子どもの保育業務において、子どもたちが遊びに集中していたり、子ども同士でおしゃべりしていたりすると、なかなか集中して保育士さんの話を聞いてくれない場面があるかもしれません。
そのとき、どのような話し方で子どもたちが聞く姿勢になってくれるのか悩んでいる保育士の方も多いでしょう。
名前を一人ひとり呼んだいったり、声に抑揚をつけたりなどの工夫をして、子どもたちを惹きつけるとスムーズに話の雰囲気づくりができるかもしれません。
今回は、具体的にどのような話し方が子どもたちを惹きつけるのか、現場で役立つ話し方のコツを詳しく紹介します。
保育士の話し方の基本
子どもが話を聞く雰囲気づくりをするうえで重要なのは、保育士の方が話し方のコツを理解することです。
要点を押さえれば、実習中や入職後に子どもたちが落ち着いて話を聞いてくれないときでも、スムーズに保育業務を進められるかもしれません。
下記では話し方の基礎について解説していきます。
わかりやすく伝える
子どもが理解できて、集中してお話を聞けるように、わかりやすく伝えることが大切です。
話が長くなってしまったり、5歳児向けの言葉を3歳児に話しても理解が難しかったり、3歳児向けに5歳児に話して接してしまえば、「そのくらいわかるよ」と思われてしまいます。
そのため、年齢にあった要点を絞ったうえで、簡潔に伝えることが大切です。年齢にあった言葉遣いや声のトーン、スピードにも注意して話すことが大切です。
担当するクラスの子どもの年齢や様子をみて、どんな内容にすれば話を聞いてもらえるかを、頭の中で整理しておくと良いでしょう。
聞こえやすい大きな声
保育士は大人数の子ども達が外で遊んでいたり、遊戯室でバラバラに遊ぶ子どもたちを集合させるために、どこにいても聞こえるくらいの大きさで声を出す必要があります。
特に、緊急事態が発生して子ども達に危険を知らせる場合などには、よく通る声や大きな声を出すが必要です。
大きな声が出せない、声の大きさに自信がないという人は、お腹から声を出すために発声練習をしてみましょう。
命令口調を避けて話しかける
保育士の話し方のコツとして特に重要なのが、命令口調を避けて子どもに話しかけることです。
何度呼んでいても聞いてもらえないときに、「〇〇しなさい」「〇〇してはいけません」と、
否定的な言葉や命令口調になった言葉を言いがちになるかもしれません。
しかし命令口調は、子どもの発言や行動や発言の自主性を損なってしまう恐れがあるため、基本的には使わずに、ポジティブな声掛けをすることがが大切です。
上から押さえつけるように話すのではく、「今は〇〇の時間だよ」「〇〇してくれたら、先生は嬉しいな」といった、子どもが自発的に意識を向けられるように話し方を意識して話しましましょう。
楽しみなことが目の前にあると、子どもたちは惹きつけられて、行動の切り替えが早くなるかもしれません。
月齢に合った話し方
保育士でも、常に赤ちゃん言葉を使って子どもたちと話しているわけではありません。
言葉に興味を持ち始めている月齢の子どもには、正式な言葉を教えてあげる必要がありますし、幼児には語彙力を高めるために、あえて難しい言葉で説明することなどもあります。
上手な話し方を学んでいくためには、月齢に合った話し方を意識して話していくことが大切です。
保育士の話し方のコツ
保育士は子どもとお話するときに、ただ一方的に説明していても、子どもたちはあまり耳を傾けてくれないかもしれません。
子どもたちを惹きつけて話をうまくするために、下記では話し方のコツについて解説していきます。
声に抑揚をつけて話す
朝の会などの大人数の子どもには、言葉によって声の大きさに抑揚をつけてみましょう。
「〇〇クラスのみんなー」を大きな声で話して、「〇〇先生の声が聞こえるかな?」は小さな声で言います。
この際に頬の前で両手をパーにして大きめにアクションをするなどの動作をすると効果的です。
ただ声に出して言うだけでなく動作を取り入れることで、気になっている子どもたちが保育士へ注目します。
保育士が楽しそうにすると子ども達も笑顔で応じてくれるので、明るい雰囲気でお話をすることが出来ます。
子どもの反応を見ながら、バランスを取ると子どもが集中しやすくなのでオススメです。
子どもたちに問いかける
子どもたちに問いかけることがコツとして挙げられます。
保育士や実習生の方が一方的に話したいことを説明していても、子どもたちは興味がなければあまり耳を傾けてくれずに、他のことを気にかけてしまうかもしれません。
そのため、話の途中で子どもたちに問いかけて、声を引き出すようにします。
そうすることで、自然と子どもが参加して話を聞く姿勢になるでしょう。
また、問いかける以外にも会話のキャッチボールを意識して、次の活動に関するクイズを取り入れて話すと良いでしょう。
間をあける
話し方のコツの三つ目は、間をあけて話すことです。
一つ目のコツで説明した「抑揚をつける」ことにもつながりますが、話が途切れることなく進むと単調で平坦な印象となります。
一方、ところどころに間を挟むようにすれば全体のテンポがよくなり、子どもたちが聞きやすく、最後まで聞いてくれるかもしれません。また、「次に何を言うのかな」という期待感をもたせることができ、子どもが自ら話を聞く姿勢をつくることにもつながりそうですね。
お話しを聞けたらたくさん褒める
子どもが話しを聞くことができたら褒めるということも大切です。
「やったね!今日はみんながしっかりお話しを聞けてえらいね!」などと伝えてあげましょう。
そうやって話しをしていくことで、子どもは嬉しくなり、より信頼関係を築くことができます。
子どもと遊んで信頼関係を築く
子どもが話しを聞いてくれるようになるためには、子どもと仲良くなっていくことが大切です。
そのためには一緒に遊んだりして、信頼してもらいましょう。
子どもたちとたくさん遊ぶことによって、話しを聞いてくれるようになるはずです。
雰囲気づくりのポイント
保育士の話し方だけでは、子どもたちが話しを聞いてくれるようにはなりません。
子どもが集中できる環境を整えることも、話す上ではとても大切です。
下記ではそんな雰囲気づくりについての解説をしていきます。
大きな声と小さな声を使い分ける
保育士には注目を集めるために大きな声を出すこと必要ですが、大きな声ばかりでは子ども達が聞き慣れてしまい話を聞いてくれなくなってしまいます。
保育園で行う朝の会の活動で落ち着きがない雰囲気だった場合、「みんなー」などと大きな声で呼びかけている園なども多いと思います。
そういった場合、反対に「重要なことは小さな声でお話する」といったテクニックを使ってみるのがおすすめです。
子どもたちの意識をこちらに向けるために、あえて小さな声で話し始めてみましょう。
子ども同士でおしゃべりしていた子どもたちも、保育士さんや実習生さんが話していることに気がついて、声を聞こうと静かになってくれるかもしれません。
そこから小さい声で話始めていけば、自然と集中して話を聞く姿勢が作れているようになるかもしれません。
少しザワザワした雰囲気のときには、静かに手遊びを始めるのもおすすめです。
一人ひとりの名前を呼ぶ
保育士はたくさんの子どもを相手にしなければなりません。
そのため、子どもの名前を一人ひとり呼んで雰囲気づくりをすることも、話を聞いてもらう上でとても大切です。
歌の歌詞の一部を子どもの名前にアレンジして順番に呼んだりして特別感を与えてあげれば、「いつ自分が呼ばれるんだろう?」とワクワクして保育士の話を聞いてくれそうです。
また、「インタビューごっこ」などの遊びの中で、一人ひとりに「〇〇くんは、どんな色が好きなのかな?」などと聞いていけば、次の活動への意欲を高められます。
子どもの後ろに興味があるものを置かない
子どもたちの後ろや目線の先に、好奇心がそそられるようなものは置かないようにしましょう。
例えば、子どもたちが好きなおもちゃがたくさん置いてあったり、好きな絵本などが置いてあるのは、子どもが集中できないので注意しましょう。
先生のお話に集中してもらうために、後ろに置くものはあらかじめ整えておくようにしましょう。
静かな環境を作る
先生のお話に子どもたちが集中できるように、静かな環境を整えておきましょう。
そうすることで、子どもがお話を集中して聞くことができます。
聞いていない子ども、こそこそお話している子どもには「お話を聞きましょうね」と優しく伝えましょう。
また、子ども同士でトラブルが起こらないように間隔をあけておくのが良いと思います。
適度な距離があれば、もめることなくお話を聞いてもらうことができます。
まとめ
子ども達は感受性が豊かなので、雰囲気によって気持ちも一変します。
信頼関係が浅いうちは、保育士を無視したり、試すような行動をする子どもがいるかもしれませんが、楽しい雰囲気をつくれば、子ども達も安心でき、信頼関係もより深まっていきます。
なので、子どもたちとたくさん遊んでいって、向き合ってくるうちに簡単な声かけで、子どもたちが話を聞いてくれるような変化が現れてきます。
また、簡単な手遊び歌を取り入れたり、わざと小声で話したりして、落ち着いた雰囲気を作ることも注目を集めるうえでのポイントになります。
今回紹介した実践できる話し方のコツを活かしてみましょう。
しんぷる保育では、各地域の特性を熟知した就職アドバイザーが、あなたに合った保育士求人を提供します。登録や相談の段階から入職に至るまで完全無料で保育士の転職を徹底サポートしています。ぜひあなたも安心安全な環境のもとで、保育士に挑戦してみませんか。
相談だけでも無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。