保育士として働き始める時、「大丈夫かな」「ちゃんと保育できるかな」と不安な気持ちはありませんか。未知の場所へ入っていくので、不安があって当然です。この記事では、保育士として働くうえで大切なことを5つの面から解説していきます。
保育の現場で実際にどういったことが大切なのか、あらかじめ把握して心の準備をしておきましょう。記事を読んで現場のイメージをつかみ、「きっと大丈夫」と自信を持って、保育士としての一歩を踏み出していってください。
保育士として働くうえで大切なこと(メンタル編)
保育士としてのスタートで、一番気になるのはメンタル面ではないでしょうか。先輩から注意を受けたり、保育が思い通りにいかなかったりなど、精神的にダメージを受ける場面があるかもしれないと予想できるからです。
しかし、以下の3つの考え方を頭にいれておけば、ダメージを最小限に抑えて、日々の経験を糧に成長していけるので心配する必要はありません。
保育のプロとしての自覚を持つ
保育士としての自分を支える根本は、子どもの育ちを援助するプロである自覚です。職場では子どもにとっての良い保育を目指すのが最優先だと、心の中で目標を定めておきましょう。保育のプロとしての向上を目標にすると、注意されることや失敗は、自分の弱点を修正しスキルを上げるための役立つ材料となります。
コツは最初から、「注意や失敗=スキルアップのための情報」と自分の中ではっきり決めておくことです。ミスをして落ち込みそうになったら、有益な情報を得たので良かったと、即座に気持ちを切り替える習慣をつけましょう。
前向きな気持ちで取り組む
一年目の保育士は初めてのことばかりで、毎日が戸惑いの連続かもしれません。緊張で縮こまってしまいがちですが、自分にできる仕事に前向きに取り組むことで乗り越えられます。具体的には、まず一日の保育の流れを理解しましょう。流れを覚えたら、片付けや掃除などの雑用に率先して手をあげて取り組んでください。
先輩にやり方を確認しながら、給食後の拭き掃除、机の片付け、午睡の布団準備などをどんどんこなしましょう。新人だからといってビクビクするのではなく、前向きな姿勢でできることを見つけて役割を担えば、「自分は役に立っていないのではないか」と感じるダメージを回避し、自信につながります。
自分の心の安定を大切にする
保育士を長く続けていくためには、自分の心が安定して健康でなくてはなりません。保育中は神経が張りつめた状態が続くので、思った以上に疲労が溜まります。疲れを回復して心の安定を保つために、保育から離れてリフレッシュする時間を確保しましょう。
趣味や好きなことに没頭したり、友達とおしゃべりしたり、美味しい食事をしたりと、プライベートを充実させて、自分の心に栄養を与える時間も大切です。上手に気分転換を取り入れ、気持ちに余裕のある状態で仕事をすれば、メンタル面で崩れる心配はないでしょう。
保育士として働くうえで大切なこと(スキル編)
ピアノや歌、製作、運動など、保育ではいろいろなスキルが必要になってきます。とはいえ実際は保育士同士で助け合えるので、苦手な分野があっても問題ないのですが、一方でこれだけはどの保育士にとっても外せないというスキルもあります。保育の現場ではどんなスキルが必須なのか、確認しておきましょう。
体力
子どもと過ごす保育士は体力勝負なので、体力は必須スキルです。たとえば4月の0歳児クラスでは、入園したてで泣き続ける子どもを一日中おんぶや抱っこしながら、慣らし保育を進めます。幼児では大きく成長しパワフルになった子ども達と、ドッジボールやかけっこなどの戸外遊びやプール遊びで体を使って活動する機会が頻繁にあります。
保育士が疲れて元気がない状態では、良い保育はできません。ふだんから食事や睡眠に気をつけて体力を養う意識を持ち、体調管理に努めましょう。
コミュニケーション能力
子どもの安全を確実に守るために、保育士は常に連携をとってチームで動きます。チームワークを築くには、周りとスムーズにコミュニケーションをとる力は必須です。かといって、気を遣いすぎたり、無理に仲良くなろうとする必要はありません。
人間関係は難しく考えるときりがないので、シンプルに考えましょう。ごく簡単なポイントさえ理解しておけば大丈夫です。具体的には、「挨拶と返事は笑顔で元気よくする」、「報告・連絡・相談をしっかりする」、「陰口は言わない」の3つです。3つのポイントを守るだけでコミュニケーションが円滑になり、チームに溶け込めるので実行してみてください。
状況判断力
保育士の仕事における最優先事項は、いつでも子どもの安全です。子どもの命を預かる重大な責任を果たすには、とっさの状況判断力が必須です。特に注意すべきなのは、食事、午睡、戸外活動、プール遊びの4つの活動で、命にかかわる重大事故が起きる可能性があるので、気を張って保育してください。
素早く判断して対処するには、まず何が正しいのか知っていることが必要です。誤嚥や誤飲、SIDS、戸外活動やプールでの注意点などの知識はしっかり頭に入れておきましょう。保育中突然子どもが嘔吐したり、痙攣を起こすこともあります。けがやアレルギーへの対応、感染症についても知っておけば、落ち着いて対応できます。
自分で勉強するのはもちろん、先輩の保育士に教えてもらったり、積極的に研修に参加したりして、正しい状況判断ができるスキルを身につけていきましょう。
書類作成能力
保育では、年間カリキュラム、月案、週案、個別計画など、思った以上に書類仕事が多いので、負担に感じるかもしれません。しかし、面倒だから早く終わらせようとする保育士と、保育を考える良い機会として取り組む保育士では、のちのち保育のスキルに大きな差がついてきます。
見本をそのまま写したような文章ではなく、目の前の子どもの姿に添った濃い内容の文章を目指しましょう。まずはクラスの子どもをよく観察し、子どもの成長に何が必要か考えます。最初は簡単なメモ書きに、自分の言葉で考えを書き出す程度でかまいません。
自分で考える行動をしてから、次のステップとして、パソコンを活用したり、保育雑誌や先輩が書いた書類を参考にしたりして効率化していきます。
保育士として働くうえで大切なこと(身だしなみ編)
常に子ども達に見られている保育士は、身だしなみを整えるのも仕事のうちです。大切な子どもを預かるプロの保育士として、ふさわしい身だしなみを心がけましょう。
清潔感を保つ
一日中子どものすぐそばで過ごす保育士の身だしなみは、子どもへ大きく影響します。清潔感を保つのは当然ですが、特に爪と髪への気配りは欠かせません。爪は短く切り、子どもの肌を傷つけないようにします。
長い髪は、子どもの顔に当たったり、給食に入ったりすることがないよう、しっかり結んでください。服装面では、膝をついて援助する機会が多いためズボンやジャージの膝部分が傷みやすいので、擦り切れたらこまめに交換しましょう。靴下に穴が開いているのも、案外目立つので注意してください。
保育士の仕事着に関しては、遊び心や機能性が重要です。保育士の仕事着の詳細は下記を参照にしてみてください。
安心感を与える外見にする
保育中の服装は園のきまりに従いますが、ある程度自分で選べる場合は、優しさや温かみを感じる色味やデザインにします。保育士として、どんな服装が子どもや保護者を安心させるのかを考えて選びましょう。
メイクも同様で、見ていて周囲が安心するナチュラルメイクをすれば問題ありません。色味が強い過剰なメイクは、子どもが違和感を持ったり、子どもの肌に化粧品が付着したりするので避けるのが無難です。
保育中だけでなく、通勤中も見られている
保育中の服装は気をつけていても、通勤では自分の好きなファッションを楽しみたいと思う人もいるかもしれません。しかし保護者は通勤中の保育士の服装も見ているので、「◯◯先生」としての自覚を持ち、保護者の信用を失わない服装を心がけてください。
派手すぎる服や肌の露出が多い服は通勤用にはせず、プライベートで楽しむようにするとよいでしょう。
保育士として働くうえで大切なこと(子どもとの接し方編)
自分は子どもが好きだから子どもと接するのは簡単だろうと思うかもしれませんが、実際に現場に入ると、子どもとの接し方に悩む場面が数多く出てきます。子どもとの接し方の基本を確認して、保育のプロとしての心持ちを整えておきましょう。
笑顔で接する
保育士は笑顔が基本であり、保育士が温かい笑顔で接するからこそ、子ども達は安心してのびのびと成長していけます。保育経験が浅いうちは、緊張や保育に真剣になるあまり表情が硬くなりがちなので、特に意識して笑顔をキープしてください。
子どもは感受性の豊かな柔らかい心で、保育士の表情からメッセージを受け取っています。
「あなたのことを受け入れているよ」「ここは安全だよ」と笑顔で接することで伝え、保育の土台となる、子どもが不安なく過ごせる環境を作っていきましょう。
一人ひとりを尊重する
保育士は、子どもの気持ちを尊重する保育を行います。実際に何をすればいいのかイメージをつかむために、具体的な保育方法を2つ紹介します。1つは、子どもの目線に寄り添って共感する関わりです。大人から見ればささいなことも、子どもにとっては毎日が発見の連続です。
一人ひとりの子どもの発見や面白いと感じることを認めて、子どもと同じ目線で楽しさを共有しましょう。もう1つは、子どもが自分で選択できるような援助です。生活や遊びの場面で、可能な限り、保育士が決めずに子どもが選べるように援助します。
集団生活の場では、ときには子どもの思いに応えられない場面も出てくるかもしれませんが、最大限一人ひとりに寄り添う努力をしていきましょう。
年齢によって接し方を変える
子どもに接する際、忘れてはいけないのは、年齢によって適切な接し方が違う点です。年齢ごとに発達課題が違うので、それに合わせて子どもへの接し方も変えるようにしていきましょう。
0歳児なら生理的な欲求を満たして愛着が深まるように接し、5歳児なら自立心や自発性を育む経験ができるようにします。子どもの発達の過程を見通して、子どもの健やかな成長を助ける意図を持って接するのが大切です。
保育士として働くうえで大切なこと(保護者との接し方編)
保護者への対応は相手が大人なだけに難しい面も多いですが、保護者への支援も保育士の仕事に含まれているので、プロとしての自覚を持って接していきます。以下の基本の接し方をおさえて対応し、信頼関係を築いていきましょう。
丁寧なコミュニケーションを心がける
保護者に信頼してもらうためには、日頃の気持ちの良いコミュニケーションが大切です。登降園時は笑顔で明るく挨拶し、子どもの様子を伝える時の言葉遣いにも気をつけます。疲れた暗い表情や雑な言動を見られてしまうと、その印象だけで判断されてしまうかもしれません。
保護者に「しっかり子どもを見てくれている」と信頼してもらうために、丁寧で心のこもった接し方をするよう努めましょう。
保護者の気持ちに寄り添う
保護者の中には、忘れ物が多い保護者や、子どもに朝食を食べさせない保護者もいます。つい責めたくなる時もありますが、保育士としての視点に立ち、どうすれば保護者も子どもも援助できるかを考えていきましょう。
保護者が保育士に話さなくても、何かしらの家庭事情がある場合や、生活や保護者自身の悩みを抱えている場合もあります。また子どもが思い通りにならず、子育てに悩んでいる保護者も多くいます。
こまめにコミュニケーションをとりながら、大切な子どもを共に育てる気持ちや保護者の悩みに寄り添う姿勢を伝えていってください。
適切な距離感で接する
気さくで話しやすい保護者もいますが、どれだけ接しやすくても保護者は友人ではありません。友人とのおしゃべりのような雰囲気で、園や他の保育士への苦情を気軽に聞いてしまって、あとでトラブルになることもあります。
ほどよい距離感を保ち、あくまで保育士として適切な接し方を貫きましょう。保護者対応では、丁寧な言葉遣いと態度で良い関係を築きながら、子どもを預ける保育士として信用してもらうのが目標だと忘れないようにしてください。
まとめ
この記事では、これから保育の仕事をする人に向けて、保育士として働くうえで大切なことを解説しました。現場ですぐに役立つ知識ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。子どもが成長していくかけがえのない日々を、すぐそばで共に過ごす保育の仕事は、責任もやりがいも大きい仕事です。
子どもに個性があるように保育士も一人ひとり違うので、完璧でなくても大丈夫です。
自分らしい笑顔で、保育士として働く時間を思い切り楽しんでいってください。
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