転職ノウハウ

保育士の定年はいつなのか。保育士の現状と定年までの働き方を解説

保育士の仕事は、子どもたちの成長を間近で感じられる魅力的なものです。しかしその一方で、長時間労働や体力的な負担が伴うことも少なくありません。そこで多くの方が気になるのは「定年」の問題です。保育士の定年は公務員や会社員と同様に定められています。

では、保育士は実際にはどれくらいの年齢まで現場で活躍しているのでしょうか。また、定年を迎えるまでの働き方やキャリアプランはどのように考えたらいいのでしょうか。本記事では、保育士の現状をもとに、定年までの働き方について解説します。

保育士の定年

保育士の定年は公立か私立かによって変わります。ほとんどの園で定年制度を設けています。公立と私立、それぞれの定年について確認しましょう。

公立保育園の定年

公立保育園は各市町村が運営しているため、保育士は地方公務員です。地方公務員の定年は2023年4月から61歳に引き上げられました。よって2023年現在の公立保育園の保育士の定年は61歳です。今後は2年ごとに1歳ずつ定年が引き上げられ、2031年度には定年が65歳となります。

また、公務員には再任用制度があるため、定年以降も働けます。その場合は退職時の定年年齢によって選択肢が分かれます。いずれを選択しても、公務員として働けるのは65歳までです。

61〜64歳定年・定年年齢まで勤務+暫定再任用・定年年齢前まで勤務+定年前再任用短時間勤務+暫定再任用
65歳定年・定年年齢まで勤務又は定年前再任用短時間勤務

参照:公務内で働く(人事院)

私立保育園の定年

私立保育園は社会福祉法人や民間企業などが運営しているため、定年年齢を決めるのは運営者です。よって私立保育園の保育士の定年年齢は保育園によって変わります。公立保育園と同様に60歳を定年とし、その後は再雇用制度を設けているところが多いです。雇用形態も保育園によって異なるので、それぞれの保育園で確認する必要があります。

保育士の年代別の数

出典:厚生労働省 保育士の現状と主な取組

保育士を年代別にみると、職員の約半分が40歳未満です。保育士は若い人が多いといえるでしょう。しかし、60歳代で5.7%、70歳以上の職員も0.7%の一定数が勤務していることが分かります。働き方によっては、定年以降も働ける仕事といえそうです。

保育士が定年前に退職してしまう理由

保育士は若い人が多く、定年前に退職する人が多いようです。なぜ退職してしまう人が多いのでしょうか。令和元年に行った東京都の調査からは次のような理由が報告されています。

引用:厚生労働省 保育士の現状と主な取組

保育士が定年前に退職してしまう理由はさまざまですが、退職理由として多かった次の6つについて詳しく解説します。

  • 職場の人間関係
  • 給料の安さ
  • 仕事量の多さ
  • 労働時間の長さ
  • 妊娠・出産
  • 体力を含む健康上の理由

職場の人間関係

保育士に限った話ではありませんが、職場の人間関係に悩んで退職する人が最も多いようです。職員の90%以上が女性という保育園も多く、女性だけの職場特有の悩みもあるのでしょう。年代のばらつきもあり、若い世代は多いですが40歳以降は少なくなっていくため、同世代がいないという心細さもあるかもしれません。

また、保育士は同じクラスを複数人で担当します。同じクラスを担当する保育士とは、ほぼ1日中一緒に過ごさなければなりません。同じクラスを担当する人との相性が悪いと職場は居心地が悪くなってしまいます。その結果退職してしまう人もいるようです。

給料の安さ

給料の安さは保育士の課題ともいわれています。保育士の平均年収は330万円ほどです。全職種の平均年収が500万円ほどなので、比較すると年収は低いといえます。経験を積めば給料もアップしますが、業務量は多く責任も重くなっていきます。労働時間や仕事内容を考えると、割に合わないと考えてしまうのでしょう。

参考:厚生労働省 保育士の平均賃金

仕事量の多さ

保育士の仕事は多岐に渡ります。受け持つ子どもの年齢にもよりますが、体力的にも精神的にも大変なことが多いでしょう。0歳児を受け持った場合、日常的に次のような仕事があります。

  • オムツ交換をする
  • 離乳食を与える
  • 散歩をさせる
  • 寝かしつけをする
  • 保護者への連絡を細かく記入する
  • 保育室の片付けをする
  • 職員同士で打ち合わせをする
  • 保育日誌などの書類を書く

これらの日常的な仕事に加え、発表会の準備や運営、壁面装飾や事務仕事など突発的な仕事もあり、仕事量は多いです。

労働時間の長さ

公立保育園では1日7時間45分勤務という自治体が多く、私立保育園は1日8時間勤務が多いです。保育園は早朝と延長保育を含めると、1日に12時間ほど開園しているので、保育士はシフトを組んで勤務します。早番・中番・遅番とシフト制にしている園が多いですが、子育て中や介護中の保育士の中では、ライフスタイルと合わない場合もあるようです。

また、2019年の厚生労働省の調査では、保育士は月に4時間程度残業していると報告されました。調査の結果だけをみると、労働時間はそこまで長くはありません。しかし、サービス残業や持ち帰り仕事をしている保育士が多いのが事実です。掲示物や発表会前の準備などは通常の業務内では難しく、結果的に労働時間は長くなってしまうようです。

妊娠・出産

保育士の仕事は体を使うことが多く、妊娠中に通常の業務ができない場合があります。周りの保育士と助け合えればよいのですが、人手不足だと妊娠中も無理をして通常の仕事をしなければいけません。

また、出産後は育児休暇が取得しにくい雰囲気の保育園もあるようです。その理由の一つは、在籍する保育士の大半が女性で、出産する年齢層が多いという点です。複数の保育士が同時期に休暇をとるとなった場合、保育園の運営は厳しくなるでしょう。理由の二つ目は、代わりの保育士が見つかりにくい点です。保育士が不足している現状で、期間限定の人材を確保するのは難しいでしょう。

体力を含む健康上の理由

乳児を抱っこしたり、幼児と一緒に遊んだりと、保育士は体を使う仕事が大半です。安全に気を配りながら、子どもたちの相手をしなければなりません。1日の体力の消耗は激しく、体力的な限界を感じる人もいるようです。

また、保育士は乳幼児を抱っこやおんぶしたり、子どもの相手をする際に身をかがめる姿勢をとったりします。保育園の水飲み場や机なども低く設計されているため、腰や膝に持病を抱えてしまう場合もあります。

定年までのさまざまな働き方

20代30代のうちは、クラス担任を受け持って全力で働けるでしょう。しかし、40代を過ぎてくると、体力や労働時間などの面から、それまでの働き方は難しいと感じる人もいるようです。保育士の働き方は一つではありません。定年まで無理なく働くために、多くの選択肢を知っておきましょう。

担任をもたずに働く

担任保育士ではなく、フリー保育士としての働き方があります。担任保育士には、書類作成や日々の保育計画、保護者対応、行事の準備など多くの仕事があります。そのため、労働時間が長くなり、仕事内容の負担も大きいです。一方、フリー保育士は担任をもたないため、書類作成や保護者対応などが軽減されます。

フリー保育士の仕事内容は、担任保育士の補助です。業務内容はさまざまですが、主な仕事内容は以下のようなものです。

  • 子どもたちの活動のサポートをする
  • 急な欠勤などで保育士が足りないクラスのサポートをする
  • 行事の準備や運営などを手伝う
  • 書類作成を手伝う

保育園によっては、早朝保育や延長保育、子育て支援担当などを任されることもありますが、勤務時間内で仕事が終えられるメリットがあります。

正規ではなく、パートや派遣などで働く

正規職員以外に、パートや派遣などさまざまな就業形態があります。正規職員は安定した収入や雇用などのメリットがありますが、その分大きな責任も伴います。仕事内容も多いので、労働時間も長くなります。

パート職員は正規職員よりも勤務時間が短い場合が多いです。育児などを理由に短い時間で働きたい場合はおすすめです。仕事内容も担任をもつことは少なく、書類作成なども補助的に行うだけでいいので、子どもたちと多くの時間を過ごせるでしょう。担任をもたない場合も多いので、より多くの子どもたちと関われます。

派遣の場合は、保育園に雇用されるのではなく、派遣会社に雇用される形態です。給与も保育園からではなく派遣会社から支払われます。雇用期間もさまざまで、3ヵ月など短期の場合もあれば、年単位で長期の場合もあります。

管理職を目指す

保育園の運営に関わりたいという人は、管理職を目指す道もあります。保育園の管理職は園長や主任保育士などです。管理職になると、現場で働くというよりは、現場の保育士の指導や管理、園全体の運営が主な仕事内容となります。

園長の主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 園の運営方針の決定
  • 経費や職員の給与などの資金管理
  • 行政や地域との連携
  • 安全管理
  • 園や地域の行事への出席
  • 保護者対応
  • 保育士の管理

保育園の園長は、園の代表として他の保育園や、学校、行政などと携わります。園全体の管理責任者でもあるので、広い視野をもっていなくてはいけません。

主任保育士の主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 園長のサポート
  • 保育士全体の指導やサポート
  • 行事の企画・運営
  • 保育計画等の作成
  • 保育士の勤務体制の管理
  • 保護者対応
  • 備品の管理

主任保育士は、保育士全体のサポートを行います。園全体の運営がスムーズに行われるように気を配らなくてはいけません。

違う保育園へ転職する

現在の保育園の人間関係や勤務体制などに不満がある場合は、他の保育園に転職するのもいいでしょう。保育園によって職場の雰囲気も勤務体制も異なります。複数の保育園を見学したり、違う保育園で働いている保育士に話を聞いたりし、自分に合った保育園を見つけましょう。保育士の転職サイトも充実しているので、転職も難しくはありません。

保育士の資格を活かして保育園以外で働く

保育士の資格は保育園以外でも生かせます。保育園以外の保育施設や福祉施設、子どもに関わるサービスを提供する企業などで働けます。

  • 企業内保育
  • 病児保育
  • 児童館
  • 子ども向けの習い事の講師
  • 託児ルームのスタッフ

子どもと関わる仕事はたくさんあるので、保育園に限定せずに働くのもいいでしょう。

定年後に保育士の資格を生かした働き方

共働き家庭は増えており、保育士の需要は高まっています。定年後も保育士の資格を生かして働くことは可能です。保育士の資格を生かした働き方を紹介します。

ベビーシッター

ベビーシッターは家庭に伺い1対1の個別保育を行います。家庭の方針や子どもの性格などをふまえて対応していかなければなりません。自宅以外でも、習い事や児童館、戸外遊びなど、さまざまな場所での対応が必要です。1対1での関係なので、子どもとの関係が重要です。また、保護者との連絡も密にとる必要があり、細やかなサービスが求められるでしょう。

児童指導員

児童指導員は、児童福祉施設を利用する子どもの育成を支援します。児童発達支援や放課後等デイサービスなどで勤務にあたります。仕事内容は、子どもへの療育や保護者の相談対応などです。施設によって仕事内容は変わりますが、保育士の経験を生かして働けるでしょう。

保育園での再雇用

保育園は人材が不足しているため、再雇用は受け入れてもらいやすいでしょう。退職前に所属していた保育園での再雇用が一般的です。同じ法人が複数の保育園を運営している場合は、他の保育園での勤務が可能な場合もあります。希望がある場合は園長に相談してみましょう。

保育士が定年後の働き方で気を付けること

保育士として定年後も働くにあたり、気を付けなくてはいけないこともあります。定年後も無理なく働くために、次の2つについてよく考えておきましょう。

健康面を考える

保育士の仕事は子どもと関わることが基本です。子どもと一緒に過ごしながら子どもたちの安全を守らなくてはいけません。そのため、子どもと一緒に遊んだり、もしもの時に瞬時に動ける体力が必要です。自分の健康状態を考えて、勤務体制などを管理職と交渉しましょう。大事なのは、働き続けられる環境をつくることです。

年金受給など収入を考える

年金は定年後65歳から受け取れますが、75歳まで繰り下げ受給を選択することもできます。年金を受け取りながら働くか、年金を繰り下げて保育士の収入で生活するかを考える必要があります。また、厚生年金に加入するかどうかによっても、勤務の仕方が変わるので、よく考えて決めましょう。

まとめ

ここまで保育士の現状と定年までの働き方についてご紹介しました。現状では定年前に退職する保育士は多いですが、働き方を見直せば定年まで十分に働くことが可能です。定年後も保育士の経験を生かした働き方の選択肢があります。将来を見据えて保育士としてどのような働き方が合っているのかを考えていきましょう。


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