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【雨の日の保育も楽しく】すぐに試したくなる遊びを種類別に紹介

戸外活動を日案に入れていた日に朝から雨が降ると、「雨だ。設定保育はどうしよう」と憂鬱になってしまうことはありませんか。しかしこんなときこそ、保育の幅を広げるチャンスです。この記事では、雨の日も子どもが楽しめる遊びを種類別に紹介します。

自由遊びやコーナー遊び以外の遊びも取り入れて、雨の日の保育をバリエーション豊かにしましょう。具体例も紹介しますので、自分なりにアレンジして遊びの引き出しを増やしていってください。

体を動かす遊び

雨の日の保育で頭を悩ませるのが、子どもが思い切り体を動かせない点です。どんな工夫ができるのか、遊びの具体例とともに紹介します。

雨の日も活発に遊ぶために

室内でもしっかり体が動かせる遊びを行うには、事前準備が大切です。園庭や公園は走り回れるスペースの余裕がありますが、室内活動では動ける範囲が限られます。限られた空間を有効に活用しながら、子どもの気持ちを発散させる活発な遊びを実現するために、前もって遊びの案を練っておきましょう。 

必要な音源や遊具を用意し、担任で準備から片付けまでの流れを共有しておきます。安全を確保しながら室内で体を動かす遊びを楽しむためには、事前の準備が欠かせません。

おすすめの体操

体をしっかり動かせる上に音楽の楽しさも味わえる体操は、雨の日にする活動として人気があります。子どもの年齢や好みに合わせて曲を選びますが、どのクラスにもぜひ雨の日にこそ体操してもらいたい曲を紹介します。

シンガーソングライターの新沢としひこさんが作った「あめの日にはあめの歌」です。雨が降る日のうれしさが覚えやすいメロディとシンプルな歌詞で表現されていて、一度聞くと思わず口ずさんでしまう曲です。1歳児や2歳児クラスの子どもでも、すぐ覚えて歌い出します。

新沢さん自身が体操している振り付け動画も公開されていますので、心地よい音楽に合わせて体を動かして楽しみましょう。

参照:あめの日にはあめの歌【CD BOOK あそびうた ぎゅぎゅっ!】

サーキット遊び

サーキット遊びも、雨の日用にアレンジするといつもと違う楽しみ方ができます。ボールプールで水たまりを作ったり、スズランテープで雨のシャワーを降らせたりして、雨を表現したサーキットを作ってみましょう。

子どもに「イルカや魚になってみよう」と伝えると、子どもは雨の中を泳ぐイメージでのびのび体を動かして遊べます。

ごっこ遊び

戸外遊びを楽しみにしている子どもにとって、室内遊びは動きが少なくてつまらないと感じるかもしれません。子どもが「雨の日もワクワクしておもしろい!」と感じられるように、室内遊びの定番であるごっこ遊びを工夫しましょう。

雨の日バージョンでごっこ遊びをするのも楽しい

ごっこ遊びの楽しさは、子どもが自由に想像を広げられる点です。「雨」をテーマに雨の日バージョンでごっこ遊びをすると、子どもは雨のイメージを出発点として想像を広げられます。ごっこ遊びの導入で「あめふりくまのこ」など雨に関する歌を歌って、雨の気分を高めるのも良いでしょう。

雨は身近な自然現象なので、子どもは今までの経験をもとに自分なりの想像を膨らませます。

参照:あめふりくまのこ

ピクニックごっこ

雨の日のごっこ遊びでおすすめは、雨の中へ出かけるピクニックごっこです。雨の日にピクニックに行くことはなかなかないので、ごっこ遊びならではの想像の世界が楽しめます。青いスズランテープで作った雨をくぐって、出発しましょう。

ポリ袋でレインコートを作って着ると、雨降り気分が演出できます。お花紙を丸めたおにぎりやままごとの食べ物でお弁当を作り、レジャーシートに座ってお弁当ごっこもできます。実際にお茶を飲んで水分補給しても良いでしょう。子どもがごっこ遊びを楽しめるように、保育士も自由な発想を広げましょう。

お買いものごっこ

お買い物ごっこを雨の日用に設定を変えると、新鮮な遊びになります。幼児クラスなら、画用紙でお金を作ったり、新聞紙で傘を作ったりする遊びから展開しても良いでしょう。雨の日にお買い物に出かけた場面を再現して、子どもがお店を開いたり、お客さんになって買い物したりして、クラスみんなでやりとりを楽しみます。

保育士がカエルやカタツムリになって買い物に行くと、子どもと楽しい会話が生まれて盛り上がるので試してみてください。

製作遊び

雨の日を製作あそびの時間に充てる場合がよくありますが、毎月の製作物を進めるだけではなく、ときには別の角度から製作あそびをとらえて活動してみるのはどうでしょうか。2つの遊び方を紹介します。

雨の日はじっくり製作遊びができる

雨の日に製作遊びをする利点は、たっぷり時間をとって製作遊びに取り組める点です。普段は子どもがもっとやりたいと思っていても、時間がなく活動を切り上げる場面もありますが、雨の日は時間に余裕を持って設定できます。

雨の日の製作遊びでは、「子どもが好きな遊びをやりきって満足する」ことを活動のねらいとする日を作ってみましょう。折り紙、描画、粘土、ブロックなど、好きな活動を子どもが選ぶのがポイントです。「好きなことができた。おもしろかった」と満足感が残る時間になります。

みんなで大きな作品に取り組む

雨の日に、クラスみんなで大きな作品を作るのも楽しい時間になります。大きな模造紙を準備して、机や床にテープで固定します。絵の具でダイナミックに雨を描いたり、大きな傘の上に色とりどりのシールで雨粒を表現したり、自由な発想でクラスのオリジナル作品を作りましょう。

出来上がった作品は、いつどんな風にみんなで製作したのかの説明を添えて、保護者も見られる場所に飾ると良いでしょう。雨の日ならではの活動を楽しんでいる様子が伝えられます。

集団遊び

ゲーム性があって面白い室内での集団遊びは、子どもが大好きな活動です。友達と遊ぶ楽しさをたっぷり味わえるように援助しましょう。

室内だからこそクラス全体でまとまって遊べる

雨だから遊びに制約があると考えるのではなく、雨だからしやすい遊びもあるとポジティブなとらえ方をしましょう。雨の日の集団遊びは、以下のような戸外遊びにはないメリットがあります。

  • 保育士の声が通りやすいので、遊びの説明がしやすい
  • スペースが限定されているので、子どもが遊びに集中しやすい
  • 集団遊びに入らない子どもにも目が行き届く

簡単なルールのある遊びを楽しむ

雨の日には、室内でしっかりルールを説明できる利点を生かして、簡単なルールの遊びをするのがおすすめです。年齢やクラスの様子に合わせて、どれをやってみるか選んでください。

以下に紹介する集団遊びには、競争や勝敗の要素が含まれています。遊びを通して、友達との関わり方を知り、自分の思い通りにならないときに気持ちを切り替える経験もできます。

  • 椅子取りゲーム 
  • フルーツバスケット
  • じゃんけん列車
  • ハンカチ落とし
  • 宝さがしゲーム

雨を感じる遊び

雨は子どもにとって、生活に密着した身近な自然現象です。保育の中で雨に注目する時間を作り、自然への興味を育てましょう。

雨を観察する

まずは雨を見る時間を作ってみましょう。窓際など雨が見える場所で雨を観察します。激しい雨なら音もしっかり聞こえますし、小雨なら手で触れても良いでしょう。雨だけでなく、空の色や雲の形などについても、晴れているときとの違いが観察できます。

屋根のあるポーチなどぬれずに外に出られるスペースがあるなら、クラスで出てみましょう。葉の上で玉になる雨粒や水たまりにできる波紋など、外にはたくさんの発見があります。

「雨はどこから降ってくるの?」と興味を持つ

子どもに「雨はどこから降ってくるの?」と問いかけてみてください。「空から」と答える子どもが多いかもしれません。さらに「空でどうやって雨ができているのかな」と聞くと、「どうやってだろう」と子どもの中に疑問が生まれます。

雨の日は、ペープサートやパペットで雨はどうやって降るのかを説明するチャンスです。もちろん幼児向けのごく簡単な説明でかまいません。子どもが今まで知らなかったことを知って興味を感じ、さまざまな事象への好奇心を持つような保育をしましょう。

参照:気象庁 雨が降る仕組み 説明 雲の中

容器に雨を溜めてみる

雨を集めてみるのも、雨の日にしかできない面白い遊びになります。子どもに名前を書いた紙コップを渡して、ポーチや園庭の隅に置きましょう。しばらくして紙コップの中に少し雨がたまったら、保育室に持ち帰ります。簡単な活動ですが、子どもにとっては雨の日だからできた印象に残る遊びです。

集めた雨水を使って、にじみ絵をしてみましょう。水性サインペンで書いた絵の上を、雨水を含ませた筆でなぞるだけなので、気軽に取り組める製作遊びです。年長児なら、集めた雨を「あまみず」と呼ぶことも教えると言葉への興味も広げられます。

雨の日の保育で練習したい生活スキル

雨の日の保育で、生活で必要なスキルも練習しましょう。自分でできることが増えると、子どもの自分でしようとする意欲が育ちます。

傘の扱い方を知る

自分で傘を差すのがうれしくて、はりきって傘を差して登園する子どもの姿はほほえましい光景です。雨の日は、傘の使い方を伝えるのに最適なタイミングです。傘を振り回すと周りの人に当たって危険なことや、水滴が飛んでしまうことなど傘のルールを説明しましょう。絵本やパペットを活用すると、子どもも興味を持って聞けるのでよく理解できます。

保育士が実物の傘を使って、目の前で良い差し方をやって見せるのも効果的な方法です。お店や電車では迷惑にならないようにたたんで持つことや、子どもにもできる簡単なたたみ方も伝えます。

濡れた持ち物やロッカーを拭く

雨の日は、登園の際に持ち物がぬれてしまうことがよくあります。雨の日に持ち物がぬれたらタオルで拭くことを説明します。保護者や保育士がその都度拭いているので実際はぬれていない状態ですが、子どもが自分のカバンやロッカーを拭いてみる時間を作りましょう。

ぬれたら拭くというごく当たり前の日常動作も、子どもにとっては新しいスキルです。できることは自分でしようとする気持ちや、自分の身の回りを整えようとする意識を育てましょう。

タオルのたたみ方を知る

雨の日はタオルをよく使うので、タオルのたたみ方も教えましょう。タオルやハンカチをきれいにたたむ習慣は、身の回りへの整理整頓の意識につながります。タオルをきれいにたたんでちゃんとカバンにしまう動作ができるようになると、服や帽子、カバンなど他の持ち物も丁寧に扱えるようになっていきます。

0歳児はどう過ごす?

雨の日の保育園での活動として幼児はいろいろな活動ができますが、0歳児はどう過ごせばいいのでしょうか。0歳児に合った雨の日の活動を紹介します。

言葉がけをたっぷり行う

0歳児の雨の日の過ごし方の1つは、保育士と密に関わりながら言葉のシャワーを浴びることです。戸外に出る予定がなく時間に余裕がある雨の日は、1人ずつに言葉がけを丁寧に行い、子どもが言葉にたくさん触れる時間にしましょう。

家から保育園までの間に、0歳児も雨の日を感じています。雨の降る音、傘に当たる音、雨粒の形、雨の匂い、雨が当たる冷たさなどから雨を感じています。窓際で一緒に雨を見ながら「雨だね」と指差しをしながら話しかけると、雨という場面と言葉がつながります。子どもの五感を刺激し、発語につなげていきましょう。

オルゴールを聞く

雨の日はどのクラスも室内で活動して出入りがないので、いつもよりも園全体が落ち着いた雰囲気になります。その中で0歳児におすすめの活動は、オルゴールの音を楽しむことです。

大きいクラスはピアノやCDで歌を歌いますが、0歳児には刺激が強すぎるので、シンプルなオルゴールの音を聞いてみましょう。オルゴール音にのせて保育士が歌いかけると、子どもはリラックスして情緒が安定します。

ベビーマッサージや触れ合い遊びを楽しむ

0歳児の発達には、保育士とのスキンシップが大切です。雨の日は、ベビーマッサージや触れ合い遊びを楽しみながら、保育士との信頼関係を深める時間にしましょう。わらべうたを歌ったり、くすぐり遊びをしたりして、ゆったり触れ合います。

タオルケットに寝かせて2人の保育士で持ち上げ、静かに揺らすブランコ遊びもおすすめです。子どもの発達に合わせた遊びを取り入れ、雨の日も0歳児の五感に心地よい刺激をたくさん与えて、発達を促しましょう。

雨の日ならではの楽しさを伝える保育を

本記事では、雨の日に子どもが楽しめる活動を紹介しました。子どもの個性や発達はそれぞれですので、クラスの子どもに合わせて担任が内容を変えて工夫してみてください。雨の日が待ち遠しくなるような遊びを準備して、雨の日を子どもと一緒に楽しみましょう。

晴れの日も雨の日も、子どもと一緒に生活する保育士は大変さもやりがいも大きい職業です。自分が納得できる環境で、保育に向き合っていきたいと感じる方も多いのではないでしょうか。新しい環境を探してみたくなったときは、保育士の転職専門メディアで手厚いサポートを利用してみてください。悩んでいるよりも一歩を踏み出してみませんか。


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