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園外保育のねらいを行き先の選び方や実施する際の注意点と合わせて解説

なぜ、保育施設では、園外保育を実施しているか知っていますか。子どもを保育施設に預けている人や保育士として勤務している人は、園外保育のねらいを知っておくことはとても重要です。

そこで本記事では、園外保育のねらいや実施する際の注意点などを解説します。子どもを保育施設に預けている人や保育士として勤務している人はぜひ参考にしてみてください。

園外保育とは

まず、園外保育にはどんなものがあるか知っていますか。ここでは、園外保育の種類を3つ紹介します。

・散歩

・遠足

・野外体験

下記では、それぞれについて詳しく解説します。

散歩

園外保育は、保育園や幼稚園などの施設の外で行われる保育活動のことです。主に散歩が園外保育の一環として行われます。散歩中、子どもたちは外の自然環境を体験することができます。周囲の景色や音、匂いなどを感じ取りながら、自然とふれあうことで感性や観察力を育むことができます。

たとえば、公園や森林などでの散歩では、子どもたちは木々や花々、鳥のさえずりなどを見聞きすることで、自然の美しさや生命の営みに触れることができ、自然への興味や関心を深めることができます。また、自然の中での活動は子どもたちの体力や運動能力の向上にも役立ちます。園外保育は、子どもたちの成長や学びを促進する貴重な機会となります。遠足

園外保育では遠足もよく行われます。遠足は子どもたちが学びや体験を通じて成長する貴重な機会です。遠足では、自然や社会の中での観察や体験活動が行われます。これらの活動は子どもたちの興味や好奇心を刺激し、新たな発見や学びをもたらします。

また、園外保育では施設内では得られないさまざまな刺激や体験ができるため、子どもたちの感性や社会性の発達にも大きく影響します。園外保育は子どもたちの成長を促す重要な要素であり、保育の幅を広げるためにも積極的に取り入れられています。

野外体験

園外保育では野外体験も行われます。野外体験では、川に入って水遊びをしたり、虫を捕まえにいったりと自然に直接触れ合うことで、感性や創造力を育みます。自然の中での遊びや探究活動は、子どもたちの好奇心を刺激し、自主性や問題解決能力を養います。

自然の中での学びは、子どもたちにとって貴重な経験となり、豊かな人間性の形成にも影響します。自然環境を活用した教育方法は、言葉で伝える教育とは違った学びを提供できるため、とても重要な教育の1つだといえます。

園外保育では、日常的活動と非日常的活動があります。以下では、園外保育の活動実態を表にまとめているのでぜひ、参考にしてください。

参照:園外保育における安全確保体制に関する研究

園外保育のねらい

では、園外保育にはどのようなねらいがあるのでしょうか。園外保育のねらいについて4つ紹介します。

・興味や関心を育む

・コミュニケーション能力を育む

・子どもたちの五感を育む

・社会性を育む

下記では、それぞれのねらいについて解説します。

興味や関心を育む

子どもたちの興味や関心を引き出すには、自然や動植物に触れることが最適です。自然の中で遊んだり、植物や動物を観察したりすることで、子どもたちは自然界の不思議さや美しさを体験することができます。また、園外の環境や風景を見ることも重要です。新しい場所や風景を見ることで、子どもたちは好奇心を刺激されます。これにより、子どもたちの学ぶ意欲が高まります。

コミュニケーション能力を育む

園外保育では、自然環境や他の子どもたちとの関わりを通じて、コミュニケーション能力を育むことができます。自然の中での活動や遊びを通じて、子どもたちは自己表現や意思疎通の方法を学び、コミュニケーション能力を向上させることができます。たとえば、自然の中での探検やゲームでは、自分の考えや感じたことを表現し、他の子どもたちと共有することができます。

また、グループ活動や協力プレイを通じて、子どもたちはお互いに意見を出し合い、協力して目標を達成する経験を積むこともできます。これらの経験を通じて、子どもたちはコミュニケーション能力を発展させることができます。

子どもたちの五感を育む

子どもたちが自然の中で遊ぶことは、五感を刺激し、発達を促す素晴らしい機会です。森や公園で遊ぶことで、木々の香りや鳥のさえずりを感じることができます。また、土や石に触れることで触覚を磨き、観察力や集中力を養うことができます。

さらに、花や葉っぱの色や形を観察することで美的感覚を養い、創造力や想像力を育むことができます。したがって、自然の中で遊ぶことは、子どもたちの成長にとって非常に重要であり、心身の健全な発達を促すことができます。

社会性を育む

園外保育は、子どもたちが集団で行動する機会を提供することで、社会性を育むことに繋がります。園外保育では、公園での遊びや外出先でのイベントなど、子どもたちは一緒に遊びながらコミュニケーションや協力をすることが求められます。また、園外保育では子どもたちが自分の意見を表現する機会も与えられます。

どこに行くかや何をするかについての意見を出し合い、グループで意見をまとめることがあります。さらに、他の子どもたちとの意見の違いを尊重することも大切です。園外保育を通じて、子どもたちは自己表現や他者との関わり方を学び、社会性を育んでいきます。

園外保育のねらいを踏まえて行き先を選ぼう

園外保育では園外保育のねらいを踏まえた行き先設定が大切になります。ここでは、園外保育の行き先選びについて3つ紹介します。

・園外保育に向いている場所

・園外保育は下見が重要

・悪天候の場合

下記では、それぞれについて解説します。

園外保育に向いている場所

保育士は園外保育を通じて、子どもたちの感性や創造力を育む必要があります。感性や創造力を育むのに適している場所は、自然環境が豊かな場所が挙げられます。子どもたちは木々や花々、川や池などの生物や植物に触れることができ、自然の中での活動や遊びを通じて、子どもたちは自然のルールも学んで行きます。

また、園外保育では、安全な環境が重要です。交通量の少ない場所や危険のない場所が適しています。公園や森林公園などは、広いスペースがあり、子どもたちが自由に遊ぶことができます。

園外保育は下見が重要

園外保育の行き先を選ぶ際には、事前に下見をすることが重要です。下見をすることで、選んだ場所の周辺の交通量や道路の状態、施設の設備や安全対策などをチェックしておきましょう。

また、子どもたちが興味を持つことで、保育活動のモチベーションも高まるため、園外保育の行き先選びはかなり重要になります。下見をすることで、安全かつ興味深い場所を選ぶことができると、園外保育も成功しやすくなります。

悪天候の場合

悪天候の場合は園外保育を中止する必要があります。大人にとっては問題のない天候であっても、子どもたちにとっては危ない場合もあります。子どもたちが駄々をこねることもありますが、1番優先すべきなのは子どもたちの安全です。そのためにも、少しでも悪天候だと感じたら早急に園外保育を中止しましょう。

園外保育のねらいを踏まえて準備をしよう

園外保育のねらいを踏まえて準備をすることも園外保育を成功させるためには重要な要素です。園外保育の準備について3つ紹介します。

・保育士で役割分担を決めておく

・園外保育のしおりを作成しておく

・園外保育の概要を保護者へ知らせておく

下記では、それぞれの準備について解説します。

参照:厚生労働省:保育科学研究第4巻.indd

保育士で役割分担を決めておく

保育士の役割分担を決めておくことは、効率的な園外保育の準備をするために重要です。一人が物品の準備を担当し、他の人が保護者との連絡を取り、さらに別の人が子どもたちの安全を確保するなど、各保育士が明確な役割を持つことで、連携がスムーズになります。

役割分担をすることで、保育士の負担も軽減されます。それにより、保育士はより集中して自分の役割に取り組むことができ、安全かつ安心な園外保育を実施することができます。

園外保育のしおりを作成しておく

園外保育を実施する際には、しおりを作成しておくことが重要です。しおりには、保護者への説明や同意の確認、行程やスケジュール、持ち物や服装の指示などを明確に記載しておきましょう。これにより、保護者や関係者が園外保育の目的や内容を理解しやすくなり、円滑な実施が可能となります。

保護者への説明や同意の確認は、園外保育の目的や内容を正確に伝えるためには、欠かせません。行程やスケジュールの記載は、子どもたちがどのような活動を行うのかを把握しやすくするために重要です。

また、持ち物や服装の指示は、子どもたちが必要なものを持参し、適切な服装で参加できるようにするために必要です。しおりを作成しておくことで、保護者や関係者とのコミュニケーションがスムーズになり、円滑な園外保育の実施が可能となります。

園外保育の概要を保護者へ知らせておく

園外保育の準備として、園外保育の概要を保護者へ知らせておくことが挙げられます。 保護者には、この園外保育の意義や価値を理解してもらうために、目的や内容を説明します。具体的な日程や場所、持ち物などの詳細も伝えることで、保護者は子どもの準備や安全面に配慮した対策を行うことができます。

さらに、園外保育のルールや注意事項も伝えることで、保護者は子どもに適切な行動やマナーを教えることができます。保護者の協力とサポートがあれば、子どもたちは安心して園外保育に参加することができます。

園外保育のねらいを踏まえて実施するときの注意点を考えよう

子どもたちの安全を考えた園外保育を行うためには、事前に注意点を知っておく必要があります。ここでは、園外保育を実施するときの注意点を3つ紹介します。

・子どもたちの健康状態をチェックしよう

・保育士の体制を整えよう

・人数確認を頻繁に行おう

下記では、それぞれの注意点について解説します。

子どもたちの健康状態をチェックしよう

子どもたちの健康管理には、いくつかのポイントがあります。体温を測定し、発熱や体調不良の兆候があれば早めに対応することが重要です。また、食事や水分摂取状況も確認し、栄養バランスや水分補給が適切に行われているかを確認します。

さらに、皮膚や目の状態もチェックし、アレルギー反応や感染症の症状がないかを確認します。これらの活動を行うことで、子どもたちの健康状態を適切に管理し、早期に問題を察知して対応することができます。

保育士の体制を整えよう

保育施設では、児童の安全を確保するために、適切な保育士の配置が重要です。保育士の数は、児童の人数や年齢に応じて適切に調整する必要があります。また、保育士のスキルや経験も考慮し、役割分担を行うことで、児童の成長や発達に適した保育環境を提供することができます。

さらに、保育士同士のコミュニケーションを円滑にすることも重要です。連携を図ることで、情報の共有や問題の解決がスムーズに行われ、児童へのサポートがより効果的になります。保育士同士の協力と連携は、児童の健やかな成長に欠かせない要素です。

人数確認を頻繁に行おう

園外保育では、頻繁に人数確認を行うことが重要です。子どもたちの安全を確保するためには、正確な人数把握が必要になります。人数が把握できていないと、子どもたちの行方不明や事故のリスクが高まります。また、保育士と子どもたちが離れないように手を繋いでの移動も大切になります。

たくさんの子どもたちの面倒を見ないといけない保育士にとって、園外保育は、とても大変な行事ですが、子どもの成長を感じられたり、無事に園に戻って来れた時の達成感は保育士にとってのやりがいを感じる場面でもあります。

園外保育で予想されるトラブル

園外保育にトラブルはつきものです。園外保育で予想されるトラブルを2つ紹介します。

・怪我をする

・熱中症になる

下記では、それぞれのトラブルについて解説します。

怪我をする

園外保育先での公園や遊び場で遊ぶ際には、遊具や環境には注意が必要です。たとえば、滑り台やブランコなどの遊具は、滑りやすくなっていたり、壊れていたりすることがあります。また、地面が凸凹していたり、石やガラスが散乱していたりすることもあります。これらの危険な箇所に触れると、怪我をする可能性があります。

また、他の子どもたちとの衝突やけんかによっても怪我をすることがあります。また、木登りや岩登りをしている最中に転倒したり、滑って転落したりすることがあります。

熱中症になる

長時間屋外で活動すると、体温調節がうまく機能せず、熱中症のリスクが高まります。熱中症は、体内の温度が上昇しすぎて体が正常に機能しなくなるのでかなり危険です。また、水分補給が不十分な場合、脱水症状が起こります。

脱水症状は、体内の水分が不足している状態で、これも熱中症のリスクを高めます。日陰での適切な休憩は、体温を下げるために必要です。これらの要素に注意し、園外保育につきものの熱中症を予防しましょう。

園外保育から園に戻ってきたらすること

園外保育の効果を高めるには園に戻ってからの作業も大切になります。ここでは、園外保育から園に戻ってきたらすることを2つ紹介します。

・子どもたちに園外保育で起きたことを絵などで表現させる

・園外保育の反省をして次回に活かす

下記では、それぞれについて詳しく解説します。

子どもたちに園外保育で起きたことを絵などで表現させる

子どもたちには園外保育での出来事を絵などで表現させることが重要です。絵を通じて子どもたちは自分たちの経験や感情を思い出し、表現することができます。絵は言葉だけでは伝えきれない感情や経験を表現する手段となり、他の子どもたちの園外保育の出来事について理解し、共感することもできます。

園外保育の反省をして次回に活かす

園外保育の目的や目標を振り返り反省をすることは、次回の園外保育に活かすためにとても重要です。保育内容やプログラムの改善点を洗い出し、次回の計画に反映させることで、より良い園外保育を提供することができます。また、子どもたちの感想や意見を聞くことで、子どもたちの声を反映させることができます。

まとめ

本記事では、園外保育のねらいや実施する際の注意点などを解説しました。園外保育が子どもたちにとってどのような影響があるかが理解できたかと思います。子どもを保育施設に預けている人や保育士として勤務している人は、園外保育のねらいを知っておくことはとても重要です。ぜひ、本記事の内容を今後の園外保育に活かしていきましょう。


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