保育士さんが転職を検討する際、まず直面するのが「どうやって求人を探したらいいんだろう……」という疑問でしょう。
転職活動においてはWEBサイトやハローワーク、人材紹介や転職エージェントなど、さまざまな求人の探し方があります。いったいどんな方法を使えばよいのか、悩んでいる保育士さんも多いのではないでしょうか。
今回は保育士さんが効率よく求人を探すためのポイントを紹介するとともに、求人を探すための8つの方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
「求人探し」は転職活動の最初のハードル

保育士の有効求人倍率は、2018年11月の時点で3.20倍(全国平均/厚生労働省調べ)。一人の保育士さんに対して3件以上の求人がある「売り手市場」だと言えるでしょう。
しかし、多くの求人のなかから自分に合った園の求人を見つけるのは、簡単なことではありません。
転職活動の場合、
- インターネット検索
- 転職サイト
- 人材紹介・転職エージェント
- ハローワーク
- 知人や学校の紹介
- フリーペーパー
- 保育園のホームページ
など、さまざまな方法で求人を探すことができますが、やみくもに一つひとつの求人をチェックしていても、自分に合った求人を探し出すことは難しいでしょう。
まずは自分自身の転職活動の「軸」を定め、希望や状況にあわせた求人探しの方法を絞り込むことが大切です。

忙しい在職中は「受動的」な求人探しをとり入れて
保育士として働きながら転職活動を行う場合には、「なかなか求人を探す時間がない……」という悩みもあるでしょう。
その場合には自分で求人を探すだけでなく、転職サイトのマッチングメールやスカウト、人材紹介など受動的に自分の希望にマッチした求人を探せるサービスをうまく組み合わせ、効率的に転職活動を進めましょう。
では、ここからは具体的に保育士の求人を探す8つの方法とそのメリット・デメリットをチェックしていきます。
【方法①】インターネット検索
もっとも手軽なのは、インターネットブラウザで求人を検索する方法。
「地域名」「保育士」「求人」など希望のキーワードを組み合わせて検索することで、膨大な情報のなかから希望条件に近い求人をピックアップできます。
メリット:複数の求人媒体情報がチェックできる
インターネット検索で求人を探す最大のメリットは、複数のサイトに掲載されている求人情報をまとめてチェックできること。
また、わずらわしい会員登録などをせずに求人探しができるのもポイントです。
デメリット:情報量が膨大
いっぽう、インターネットで検索する場合はとにかく情報量が多いため、なかなか希望の求人が見つからないというデメリットがあります。
求人の詳細は掲載元でチェックする必要があるため、サイトごとに求人のフォーマットが異なり「見づらい」と感じることもあるでしょう。
なお、求人に応募する際には、掲載元の転職サイトなどに会員登録をしたり、WEB履歴書などを準備する必要があります。
【方法②】求人サイトを利用する
求人情報を専門に扱う「転職サイト」で求人を探す方法もメジャーな方法のひとつです。
保育士に特化したサイトもあるので、効率的な転職活動のためにぜひ活用していきましょう。
メリット:効率的に保育士の求人を探せる
転職サイト利用メリットのひとつは、条件の絞りこみ機能を活用して、効率的に求人が探せることです。
希望の条件を登録しておき、条件にあった求人一覧を定期的にメールでまとめて受信することができるマッチングメール機能などもあるため、うまく活用していきましょう。
また、プロフィールや職務経歴などを登録しておくことで、サイトから気になる求人にすぐ応募できるのもポイントです。
デメリット:サポート体制がない
転職サイト利用のデメリットとしては、応募などをするために会員登録が必要なこと、そして、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、選考日程の調整といったサービスがないことでしょう。
「はじめての転職活動で不安がある」「忙しくてなかなか転職活動の時間が取れない」という場合には、このあと紹介する人材紹介や転職エージェントなどを並行して利用していくのがオススメです。
【方法③】人材紹介・転職エージェントを利用する
人材紹介・転職エージェントとは、転職のプロであるキャリアアドバイザー(キャリアコーディネーター・エージェント)が希望条件に合った求人を無料で紹介してくれる民間のサービスです。
求人に応募する際には会員登録をし、キャリアアドバイザーを通す必要があります。
メリット:希望の求人を「紹介」してもらえる
忙しい転職活動のなかで、プロが自分に合った求人を紹介してくれるのは、大きなメリットです。
キャリアアドバイザーは雇用条件だけでなく、園の理念や保育方針、雰囲気なども把握しており、園が求める人物像も理解したうえで求人を紹介してくれます。保育士さんの転職活動においてきっと力強い見方となってくれるでしょう。
履歴書や職務経歴書といった応募書類の添削、面接対策、条件の交渉なども行ってもらえるため、転職活動がはじめての保育士さんにもオススメです。
デメリット:担当者とのやりとりが必要
人材紹介・転職エージェントのデメリットとしては、転職サイト同様に利用に登録が必要なこと、電話やメールなどで担当者とやりとりをする必要があることが挙げられます。
対人のサービスなので、キャリアアドバイザーが合わないということも考えられるでしょう。
また、具体的に転職の時期を決めていない、とりあえず求人だけチェックしてみたいという場合には、サービスのメリットを活かしきれない可能性があります 。
<ワンポイント>根拠のないランキングに要注意!
保育士さん向けの転職サイトや人材紹介・転職エージェントサービスについて、オススメのサイトをランキングで紹介するサイトもありますが、
各サービスごとに特徴や扱う求人が異なるため、かならず自分で確認したうえで登録しましょう。
また、転職サイトや人材紹介・転職エージェントは複数のサイトを並行して利用することができます。迷ったら複数登録し、自分にあったサービスを見極めるのもよいでしょう。
【方法④】ハローワークを利用する
ハローワークは、正式には公共職業安定所と呼ばれる行政機関です。国が運営を行い、おもに職業紹介や雇用保険の手続き、雇用対策などを行っています。
全国の都道府県に設置されており、無料で求人の紹介を受けることができます。
メリット:地元の保育士求人が探しやすい
ハローワークには多くの求人がストックされていますが、とくに強みとして挙げられるのが地元の求人情報が豊富であること。
ハローワークは、ほかの転職サイト・人材紹介サービスなどと異なり、求人を無料で掲載できます。そのためほかの媒体には掲載されないような求人情報も豊富にあります。
「地元で働きたい」という保育士さんにとっては、魅力的なサービスとなるでしょう。
デメリット:在職中の利用が難しい
ハローワークで求職活動を行うためには「求職申込み」という利用登録の手続きが必要となるため、最寄りのハローワークに足を運ぶ必要があります。
基本的にハローワークの利用は平日と指定の土曜日に限られ、日曜や祝日は利用することができません。そのため在職中の保育士さんにとっては利用のハードルが高いでしょう。
また、民間のサービスと異なり、相談員が毎回変わってしまうことや、求人票だけでは多くの情報を得られないことにも注意が必要です。
【方法⑤】フリーペーパーで探す
街中で配布されているフリーペーパーでも、保育士さんの求人を探すことができます。
コンビニやスーパーマーケット、駅などで手軽に入手でき、シンプルに求人への応募ができる方法です。
メリット:お手軽&スキマ時間で求人を探せる
空き時間に手軽に求人探しができるのがフリーペーパーのメリット。また、自宅付近の求人情報を探すのにも重宝します。
事前の会員登録などの手間がなく、スマートフォンやパソコンの利用に慣れていない方でも利用しやすいという点もポイントでしょう。
デメリット:情報量が少ない
いっぽうでフリーペーパーの情報は「絞り込み」ができません。そのため興味のない情報にもある程度目を通しながら保育士の求人を探す必要があります。
いちどに掲載される求人数にも限りがあるため、「最後までチェックしたけれど、希望に合う求人がなかった」ということもあるでしょう。
また、正規雇用の求人が少ないことや、紙面のスペースの関係で掲載される情報が限定的な点にも注意が必要です。
【方法⑥】知人から紹介してもらう
保育士として働く友人や知人などから求人を紹介してもらうのも、転職活動のひとつの手段。
気の知れた人からの紹介ということで、安心してしまいがちですが注意点もあります。
メリット:採用につながりやすい
たとえば、知人の保育士さんから「転職するならうちの園に来れば?」と誘いを受けた場合などは、信頼のある従業員の紹介ということで、選考がスムーズに進む可能性があるでしょう。
デメリット:断りづらい反面も……
いっぽうで、いざ選考に進んでみたら自分の希望する働きかたや保育方針と違った……という場合、選考辞退を申し出にくいというデメリットもあります。
また入職後に「やっぱり合わない」と思った際にも、なかなか退職を切り出せない可能性もあるでしょう。
紹介を受けた場合には、事前に園の情報をしっかり確認したうえで選考に進むことが大切です。
【方法⑦】学校から紹介してもらう
学校によっては、卒業生の就職サポートを利用できる可能性もあります。求人情報の閲覧のほか、個別相談も受け付けているところもあるので、母校に問い合わせてみるのもよいでしょう。
メリット:紹介を受けられることも
学校にもよりますが、既卒の保育士さんに対しても就労支援を行っている場合、学校のキャリアセンターなどから求人を紹介してもらえることもあるでしょう。
デメリット:新卒・第二新卒の求人が多い
卒業から一定の期間が経っている場合には、卒業校の就職支援制度を利用できないケースがあります。
また、利用自体はできても求人が新卒・第二新卒といった若手保育士の募集に偏りがちなこともあるため、ほかの方法と併用して求人探しをすることが大切です。
【方法⑧】保育園のサイトをチェックする
「この園で働きたい」「この運営母体の系列園で働きたい」など、転職活動の方向性が定まっている場合には、保育園公式の採用ページがないか、チェックしてみるとよいでしょう。
メリット:園の情報がチェックできる
園のホームページ上からの直接応募する場合には、保育理念や方針、日々の活動内容などを知ることができます。
自分にあう園かどうかをじっくり検討できるのは、直接応募の大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット:求人情報が掲載されていないことも
園によっては公式ホームページには求人を掲載せず、ほかの媒体のみで募集を行っていることもあります。
直接問い合わせてみる方法もありますが、基本的にはインターネットでの検索と並行して転職活動をしていくことをオススメします。
「負担の少ない」方法を組み合わせて!
保育士さん一人ひとり異なる状況や条件によって、ベストな求人探しの方法は異なります。
ただし、自分にとってどれがピッタリの方法か、はじめから見極めることはなかなか難しいもの。
まずは自分にとって負担の少ない方法をいくつか組み合わせ、実際転職活動を進めるなかで「どの方法が自分に合っているのか」「メインにする求人探しの手段をどれにするのか」を決めていくとよいでしょう。
皆さまの転職活動がうまく行きますように!
編集者より
求人探しは、転職活動のスタートラインでありながら、同時にもっとも転職者が行き詰まりやすい「最初の壁」でもあります。
なかなかよい求人が見つからないと、転職に対するモチベーションも下がってしまい、転職を通じて実現したいことを見失ってしまいがち。
自分自身の望みを叶える転職にするためにも、今回ご紹介した内容を活かして、効率よくお仕事探しを進めてくださいね!
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【ポイント③】現場の情報満載
給与や残業、園の雰囲気などの気になる情報もこまかくお伝えします。納得できる転職活動のためにお役立てください。
◆参考記事
厚生労働省『「保育士確保集中取組キャンペーン」について(全体版)』(2019/10/24)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/jinzaikakuho_torikumi.files/kakuho.pdf