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保育士の名札作成時の注意点と簡単な作り方

保育士の服装といえば、子どもの相手をするため動きやすいものが主流です。また様々な汚れを防ぐために、エプロンを着用することも多くあります。

そして、そのエプロンに付ける大切なアイテムが名札です。名札は単に名前を伝えるだけでなく、実は先生の印象を大きく変えてくれます。どんな名札を付けるかで、子どもたちからはもちろんですが、保護者に与える印象も変化します。そのため、かわいい名札を手作りする保育士の先生が多くいます。しかし中には「裁縫とか苦手…」という先生もいるのではないでしょうか。

この記事では、名札の簡単な作り方や、作る際の注意点などを詳しく紹介します。名札を初めて作る人や、簡単に名札を作る方法を知りたい人に特におすすめの記事です。

最後まで読めば、かわいい名札が簡単に作れるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

保育士にとって名札は超重要

名札と言っても、ただ名前を伝えればいいわけではありません。保育士の先生にとって名札は、仕事をする上でとても重要なアイテムの1つです。すてきな名札を作ることができれば、多くのメリットが得られます。まずは名札の重要性について、一緒に確認していきましょう。

①子どもが興味を持つ

話をしたり、抱っこをしたりする際、子どもたちの目に入る機会が非常に多い名札。そのため、キャラクターや花、動物などが入ったかわいい名札を付けることで「あっ!○○だぁ!!」など子どもの興味を強く引くことができ、コミュニケーションのきっかけになることも少なくありません。どんな名札を付けるかで、子どもたちとの関係にも大きな影響を与えます。そのため、名札は子どもが気に入ってくれやすそうなデザインにすることが重要です。

②保護者に覚えてもらう(名刺がわり)

名札は子どもたちだけではなく、送迎や参観に来た保護者の目にも入ります。ただ名前が書いてあるだけのシンプルな名札と、かわいいデザインの名札では、保護者に与える印象は違ってきます。保育士の名札は「名刺」の代わりでもあるわけです。いい印象を与え、しっかりと名前を覚えてもらうためにも、印象に残るかわいい名札を目指しましょう。

③個性のアピール

保育士の先生にとって、服装やエプロンなどでおしゃれをするのは、なかなか難しいですよね。そのため、名札は自分の個性をアピールできる数少ないアイテムになります。自分の好きなものや、他の先生とは少し違ったものにすることで、子どもや保護者にも覚えてもらいやすくなりますし「先生はネコが好きなの?」など子どもとの会話のきっかけにもなります。ただし過激なものや、あまりにも個性的すぎるものはNGです。装飾やデザイン、付けるアイテムなどで上手に個性をアピールしましょう。

作成時の注意点

名前を伝える以外にも、重要な役割がある名札。かわいい名札を作ることで、様々なメリットがあります。しかし、ただかわいい名札を作ればいいわけではありません。実は、名札を作る際に気をつけるべきポイントがいくつか存在します。ポイントを意識せずに作成してしまうと、せっかく苦労して作った名札も、最悪の場合作り直しという可能性も。そのような事態を避けるためにも、ここでは名札を作る上で注意すべきポイントを紹介していきます。

名札の取り付け方

まず、絶対に意識しなければいけないのが「安全性」です。名札が原因でケガや事故が発生しないように、細かいところまで注意を払う必要があります。特に、名札をどのように取り付けるかは重要なポイントです。名札の取り付け方と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくお話しします。

安全ピン

一番シンプルで扱いやすいのが安全ピン。安全ピンは激しく動いても取れにくく、また着脱も簡単に行えるため非常に便利です。一方、安全ピンには針があるため、利用する場合には細心の注意が必要となります。もし安全ピンを使う場合にはロック式を使用し、簡単に針が外れないようにしましょう。また安全ピンの上から、布やフェルトをしっかりと被せて縫い付けると、より外れにくくなります。安全性を高めるためにも、ぜひ行いましょう。

ボタン式

安全ピンより安全な方法として、ボタンで固定する方法があります。ボタンタイプは着脱も簡単で、洗濯をする際にも便利です。ボタン式は針など尖ったものがないので、子どもがケガをするリスクも減らすことができます。またボタンはカラフルなものも多くあるため、ワンポイントアクセントとしてデザインに使えるのも特徴です。一点気をつけなければならないのが、ボタンが取れないようにすることです。ボタンが取れてしまい、万が一子どもが飲み込んでしまった場合には重大な事故につながります。ボタンを付ける際には、普段の洋服よりもしっかりと固定しましょう。また時間が経つと糸が劣化しますので、定期的にボタンの縫い直しも心がけましょう。

マジックテープ

マジックテープを利用する先生も多くいます。ボタン同様に着脱が便利で、扱いやすいのが特徴です。マジックテープはエプロンに直接縫い付けるか、裁縫用の接着剤を使うといいでしょう。アイロンで接着するタイプもありますが、強度が低いこともあるので注意しましょう。マジックテープは、子どもが強く握った時などに取れやすいというデメリットがあります。抱っこする際などには、外れないように気をつけましょう。

縫い付ける

少し手間はかかりますが、一番強度が高く安全なのが、エプロンに直接縫い付ける方法です。非常に外れにくく、また子どもがケガをするリスクもかなり低いのが特徴です。デメリットは、簡単に着脱ができないこと。そのため洗濯をする際には、名札を付けたまま洗わなければならないため、名札へのダメージが強くなります。その分、名札の劣化も早くなり、定期的な修繕や作り直しが必要なるということは頭に入れておきましょう。

保育園ごとの決まり

保育園ごとに名札の作成に関するルールがあることも少なくありません。例えば、名前の表記に関して名字だけなのかフルネームなのか、平仮名なのか漢字にふりがなを振るのかなど様々です。上でお話しした名札の取り付け方もその1つです。中には、安全ピンの使用を禁止している保育園もあります。さらに著作権の問題などからキャラクターの使用を控えている場合もありますので、名札を作成する前に、必ずルールを確認するようにしましょう。

長く使えるもの

忙しい時間の中で、一生懸命作った名札は長く使用したいですよね。実は、素材や扱い方以外で、名札を長く使う大切なポイントがあります。それは「流行に左右されないもの」にすること。キャラクターなど、流行に乗って名札を作成するのも、もちろんいいことです。流行りのものを取り入れるメリットは、とにかく子どもの興味を強く引けること。名札を見て話しかけてきてくれる子どもも多くいるでしょう。一方デメリットは、流行が過ぎるとちょっと時代遅れになってしまうという点です。

おすすめは、昔も今も、そして今後も長く人気が維持されるものを選ぶこと。流行に関係ないため、長い期間利用できるのが最大のメリットです。人気の安定しているものを取り入れることで、名札の作成頻度を少なくすることができます。TVやアニメのキャラクターもいいですが、絵本に登場するキャラクターは、子どもの認知も高く、人気が衰えることも少ないのでおすすめです。

担当クラスに合わせてデザインする

名札のデザインは、子どもに合わせて作成することが重要です。アニメのキャラクターなどはしっかりと認識できる幼児以上に向いています。乳児クラスでは複雑なものは避け、花や果物、動物、乗り物などがおすすめです。子どもの目線で考え、興味を持ってくれそうなもの、理解できるものを取り入れるようにしましょう。

簡単な作り方

「かわいい名札を作って子どもの興味を引きたい!」そう思う先生も多いはず。でも、絵を描くのが苦手な人や裁縫が不得意な人にとって、名札作りは少しハードルが高いですよね。そんな先生たちのために、ここではかわいい名札を簡単に作るコツを紹介します。

パソコンや手書きでデザインを決める

まず「キャラクター、花、動物、乗り物など何を入れるのか」「配置をどうするのか」「何色にするのか」など、名札のデザインを決定していきます。この際、パソコン、手書きのどちらでも大丈夫ですが、必ず名札と同じ大きさでデザインを決めていきましょう。絵を描くのが苦手な人にはパソコンがおすすめです。キャラクターや動物などを画像検索してそのまま使用できますし、配置を自由に変えることができるので非常に便利です。デザインを決める際には、安全ピンやボタンの位置なども確認し、キャラクターなどと被らないように注意してください。

また、デザインを決める上で気をつけるのは「見やすさ」です。名札は名前を伝えるのが一番の目的。デザインがごちゃごちゃしてしまうと、名前が見づらくなってしまいます。主役は名前だということをしっかりと意識してデザインを決めましょう。

デザインをもとに生地をカット

デザインが決まったら、使用する生地の準備をします。デザインした紙をもとに、フェルトや布をカットしましょう。生地にチャコペンなどで描き写す方法もありますが、デザインの紙を型紙として、素材と一緒にカットすると便利で簡単です。その際は、糸で仮止めなどをして型紙と生地がずれないように気をつけましょう。

既製品を上手に活用する

花や動物、乗り物など、アイロンで貼り付けるだけで利用できる既製品が多数売られています。また人気のキャラクターのアップリケもたくさんあります。時間短縮にもなる上、既製品はデザインもきれいなので、上手に活用しましょう。特に文字は形も複雑で作成するのは大変です。文字のワッペンは大きさや色など種類も豊富なので、気に入ったものがあれば積極的に利用しましょう。

土台の生地にパーツを付ける

パーツができたら、実際に貼り付けて仕上げていきます。細かなパーツがたくさんあるキャラクターなどは、途中で修正や足りないものが発生した時に直しやすいよう、一度完成させてから最後に土台となる生地に付けるようにしましょう。

しかし裁縫初心者にとって、細かなパーツ同士を縫い付けるのはなかなか困難な作業です。おすすめは強度が高く洗濯しても取れにくい裁縫用の接着剤です。接着剤であれば取り扱いも簡単で、初心者でも安心して使用することができます。

デメリットは、縫い付けよりも強度が低いこと。不安な場合は、接着剤で付けた後に糸でしっかり固定しましょう。すでにパーツがくっ付いていれば、初心者でも簡単に縫い付けられますので安心してください。大きなパーツは縫い付けて、細かなパーツは接着剤を利用するなど使い分けると便利です。裾上げテープを使ってアイロンで接着する方法もありますが、こちらも強度が低いため、最後に糸で縫い付けた方が安心です。

名札を補強して完成

パーツを土台の生地に付けたら、最後にしっかりと補強しましょう。名札は「平面タイプ」と「立体タイプ」の2つがあります。

平面タイプは折り曲がりやすいので、厚紙などを土台の生地で挟み込むのがおすすめです。厚紙と布をしっかりと接着剤で固定しましょう。また最後に名札の周囲を糸で縫えば、より強度が増し長く使えるので、余裕があれば縫っておきましょう。

立体タイプは、中に綿などを詰めて膨らませるタイプになります。立体タイプの場合は、まず名札の周囲を7割ほど縫い、一箇所綿を入れるための穴を作ってから、しっかりと詰めていきます。立体タイプは中に綿を詰めていくので、接着剤よりも縫い付けがおすすめです。また綿を詰める際には、名札の角の部分まで綿が行き渡るように注意しましょう。割り箸などを使い押し込むと、しっかり端まで詰めることができます。詰め終わったら最後に穴をふさぎましょう。

完成した名札をエプロンにつけてみて、簡単に落ちないかチェックをすれば手作り名札の完成です。あとは子どもの反応を楽しみに待ちましょう。

まとめ

保育士の先生が付ける名札には、名前を伝える以外にも子どもや保護者との関わりに大きな影響を与えます。子どもの興味を引くような名札を付けることで、子どもとのコミュニケーションのきっかけを作ることが可能です。そのため多くの先生が工夫を凝らしたオリジナル名札を作成しています。名札を作る道具や素材は、裁縫道具を取り扱うお店であれば簡単に揃えることができますし、少し種類は限られますが、百均でも購入できます。

名札を作る時には

・名札の取り付け方と安全性

・園ごとの決まり

・長く使えるデザイン

これらのポイントをしっかりと意識して作成しましょう。

今回お話しした簡単に名札を作る方法で、ぜひ子どもたちが喜ぶオリジナリティ溢れるかわいい名札を作成してみてください。