転職活動において避けては通れない「面接」。
採用に直結する選考だけに、「面接官はどんなところをチェックするの?」「いったいなにを聞かれるんだろう」「うまく質問に答えられるだろうか……」と不安を抱えている保育士さんも多いことでしょう。
今回はそんな保育士さんが、自信を持って面接に挑むことができるよう、プロのキャリアアドバイザーのアドバイスをもとに、面接対策のポイントをお伝えしていきます!
【面接直前チェックに……】
▼「面接で見られるポイント」を確認したい方はコチラ
▼「よくある質問と回答例」を確認したい方はコチラ
面接は転職活動における「最大の関門」

「人柄の良さ」や「コミュニケーション能力」が必要とされる保育士さんの選考において、面接はもっとも重要なステップです。
転職を希望する保育士さんにとっては、最大の関門と言えるでしょう。
だからこそ面接当日に向けてしっかりと対策を行い、心構えをしておくことが必要です。
面接であなたの魅力を最大限に伝えられるよう、いっしょに面接対策のイロハを学んでいきましょう!
面接対策でやるべき7つのこと
ひとくちに「面接対策」と言っても、やるべきことはひとつではありません。
具体的には、以下の7つのことを意識しながら準備を行っていきましょう。
- 面接で見られるポイントをチェックする
- 面接を受ける園の情報を確認しておく
- よく聞かれる質問の回答を準備しておく
- 面接官の逆質問の対応を検討する
- 面接時のマナーをチェックする
- 模擬面接などのシミュレーションを行う
- 当日の服装・持ちものを確認する
「やることが多くて大変だな……」と思うかもしれませんが大丈夫!
ここからは一つひとつの項目について、やるべきことを確認していきましょう。
【1】面接でチェックされるポイントを知ろう

まず、面接対策の大前提として面接官があなたのどんなところをチェックしているのかということを知っておく必要があります。
面接官の注目するポイントに沿って、受け答えの内容やふるまい方を検討することで、相手の疑問や懸念点を解消し、あなたの魅力や熱意をより強く伝えることができるでしょう。
保育士さんの面接において、必ずチェックされるポイントは、以下の5つです。
子どもや保護者と密に接する保育士にとって、「人柄のよさ」が感じられることは欠かせないポイントです。
笑顔が見られるか、受け答えに誠意を感じられるかなどがチェックされます。また、立ち振る舞いや服装などの印象も重視されるでしょう。
入職後、ほかの職員と協力し合って働けそうか、保護者対応を安心して任せられるだけのコミュニケーション能力があるかがチェックされます。
園の理念や保育方針と、求職者の考え方との間にミスマッチがないかが見られます。
場合によっては、「ほかの職員の雰囲気と合うか」「既存職員の年齢層と著しく差がないか」など、応募者側では対策が取りづらい点をチェックされるケースもあります。
これまでの経験や保育者としてのスキルを確認し、園が求める条件を満たしているかどうかが見られます。
ただし、必ずしも「経験が浅い=不採用」となるわけではなく、ほかのチェックポイントや仕事に対する姿勢や熱意などによっては、若干経験やスキルが不足していても、採用となる可能性もあります。
この園で働きたいという熱意を持っているか、前向きに仕事に取り組んでくれそうかという点が注目されます。
また、長く働き続けてくれそうかという点もチェックされるため、退職理由やキャリアビジョンなども問われることになるでしょう。
大切なのは、相手が知りたいのはどんな情報なのか、「この人といっしょに働きたい」と思ってもらうためには、どんな受け答えをしたらよいかを考えることです。
新卒の面接とのチェックポイントの違いに注意!
新卒採用と中途採用とでは、面接官のチェックポイントにも違いがあります。
たとえば、身だしなみ・言葉遣い・基本的な応対マナーなどは、社会人経験のある保育士さんの面接においては「できて当然のこと」と評価されます。
逆に言えば、そのような基本的な部分で悪い印象を与えてしまうと、中途採用の面接においては致命的なダメージになりかねないので注意しましょう。
【2】面接を受ける園の情報はしっかり確認を!

面接でチェックされるポイントを押さえたら、続いて面接を受ける園の情報をしっかり確認しておきましょう。
求人情報に掲載されている内容だけでなく、園や運営母体のホームページ、あればブログやSNSなどもひととおり目を通しておくと、園の保育に対する考え方を理解したり、自分が共感できるポイントを確認したりするのに役立つはずです。
とくに以下の情報は、できるだけチェックしておきましょう。
- 園・運営母体の理念や保育方針
- 特徴的な取り組み(英語教育・リトミックなどがあれば)
- 求人情報(処遇・求める人物像など)
- 年間スケジュールと行事
- 1日の保育の流れ
- 系列園の情報(異動の可能性を知るため)
- 園までのアクセス・所要時間
【3】よく聞かれる質問の回答を用意しておこう

ここからは、保育士さんの面接でよく聞かれる質問を確認していきましょう。
面接の場では、多くの人が緊張してしまうもの。あらかじめよくある質問に対する回答を準備しておくことで、少しでもリラックスして本番に挑めるようにしましょう。
①自己紹介をしてください/これまでの経歴を教えてください
面接がスタートして最初に聞かれるのが、あなた自身について問う質問です。
まず氏名を名乗ってから、1分程度をめやすに自分の経歴やこれまで努力してきたことなどをまとめましょう。
〇〇〇〇(氏名)と申します。
本日は面接の機会をいただき、ありがとうございます。
私は〇〇短期大学の保育科を卒業後、いまの職場である〇〇保育園に入職し、5年間保育士として勤めてまいりました。
これまでに3歳~5歳児クラスの担任を任され、子ども達が本来持つ力や、育ちつつあるものを「伸ばす」保育をするために尽力しております。
学生時代から趣味で絵画を学んできたこともあり、製作の時間には子ども一人ひとりの想像力や表現力を引き出す工夫を凝らし、展示会では多くの保護者にも喜んでいただきました。
貴園でもいままでの保育経験を活かし、スキルをさらに磨いていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
あまり長々と職歴を語ったり、志望動機や自己PRを盛り込んだりするのは避け、短めにまとめるとよいでしょう。
保育園の場合、先方の園の敬称としては書面・口頭ともに「貴園(きえん)」を使います。
ただし、運営母体全体での選考を行う場合、株式会社などでは「貴社(きしゃ:書面)」/「御社(おんしゃ:口頭)」を、社会福祉法人などでは「貴法人(きほうじん:書面)」/「御法人(おんほうじん:口頭)」を使います。
②志望動機を教えてください
志望動機は、面接において必ずと言ってよいほど問われます。
「なぜその園なのか」「これまでの自分の経験やスキルを入職後どのように活かせると思うのか」という視点を持って、熱意・やる気を伝えましょう。
私はこれまで、園児定員100名という大規模な園で勤務してまいりました。
大規模園ゆえに行事なども盛大に行われ、やりがいを感じる部分もあったのですが、保育士として子どもと向き合ううちに、一斉保育や行事の準備に力を入れる以上に、もっと一人ひとりの子どもの気持ちや想いに寄り添う保育がしたいと感じるようになりました。
小規模保育を実践され、「子どもの力を信じる保育」という理念を掲げられている貴園であれば、子ども達に寄り添う保育を実践しながら、自身のスキルを高めていけるのではと思い、志望いたしました。
「働きたい」という思いで園を見てみれば、おのずと魅力的な点も見つかるはず。
園の理念や方針をしっかりチェックしたうえで、自分なりの志望動機を導き出しましょう!
応募書類に記載した志望動機と、面接で話す内容との間に食い違いが生じないように注意しましょう。
また、書類に書いたままの文章を読み上げるのではなく、事例などを交えて変化をつけると、志望動機に説得力を持たせることができます。

③自己PRをお願いします
自己PRを求められる場合には、求職者が園の考え方や求める人物像とマッチしているかがチェックされます。
これまでの功績や得意なことを羅列するだけではなく、園に対するアピールポイントを厳選して伝えるようにしましょう。
私は小さい頃からピアノを習っており、これまでの保育においても歌や音楽を取り入れた活動に力を入れてきました。
手遊び歌や童謡はもちろん、ときには実際に楽器に触れる機会を設けて、みんなで演奏を楽しんだり、手作りの楽器作りにつなげたりと、発展的な保育にもつなげられるように工夫しています。
音楽は、子ども達が体全体で感じることができ、誰もが自由に表現する機会を与えてくれるものです。
貴園では毎週リトミックの時間を設けているとのこと。ピアノ演奏の技術や、これまでの保育において工夫したことを活かし、子ども達の笑顔につなげていきたいと考えております。
大切なのは経験やスキルを入職後にどう活かせるのかということをきちんと伝えること。
小さなことでも構わないので、面接を受ける園で活かせるあなたの「強み」を見つけましょう。
志望動機との間に矛盾が生じていないかも重要なポイントとなります。

④転職を検討する/退職した理由は?
転職/退職の理由も、中途採用の面接ではよく問われます。
面接官がその質問を投げかける大きな理由は、「採用後、早期に退職してしまうリスクをはかるため」。とくに転職回数が多い場合には、慎重にこれまでの転職理由がチェックされるでしょう。
これまで5年間勤めた保育園は、0~2歳児を預かる小規模保育施設でした。成長著しい乳児期の子ども達と関わることができたことは、私にとって大きな学びとなり、日々やりがいを感じてきました。
しかし5年間働いてくるなかで、私がまだ経験できていない幼児期の子どもの保育にも携わり、より保育知識を深めてスキルアップしていきたいと考えるようになりました。
今後のキャリアを考えるうえでも、0歳から5歳児まで幅広く子ども達と関わることのできる環境でチャレンジしてみたいと思い、転職を決意しました。
しかし、面接ではその本心をそのまま伝える必要はありません。
「辞めたい/辞めた理由」を「その園に転職したい理由」に置き換えて考えてみると、前向きな回答を導き出せるでしょう。
⑤保育士を目指した理由は?
保育士の面接ならではの質問として、保育の道を目指したきっかけを問うものがあります。
新卒向けの質問と捉えられがちですが、中途採用の面接でも頻繁に問われる内容なので、初心に立ち戻って思い返しておきましょう。
私の家は両親共働きで、幼いころは弟といっしょに、近所の叔母の家に預けられていました。
叔母の家には幼い3人のいとこ達がいて、私はよく年下の子ども達の面倒を見ていたものです。
日中両親が傍にいないことで「寂しい」という気持ちはありましたが、弟やいとこのお世話をしたり、いっしょに遊んだりすることは不思議と苦にならず、むしろ「楽しい」と感じていました。
そんな経験から、漠然と「将来は子どもに関わる仕事に就きたい」と思っていたのですが、中学生のときに職業体験で訪れた保育園で、ある保育士さんが「保育士は子どものお世話をしたり、遊んだりするだけではなく、子ども達の成長を見守り、支え、未来につなげていく仕事なんだ」と話してくれたのです。
その保育士さんの誇りに満ちた姿は私の憧れになり、保育の道を目指すようになりました。
あなただけのエピソードを、素直な気持ちで伝えましょう。
⑥保育士として心がけていることはありますか?
あなたの保育スタイルや価値観を確認するための質問です。
園の考え方と合うかどうかもチェックされるため、ミスマッチがない回答を意識しましょう。
私は、子ども・保護者・ともに働く保育士など、どんな人と接する際にも「相手に敬意をもって接する」ことを心がけています。
私は、長年保育士として働いてきたなかで、この仕事においてもっとも大切なのは「対話」であると考えています。たとえば、保護者の気持ちや苦労を考えずに、保育士としての意見を押し付けたり、子ども達に対して「まだ子どもだから」と適当な対応をしたりしていては、相手が心を開いてくれず、きちんと「対話」をすることができません。
だからこそ、相手が大人であっても子どもであっても、敬意を持って接する姿勢を忘れないようにしたいと思っております。
面接官がイメージしやすいよう、具体例やエピソードを交えながら話すとよいでしょう。
⑦あなたの長所と短所を教えてください
長所と短所を問われる場合、単に長所・短所を挙げるだけではなく、あなたが自分の短所をどのようにカバーしようとしているのかを伝えましょう。
私の短所は、人一倍心配性なところです。
いっぽうで、心配性だからこそ行事の準備を入念に行ったり、ケガのないように保育環境を見直したりすることができており、そのことは私の長所のひとつだとも感じています。
確認事項や準備をしっかりと行うことで心配を軽減し、子ども達が安全に楽しく日々を送れるように尽力していきたいと考えております。
ただし、「人とコミュニケーションを取るのが苦手」「協調性がない」というような短所の場合は、保育士の仕事において致命傷となりかねません。面接では避けるのが無難でしょう。
⑧その他よく聞かれる質問例
保育士の面接においては、ここまでに紹介した質問のほかにも、次のようなことがよく聞かれます。
必ずしもすべての質問に回答を準備しておく必要はありませんが、もしも聞かれた場合にはどんなことを話すか、おおまかにイメージしておくとよいでしょう。
【4】「逆質問」の対処法を検討しよう

面接において聞かれやすい質問をチェックするとともに、「なにか質問はありますか?」と面接官から逆質問された際の対処法も考えておきましょう。
逆質問を受けた際に「とっさに聞くことが思い浮かばず、気まずい雰囲気になってしまった……」ということがないよう、面接の前にいくつか質問を用意しておくとよいでしょう。
あなたの意欲や前向きな姿勢が伝わるような質問を考えておきましょう。
質問したい内容がすべて面接のなかで明らかになってしまった場合に備えて、面接官個人に投げかける質問も用意しておくと安心です。
【5】面接時のマナーをチェックしよう

面接で話す内容がある程度固まったら、続いて面接当日のマナーを確認しておきましょう。
面接で緊張したり、準備した回答のことで頭がいっぱいになっていたりすると、基本的なマナーがおろそかになってしまいがち。
「あたりまえのことだから大丈夫」と思わず、しっかり頭に入れておきましょう。
【6】面接シミュレーションをしよう

ここまで面接の質問に対する回答の準備や、当日のマナーの確認を行ってきましたが、面接当日までに、できれば友人や家族に面接官役となってもらい、シミュレーションをしてみましょう。
もしも練習相手の手配が難しいようならば、鏡などを前にして練習してもかまいません。
面接当日に話す内容をきちんと声に出す、会場における動きを実際に行ってみることが大切です。
面接前に少なくとも一度は、実際に声に出して練習しておくことをオススメします!
模擬面接を実施してくれる転職支援サービスも
人材紹介サービスを利用して求人に応募した場合には、電話などで模擬面接を行い、キャリアアドバイザーからアドバイスを受けることもできます。
キャリアアドバイザーはいわば転職活動のプロフェッショナル。面接突破を目指す保育士さんにとって強い味方になってくれるはずです。
【7】面接当日の服装・持ちものをチェック!

面接日が迫ってきたら、当日着用するスーツや靴、鞄の確認を行うとともに、持ちもののチェックをしておきましょう。
持ちものは以下のリストを参考に、前日までにしっかり揃えておくようにします。
- 履歴書・職務経歴書などの応募書類(提出が必要な場合は2部)
- 求人票のコピー
- 会場までの経路メモと印刷した地図
- 採用担当者の名前・緊急連絡先のメモ
- 筆記用具(メモ・ボールペンなど)
- 財布(現金・クレジットカード・交通系ICカードなど)
- 時計
- スマートフォンなど
- ハンカチ
- ポケットティッシュ
- 化粧道具(ファンデーションなど/女性)
- 鏡
- くし
- エチケットブラシ
- 予備のストッキング(女性)
- ソーイングセット
- 携帯用スリッパ
- 下足袋
編集者より~自信を持って面接に挑もう!

面接を直前に控えると、緊張感や不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。
しかし、面接を受ける園のことを調べ、質問に対する回答を考え、面接のマナーをチェックし……と入念に面接対策を行ってきたあなたの努力は、きっと面接官にも伝わるはずです。
どうか笑顔を忘れず、自分に自信を持って面接に挑んできてくださいね!
あなたの転職活動の成功を心から願っています。
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