子どもの世話をしているとかわいい姿や表情に和んだりいやされたりしますが、突然思ってもみなかったことを始める時もあるのでなかなか目が離せませんよね。
一日中子どもと過ごすとなると、一緒に遊んだり世話をしたりと大変に感じることもあるでしょう。少しの時間でいいから用事を済ませたり休憩したりする時間がほしいと考えたことはありませんか?
保育園に預けるほどの時間は必要ないけれど少しだけ自分の時間がほしい、または保育園に入れたいけれど入れられない時、「一時保育」を利用すれば少しの間子どもを預かってもらえます。急な用事が入ってしまい、子どもを見てもらいたい時にも助かりますよね。
今回の記事では一時保育とはどのようなものなのか、利用の仕方や特徴について解説していきましょう。
一時保育とは?
一時保育とは保育園や幼稚園、認定こども園に入っていない未就学児を対象とした保育サービスです。数時間から一日といった一定時間、一時的に子どもを預かって保育をしてもらうことができ、「一時預かり」や「一時預かり事業」といった呼び方もされています。
保育園だと仕事や病気などが理由で子どもの保育がむずかしい人しか利用できませんが、一時保育はさまざまな理由で子どもを預けることが可能です。
仕事や用事がある場合はもちろん、買い物やリフレッシュ目的に利用する人もいます。
一時保育は「一時預かり事業」という政府が主導で行っている子育て支援事業の1つです。そのため自治体ごとに料金や条件が定められています。
利用の仕方
一時保育は「今すぐ利用する!」ということはできません。ほとんどの施設で事前の登録と予約が必要です。
年齢制限はありますが、保育園・幼稚園・認定こども園のどれにも入っていない未就学児なら登録すれば誰でも利用できます。保育園などに登録する際には就労証明書の提出が求められますが、一時保育にはそれも必要ありません。
登録をする時には、まず面談を行います。子どもの年齢やアレルギーの有無など状態をしっかりと施設側が確認したうえで書類に記入し、提出すると登録完了です。
登録が完了したら利用したい日程を予約します。予約の仕方は施設に電話をしたりアプリがあったりと施設によって異なります。最初の面談で確認する必要があるでしょう。
一時保育を利用する時、どんな理由でも預けられますが、理由によって優先順位があるので他の人を優先されてしまいうまく予約を取れない場合もあります。保育理由として挙げられるのは次の3つです。
非定型保育:仕事・通学・求職活動・職業訓練・介護など
リフレッシュ保育:リフレッシュ目的
緊急保育:けがや病気、出産、出張、看護など
特にリフレッシュ保育の場合、他の理由よりも緊急性がないとみなされることがあり、予約人数が多いと順番待ちになる可能性があります。
複数の施設を登録していれば、うまく予約できたかったとしても別の施設を利用することができるので利用しやすいかもしれません。
対象年齢
一時保育の対象となる年齢は施設によって異なります。生後2ヵ月から預かってくれる施設もあれば2歳からでないと利用できない施設もあるでしょう。利用を検討している施設のHPを確認したり問い合わせをしたりして事前に確認してください。
利用できる施設
一時保育を利用できる施設はたくさんあります。一番早くて簡単に調べる方法はネット検索です。政府の事業として行われているので、基本的に利用したい自治体名を入れて調べればさまざまな情報が出てきます。「自治体名 一時保育」で検索をかけると一時保育を行っている施設が表示されるのでそこから調べてみましょう。
住民票と異なる地域の施設も使える可能性があります。自治体によって決まりが異なるので、引っ越し前後や里帰り中などでも利用を考えている人は自治体に問い合わせてみてください。
利用できる時間
子どもを預けられる時間は施設によって異なります。一般的には7時~9時ごろに開始し、16時~18時ごろに終了する施設が多いです。
福岡にある施設を見てみましょう。
利用可能時間 | 休日 |
9:00 ~ 17:00 | 日曜・祝日・GW・お盆・年末年始・他 |
8:00 ~ 18:00 | 日曜・祝日・年末年始・他 |
9:00 ~ 18:30 | 日曜・祝日・GW・お盆・年末年始・他 |
休日も施設によります。特にGWやお盆に利用する際は休みになっている施設もあるのでよく調べておいた方が安心です。
施設によっては月の利用回数に制限があるところもあります。その場合はどこの施設を利用するのか事前に計画を立てて回数オーバーしないように注意しましょう。
利用料金
利用料金は自治体によって定められているため、地域や施設によって異なります。
「自治体名 一時保育 料金」で検索するとさまざまな情報が出てくるので参考にしてみてください。
一時保育の料金を決めるポイントとして次の5点が挙げられます。
・利用時間
1時間単位・4時間単位・1日単位など施設により料金の提示方法はさまざまです。また、夜間保育を行っている施設は利用する時間帯によっては割増になる可能性もあります。
・子どもの年齢
低年齢になるほど子ども1人あたりに必要な保育士の人数が増えるので、料金は高くなる傾向があります。
・施設の種類
利用する施設が認可保育園・認可外保育園のどちらかにより料金が変わります。安い料金を設定されている傾向にあるのは認可保育園です。
・地域
一時保育の利用料金は自治体によって定められているので、地域によって料金は異なります。
・子どもを預ける理由
子どもを預ける理由によって料金が変わる場合もあります。一時保育を利用する理由は前半でも述べたように次の3つが挙げられます。
非定型保育:仕事・通学・求職活動・職業訓練・介護など
リフレッシュ保育:リフレッシュ目的
緊急保育:けがや病気、出産、出張、看護など
一時保育の保育内容
実際に一時保育を利用した場合、子どもたちは施設でどのような生活を送るのでしょうか。
環境やスケジュール
一時保育を行う場合、通常のクラスとは別に一時保育用クラスを用意されているところが多いです。一時保育のクラス専用の保育士がつき、子どもたちと一緒に過ごします。
預けるときに子どもが泣いてしまい、罪悪感を感じられている保護者の方もいるでしょう。保育士が責任をもって、子どもたちが安心して過ごせる環境を整えていますので安心してください。その日に来ている子どもの年齢や月齢に合わせたおもちゃや部屋の環境を準備し、一緒に遊んだり生活の補助をしたりします。
スケジュールは保育園や幼稚園、認定子ども園などその施設に合わせたものに準じた生活をすることが多いです。朝のおやつやあそびの時間、給食やお昼寝など施設によって異なります。
給食
給食の有無は施設によります。有料で提供してくれるところもあれば弁当の持参のところもあるので事前に必ず確認しましょう。弁当が必要な場合は、準備を忘れないように気を付けてください。
必要な持ち物
保育に必要なものは施設や年齢によってさまざまです。多くの施設で一時保育に必要なものとして次のものが挙げられています。
・保険証・医療証(コピーで良い場合もあります。)
・着替え2~3セット
・外あそび用の帽子
・紙パンツ(トレーニングパンツや布パンツ)
・おしりふき
・タオル
・食事用エプロン
・お昼寝用の布団
・ビニール袋(汚れたものや使用した紙パンツを入れる用)
・水筒やコップ
利用時間や子どもの年齢、施設によって必要な持ち物は異なるので事前に確認しましょう。
持ち物には必ず全てに名前を書いてください。保育士は子どもの持ち物全てを覚えられません。紙パンツを変えたり着替えの補助をしたりするのに、どれがどの子どもの持ち物なのか記名がされていないとわからなくなります。違う家庭に持ち物を誤って渡してしまうリスクにもつながるのです。
一時保育のメリット・デメリット
一時保育はうまく利用すれば便利なサービスに思えますが、メリット・デメリットが存在します。それぞれについて順番に見ていきましょう。
メリット
一時保育を利用するメリットとして次の3点が挙げられます。
・他の子どもと触れ合うことができる
保育園や幼稚園などの施設を利用していない場合、同年代の子どもと触れ合う機会を設けることがむずかしいです。しかし一時保育を利用すれば他に利用している子どもたちと一緒に遊ぶことができ、良い刺激を受けられます。集団生活を経験する良い機会にもなるでしょう。
・パートでも利用しやすい
保育園はフルタイムの保護者が入りやすく、パートで働いていると優先順位が落ちてしまいます。入園を希望する人の多い地域では待機児童も増え、保育園に入園できないかもしれません。けれど一時保育は入園していない未就学児なら基本的に利用できます。
・自分の時間を確保できる
用事を済ませたり出かけたりするなど少しでいいから自分の時間がほしいという時、一時保育を利用すれば数時間~1日時間を確保できます。日々の子育てのリフレッシュに映画を見たり趣味に没頭することも可能です。
デメリット
一時保育を利用するデメリットとして次の3点が挙げられます。
・予約できない可能性がある
待機児童が多い地域や人気の施設だと、利用者が多いため予約が殺到する場合があります。希望の日に予約がいっぱいになると利用できないかもしれません。
・子どもが保育に慣れるまでに時間かかる
いつも一緒にいる保護者と突然離れるのは寂しいものです。年齢が低いと預けられるということもわからず、ただ保護者から離されたように感じるかもしれません。一緒に施設の見学をしたり少しずつ時間を伸ばしたりすることで、だんだん保育に慣れ安心して過ごせるようになるでしょう。
・病気をもらいやすい
一時保育にはさまざまな子どもが集まります。季節によっては感染症が流行している時期もあるでしょう。子どもは病気をもらいやすく、すぐに風邪を引いたり熱を出したりします。集団生活の経験がない子どもは特に病気にかかりやすいです。子どもが病気にかかると保護者にもうつる可能性があります。
一時保育以外の託児サービス
一時保育以外にも子どもを見てもらえるサービスはいろいろあります。
ベビーシッター
ベビーシッターは自宅に来てもらい子どものお世話をしてもらうサービスです。「ベビー」と名前についていますが、対象年齢は0~12歳と幅広く、「ベビー&キッズシッター」とも呼ばれます。普段過ごしている家でマンツーマンの保育を行うので子どもに合わせた丁寧な保育を期待できるでしょう。料金やサービス内容は利用する会社によって異なります。
ファミリーサポーター
ファミリーサポーターとは、自治体が主体となって行っている地域の子育て支援活動です。支援を受けたい「依頼会員」と支援を行いたい「提供会員」で構成されており、ファミリーサポートセンターが仲介となることで子育て支援活動につなげています。提供会員は事前に講習を受けており、利用前に依頼会員と打ち合わせも行うようです。
商業施設や病院の託児所
デパートやショッピングモールなどの商業施設、病院にも場所によっては託児所が設置されています。買い物や診察をしてもらいたい時、近くで用事がある場合などに利用すると便利でしょう。料金、利用できる年齢、時間は施設によって変わります。
まとめ
一時保育は施設によって対象年齢、利用料金、利用時間など全て異なります。自分が使いやすい施設をしっかりと確認して利用しましょう。特に複数の施設を登録している場合は他の施設のルールと混ざらないように気を付けてください。
一時保育の場は子どもにとっても他の子どもとの交流やあそびなど成長につながる場面も多いです。保護者にとってもうまく利用すれば生活や気持ちに余裕をもてるかもしれません。
利用するメリット・デメリットがそれぞれあるので、それらを認識したうえでうまく使ってみてください。
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