

保育園は子どもの着替え、文房具1つ取りに行くのでも、階段の上り下りを含めれば、距離があります。

まして、乳幼児の手を引いて歩くのであれば、なおさら時間を要する行動となるのです。

逆に外遊びや散歩の際は、危険を回避したり、配慮したりしなければならないことが多く、その都度かなり神経を使います。

天候の状況により外出できない日、また真夏等の外に出られない時期には、小規模保育園ならではの苦労があります。

代わりの室内遊びを考案したり、水遊びの場所を工夫したりと、知育発育を促すプログラムを取り入れていかなければなりません。

こういった動き方の違いは、同じ小規模保育園でも、立地条件、環境や設備によって異なります。

近くに安全な遊び場所が確保できるのか、乳幼児にとって安心して散歩できるコースがあるのか等を考え、児童の目線で周囲をみていかなければなりません。

それを踏まえた上で日案を作り、事前に打ち合わせをし、準備をしていきます。

交通量の多い都市部に、小規模保育園の必要性が高いことを考えれば、さまざまな配慮が不可欠であることを、心にとめておきましょう。

従来の保育園との、給与の比較

それでは、気になる給与を比較していきましょう。

2019年度(令和元年)の内閣府の調査結果は、下記の通りです。

  常勤の給与月額非常勤の給与月額
保育園保育士301,823円187,816円
小規模保育園A型保育士268,755円172,324円
B型の保育士269,617円192,001円
C型の家庭的保育者291,775円208,911円

出典:内閣府「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】/https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

※常勤職員の金額は、前年度の12分の1を含んでいます。

※勤務する都道府県や、経験年数、役職、各企業基準により、給与基準は異なります。

【年収での比較】

●公立・私立の常勤保育士:約362万

●A型の常勤保育士:約322万

●B型の常勤保育士:約323万

●C型の家庭的保育者:約350万

数字だけ見ると、従来型保育園の方が、小規模保育園よりかなり高くなっていますが、考慮に入れるべき点があります。

●平均勤続年数は、保育園が11.2年、小規模保育園が8年です。

 つまり、経験に応じて加算されていることが考えられます。

●小規模保育園は残業が少ないので、超勤手当の上乗せはありません。

 その分、無理なくワークライフバランスが取れ、自分の趣味やリスキング等に時間が割けるとい  う、利点があります。

保育士として勤務先を選ぶ時は、数字だけでなく、さまざまな要素を踏まえ、自分らしい働き方ができる施設を探しましょう。

小規模保育園で働くか迷ったらやってみること、お勧め5選!

小規模保育園で働くか、従来の保育園で働くか、選択を迷うこともあるでしょう。

また、小規模保育園で働くことを決めても、どこの園にするかは悩みますよね。

資料やホームページを見たり、家族、友人等、自分をよく知る人に相談するのも一案です。

他にお勧めしたい判断手段を5つご紹介しますので、参考になさってみてください!

見学してみる

現場に足を運んでみましょう。

実際の小規模保育園の雰囲気を、肌で感じるのが一番!

子どもの様子、保育士の子どもへの対応の仕方も見てきましょう。

保育士自身が生き生きして楽しそうに働いているかどうかも、大切な点です。

園長先生と話してみる

園長の人柄は、とても大切なチェックポイントです。

園のトップがどんな保育観を持っているか、子どもファーストであるか、等を確認できたら良いですね。

そのためにも、具体的に場面を想定した質問を考えていきましょう。

「こういう場合はどう対応すればよいでしょう?」等と聞いてみれば、小規模保育園の雰囲気や方針がより深く理解できるというものです。

離職率を調べてみる

働こうとしている保育園の働きやすさは、「離職率」という数字になって表れるものです。

ただし同じ系列の保育園でも、各園により雰囲気や方針が異なることが多いので、注意しましょう。

厚生労働省の統計データ「保育士の現状と主な取組」によると、2021年度の保育士の離職率は9.3%(内、私立保育園は10.7%)です。

数字を絶対視するのはよくないですが、小規模保育園で働くか、従来の保育園で働くか等の判断材料として、参考にしてみましょう。

口コミをチェックしてみる

保育園に通う子どもの「保護者」と、そこで働く「保育士」、双方の口コミを調べてみましょう。

絶対に星5つ、4つでなくても、心配する必要はありません。

利用者さんのストレートな意見は、参考になります。

反対に、あまりコメントが載っていなければ、特に心配しなくても大丈夫な場合が多いです。

保育士求人サイトに登録してみる

今は数多くの、「保育士を保育園に紹介する企業」があります。

紹介業者にこちらの条件を伝え、いくつか候補を見つけてもらって、数カ所、面談や見学に行かせてもらうというのもアリです。

面接に同行してくれたり、働き始めてから不都合な点が生じたら、代わりに交渉してくれたりもします。

さまざまな小規模保育園の情報を、提供してくれますよ!

5つお勧めをしましたが、働くのは、何よりも自分自身。

しっかり自分の考えをまとめ、保育園側に自分の意思を伝えていくのも、長く仕事をしていく上では大切な社会人としてのスキルです。

さまざまな情報を参考に、もちろん周囲の人の意見に耳を傾けながら、自分に合った保育園を探してください!

まとめ

ここまで小規模保育園の背景や特色、仕事内容や就職先を決める際の判断手段等を、ご説明してきました。

2023年6月25日の日経新聞では、「急ピッチで整備してきた施設の立地が住民のニーズに合っていない」という記事が載り、必ずしも保育サービスが行き届いていない現実を報道しています。

働いていない親も、子どもを預ける制度の必要性が求められている今、小規模保育園の存在は、ますます注目されています。

何よりも、そこで過ごす子供たちが心地よいと感じ、日々安心して過ごせる小規模の園は、家庭に近い保育を提供できます。

小規模保育園と保育園の違いを踏まえた上で、ぜひご自身に合った保育の場所を探してください。