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保育士研修は何をする?具体的な内容と学びたい人気テーマを紹介

保育士研修の受講を考えたときに気になるのが、学べる内容や種類ではないでしょうか。

保育士研修は、企業でするのか保育園などでするのか、主催する団体によって内容が異なります。

しかし、研修を受けることで保育士としてスキルアップでき、保育指導のコツや実践的な知識が得られるはずです。

そこで、この記事では保育士研修の具体的な内容と人気の研修テーマを解説しています。

あわせて、研修を受けるときに気をつけたいことや無料で受けられるオンライン保育士研修についてもまとめました。

現役保育士はもちろん、ブランクのあるペーパー保育士の人もぜひ最後までご覧ください。

保育士研修とは?目的と受講条件

まずは保育士研修をおこなう目的と、受講するための条件について解説します。

なんとなくで受講するのではなく、研修を受けるねらいを明確にしておきましょう。

研修を受けてキャリアアップを図る

保育士研修を受ける目的の一つにキャリアアップがあります。

研修を受講することで豊富な知識とスキルが身につくので、役職に就きやすくなるからです。

例えば、平成29年4月にガイドラインが制定された「保育士等キャリアアップ研修」制度は、保育士の働く環境を改善するために定められました。

受講することで保育士の待遇向上と専門性の強化が図れて、より働きやすくなるでしょう。

この保育研修には3つの役職が設けられています。

  • 副主任保育士
  • 専門リーダー
  • 職務分野別リーダー

研修を修了することで、現場の保育士をサポートして統率する役職に就ける可能性が高くなります。

給料が安い、立場上なかなかリーダーを任せてもらえないと悩んでいる人は、保育研修でキャリアアップを目指すと良いでしょう。

待遇アップが期待できてモチベーションが上がる

保育研修を受けた人は、受けていない人と比べると待遇アップが期待できます。

修了資格は、保育士として高い能力が身についているという証明になるからです。

先ほど解説した「保育士等キャリアアップ研修」なら、副主任保育士と専門リーダーで月額最大40,000円、職務分野別リーダーで月額5,000円以上の手当が園に支給されます。

保育士という仕事が好きでも、割に合わない給料だとモチベーションは上がりません。

より働きやすく、士気を高めるためにも保育士としての待遇が良くなる保育研修がおすすめです。

受講には一定の経験年数が必要

保育研修は基本的にどの分野でも自由に受講できますが、現場での経験年数が必要な場合があります。

以下の表に「保育士等キャリアアップ研修」を受けるときの条件をまとめました。

役職条件
副主任保育士・経験年数概ね7年以上・ 職務分野別リーダーを経験・マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了
専門リーダー・経験年数概ね7年以上・職務分野別リーダーを経験・4つ以上の分野の研修を修了
職務分野別リーダー・経験年数概ね3年以上・担当する職務分野の研修を修了

出典:厚生労働省「保育士のキャリアアップの仕組みの構築と処遇改善について」

上記の経験年数は、各保育園などにおける職員の状況を踏まえて決められます。

目指したい役職にはどのような条件が必要か、あらかじめ調べておくと良いでしょう。

保育士研修で学びたいことは?人気の内容を7種類紹介

ここからは保育研修でどのようなことが学べるのか、人気テーマを紹介していきます。

保育現場で役立つ内容なので、参考にしてみてください。

1. 食育

食べ物に関する知識はもちろん、食への関心を育むのが食育です。

保育士自身が食事に関する理解を深めることで、子どもたちに食べることの大切さや楽しさを伝えられるでしょう。

また、現在では食物アレルギーのある子どもが大勢います。

アレルギーに対して適切な指導をするためには、保育士一人ひとりが知識を深めなければなりません。

園生活において食事の提供は毎日あります。

専門知識と実践的な能力が身につく食育研修は、保育士に人気のテーマです。

2. 絵本

保育現場では絵本に触れる機会が多いため、絵本研修は保育士に人気があります。

絵本はただ読み聞かせるだけではありません。

絵本の持ち方や読むときの抑揚、子どもが集中して聞けるようにする読み方など、さまざまなことに気を付ける必要があります。

絵本研修ではそういった読み聞かせのコツを実演的に学べるため、現場ですぐに役立てるでしょう。

また、年齢や発達に合わせた絵本の選び方などの知識も身につきます。

次の活動につなげるために絵本を活用することもあるため、保育に活かしやすいのも魅力的です。

3. リトミック

歌やダンスなどのリズム運動であるリトミックは、日々の保育だけではなく運動会や発表会にも役立ちます。

年齢に合わせた振り付けやリズム・音程などを実践的かつ専門的に学べるのが、リトミックの研修です。保育士の中には歌や音楽が苦手、上手くダンス指導ができずに悩んでいるという人もいるのではないでしょうか。研修では歌唱指導やダンス指導はもちろん、運動会や発表会におすすめの楽曲まで学べます。

リトミックを保育活動にもっと取り入れたい人は、参加してみるのがおすすめです。

4. 障がい児への対応

発達障がいをはじめ、障がいのある子どもは増加傾向であるため、障がい児支援の研修は盛んに行われます。保育の中で適切に対応するためには専門知識だけではなく、子どもの特性に合わせた支援の仕方も必要です。

研修では、子どもがパニックになったときの対処法や問題行動が起きたときの声かけなど、具体的な支援方法を学べます。さらに、保育現場では保護者への理解を深めたり関係機関へつなげたりと、保育士が橋渡しのような役割を担うこともあるでしょう。

5. 乳児ケア

乳児ケアは、主に0歳〜3歳未満の子どもへの対応を学びます。

乳児は身体的にもまだまだ未発達な部分が多く、心のケアも必要です。

研修を受けることで、適切な関わり方や発達に応じた保育指導ができるようになるでしょう。

乳児保育の指導計画や、安心して園生活が送れる環境を作りたいと考えている人は参加してみてください。

6. コミュニケーション

保育士は子どもだけではなく、保護者や地域の人とも関わりがあります。

良好な関係性を築くためにも、コミュニケーション能力は必須です。

現代社会では保育士が子どもに虐待したり、保護者が園に無理な要望やクレームを入れたりと人間関係に対するトラブルが後を絶ちません。

信頼関係を築くことは、子どもが園生活で充実した時間を過ごすことにもつながるでしょう。

7. 防災対策

いつ来るかわからない災害や事故に対して日頃から防災意識を高め、安全対策の理解を深められるのが防災研修です。

保護者から子どもを預かっている保育士は、命を守る責任があります。

地震や火災が起きたとき、お散歩や遠足などに考えられるトラブルなどにそなえておくことが重要です。

子どもの安全を確保するには保育士一人ひとりの意識が大切なので、防災に対する研修は受けておいて損はありません。

子どもの防災意識を高めることにもつながり、命の大切さを伝えられるでしょう。

保育士研修で気をつけたいこと

保育士研修を受講するにあたって、あらかじめ注意しておきたいことをまとめました。

社会人として、最低限のルールは覚えておきましょう。

基本はスーツで参加する

指定がない限り、基本はスーツまたはオフィスカジュアルで参加します。

トレーナーやジーパンは控え、ジャケットを持参しておくと安心です。

実践形式の場合は露出が多いものは避けて、ジャージなどの動きやすいスタイルで参加しましょう。

ほかの保育士や講師も来ているため、失礼のない服装を心がけてください。

社会人としてのマナーを守る

学びに来ていることを忘れず、社会人としてのマナーを守る必要があります。

万が一、トラブルを引き起こすと園の評価自体が悪くなってしまうからです。

最低限の挨拶や話し方に気をつけて、園代表として参加していることを心がけてください。

研修中の私語、遅刻や途中退席は印象が悪くなるので、やめましょう。

また、ほかの保育士との情報交換は、研修が終わってからおこないましょう。

開催時期をチェックする

研修は年中開催しているので、予約開始の日程を把握しておく必要があります。

基本は勤務時間を避けておこなわれていることが多いですが、中には保育時間に研修をしている場合があるからです。

例えば希望する保育研修が平日の18時からで、自分が遅番のシフトなら間に合わない可能性があるでしょう。

そのため、運動会や行事ごとの前は準備などで忙しいこともあるはずです。

受講したい保育研修を決めたら、園長や主任に前もって相談しておきましょう。

ブランクがある人でも受けられるオンライン保育士研修

保育士資格はあるけれど長い間働いていないという人におすすめなのが、オンライン保育士研修です。

無料で受けられるものから、実務経験のない人に向けた研修まで幅広く開催されているので、詳しく解説していきます。

無料で受けられるライブ参加型の保育士研修

全国どこからでも参加できるのが、ライブ参加型の保育研修です。

専門家や有識者の講義を無料で受けられるのはもちろん、質疑応答で学びを深められる研修まであります。

例えば、Zoomによる無料のオンライン保育研修をおこなっているのが、株式会社コドモンが運営している「CODMONカレッジ」です。

保育士のマナーや事故防止についての講義など、さまざまなテーマの中から興味のあるものを選べます。

保育者の専門性の向上や保育の実践力を高める内容もあり、実際の現場に役立てるでしょう。

ブランクがあって子どもの関わり方や、保育の知識をつけたいと考えている人におすすめです。

実務経験を補うならペーパー保育士向けの研修

保育現場での実務経験がまったくない人は、ペーパー保育士向けの研修会に参加すると良いでしょう。

ロールプレイングや園での実務研修が受けられるので、現場に入ったときの実践力が培われます。

また、自治体でおこなわれている保育士就職支援セミナーもおすすめです。

例えば、東京都では「保育士就職支援セミナー」という研修を開催しています。

保育士資格はあるけれど現場未経験者またはブランクの長い人を対象に、保育士としてスムーズに就職できるようつなげることが目的です。

子どもの発達や保育に関わる座学に加えて、実際に保育実習へ行くプログラムがあり、知識と現場スキルの両方を身につけられるでしょう。

保育士として働きたいと考えるなら、すぐに動ける即戦力が必要です。

自分に自信をもち、安心して保育に関わりたいならペーパー保育士向けの研修を検討してみてください。

【2023年最新】保育士研修のテーマ一覧

保育士の研修テーマとして「社会福祉法人日本保育協会セミナー」で取り上げられていることを紹介します。

  • 新人保育者
  • これからの施設長の役割と保育者の人権
  • 働きやすい環境とコンプライアンス
  • 子どもの人権と保育
  • コドモノミカタ
  • 保育所保育指針
  • 感染症への対応
  • 保育者の役割と保育者の倫理
  • 保育実践【表現・発達障害・環境】
  • 保護者支援 
  • アレルギー対応(調整中)
  • 事故予防
  • 保育者育成

日本保育協会セミナーでは、現代社会で必要な感染症への対応やアレルギー対応はもちろん、実践的な内容のものも含まれています。

日程と合わせて、興味のある研修を受講すると良いでしょう。

保育士研修は、園独自のものから自治体が主催しているもの、オンラインでの保育研修など、さまざまです。

上記以外にもネットで検索すると出てくるため、興味関心のあるテーマを見つけたら参加してみてください。

まとめ

保育士研修を受けることで、専門的な知識と保育スキルを高められます。

食育やリトミックなど現場ですぐに実践できるようなテーマから、コミュニケーションや防災に関する知識向上の研修まで種類が豊富です。

今、保育士として悩んでいることや理解を深めたいことがあるなら、それに合わせて保育士研修を受けると良いでしょう。

研修で学んだことは保育に活かせるだけではなく、キャリアップにもつながるため、今後もっと働きやすくなるはずです。

多様化する現代社会では保育士に求められることも時代とともに変わり、保育の質の高さも重視されてきています。

自分の強みを活かし、現状の課題や実践的なスキルを身につけるためにも保育研修を活用してみてください。


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