保育園ではたくさんの種類のヒヤリハットがあるのを知っていますか。保育士で働く人も、保育園に子どもを預ける人も保育園で働く人もどんなヒヤリハットがあるかを知っておくことはとても重要です。
そこで本記事では、保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例を場面別にそれぞれ解説します。保育士で働く人も、保育園に子どもを預ける人はぜひ参考にしてみてください。
ヒヤリハットとは
ヒヤリハットは、トラブルの予兆や危険な状況に気づくことを指します。ヒヤリハットは、事故やトラブルを未然に防ぐために非常に重要な情報源となります。もしヒヤリハットを無視してしまうと、事故やトラブルが起こる可能性が高まります。そのため、ヒヤリハットを見逃さずに報告し、共有することが求められます。
ヒヤリハットを報告することで、他の保育士や保護者も同じような危険な状況に気づくことができ、保育園全体の安全意識が高まります。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例:給食
ヒヤリハットはさまざまなシーンでよく起こります。ここでは、保育園で実際に起こった給食のシーンでのヒヤリハットを3つ紹介します。
・喉に給食を詰まらせそうになった
・咀嚼をあまりせず吐き出しそうになった
・アレルギーを発症しそうになった
下記では、それぞれのヒヤリハットについて解説します。
喉に給食を詰まらせそうになった
子どもの口はまだ小さいため、給食の食材が大きすぎたり、柔らかすぎたりしたことが原因で、喉に詰まらせてしまうことも少なくありません。子どもの安全にとって食事が喉につまることは、とても重大な問題です。
保育士は、子どもたちが喉に給食を詰まらせないように注意喚起を行いましょう。保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例は宮城県が出しているヒヤリハット事例集を参考にしています。
咀嚼をあまりせず吐き出しそうになった
子どもたちが食事の時間に咀嚼をせず、食べ物を吐き出すことは、よくある事例です。早く遊びたくて食事を詰め込む子どもが多く、その結果吐き出してしまうことも保育園ではよく起こります。食べ物を細かく砕くことで、消化を助けるので咀嚼をよくする教育が必要になります。
また、咀嚼は食物を細かく砕くだけでなく、唾液の分泌を促し、消化酵素の働きを活性化させる役割もあります。食べ物を飲み込むことで食道に詰まりやすくなる可能性があるため、注意が必要です。
アレルギーを発症しそうになった
アレルギーを持つ子どもが給食を摂取すると、アレルギー反応が起こる可能性があります。給食には、子どもの成長を考えて、さまざまな栄養素を持った材料が使われているため、アレルギーを持つ子どもの保護者は、事前に園に報告しておく必要があります。
また、他の子どもと同じ校庭で作られた給食を食べることで、交差感作が起こり、アレルギー症状が悪化する可能性もあります。誤ってアレルゲンを含む給食を提供すると、重篤なアレルギー反応が起こる可能性もあります。したがって、アレルギーを持つ子どもには特別な配慮が必要であり、給食の提供や食事の管理には細心の注意が必要です。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例:昼寝
給食のシーンでのヒヤリハットは理解できたかと思います。次に、保育園で実際に起こった昼寝のシーンでのヒヤリハットを3つ紹介します。
・乳幼児突然死症候群になりそうになる
・熱中症になりそうになる
・窒息しそうになる
下記では、それぞれのヒヤリハットについて解説します。
乳幼児突然死症候群になりそうになる
乳幼児突然死症候群は、1歳未満の乳幼児が突然死亡する症候群です。具体的な原因はまだ明確にはわかっていませんが、睡眠時の窒息や脳の発達の問題が関与している可能性があります。
この症候群を予防するためには、安全な寝具を使用し、寝かしつけ時の姿勢に注意することが重要です。これらの予防策を実践することで、乳幼児突然死症候群のリスクを減らすことができます。
熱中症になりそうになる
昼寝をする際には、特に夏場や暑い場所では室温が上昇しやすくなり、熱中症のリスクが高まる可能性があります。そのため、室温の管理には注意が必要です。また、昼寝中には水分補給も重要です。体内の水分が不足すると熱中症になるリスクが高まるため、昼寝前後に十分な水分を摂るようにしましょう。
さらに、昼寝中は体温調節がうまくできないこともあります。昼寝をする際には、室温の管理や子どもたちの水分補給、体温調節に十分な注意を払いましょう。
窒息しそうになる
子どもが昼寝中に枕や布団に顔を埋めると、酸素が不足し窒息の危険性があります。保育士が子どもの寝姿勢を確認せずに放置すると、子どもが窒息する可能性があるため注意が必要です。
また、昼寝中に子ども同士が押し合いなどの遊びをすると、誤って顔を押し付けられて窒息する危険性があるので保育士はこれらの危険性がないかを確認して子どもたちの昼寝をサポートしましょう。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例:屋内遊び
屋内遊びのシーンでもヒヤリハットは多数存在します。ここでは、室内保育園で実際に起こった屋内遊びのシーンでのヒヤリハットを3つ紹介します。
・紙で指を切りそうになる
・おもちゃを誤飲しそうになる
・ドアに手を挟まれそうになる
下記では、それぞれのヒヤリハットについて解説します。
紙で指を切りそうになる
お絵描きなどで紙を使って遊んでいる最中に指を切りそうになることもあります。このヒヤリハットは、保育士が子どもの遊びを見守っていても気付くことは困難です。特に子どもの指は大人よりも皮膚が薄いため注意が必要です。これらの対策としては、硬いかみを園においておかないことが挙げられます。
おもちゃを誤飲しそうになる
子どもがおもちゃを誤って口に入れると、窒息の危険があります。おもちゃが気道に詰まると、酸素が不足し、窒息する可能性があります。また、おもちゃが消化器官に詰まると、腸閉塞を引き起こす可能性もあります。
これは、おもちゃが腸内で詰まり、食べ物や消化液が通過できなくなる状態です。さらに、おもちゃが有害な物質を含んでいる場合、中毒のリスクもあるためおもちゃの誤飲はなんとしても避ける必要があります。
ドアに手を挟まれそうになる
屋内遊びでのヒヤリハットでドアに手を挟まれそうになることもよく挙げられます。子ども同士で遊んでいる時にドアを閉めると近くにいた子どもの手が挟まれることがあります。子どもはドアを閉める時の力加減がまだわからず、強く閉めることも多いので、保育士は、ドア付近で子どもが遊んでいるときは特に注意が必要です。
また、ドアに手を挟むと子どもの成長しきっていない骨はすぐに折れてしまいます。骨折してしまうと保護者からのクレームにもつながってしまいます。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例:屋外遊び
保育園で1番ヒヤリハットの危険が潜んでいるのは屋外遊びです。保育園で実際に起こった屋外遊びのシーンでのヒヤリハットを3つ紹介します。
・走ってこけそうになる
・園庭の外に出そうになる
・砂が目に入りそうになる
下記では、それぞれのヒヤリハットについて解説します。
走ってこけそうになる
外遊びの時間は子どもたちにとってとても楽しい時間です。友達と鬼ごっこをして走り回ってこけることもよくあります。子どもたちはこけることに慣れていますが、こけて怪我をして体内に菌が入ってしまう場合もあります。
菌が繁殖すると病気の原因となってしまうため保育士は、早めの応急処置が求められます。また、このような事故の対策として、子どもが走る時に周囲の障害物や地面の状態に注意を払うことが挙げられます。
園庭の外に出そうになる
外遊びの際に、子どもが誤って園庭の外に出てしまいそうになることはヒヤリハットの中でも特に危険です。園外に出ると、子どもが車に轢かれてしまったり、行方不明になってしまう可能性もあるため保育士は特に注意が必要です。怪我などは処置が行えますが、園庭の外でのトラブルは対処できないことも多くあります。
交通事故などは、園児の命にも関わってくるので子どもたちが簡単に園庭の外に出れないようにしましょう。
砂が目に入りそうになる
外遊びで砂が目に入ることは珍しくありません。特に砂場で遊んでいるとよく砂が目に入ってしまいます。また、子ども同士で砂のかけ合いを行うことも多いのでその際は、保育士の指導が大事になってきます。対策としては、風の強い日は砂場で遊ぶのを禁止することで砂が目に入ってしまうヒヤリハットを減少することができます。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例:不審者
保育園で実際に起こった不審者に関するヒヤリハットを2つ紹介します。
・保育園に侵入されそうになる
・盗撮されそうになる
下記では、それぞれのヒヤリハットについて解説します。
保育園に侵入されそうになる
小さな子どもたちにとって不審者はとても怖い存在です。保育園で不審者に侵入された時のための訓練が定期的に行われています。また、不審者は、保育園や子どもたちにとって非常に危険であり、保護者や関係者にとっても大きな心配事です。保育園では、子どもたちの安全を最優先に考え、不審者の侵入を未然に防ぐための対策を徹底する必要があります。
盗撮されそうになる
保護者が保育園の周辺で不審な人物を見かけ、警察に通報した際に盗撮犯だったことが判明した事件がありました。小さな子どもを対象とした犯罪は多いので、保護者や職員の迅速な行動や、警察の協力が大切になってきます。このように、保育園では、子どもたちの安全を守るために、怪しい人物に対して注意が必要です。
保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例から考えられる対策方法
ここまで5つのシーンでよく見られるヒヤリハットを紹介しました。最後に、保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例から考えられる対策方法を5つ紹介します。
・子どもたちに注意喚起を徹底する
・保育士は役割分担をする
・保育士間で情報共有をする
・保護者と情報共有をする
・子ども目線で確認する
下記では、それぞれの対策について解説します。
子どもたちに注意喚起を徹底する
保育士は子どもたちに具体的な例を挙げながら、危険な行動や場所について説明し、注意喚起を行う必要があります。道路での遊びや車道に飛び出すこと、高い場所での遊びや登ることなど、子どもたちが危険にさらされる可能性のある行動や場所を具体的に説明します。
日々の注意喚起を徹底していれば、子どもたちにも危険性が伝わり、ヒヤリハットの発生数も減少します。
保育士は役割分担をする
保育士は、子どもたちの安全を確保するために、常に見守りや監視を行うことでヒヤリハットの発生を防ぐことができます。子どもたちが危険な状況に巻き込まれないように注意深く見守り、必要な場合には適切な対応を取ります。また、保育士は子どもたちの健康管理も求められます。
子どもたちの食事や睡眠を管理し、バランスの取れた食事や十分な睡眠を提供することで、健康な成長を促します。さらに、保育士は子どもたちの成長を促すために、遊びや学習の計画や指導を行います。保育士は、子どもたちの全面的なサポートを提供し、子どもたちが安全で健康的に成長するための環境を整える重要な役割を果たしています。
保育士間で情報共有をする
ヒヤリハットの対策法として、保育士間で情報共有をする ことが挙げられます。保育施設で働く保育士たちは、定期的にミーティングを行い、情報を共有します。このミーティングでは、保育の進捗状況や子どもたちの様子について話し合い、必要な情報を共有します。
また、連絡帳やメールなどのツールを使って、保育士同士で情報を共有することもあります。これにより、保育士たちは日々の保育の様子や子どもたちの成長について把握し、適切なケアを提供することができます。
保護者と情報共有をする
保護者とのコミュニケーションもヒヤリハットの対策として重要です。定期的に面談を行い、子どもの様子や進捗を報告することでヒヤリハットの予防につながります。また、保護者向けのメールやSNSグループを活用して、日々の保育の様子やイベント情報を共有することもあります。
子ども目線で確認する
子どもたちが安全に遊べるかどうかを確認するためには、まず周囲の環境をチェックする必要があります。遊び場の設備や遊具が安全かどうかを子ども目線で確認し、不具合や危険な箇所があれば子どもたちに使用させないようにしましょう。また、子どもたちが自分たちで安全に遊べるようにするためには、ルールやマナーを教えることも重要です。
遊び場でのルールや交通ルール、他の子どもたちとの関わり方などを教えることで危険な遊びを防ぐことができます。また、危険な行動や遊び方についても指導し、自己防衛の意識を高めます。
まとめ
本記事では、保育園で実際に起こったヒヤリハットの事例を場面別にそれぞれ解説しました。保育園にはたくさんのヒヤリハットがあることが理解できたかと思います。子どもたちが安心して保育園に通うために、どんなヒヤリハットがあるかを知っておくことはとても重要です。
保育園に子どもを預ける人や、保育園で働く人は、ぜひ、本記事で解説したヒヤリハットの対策方法を実践してみてください。
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