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一斉保育とはどういった保育なのか、自由保育と比較してメリットとデメリットをそれぞれ解説

一斉保育とはどういった保育なのか知っていますか。子どもを保育施設に預ける上でそれぞれの保育施設の特徴を知っておくことはとても重要です。そこで本記事では、一斉保育とはどういった保育なのか、自由保育と比較してメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

どこの保育施設に子どもを預けるか悩んでいる人や、一斉保育とはどういった保育か知りたい人はぜひ参考にしてみてください。

一斉保育とは自由保育とどう違うのか

一斉保育がそもそもどんな保育か知らない人も多いと思います。ここでは、一斉保育とは自由保育とどう違うのかを3つ紹介します。

・保育は一斉保育と自由保育の2種類

・一斉保育の内容

・自由保育の内容

下記では、それぞれについて詳しく解説します。

保育は一斉保育と自由保育の2種類

一斉保育とは、子どもたちが同じ時間帯に同じ活動を行う保育方法です。朝の会や絵を描く時間など、教師が決めた活動に全員が参加します。一方、自由保育では、子どもたちは自分の興味や能力に合わせて自由に活動を選ぶことができるので、お絵描きやブロック遊びなど、自分がやりたいことを自由に選びます。

一斉保育では、教師が主導して活動を進めますが、自由保育では、子どもたちが自ら活動を選びます。また、一斉保育では、集団のルールや規則を守ることが重視されますが、自由保育では、個々の子どもの自主性や創造性を尊重します。社会性を学ぶことのできる一斉保育と、自己表現や個性を伸ばすことのできる自由保育とそれぞれの強みがあります。

一斉保育の内容

一斉保育の内容は、一斉保育では集団の中での協調性やルールを学ぶことに重きを置かれているため、子どもたち全員で1つの絵を描いたり、みんなで積み木遊びをして考える力を伸ばすカリキュラムが多く組まれています。

また、運動会などのイベントも個人種目は少なく子どもたち全員で協力する種目や、担当楽器を分担して曲を披露したりといった協調性を発表する機会も設けられています。一斉保育の内容の参考例としては、松ヶ岡幼稚園の教育内容が挙げられます。

参照:松ヶ岡幼稚園教育内容(一斉保育)

自由保育の内容

自由保育は、子どもたちが自分の興味や関心に基づいて遊びを選び、自由に楽しむことができる教育方法です。教師は子どもたちの意欲を引き出し、自主性を育むような環境を提供します。その結果、子どもたちは自分のペースで学び、自己表現や創造性を発揮することができます。

教師は子どもたちの成長をサポートし、彼らが自己肯定感を高め、自信を持って自己表現することができるように導きます。このような環境では、子どもたちは自己成長を促進し、自己の能力を最大限に発揮することができます。

一斉保育とは:メリット

一斉保育と自由保育の違いが理解できたかと思います。次に、一斉保育のメリットについて5つ紹介します。

・平等に経験を積める

・指導しやすい

・小学校になじみやすい

・集団生活のスキルが身に付けられる

・成長レベルを把握しやすい

下記では、それぞれのメリットについて解説します。

平等に経験を積める

一斉保育は、全ての子どもが平等に保育を受け、経験を積むことができます。個別の指導ではなく、集団での保育を通じて社会性やコミュニケーション能力を身につけることができます。一斉保育では、子ども同士が刺激し合いながら成長できるため、自己表現や自己主張の大切さを学ぶことができます。

一斉保育のような集団保育では、他の子どもたちと関わりながら協力や助け合いの経験をすることができます。

指導しやすい

一斉保育は、同じ年齢の子どもたちが一緒に過ごすため、指導しやすいといったメリットもあります。子どもたちは、同じ年齢の子どもたちが一緒に遊ぶことで、お互いに刺激を与え合い、成長を促すことができ、保育士は、子どもたちが1つの目標に向かうサポートをするため指導しやすいと言えます。

一斉保育では、グループでの活動が中心となるため、指導者が多くの子どもたちに対応することができます。これにより、子どもたち一人ひとりに十分な関心や指導を行うことができ、個々の成長をサポートすることができます。

一斉保育は、子どもたちの社会性やコミュニケーション能力の発達に役立つだけでなく、指導者の効率的な指導も可能にする教育方法です。

小学校になじみやすい

一斉保育は、複数の子どもたちが一つのグループで集団生活をすることです。この経験により、子どもたちは社会性や協調性を身につけることができます。たとえば、お友達と一緒に遊んだり、お互いに協力して活動したりすることで、他者との関わり方やコミュニケーション能力が向上するため、小学校になじみやすくなります。

集団生活のスキルが身に付けられる

一斉保育では、複数の子どもたちが一つのグループで一緒に過ごすことになります。この環境では、集団生活のスキルを身に付けることができます。一緒に遊んだり、話したりすることで、自分の意見を伝えたり、相手の意見を聞いたりする力が備わります。また、グループでの活動やルールを守ることも重要です。

一斉保育では、みんなが同じルールを守ることで、円滑な活動ができるようになります。そのため、協調性やルールを守る意識を養うことができます。

成長レベルを把握しやすい

一斉保育では、同じ年齢の子どもたちが一緒に過ごすことで、成長レベルを把握しやすくなります。たとえば、同じクラスの子どもたちが共通の行動に参加することで、年齢に応じた発達の進み具合を比較することができます。また、保育士が一斉に子どもたちを見守ることで、個々の成長を見逃すことが少なくなります。

そのため、保育士は子どもたちの様子を常に把握し、必要なサポートや指導を行うことができます。

一斉保育とは:デメリット

一斉保育はメリットの他にデメリットも存在します。ここでは、一斉保育のデメリットについて3つ紹介します。

・個性を育てにくい

・自主性を育てにくい

・柔軟性を育てにくい

下記では、それぞれのデメリットについて解説します。

個性を育てにくい

一斉保育では、子どもたちが集団で同じ活動や教材に取り組むため、個々の子どもの個性や特性を伸ばすことが難しくなります。ある子が特定の教材に興味を持っているのに、他の子は全く興味を示さない場合、一斉保育ではその子の興味や関心に合わせたサポートをすることは難しくなります。

また、一斉保育では子どもたちが同じペースで進められるため、発達の遅れや進み具合の差が目立ちにくくなります。そのため、適切なサポートが行き届かない場合もあります。

自主性を育てにくい

一斉保育は、複数の子どもを一つのグループでまとめて保育するため、この形式では、個々の子どもの自主性を育てることが難しいと言われています。これは、集団での活動や指示に従うことが求められるため、自分の意見や選択を自由に表現する機会が少ないことが挙げられます。

柔軟性を育てにくい

一斉保育のデメリットとして、柔軟性が育たない点があります。一斉保育は集団での活動が中心であり、同じテーマや内容に基づいて進行するため、個々の子どもたちの個性や発達段階に合わせたカスタマイズが難しい側面があります。子どもたち一人ひとりの興味やニーズに十分に応えることが難しく、柔軟なアプローチが限定される可能性があります。

一斉保育とは違った特徴を持つ自由保育のメリット

一斉保育の理解を深めるためにも、自由保育のメリットを知っておくことは重要です。一斉保育とは違った特徴を持つ自由保育のメリットについて4つ紹介します。

・自主性を育てられる

・創造力を育てられる

・自己表現力を育てられる

・保育を柔軟に行える

下記では、それぞれのメリットについて解説します。

自主性を育てられる

子どもたちにとって、自由な遊びや学習の機会は非常に重要です。自由な環境では、子どもたちは自分の興味や関心に基づいた活動に取り組む自主性を育むことができます。これにより、子どもたちの自己表現や自己肯定感が高まります。

自主性を発揮することで、彼らの自己決定力も養われます。自分の好きなことを選ぶことができるため、自分自身を表現する貴重な機会を得ることができます。自由な環境での活動は、子どもたちの成長において重要な要素です。

創造力を育てられる

自由保育では、子どもたちは、自分のアイデアや感情を表現する方法を見つけることができ、創造的な表現力が育まれます。自由な遊びの中で子どもたちは自分の興味や好みに基づいて活動することができます。このような環境では、子どもたちは自分自身の創造力を発揮する機会が増えます。

たとえば、子どもたちは自分の好きな遊びや興味のあるテーマに取り組むことで、自分自身のアイデアを考え出し、それを実現するための方法を見つけることができます。このような経験を通じて、子どもたちの創造的な表現力が育まれます。

自己表現力を育てられる

クラスにおいて、子どもたちは自由な遊びや表現活動を通じて、自分自身の個性や感性を伸ばすことができます。子どもたちは自己の意見や感情を自由に表現する機会を増やすことができるため、コミュニケーション能力が向上します。また、クラス内での自己表現を通じて、彼らは自己肯定感を高めることができ、自信を持って物事に取り組むことができます。

このような経験は、クラスの子どもたちの成長と発達にとって非常に重要です。 自由な遊びや表現活動を通じて、子どもは自分自身の個性や感性を伸ばすことができます。

保育を柔軟に行える

自由保育のメリットとして保育を柔軟に行えることが挙げられます。自由保育では毎年季節ごとのカリキュラムが決まっておらず、その年に合わせた柔軟な保育を行う園も多くあります。保育者は子どもたちの興味や関心に柔軟に対応し、保育プログラムを計画することができます。

このような保育スタイルでは、子どもたちも積極的にカリキュラムに参加しやすくなり、その結果、大きな成長を遂げることができます。

一斉保育とは違った特徴を持つ自由保育のデリット

自由保育のメリットの次は、デメリットです。一斉保育とは違った特徴を持つ自由保育のデメリットについて3つ紹介します。

・保育が難航

・園によっては放任の可能性

・人手が必要

下記では、それぞれのデメリットについて解説します。

保育が難航

自由保育は、子どもたちが自分の興味や関心に基づいて遊びや学びを選ぶ保育スタイルであるため、保育士の指導や管理が難しくなることがあります。子どもたちは自分のペースで活動するため、集団での進行や時間管理が難しくなることも少なくありません。保育士は、子どもたちの個々のニーズに合わせたサポートを提供し、適切な誘導を行う必要があります。

また、自由保育では子どもたちが自己表現や自己主張をする機会が増えるため、衝突やトラブルが起こりやすくなることもあります。

園によっては放任の可能性

自由保育のデメリットとして、子どもたちを自由にさせた結果、事故や喧嘩などといったトラブルが発生することも考えられます。自由保育と放任は全く別物ですが、自由保育の延長線上に放任があるため、そこの境界線がはっきりできていない園もあります。

自由保育であっても社会性や協調性を学ぶ場面や学ぶ必要はあるため、どこまで自由にさせているのか入園前に調べておく必要があります。

人手が必要

自由保育では、子どもたちがそれぞれの遊びや学びを選択するため、保育士の数は一斉保育より多く必要になります。また、子どもたちの安全を確保するためにも、保育士が常に目を光らせる必要があります。

そのため、人手が不足すると安全管理が難しくなります。保育士は人手不足が続いているので、子どもたちの成長を考えるにして保育士の待遇をよくするといった対応が必要になってきます。

一斉保育で働く保育士が押さえるべきポイント

一斉保育で働く際に保育士が抑えておきたいポイントがあります。ここでは、一斉保育で働く保育士が押さえるべきポイントについて2つ紹介します。

・保育の計画を立てる

・個人差を理解して保育を行う

下記では、それぞれのポイントについて解説します。

保育の計画を立てる

一斉保育で働く保育士が押さえるべきポイントは保育の計画を立てることです。これにより、保育の方向性を明確にし、効果的な保育を行うことができます。子どもたちの年齢や発達段階に合わせて、適切な遊びや教材を用意することで、保育の質を高めることができます。さらに、保護者との連携も考慮して計画を立てる必要があります。

保護者の意見や要望を反映させることで、保育の質を向上させることができます。また、保護者とのコミュニケーションを大切にし、共同で子どもたちの成長を支援することも重要です。以上の要点を押さえることで、保育の目標を明確にし、具体的な計画を立て、保護者との連携を考慮することができます。

個人差を理解して保育を行う

一斉保育で働く保育士は、子どもたちの成長段階や性格の違いを理解し、それに合わせた保育を行う必要があります。年齢や発達段階に応じた活動や遊びを提供し、子どもたちの興味や関心に合わせた活動を提案します。また、子どもたちの個別のニーズや要望にも対応し、一人ひとりに寄り添った保育を行います。

これにより、子どもたちは自己表現し、自己肯定感を高めることができます。保育者は子どもたちの成長をサポートし、彼らが自信を持って自己を発展させるために努めます。時間をかけて子どもたちと向き合い、彼らの成長を見守ることが求められます。

まとめ

本記事では、一斉保育とはどういった保育なのか、自由保育と比較してメリットとデメリットなどを解説しました。一斉保育とはどういった保育なのか理解できたかと思います。子供を保育施設に預ける上でそれぞれの保育施設の特徴を知っておくことは重要です。

ぜひ、どこの保育施設に預けるか悩んでいる人は、本記事の内容を参考にして、より良い保育施設を見つけていただけたら幸いです。