「派遣保育士って実際どうなの?楽しいの?」
「派遣保育士の時給がいいって聞いたけど本当?」
派遣保育士はパートやアルバイトよりも時給が高い傾向にあるのはご存知でしょうか?。また正社員ほど責任を問われないほか、勤務時間を自由に調整しやすいといった多くの魅力があります。
非正規雇用を検討しているなら、派遣保育士の働き方を把握しておくべきでしょう。
そこで本記事では派遣保育士の全体像を明らかにしていきます。仕事内容や給料なども詳しく解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。
派遣保育士の基礎知識
では早速、派遣保育士の基礎知識を解説します!
- そもそも派遣とは?
- 正社員・パート・アルバイトの違い
- 派遣のタイプ
1.派遣保育士の雇用形態や必要な資格とは?
まず派遣保育士の雇用主は「人材派遣会社」です。
そのため派遣保育士の給料や福利厚生、労働に関連する保険などは全て人材派遣会社が取りまとめます。
派遣保育士は基本的に「有期雇用」であり、各会社・契約ごとに3ヶ月・半年・1年などと契約期間が定められています。契約期間は最長で3年で、2015年の労働者派遣法改正により、派遣社員が同じ事業所で3年を超えて働くことは基本的にできません。参考:派遣で働く皆様へ
派遣保育士は、無資格者・未経験者でもなれます。しかし多くの職場では「保育士資格を保有する人材」を欲しているため、無資格者・未経験者の求人は有資格者・経験者ほど多くありません。
2.派遣のタイプ
また、派遣には3つのタイプがあります。
〈派遣のタイプ〉
- 登録型派遣
- 紹介予定派遣
- 無期雇用派遣
どの派遣タイプを選択するかで、収入や労働時間の条件やその後のキャリア形成が変わってきます。自分にあった働き方を選択できるよう、それぞれの違いをしっかり把握しておきましょう。
派遣タイプごとの特徴はこちらです↓
登録派遣とは… 登録型派遣とは、人材派遣会社に登録し、派遣先の保育園で働く雇用タイプのこと。 一般的に「派遣」と言えば、この登録型派遣のことを指します。案件数もほかの派遣タイプよりも多い傾向にあるでしょう。 |
紹介予定派遣とは… 派遣予定派遣とは、派遣先の保育園で正社員になることを前提として働く雇用タイプのこと。最長6ヶ月勤務したのち、保育園・保育士双方がお互い納得したうえで正式雇用となります。もちろん両者合意のもとなので100%雇用が成立するとは限りません。 正式雇用となれば直雇用になるので、雇用主は人材派遣会社から保育園に変更します。 正社員として採用するまでに時間がかかるのをデメリットに感じている保育園も多いため、求人数は登録型派遣ほど多くはありません。 |
無期雇用派遣とは… 無期雇用派遣とは、人材派遣会社と無期限の契約で働く雇用タイプのこと。無期雇用派遣の場合、派遣先が決まっていない段階でも給料が発生します。 収入が途切れないのは魅力的な要素ですが、時短勤務や休日指定といった希望が通りにくく、登録型派遣ほど働き方の自由度は期待できません。 |
3.正社員・パート・アルバイトの違い
そして「派遣保育士」と「正社員・パート・アルバイトの保育士」の違いは以下のとおりです。
派遣社員 | 正社員・パート・アルバイト | |
雇用主 | 人材派遣会社 | 保育園の運営元 |
給与形態 | 時給制 | 正社員:月給制パート・アルバイト:時給制 |
雇用期間 | 有期雇用(最長3年) | 正社員:無期雇用パート・アルバイト:無期または有期雇用 |
福利厚生 | 人材派遣会社の規定に従う | 保育園運営元の規定に従う |
社会保険 | 人材派遣会社の規定に従う | 保育園運営元の規定に従う |
業務の指示命令権 | 保育園 | 保育園 |
雇用主の違いにより、福利厚生や社会保険の適用先が異なります。派遣保育士になる場合、労働に関する条件や制度は人材派遣会社の規定に従いましょう。
派遣保育士の仕事内容
次に、派遣保育士の仕事内容を紹介します。
基本的には業務内容は正社員と大きく変わりません。
〈派遣保育士の仕事内容例〉着替えの補助子どもと一緒に遊ぶ散歩・園外行事の同行保育室の掃除・片付け連絡帳・保育日誌記録午睡の準備・寝かしつけおむつ替え・排泄の手伝い給食・おやつの準備・片付け子どもの給食・おやつの補助イベント・行事の準備・片付け |
しかし、有期雇用で働く期間に制限があったり、時短勤務を希望する社員が多かったりする理由から、保育補助や清掃・片付けといった補佐的な業務を中心に任されるケースも少なくありません。
また、その日の人員にあわせて人手が足りないクラスに入る「フリー」のポジションになるケースも多いです。
本格的に保育に入るか、それとも補佐的業務を任されるかは派遣先の考えによって異なるので、あらかじめ業務内容を確認しておくとよいでしょう。
派遣保育士の平均給料
派遣保育士の時給相場 1,200円〜1,600円程度 |
派遣保育士の時給相場は、1,200円〜1,600円程度です。
相場が高いか、低いかを比較しやすくするため、厚生労働省が調査した「令和元年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに、正社員と非正社員の給与の違いを以下にまとめてみました。
正社員 | 非正社員(パート・アルバイト等含む) | |
時給換算 | 1,386円 | 1,227円 |
※千円未満切り捨て/月22日勤務・1日8時間労働で時給換算
上記の結果をみても、派遣保育士の給与水準は比較的高いと言えるでしょう。
なお、労働派遣法により2020年4月から「派遣労働者の同一労働同一賃金」が始まりました。これは正規社員・非正規社員かかわらず、同じ内容の業務を行った者に対して、同じくらいの賃金を支払う取り組みです。雇用形態間の待遇差解消を目指して導入されました。参考:厚生労働省
これにより「非正社員だから」という理由で給料が低くなることがなくなり、派遣社員の給与は以前より安定性が担保される形となったでしょう。
派遣保育士のメリット
次に派遣保育士のメリットを紹介します。
- 柔軟な働き方ができる
- 高収入を目指せる
- 派遣会社に相談やトラブル対応を依頼ができる
1.柔軟な働き方ができる
まず、派遣保育士の求人は「時短勤務OK」「早番のみ・遅番のみ」といった働き方を自由に選択できる内容のものが多いです。
そのため育児や介護の両立で働ける時間に制約がある人や、体力的にフルタイムで働くのが難しい人にとって、派遣保育士の働き方はあっているでしょう。
交渉をすれば「週に1〜2回出勤」「土曜日保育のみ出勤」など働き方を自由にカスタマイズできる可能性もあります。
できるだけ時間の制約を減らしたいなら、派遣保育士になる道も検討してみましょう!
2.高収入を目指せる
また、派遣保育士は働き方次第では高収入を目指せます。
派遣保育士の時給相場は1,200円〜1,600円程度。同じ非正規社員であるパートやアルバイトより時給が高い傾向にあります。
時給制は、働いた分だけ収入があがる仕組み。そのため、働く時間を増やせば増やすほど収入も高くなります。
3.残業や持ち帰り仕事がほぼない
そして派遣保育士は、契約外の残業や持ち帰り仕事がほぼ発生しません。なぜなら、派遣会社と保育園側で就業時間の契約がしっかりと結ばれているからです。
やむを得ない残業を求められたとしても、タイムカードに時間を記録すれば残業代が支払われます。正社員に横行しているサービス残業を経験するケースは滅多にないでしょう。
もし契約外の残業を強いられた場合は、派遣会社に相談をしてみてください。派遣会社から保育園側に状況を確認し、対応してもらえるはずです。
派遣保育士のデメリット
続いて派遣保育士のデメリットを紹介します。
- 契約満了で仕事が続けられない可能性がある
- 安定的な収入を得るのが難しい
- 対応業務に制限がかかりやすい
1.契約満了で仕事が続けられない可能性がある
まず、派遣保育士には契約期間があるので、契約が満了したら仕事が続けられない可能性があります。
働きやすさ・仕事のやりがいなどから「辞めたくない」と想いが生まれたとしても、契約の力には逆らえず職場を離れなくてはいけないケースは少なくありません。
同じ職場で働ける期間は最長3年です。その範囲内であれば、各派遣会社によって契約期間の設定はさまざま。一般的に多い設定期間は「3ヶ月/半年/1年」です。
派遣保育士として働く際は、契約満了を素直に受け入れられるように、心の準備をしておきましょう!
2.安定的な収入を得るのが難しい
また、固定給の正社員とは違い、派遣は時間給なので安定性がありません。
時給は高めなので稼働すればするだけ収入が増える特徴がありますが、体調不良や家庭の都合で休めば収入がありません。
また賞与(ボーナス)がない派遣会社に登録すれば、年間を通しての収入も正社員と比較すれば劣るでしょう。
3.対応業務に制限がかかりやすい
そして、雇用派遣保育士は対応業務に制限がかかりやすいです。
なぜなら派遣社員は契約期間が決まっていたり、短時間勤務のケースが多かったりするので、責任がともなう業務を任されにくいから。
派遣先の保育園によっては担任と同じ仕事をお願いする場合もありますが、正社員と非正社員で仕事を分けている保育園も少なくありません。
〈派遣保育士が制限されやすい業務例〉
- 保護者対応はしない
- 職員の話し合いには参加しない
- 子どもの保育より掃除・片付け優先
「もっと丁寧に子どもや保護者と関わりたい!」「チームの一員として話し合いには積極的に参加していきたい!」と思っている人にとっては、やりがいのなさや疎外感を感じてしまうかもしれません。
派遣保育士に向いている人
次に、派遣保育士に向いている人を解説します。
- フルタイムで働くのが難しい人
- 未経験・ブランクがあるなど正社員で働くのが不安な人
- ダブルワークしたい人
1.フルタイムで働くのが難しい人
まず、フルタイムで働くのが難しい人に派遣の働き方は合っています。
派遣の場合「時短勤務OK」「早番のみ・遅番のみ」などの条件の求人が多く存在します。そのため家庭と仕事の両立や仕事の掛け持ちなどを希望し、時間の制約がない働き方をしたいなら派遣社員になる道を1度は検討してみる価値があるでしょう。
派遣会社によっては「週に1〜2回出勤」「土曜日保育のみ出勤」といった細かい条件設定も行えます。担当者に相談すれば、無理のない働き方を一緒に考えてもらえるでしょう。
2.未経験・ブランクがあるなど正社員で働くのが不安な人
また、資格はあるが未経験者、長く休職や他の仕事をしていてブランクがある人など、正社員で働くのが不安な人にとっても派遣社員の働き方はおすすめです。
派遣社員は正社員ほど大きな責任を求められません。なのでプレッシャーに弱い人や正社員になるのが怖い人は派遣社員として、少しずつ環境になれていく手もあるでしょう。
復職を検討する人の中には、子育てが落ち着いた40代、50代の方も多いです。「久しぶりの仕事で体力に自信がない」という場合でも、短時間勤務のスモールスタートを踏めるでしょう。
3.ダブルワークしたい人
そして、ダブルワークがしたい人にも派遣の働き方は向いています。
ダブルワークを許可する派遣会社は多く、希望すれば以下のような働き方も実現可能です。
- 午前中は保育園・午後は別の仕事
- 平日は他の仕事・土曜日だけ保育園勤務
「1つの仕事に縛られるのが苦手」「複数の仕事で刺激的な働き方がしたい!」といった理由でダブルワークがしたい方は派遣保育士の道を検討してみてください。
派遣保育士に向いていない人
続いて、派遣保育士に向いていない人を紹介します。
- 人間関係の構築が苦手な人
- 子どもとしっかり向き合いたい人
- キャリアアップを図りたい人
1.人間関係の構築が苦手な人
まず、人間関係の構築が苦手な人に派遣の働き方は不向きです。
派遣社員の一般的な契約期間は、「3ヶ月/半年/1年」と比較的短い期間に設定されています。そのため派遣社員として働けば、職場がコロコロ変わる状況になるでしょう。
職場を変えれば1から人間関係を築かなくてはいけません。人間関係に疲れやすい人にとってはストレスを感じやすい環境のはずです。
とはいえ、正社員ほど人間関係に縛りがないので「浅い関係でいられる」という捉え方もできます。仕事とプライベートをしっかり割り切れるのであれば、人付き合いを軽減できるメリットに変えられるでしょう。
2.子どもとしっかり向き合いたい人
また「子どもとしっかり向き合いたい」という保育観がある人にとって、派遣保育士は不満を感じる瞬間が多々あるかもしれません。
保育園によっては正社員と非正社員の仕事がはっきりと分かれていて、派遣保育士は掃除や制作の準備といった仕事が多かったり、子どもと信頼関係を築くうえで大切なトラブル対応や午睡対応など任せてもらえなかったりと制限がかけられるケースは珍しくありません。
子どもとしっかりと向き合い親密な信頼関係を築きたいなら、正社員が向いています。
3.キャリアアップを図りたい人
そして、派遣保育士はキャリアアップが難しいです。
どんなに経歴や実力があっても正社員ではないので、リーダーや主任といった役職につくことができません。
政府による処遇改善制度の1つである「キャリアアップ制度」の対象ではあるのですが、各園受講者数に制限があり、先に優遇されるのは正社員でしょう。
そのためキャリアアップをして収入をあげたり、実績を積んだりしたいなどの目標がある人は正社員が適しているでしょう。
派遣保育士の求人を探す方法
派遣保育士の求人を探す場合は、人材派遣会社に登録する必要があります。
保育士が注目すべき派遣会社は、以下の2種類です。
- 総合人材派遣会社
- 保育士に特化した人材派遣会社
派遣保育士として働くなら絶対に「保育士に特化した人材派遣会社」を利用すべきでしょう。保育士に特化した派遣会社は良質な求人を多数取り揃えており、保育業界を熟知している担当者が在籍しているので手厚いサポートが受けられます。
「保育士 派遣」で検索すれば、人材派遣会社のサイトがたくさんヒットするので、その中で気になる会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
なお、人材紹介会社である弊社「しんぷる保育」でもたくさんの保育士求人を取り揃えております。派遣会社ではないため派遣保育士の求人は紹介はできかねますが、自由な働き方ができるパートやアルバイトなど求人が豊富です。ご相談いただければ、あなたの希望条件を伺ってあなたにぴったりの求人をご紹介いたします。
登録・相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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派遣保育士に関するQ&A
最後に派遣保育士に関するよくある質問をまとめました。
Q1.賞与(ボーナス)や退職金はもらえますか
Q2.有給休暇はもらえますか?
Q3.産休・育休は取得できますか?
Q4.社会保険に加入できますか?
Q5.扶養内で働けますか?
Q1.賞与(ボーナス)や退職金はもらえますか?
派遣保育士も賞与(ボーナス)や退職金を受け取る権利があります。
この権利は、2020年4月に施行された改正労働者派遣法の「同一労働同一賃金」による、同じ業務・役割をしている正規雇用者と非正規雇用労働者(派遣・パート・アルバイトなど)との待遇差を解消する目的から生まれました。参考:厚生労働省
しかし、賞与や退職金を支払うかどうかは各社が自由に決められます。法律で定められているわけではないので、経営状況や業績によって「支払いなし」も選択可能です。
派遣保育士として働きながら賞与や退職金を受け取りたければ、待遇面の制度が整っている派遣会社を選択しましょう!
Q2.有給休暇はもらえますか?
派遣保育士も有給休暇がもらえる対象です。雇用形態に関わらず、働く日数に応じた有給休暇を会社側が労働者に与える義務があります。
ただし有給休暇の対象者となるには以下の条件をクリアしなくてはなりません。
- 全労働日の8割を出勤していること
- 雇い入れ日より半年間継続して勤務していること
そのほか、各人材会社で独自のルールを設定しているケースもあるので、詳細は派遣会社に直接聞いてみてください。
Q3.産休・育休は取得できますか?
派遣保育士も産休・育休は取得できます。
産休・育休は正社員・非正規社員の雇用形態にかかわらず、誰もが取得可能な休暇です。
ただし派遣社員は勤務日数や契約日に応じて、休暇を取得できる対象者から外れてしまうケースも。
個々の勤務状況によってケースバイケースなので、産休・育休の予定があれば事前に派遣会社に詳細を確認してみましょう。
Q4.社会保険に加入できますか?
一定の条件を満たせば、派遣保育士も社会保険に加入できます。
社会保険は「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」、5つの保険の総称であり、それぞれの保険によって条件が異なります。
〈社会保険の条件項目〉
- 契約期間
- 月額賃金
- 従業員数
- 週の労働時間
- 契約期間見込み など
働き方によって状況が変わるので、自分が社会保険加入者の対象となるかどうか担当者に聞いてみましょう。
Q5.扶養内で働けますか?
派遣保育士も扶養内で働けます。
「扶養に入る」と言えば、パートやアルバイトのイメージが強いですが、派遣社員も年収を考慮すれば配偶者の扶養に入れます。
扶養に入る場合、配偶者やあなた個人の収入により条件が異なるので、詳しく派遣会社に確認してみましょう。
まとめ:派遣保育士の良さを知って自分にあった働き方を見つけよう!
以上、保育士の派遣は比較的高収入で柔軟な働き方が叶う魅力的な働き方です。
「正社員のように拘束された働き方をするのが難しい」「保育士として働きたいけど正社員ほどの責任を背負うのが怖い」といった考えがある方に派遣保育士の働き方はあっているといえるでしょう。
もしまだ働き方や雇用形態を決めかねているのであれば、ぜひ1度弊社「しんぷる保育」にご相談ください。あなたの悩みや葛藤に寄り添い、最適な道や求人をご紹介いたします!
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