保育園の連絡帳は、保育士と保護者を繋ぐ重要なツールです。
家庭での子供の様子を保育士に知らせたり、保育園での子供の成長などを共有するためにとても大切な役割を担っています。
お互いに子供のことを把握しておくことで、保育園の生活で気を付けるべき点や、子供の成長にも気付くことができ、家庭と保育園との双方で協力して育児を行うことができます。
そんな、保育園では欠かせない連絡帳への記入作業ですが、実は苦手・・・という保育士も少なくないようです。たくさんの子供を担当する保育士にとっては、できればスラスラ書くことができたらいいですよね。
では、保護者に伝わりやすい文章をスラスラ書くためにはどうしたらいいのでしょう。
この記事では、連絡帳を書くのがもっと楽しくなる考え方や、書き方のコツなどをご紹介していきます。
保育士の苦手を克服しよう!連絡帳の役割と書き方のコツ
なぜ保育士は、連絡帳を書くことに苦手意識を持ってしまうのでしょう。
そしてそれは、ちょっとした書き方のコツを掴むだけで解決できるので、是非参考にしてみてください。
ではまず、連絡帳の目的や役割について確認しておきましょう。
朝や夕方の送迎時はとても忙しい時間帯。保護者と保育士共にゆっくり話す時間が取れないことが多いため、限られた時間の中で適切に子供の様子を把握する手段として、連絡帳はとても役に立ちます。
子供の生活や、家庭での様子を知る
家庭から子供についての情報を得ることは必要不可欠です。
「今日は少し寝不足気味」「家のトイレでおしっこができた」「昨日家でたくさん叱ってしまった」など、家でどのように過ごしたのか、何があったのかを共有し、それを元に保育園での更なる対応を考えます。ちょっとしたことでも保育をする上でのヒントになるので、情報はなるべく多くキャッチしておきましょう。
保護者とのコミュニケーション
連絡帳は、保育士と保護者との交換日記のようなものです。普段あまり会話はできなくても、連絡帳でのやりとりを重ねていくうちにお互いの信頼関係が深まって行きます。中には口頭ではなく、文章の方が色々話やすいという保護者もいるでしょう。
毎日の子供の小さな変化に気付き、それを報告してくれる保育士は保護者にとってとても大きな存在です。育児の悩みや困っていることなど、どんなことでも気軽に相談できるような関係でいられることが理想的ですね。
そして、相談された際には一緒に真剣に向き合っていく姿勢がとても大切です。信頼関係を築くことは、子供のことを第一に考えながら、保育のプロの目線で保護者の悩みを解決してあげることでもあります。連絡帳には、相談しやすいきっかけ作りを担っている側面もあります。
トラブルを防ぐ
たくさんの保護者の対応をする中で、「それは聞いた」「それは聞いていない」というすれ違いが起こってしまうこともあるかもしれません。
保育園の生活上での事はもちろん、子供のケガ、薬の管理、アレルギーなど、とても大事な連絡事項についても、後々トラブルにならない為にも気になる事はすぐに連絡帳で共有して確認し合いましょう。
保育士自身の整理に役立つ
子供の成長記録である連絡帳には、保育をする上で参考になる様々な情報が書かれています。
子供によって成長の速度やできることが違うので、一人ひとりに合った育児方針を考えたり成長を振り返ることができるのは、連絡帳の大きな役割でありメリットと言えます。
保育士が連絡帳に苦手意識を持つ理由
文章を書くことが苦手
連絡帳もデジタル化が進み、スマートフォンやパソコンで管理する時代。文章を書くという作業に慣れていない保育士も少なくありません。子供の様子を思い出しながら、それを手書きで書くだけで時間がかかりますし、長くて分かりづらい文章になってしまうことも。新人保育士の場合は特に、自分一人では文章の良し悪しの判断がしづらいため、周りにサポートしてもらうことも必要です。
書くことが浮かばない
保育士が記入する欄は「連絡事項」や「備考欄」となっていることが多く、その書き方にルールや決まりはありません。だからこそ、何を書いたらいいか悩んでしまいますよね。保護者にしっかり伝わるようにと考えれば考えるほど、手が止まってしまうのも無理はありません。
トラブルにならないか不安
連絡帳は基本的に一人で自分の言葉を記入します。この言葉遣いで大丈夫か、連絡漏れはないか、など心配になり書くことが億劫になってしまうこともあるでしょう。
直接口で伝えるのとは異なり、文字だけで何かを相手に伝えることは難しい作業です。そのため、文章を考えるのに慎重になりすぎて時間がかかり、苦手意識が生まれてしまうのかもしれません。
保育士必見!連絡帳の書き方のコツやポイントを押さえよう【例文あり】
連絡帳を書くときに意識したいことは、「返事→報告→褒める」です。
この3つを意識すると、スラスラ文章が書けるようになります。
順番に説明していくので参考にしてみてください。
【返事】書き出しは、保護者への返信にする
まず書き出しは、保護者からのコメントに対する返事を書くといいでしょう。
例)
明日はお休みします→「ご連絡ありがとうございます。承知しました。」
朝ご飯をたくさん食べました→「〇〇ちゃんえらいですね!今日も元気いっぱいで良かったです」
今日は朝からご機嫌斜めです→「そうだったのですね。保育園ではいつも通り楽しく遊べました!」
といった具合に必ずレスポンスします。うっかりスルーしてしまうことのないように注意してください。自分の書いたことに対して何かしらのコメントが返ってくれば、保護者は安心するでしょう。
そして、連絡事項の他に悩み事や相談に対する返信の場合は、保護者の気持ちを汲み丁寧に返すように意識します。
【報告】子供が何をして過ごしたか詳しく伝える
子供を預けている親は、我が子が保育園でどのように過ごしているのか?を一番知りたいはずです。
そのため、ここはより詳しく書くのがベターです。
例)
「おもちゃで遊びました」
→「電車のおもちゃを、手を使い上手に走らせていました」
「お庭で遊びました」
→「お庭では真っ先にブランコへ。その後、滑り台をやりたいと言ってたくさん滑っていました」
「給食は完食しました」
→「炊き込みご飯が気に入ったみたいで、口に入れるとおいしいと言って嬉しそうにモグモグ食べてあっという間に完食しました」
上記のように、具体的に保護者が生活の様子をよりイメージしやすい言い回しにしましょう。
何人もの子供の様子を観察するのは大変ですが、全てを覚えておく必要はありません。一人ひとりの様子を“ピンポイントに絞って見ておく”だけで連絡帳の記入がスムーズに進みます。
親はどんなに小さいことでも知りたいと思っているはずなので、ちょっとした出来事でも積極的に報告しましょう。
締めくくりは【褒める】
最後の締めくくりは、子供の成長が感じられるようなポジティブな表現が望ましいです。
子供がしたこと、できたことに対して「さすがですね」「上手になっていますね」「すごいですね」と、前述の【報告】の延長で褒めるのも良いです。
保護者に「お子さんはきちんと成長していますよ」と前向きなメッセージを届けてあげると、保護者も自信が付き嬉しいものです。後で見返した時にも、とても気持ちのいいものになるでしょう。
それに付随して、保育士自身がどう思ったのか?を記述する方法もおすすめです。
「私も嬉しい気持ちになります」「〇〇ちゃんの笑顔がたくさん見られて良かったです」「私も元気をもらいました」など、自分の気持ちをしっかり伝えることで共感性が増し、信頼を得られやすくなります。
連絡帳を書く時に気を付けたい注意点
ケガやトラブルなどは直接伝える
子供がケガをしてしまった、友達とトラブルがあった等の場合は、降園時あるいは電話で、必ずその日のうちに直接伝えるようにしましょう。連絡帳にも書いて伝えたい事を整理しつつ、直接伝えるのでもいいです。
事の大小に関わらず、保育園で起きたことは全て保育園側の責任です。誠意を持って謝罪し、今後の対応を考える必要があります。
ただし、友達と喧嘩をしてその後仲直りができたエピソード、成長を感じられた事などは連絡帳に書いても問題ないでしょう。
ネガティブな内容は書かない
日々の生活の中で、子供が問題行動を起こしたり言う事を聞かないことがありますが、そういったマイナス面を連絡帳に書くことは避けましょう。ネガティブな出来事を文字だけで伝えようとすると、誤解を招いたりトラブルの原因になりやすいため、必要だと思うことは直接口で伝えるようにします。
連絡帳は子供の成長や喜びを共有するものとして活用していきましょう。
綺麗に丁寧に書く
これは社会人の基本ですね。
ずっと形として残る思い出のノートですから、いつも綺麗な字で丁寧に書くことを心掛けましょう。
保育で忙しい中、たっぷりの時間をかける事はできませんが、一人ひとりの連絡帳と向き合う時間を大切にしたいですね。
まとめ
保育士にとって、毎日連絡帳を記入する作業は、時間的にも精神的にも負担がかかる大変な仕事です。そのため、苦手意識を持ってしまい雑になりがちに。
でも、実はそれは保護者も同じかもしれません。
毎朝、子供の身支度をしながら連絡帳を書くのはとても大変です。自由欄に何も書いてこない保護者もいるでしょう。そんな時は、保育士が保護者の気持ちに寄り添って労いの言葉をかけてあげましょう。
担当の保育士との連絡帳のやりとりを、毎日に楽しみにしている保護者もいるはずです。
今回ご紹介した書き方のポイントを是非、参考にしてみてください。
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