転職ノウハウ

保育士の転職にベストな時期と辞め時の見極め方

保育士の仕事を続けるなかで「辞めたい……」「もっと自分に合った職場があるのでは?」と考えたことのある保育士さんは、少なくないでしょう。

保育士の仕事は、子どもの育ちを支えるやりがいや喜びがあるいっぽう、体力面の課題や結婚・出産といったライフイベントによって続けることが難しくなったり、保育方針や人間関係、労働条件などにおいて、理想との不一致が生じてしまったりすることがあります。

そんなときに頭をよぎるのが「転職」の2文字。今回は退職して新たな職場を探している、あるいは退職後に復職を検討している保育士さんのために、転職に適した時期と、転職活動をはじめるうえでの注意点について紹介していきます。

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保育士の転職は「タイミング」が大切

保育士のイラスト

年度単位でクラスを担当し、毎月行事等で忙しい毎日を過ごす保育士さんの転職においては、「最適なタイミング」を見極めることが欠かせません。

転職をする時期を具体的に決め、転職活動における軸をしっかり持っておかないと、「辞め時」を見失い、気付いたら何年も経ってしまった……なんていうことにもつながりかねません。

ぺんたくん
ぺんたくん
漠然と「辞めたいなぁ」と思っているだけでは、なかなか行動につながらないよ。

自分にとってベストなタイミングでの転職を実現するためにも、年齢やキャリアプラン、転職に適したシーズンなど、複数のポイントを踏まえたうえで、早めに行動することが大切です。

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「辞め時」を見極めるための3つのポイント

ではまず、今の職場の「辞め時」を見極めるためのポイントをチェックしましょう。

【ポイント①】今の職場では改善できない問題がある

給与や職場の人間関係、残業や持ち帰り業務の多さ……転職を検討するきっかけには、今の職場や働き方に対する不満があるはずです。

まずはその不満を洗い出し、今の職場での改善が可能か否かを考えてみましょう。

職場と交渉した結果、不満点が改善できるのであれば、必ずしも転職という手段にこだわる必要はありません。

しかし、交渉しても改善される余地がない、または、交渉で改善することが難しい問題がある場合には、「職場を変える」という選択肢を現実的に考えていく必要があるでしょう。

【ポイント②】転職で実現したいことが具体的になる

ただ「なんとなく今の職場がイヤになったから」「とりあえず現状のツラい状況から抜け出したい!」と、勢いで転職を決めてしまうと、あとあと後悔することにもつながりかねません。

辞め時を見極めるうえでは「転職でなにを実現したいのか」を明確にする必要があるでしょう。

【保育士の転職で実現したいことの例】

  • 自分に合った保育方針の園で働きたい
  • 労働に見合う収入を得たい
  • 持ち帰りや残業を減らしたい
  • 長時間かかる通勤時間を短縮したい
  • 人間関係が円満な職場で働きたい

「これを実現するために転職したいんだ!」というビジョンがはっきりすれば、前向きな職場探しにつなげられるはずです。

【ポイント③】心身を壊してしまうまえに検討を

今の職場の辞め時を考えるうえでは、心身の健康を考えることも大切です。

責任感をもって仕事に取り組む姿勢は、とても大切ではありますが、今の職場で働き続けることが大きな負担・ストレスとなって体調を崩してしまってはもとも子もありません。

「もう限界!」と心身が悲鳴をあげてしまうくらいならば、きっぱり「辞める」と決めて、求人探しや退職時期の交渉などを進めたほうがよいでしょう。

ぺんたくん
ぺんたくん
場合によっては有給休暇を活用したり、退職後に失業手当を受取ったりしながら転職活動に専念することも検討しよう!

年齢と経験年数で考えるベストな時期は?

指示棒を持つ保育士のイラスト

保育士さんが転職を考える際には、「年齢」「経験年数」も重要な要素となります。

たとえば、20代の保育士の場合には、経験が浅くてもこれからの成長を見込んだポテンシャルで採用が検討されることも多いため、比較的自由に転職先の検討ができます。

30代となると、ある程度経験があるため即戦力として重宝されるいっぽう、子どもの年齢はどれくらいなのか、シフト勤務ができるのか……など、家庭との両立ができるかどうかが採用の懸念材料となることがあるでしょう。

ぺんたくん
ぺんたくん
長期のキャリア形成を目的にしている園の場合には、応募条件に「25歳以下」「35歳以下」といった年齢制限を設けているところもあるよ!

なお、公立保育園への転職を検討する場合には、多くの自治体で30歳から30歳半ばくらいまでを応募可能年齢の上限としているため、要注意です。

いっぽう、40代を過ぎてからの転職では、主任や園長といった役職の候補として、また新設園での即戦力として経験が求められるケースが多くなります。

また、出産や育児、介護といったライフイベントによるブランクからの復帰も多いため、パートや契約社員など、雇用形態が幅広く設けられる傾向も年齢があがるにつれて見られるようになります。

「働く環境をがらりと変えて再スタートをしたいのか」「いままでの経験を活かして現場で活躍していきたいのか」、あるいは「役職者へのキャリアアップを目指したいのか」……職場や希望する働きかたによって、転職に適した年齢は異なります。「適齢期」を逃さないようにしっかりキャリアプランを立てておくようにしましょう。

求人の多い時期はいつ?最適な転職シーズン

カレンダーのイラスト

多くの選択肢のなかから自分に合った職場を探すためには、保育園の求人が多く出やすい時期を狙って転職活動を行う必要があります。

ここからは年間を通じて、転職活動を行うのに適した時期はいつなのか、お伝えしていきましょう。

多くの園は新年度に向けて採用活動を行う

保育士さんの採用活動は、年度が切り替わる4月採用に向けて活発になります。

その理由は、保育士さんの業務が「年度単位」で管理されているため。子ども達に与える不安や負担を最低限にし、スムーズに業務の引継ぎを行ううえでは、もっとも転職に適したタイミングと言えるでしょう。

具体的には、9月~11月頃に新年度に向けた採用活動をスタートする園が多く、年明けの1月~3月に求人数が多くなる傾向にあります。

ぺんたくん
ぺんたくん
年度末の退職が夏ごろから決まっている職員の補充や、新設園のオープンに向けた保育士募集については、比較的早くから求人が出されるよ。

いっぽう、大きな行事が終わったあとの年末に職員の退職が決まった場合などには、1月~2月ごろに求人を出すケースが多いんだ。

らこたん
らこたん
近年、「よい人材を早めに確保しておきたい」と保育士さんの採用活動が早まる傾向も見られるから、秋ごろから定期的に求人をチェックしておくのがおススメよ!

いつから始めるべき?転職活動には時間がかかる!

喜ぶ女性のイラスト

9月~11月というと、保育士さんにとっては運動会や生活発表会といった大きな行事の準備で忙しい時期。「この行事がひと段落したら転職活動をはじめよう」と考えているうちに、希望する園の採用活動が終わってしまった……ということがないようにしたいものです。

では、保育士さんの転職活動は、具体的にいつからスタートすればよいのでしょうか。

転職活動は、求人に応募して面接を受けるだけで完結するものではなく、ある程度は時間がかかるもの。転職を目指す時期を決めたら、それから逆算して、早めに準備をはじめるのがよいでしょう。

保育士のための転職活動モデルプラン

たとえば、来年度から新しい職場で働きたい場合には、モデルプランとして次のような計画を立ててみてはいかがでしょうか。

【4月入職へ向けた転職活動計画の例】
8月

10月ごろ
・転職の検討を具体的にスタートする
・転職活動の方針を決める
・自身の経験やスキルの棚卸し
・自己分析
・応募書類のテンプレート作成
・転職サイトや人材紹介会社への登録
10月

11月
・転職先の検討
・転職フェア等への参加
・園見学
・個別の応募書類作成
・求人への応募
・面接対策
・面接参加
11月

1月
・内定獲得
・業務引継ぎ
・職場への退職意思の伝達
2月

3月
・退職の事務手続きの実施
・有給消化などがある場合は最終出勤日を調整
・退職
・入職準備

保育士として日々の仕事を抱えつつ、行事準備と並行しながら転職活動を行うことは、想像以上に大変なもの。

転職を検討してから今の職場を退職するまでには、数ヶ月の余裕を持ってプランを立て、希望の転職に向けて計画的に行動するようにしましょう。

退職意思はいつ伝える?

笑顔の女性のイラスト

退職の意思が固まったら、職場である今の園に対してその旨を伝える必要があります。では、円満に退職するためには、いつまでに退職意思を伝えればよいのでしょうか。

基本的に就業規則に沿って対応を

民法では、労働者が退職を申し出る期間について以下のように定められています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法627条1項)

民法上は退職日の2週間前までに、退職の意思を伝えればよいこととなっていますが、就業規則に「退職の1ヶ月前までにその意思表示をすること」などと決められているケースも多いもの。

円満退職を目指すうえでは、あらかじめ就労規則を確認し、いつまでに退職の意思を伝えるべきか検討しておく必要があるでしょう。

【ワンポイント:有期雇用契約の場合は……?】

雇用契約上、働く期間をあらかじめ定めている場合には、原則契約期間の途中での退職はできません。しかし、出産や家族の介護といった「やむを得ない事情」があったり、雇用者との間で合意が得られたりすれば退職することは可能です。

また、契約期間の初日から1年を経過した日以降は、労働者が自分の意思で自由に退職できることが、労働基準法によって定められています(労働基準法137条)

上席や同僚の負担も考えたうえで行動しよう

法律や就労規定にルールが定められていても、職場や同僚の負担を考え、それよりも先に退職の意思を伝えておいたほうがよい場合もあります。

たとえば、来年度の園の運営をスムーズに行うため、多くの保育園では9月~12月頃までに職員へのヒアリングを行い、継続して働き続ける意思があるかどうかを確認します。

この時期に職員の勤務継続意思を確認するのは、退職者が出た場合に新たな人材を確保したり、引継ぎを行ったりする必要があるため。

退職の意思が固まっているのであれば、早めにきちんとその旨を伝えておくべきでしょう。

ぺんたくん
ぺんたくん
退職意思を伝えることは、自分のためだけでなく、子どもたちやいっしょに働いてきた仲間のためでもあるよ!前向きに次の職場で再スタートを切るためにも、最後まで配慮ある行動を心がけよう!

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在職中の転職活動を有利に進めるためには……?

保育園のイラスト

ここまで、キャリアや年間スケジュールなど、複数の観点から保育士さんの転職にとってベストな時期の見極め方を紹介してきました。

しかし、保育士さんの日々は毎日忙しいもの。園によっては、大量の持ち帰り業務や長時間の残業が「当たりまえ」になってしまっているところもあるでしょう。

そんな場合には、自分の力だけで転職活動を進めるのではなく、人材紹介サービスを並行して活用するのもひとつの方法です。

人材紹介とはあらかじめ登録を行い、希望の条件や想定する転職時期を伝えておくことで、転職支援を専門とするプロのキャリアアドバイザーがあなたにマッチした求人の紹介や面接の日程調整、条件の交渉などを無料で代行してくれるサービスのこと。

キャリアアドバイザーは、じっくり転職サイトをチェックする時間のない忙しい時期に、求人の提案をしてくれるだけでなく、「応募書類の作り方がわからない」「面接ではどんなことを聞かれるの?」といった不安にも寄り添ってくれる、強い味方となってくれることでしょう。

転職サイト・ハローワークなどと併用して使うことで、あなたの視野を広げ、より多くの選択肢を見出すヒントとなるかもしれません。

ぺんたくん
ぺんたくん
しんぷる保育でもあなたの転職活動を応援するよ!ぜひあなたの転職活動に役立ててね!

編集者より

気球のイラスト

保育士さんに限らず、自分が求める理想の働きかたを実現するために、職場を変えるということは、決して珍しいことではなくなりました。しかし、転職が人生にとって大きな転機となることは、昔も今も変わりません。

職場を選ぶということは、いわば人生を選ぶということ。

その変化を人生における「味方」にできるかどうかは、あなたの転職に対する心構えや行動にかかっています。

あなたにとってこの転職が、人生をよりよくする追い風となりますように……。よりよい未来につながる出会いがあることを願っています。

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ぺんたくん
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