「転職を考えているけれど、具体的にどうしたらいいのかわからない」「なかなか第一歩を踏み出せない……」この記事にたどり着いた保育士さんは、そんなお悩みを抱えているのではないでしょうか。
新卒での就職活動とは違い、転職活動はたった一人で行わなくてはならないため孤独感も強く、先行きの不透明感から不安を抱えてしまうことも多いもの。
しかし、目標を見据えて「やるべきこと」を明確にすることで、不安を小さくし、前向きに転職活動を進めることができます。
今回は、転職活動の進め方に悩んでいる保育士さんのために、転職活動の流れやスケジュールの組み方、やるべきことをわかりやすく紹介していきます。
保育士の転職活動の流れをチェックしよう

とくに転職活動がはじめてという保育士さんの場合、「どれくらいの時間がかかるものなのか」「どんな活動からはじめればいいのか」など、わからないことも多いでしょう。
まずは保育士さんの転職活動の大まかな流れを確認してみましょう。

- 転職時期のめやすを決める
- 自己分析などの準備を行う
- 転職の条件を絞り込む
- 転職サイト・人材紹介などに登録する
- 気になる園をピックアップし情報収集する
- (園見学に行く※面接と同時の場合もあり)
- 応募書類を準備する
- 求人に応募する
- 面接準備
- 面接
- 内定
- 退職手続き・退職
- 入職準備
- 入職
ざっと確認しただけでも、転職活動を終了して新しい職場に入職するまでには多くの過程があることがわかるでしょう。在職中の方ならば仕事と転職活動を並行して行う必要があるうえ、現職の引継ぎや退職の手続きなども行わなくてはなりません。
「仕事をしながら、これだけ多くのことを一人でできるのかな……」と心配に思ってしまった保育士さんもいるかもしれませんね。
しかし、スケジュールをしっかり管理し、やるべきことを整理しておけば、迷うことなく転職活動を進められるはずです。
ここからは具体的な転職のスケジュールや、それぞれの段階においてやるべきことを、詳しくお伝えしていきます。
▼転職スケジュールについてはコチラ
▼転職活動においてやるべきことについてはコチラ
転職活動期間のめやすは「3~6ヶ月」
まず、保育士さんの転職活動にかかる転職活動期間については、基本的に3ヶ月~半年程度かかると見込んでおきましょう。
転職の条件などにもよりますが、自分にあった求人を探し、内定を獲得するためには、ある程度の時間がかかることを覚悟しておく必要があります。
人材紹介サービスを利用して転職する保育士さんのなかには1ヶ月以内に転職を実現する方もいるのよ!
大切なのは転職を実現したい時期について「リミット」を定めて活動を進めることなのよ。
「在職中」か「離職後」かによって変わる流れも……
ひとくちに「転職」と言っても、仕事をしながら転職活動を進めるのか、いったん仕事を辞めて転職活動に専念するのかによって、転職活動の流れは多少変わってきます。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況にあわせて慎重に選択しましょう。
なお、今回はおもに、在職中の転職活動の流れ・スケジュールについて紹介していきます。
新年度入職の場合のモデル転職スケジュール

保育士さんの場合には、新年度が始まる4月からの入職を目指して転職活動を行うケースが多くあるでしょう。
ここでは、4月入職を目標にした保育士さんの転職活動のモデルスケジュールを紹介します。

時期 | 活動内容 | 活動の詳細 |
---|---|---|
6月 ~ 7月 |
活動準備 | 転職の意志を固め、自己分析やスキルの棚卸しをします。そこから転職条件を絞り込み、転職サイトや人材紹介サービスなどに登録するなど、転職活動の土台を整えます。 |
7月 ~ 10月 |
情報収集 | 人材紹介会社からの求人紹介、転職サイト等での求人検索などで、希望条件にあう園の求人を探します。気になる園をいくつかピックアップしたら、事業所や園の情報を集めます。
応募する園については、必要な応募書類の準備を進めます。 |
10月 ~ 11月 |
応募 ・ 選考 |
求人に応募し、書類選考・筆記試験等(※ある場合)・面接を受けます。面接は複数回にわたって実施されることもあります。 |
10月 下旬 ~ 12月 |
内定 | 4月入職の場合、年内には採用が充足してしまうことが多いため、12月中には内定を獲得している必要があります。また新園の求人については、11月末ごろにはすでに採用者が決まっているケースが多くあります。
内定獲得後は、現職場に正式に退職願を提出し、必要な引継ぎを行ったのちに退職、日程調整のうえ転職先での勤務をスタートします。 |
新年度に向けた採用の場合には、早期に採用活動がスタートする傾向にあります。
また新年度より新たにオープンする新園については、採用スケジュールが既存の園よりも前倒しになる傾向にあり、前年の7月ごろから募集を開始している園も多くあります。
「モデルスケジュールのとおりに活動を行わなければ、転職できない」というわけではありませんが、年内のうちに希望園への応募ができるよう、早めに事前準備を行い、余裕をもって転職活動を進めることが必要でしょう。
「希望園の求人に応募しようと思ったら、すでに採用枠が埋まっていた……」と後悔することがないように、早めに準備しておこう!
年明けの1月以降も、急募などで求人が出るケースもあるから、相談してみるといいわね。
年度の切り替え時には、新年度の職員体制を検討したり、新たな園児の受け入れのために、不足している人員の補充を行う必要があります。
いま働いている園を円満に退職するためにも、早期に内定を獲得し、ある程度余裕を持って退職の意思を伝えることが重要です。
どこが違う?新卒の就職活動との違い
新卒の就職活動では、ある程度一定のスケジュールで選考が進んでいきます。しかし転職活動の場合は、応募受付の時期が決まっているわけではありません。
退職したり産休に入ってしまったりする保育士さんの欠員補充など、急募のケースもあるため、新卒時の就職活動よりもスピーディに選考が進むことが多いでしょう。
いざとなって焦らないよう、やるべきことをしっかりチェックしておこう!
保育士の転職活動「やることリスト」
では、ここからは先ほど紹介した転職スケジュールに沿って、やるべきことを一つひとつ解説していきます。
まずは転職活動のための準備をしよう!
転職活動と聞いて思い浮かぶのは、求人への応募や面接などの選考のイメージでしょう。
しかし本格的に求職活動をスタートする前の「準備」こそが、転職成功のカギとなります。
この時期にやるべきことは、やみくもに求人を探すことではなく転職活動の土台を固めること。
スムーズに転職活動を進めるためにも、しっかりと取り組んでいきましょう。
1:転職の目的を明確にし、意志を固める
当然のことのように思えますが、まずは「転職する」という意志をしっかりと持ちましょう。
「いい求人があれば応募しよう」「機会があれば転職しよう」というモチベーションのままでは、なかなか具体的な行動に結びつきません。
「なぜ転職したいのか」「転職したらどんなことを実現したいのか」といった転職の目的を明確にし、転職の意志を固めることこそ、転職活動の第一歩です。
2:転職時期のめやすを決める
転職の意思が固まったら、つぎに転職する時期のめやすを決めましょう。
具体的な転職時期のめやすがないと、スケジュールが組みづらく、だらだらと転職活動を続けてしまうことにもつながりかねません。
かならずしも予定どおりの時期に転職する必要はないので、いったん「目標」として、転職活動のゴールを設定しておくとよいでしょう。
3:自己分析を行う
自己分析とは、自分自身を見つめなおし、自分が持っている価値観や強み・弱みなどの特徴を知ることです。
たとえば、下記のようなことをノートに書き出してみると、そこから自分がどんな価値観を大切にしているのか/今後どのような価値観を大切にしていきたいのかが見えてきます。
- なぜ保育士になったのか
- どんな保育士を目指したいのか
- 今後の生活において大切にしたいものはなにか
- これまでの仕事でやりがいや喜びを感じたのはどんな場面か
- 自分の性格における長所や短所はどこか
- これまでにおける成功体験
- これまでの業務における失敗体験とそこから学んだこと
自分自身の価値観や考え方の特徴を知ることで、転職活動におけるミスマッチを減らすことができるはずです。
しっかり時間をかけて自分自身と向き合おう!
4:経験や保有スキルの棚卸しをする
これまでの経験やそこから学んだこと、今後の業務に活かせるスキルを整理しておくことも大切です。
かならずしも大きな成果を出したことでなくてよいので、
・これまでに経験した業務
・新卒のときと比べて成長したと思う点はどこか
・得意な業務はなにか
・転職先でも活かせるスキルにはどんなものはあるか
をまとめておきましょう。
5:転職の条件を絞り込む
ここまでに確認してきた「転職する目的」「自分の価値観や強み」「これまでの経験や身につけたスキル」から、転職の希望条件を考えていきましょう。
給与や立地条件などの条件面のことでも、保育理念や実践している教育法のことでも、「人間関係がいい」といったソフト面のことでもかまいません。まずは思いつくことをリストアップしてみましょう。
思いつくかぎり希望の条件を書き出せたら、そのなかからとくに重視する条件を5~6個絞り込みます。そして、絞り込んだ希望条件に優先順位をつけ、表にまとめましょう。

この作業は、これからの転職活動において「軸」となる重要なものです。
優先順位をつけ終わったら、あらためて見直してみて、転職理由や自身の価値観とのあいだに矛盾やズレがないか、しっかりチェックしましょう。
6:応募書類のテンプレートを作成する
転職活動の土台がある程度固まったところで、これから使う履歴書や職務経歴書のテンプレートを作成しておきましょう。
志望動機や自己PRの欄は空欄のままでもかまいません。
基本的な情報だけでも、あらかじめまとめておくことをオススメします。
情報収集をしよう

転職活動に向けた準備が整ったら、いよいよ本格的に転職先の園の求人を探していきます。
効率よく情報を集めるためにも、転職サイトのマッチングメールや人材紹介会社の支援サービス、転職エージェントなども上手に活用していきましょう。

7:転職サイト・人材紹介サービス等への登録
まず、求人情報を集めた「転職サイト」や、自分の希望条件にあった求人を紹介してくれる「人材紹介サービス」などに利用登録をしましょう。
保育士の求人に特化した転職サイトや人材紹介サービスもあるので、複数登録しておくとよいでしょう。
求人数や転職支援サービスの内容など、それぞれメリットも異なるから3つくらい登録しておくのがオススメよ!

なお、転職サイトの場合、登録後には履歴書や職務経歴書の情報をプロフィールとしてマイページに登録したり、希望条件を登録したりする必要があります。
また、人材紹介サービスの場合には、登録後に担当のキャリアアドバイザーから電話やメールで連絡があるので、希望条件を伝える、履歴書・職務経歴書のデータを送るなど、必要な手続きを済ませましょう。
8:気になる園のピックアップ
サイトから求人情報をチェックしたり、キャリアアドバイザーに条件に合う求人を紹介してもらったりするなかで、気になる園をいくつか選びましょう。
求人に掲載されている情報や園のホームページなどをチェックし、希望条件から大きく相違する点がないか確認します。
10:転職フェア等への参加
転職サイトや人材紹介サービスでの求職活動と並行して、保育士向けの転職フェアなどのイベントに参加するのもオススメです。
転職フェアとは、自治体や転職サイト等の運営会社などが主催する転職イベントのこと。
1日で保育士を募集する多くの園の情報を集めることができます。
場合によっては、その場で園見学や面接の予約を取ることもできるため、都合が合えばぜひ参加してみましょう。
11:応募する園の情報を取りまとめる
応募する園が決まったら、求人票やホームページ、園見学でヒアリングした情報をまとめましょう。
ここでまとめた情報をもとに、応募書類に記入する志望動機や自己PRの内容を考えていきます。
いざ、応募・選考へ!

応募の下準備が整ったら、いよいよ求人に応募し、選考へと進んでいきます。
緊張や不安もあると思いますが、頑張って乗り切っていきましょう!
12:応募書類の準備
求人に応募する方法は、インターネットからのエントリーや書類の郵送、キャリアアドバイザーからの紹介など多くの方法がありますが、いずれの場合でも必要になるのが履歴書・職務経歴書です。
この2つの書類は、応募の前に作成しておきましょう。
また、ほかに提出する書類が指定されている場合には、あわせて準備しておくようにします。


13:求人への応募
書類を揃えたら求人に応募します。とくに書類を郵送する場合などは、応募期限に余裕を持って送付するよう注意しましょう。
また書類を郵送した日や、インターネットから応募をした日付は、万一選考結果が届かないなどのトラブルがあった場合に備えて、かならず控えておくようにします。

14:面接準備・面接(見学)
園にもよりますが、書類選考の結果は1週間前後で通知されることが多いでしょう。
選考に通過したら、電話やメールで面接日を調整します。
面接日までの間に、面接に着ていくスーツや靴の準備、履歴書・職務経歴書等の印刷、自己紹介や面接でよく聞かれることに対する受け答え内容の検討など、当日に向けた準備をしておきましょう。
なお、面接とあわせて園見学を実施するケースもあります。求人情報だけではわからない園の雰囲気を知ることができるので、可能な場合は園見学もしておくとよいでしょう。
内定獲得~現職の業務引継ぎ・退職手続き

面接を通過すれば、晴れて「採用内定」です!
しかし、内定を獲得できたこと=転職活動終了ではありません。
いまの職場を円満退職し、気持ちよく新たな一歩を踏み出すためにも、入職まで気を抜かずに取り組んでいきましょう。
15:内定・内定承諾
第一志望の場合、内定を受けたらその場で承諾の意志を伝えることが多いと思いますが、ほかの園の選考結果を待っている場合には、返答を待ってもらえないか、交渉してみましょう。
内定を承諾する/辞退する意志が決まったら、なるべく早く先方に連絡します。
なお、場合によっては口頭での内定承諾後に「内定承諾書」などの取り交わしを行うケースもあります。
16:選考・内定辞退の連絡をする
内定承諾後は、必ず選考中のほかの園に選考の辞退を申し出ましょう。また、ほかに内定を受けている園があれば、早めに辞退の連絡をします。
17:退職願の提出
場合によっては、内定前にいまの職場に退職の意志を伝えることもありますが、一般的には正式に採用が決まってから、職場に「退職願」を提出します。
なお、退職願の提出は現職場の就労規定に定められた期限までに行うのが基本ですが、民法上では退職日の2週間前までに退職の申し入れをすることができると定められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(民法627条1項)
18:業務の引継ぎ
退職までに、必要な業務の引継ぎを行いましょう。
短期間での引継ぎでバタバタしないよう、あらかじめ資料をまとめておくことをオススメします。
職場に保管している私物などは、持ち帰るか処分をし、貸与されていたものはスムーズに返却できるようにまとめておきましょう。
19:退職
退職時には、お世話になった上司や同僚にしっかりとお礼を伝えましょう。
もう来ることはありませんが、あなたを成長させてくれた職場です。感謝の気持ちをもって後にできるとよいですね。
なお、退職の際にはIDカードや健康保険証の返却、職場に提出していた年金手帳の受取りなどを忘れないようにしましょう。
入職・新生活のスタート!
あらたな職場への入職をもって、転職活動のすべての課程が完了します。
入職したら、年金や健康保険の切り替え手続きなどを早めに済ませ、スムーズに新生活をスタートできるようにしましょう。
「スケジュールと情報の管理」が転職成功のカギ

ここまで、保育士さんの転職活動の流れと、やるべきことをお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。
「やることが多くて大変だな……」という印象を持った方もいるかもしれませんね。
しかし、見通しを持って必要な準備を行っていけば、希望する転職に向けて着実に進んでいけるはずです。
最後に、あなたの転職活動のスケジュールにあわせて活用できる、転職活動のチェックリストも紹介しますので、ぜひ活用してくださいね!

在職中の転職活動においては味方をつくることも大切
在職中の転職活動はとくに忙しいもの。行事などを抱えながら求人を探す時間をつくるのも大変です。
そんなときには、人材紹介のキャリアアドバイザーや、転職エージェントなどにぜひ相談してみましょう。きっと忙しいあなたの転職活動の味方になってくれるはずです!
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編集者より

転職活動には不安がつきもの。しかしこれほどまでに自分と向き合い、これからの生き方について深く考える時間はないでしょう。
転職は人生において大きな節目ではありますが、積み上げてきた経験やキャリアがそこで途切れてしまうわけではありません。
転職活動を、過去と向き合い未来をよりよいものにする「ステップ」とできるよう、前向きに取り組んでいきましょう。
あなたの転職活動がうまくいきますように!
保育士の転職活動をもっとシンプルに。「しんぷる保育」

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