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【即実践可能!】保育士が学びたい園内研修とは?進め方やテーマを詳しく解説!

「もっといい保育がしたいけど、どんなことを研修すればいいの?」

「どんなテーマで園内研修をすればいいか分からない」

「園内研修の効果的な進め方ってあるのだろうか?」

そんなお悩みにお答えしていきます。

毎日子どもや保護者と接しながら子どもたちに保育を提供し続けている保育士さん。どんどん変わっていく時代やニーズに応えるべく、日々実践を続けている方ばかりだと思います。より良い保育を行うためには、研修を重ね、学び続けることも必要ですよね。

しかし、保育環境をよりよくしたいと思いつつも、忙しい毎日に追われて、頭で考えるだけになってしまっている人が多いのも事実です。

そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。

・園内研修をする目的

・園内研修の方法と具体的な進め方

・園内研修で取り上げたいテーマについて

・園内研修を行う上でのポイント

日々、子どもに接している保育士の方はもちろん、主任や園長として保育士全体のレベルを上げるために勤務している方にもおすすめの内容になっています。

ぜひ、この記事を参考にし、より良い園内研修を進めてください。

保育園での園内研修とは?

保育園で行う園内研修とは、保育に関する知識や技術を向上させ、保育職員の能力を向上させるために、園内で行われる研修のことです。様々な家庭による保育ニーズの多様化、政府の子育て支援政策、発達障害についての認識や理解など、子どもをとりまく環境は年々変化する現在。保育内容や保育方法の改善、保育職員のスキルアップやチームワークの強化のため、各園で行われるのが園内研修です。

園内研修をする目的

それでは、園内研修をする目的を具体的に解説します。各保育園の実態に合う目的を明確化し、研修の前後に確認できるとより有意義な時間になるかもしれませんよ。

スキルアップをする

園内研修をすることで保育士のスキルアップにつながります。園内研修には、新しい保育方法や技術、さらには研究成果などを学び、保育の質の向上を目指すための内容が含まれます。子どもへの接し方や保育の引き出しを増やす研修を行うことで、若手からベテランまで、みんなの保育のスキルを高めることにつながります。

悩みと向き合う時間にする

園内研修の時間は悩みと向き合うことができる時間にもなります。慌しい毎日は悩んでいることも考えるだけで忘れてしまうことも。ですが、研修の時間に悩みを出し合い、お互いに知識や経験を語り合う時間にすることで、普段の悩みを解決することにもつながります。

情報や知識の共有をする

保育士それぞれが持っている情報や知識を共有できる時間にもなります。若手の先生が現場に入っていきなり担任を持つこともめずらしくない昨今。日々、子どもと過ごす中で経験できることはありますが、まとまった情報を得られる時間は多くないのも事実です。研修の時間をとってそれぞれが持つ情報や知識を整理し、共有することで、新たな学びの場にすることができます。

時代に合わせた保育観をアップデートする

様々な教育政策や求められるニーズが日々変わる保育現場。それに合わせて保育士としての指導もアップデートしていく必要があります。長年の経験を持つベテラン保育士の指導ではうまく対応できなくなったという話を聞くこともしばしば。「今までうまくいったから」という経験則ではなく時代に合わせた指導ができるよう研修を積むことが必要です。

保育士互いの考えを知りチームワークを高める

そして何より、保育士同士のチームワークを高め、保育園全体の指導力を高めることも大きな目的の一つといえるでしょう。共に学んだり、悩みを出し合い、解決に結びつけようと協力し合ったりすることはチームワークを高めることにつながります。

園内研修の方法

園内研修の方法は主に以下の4つです。それぞれの特徴を知り、目的に合った研修方法を適切に選べるようにしましょう。

講義

講義による研修は、園内で共有したい情報や知識を担当者が資料にまとめ、職員に講義形式で伝える研修形態です。主任などの経験の多い保育士が中心となって進めることが多いでしょう。

講義研修は事前にテーマを職員で決めておくことで、求められる知識を均一に学ぶことができます。一方、事前準備が大変なことに加え、受け身になってしまうことあるので、注意が必要です。

ディスカッション

ディスカッションは、日々の保育で生じる課題や悩みを保育士同士で共有し、解決に向けて意見を交換し合う一般的な研修形態です。保育士同士で意見交換するので、一人で悩むことが少なくなり、チームワークを高めることにつながります。一方、進行役が、意見を聞いたり話を振ったりするなど上手くコントロールしないと、意見が偏ってしまったり、結論が出ずに終わってしまうことも。研修のゴールを明確にし、うまく進められるように工夫が必要です。

公開保育

公開保育は外部の見学者を招き、日常の保育を公開する研修方法です。普段実施している保育についての客観的な意見を聞くことができる貴重な機会となるでしょう。事前準備や会場の設営、外部の見学者がいることによる子どもたちの落ち着きのなさがみられる場面など、大変なことも多い公開保育。しかし、同じ園の中だけでは得られなかった知見や改善点、課題を得られる良さがあるのが公開保育です。

外部講師の招聘

外部講師に依頼し、より専門的な知識や技術を得るために研修を行う方法もあります。外部講師の専門性に特化した研修を受けることで、実践的なスキルアップにつなげることができるでしょう。費用がかかったり、保育園の方針と合わなかったりする場合もあるので、事前にテーマや内容をしっかりと決めておくことが欠かせません。

園内研修を効果的に進めるための具体的4ステップ

園内研修を効果的なものにするための具体的なステップを紹介します。保育士や職員が受け身で参加し、学びにならないムダな時間を過ごすことがないよう、きちんとステップを踏んで研修を行いましょう。

ステップ1 意見を出し合う

まずは保育士それぞれが悩んでいることや知りたいこと、学びたいことなどを言ったり、書いたりする方法でどんどん出し合いましょう。学びたいことを出すことで、それぞれが研修に主体的に関わることにつながります。言われたことをやるだけではどうしても受け身になってしまうことがあるので注意が必要です。

ステップ2 テーマを決める

それぞれが出し合った意見をもとに研修テーマを決めましょう。保育士の課題解決のためのテーマや、保育園全体の指導の質を高めるためのテーマなど、今必要なテーマを全員で決定することが大切です。

ステップ3 研修を行う

テーマが決まれば、テーマに沿った適切な方法で研修を行いましょう。

ステップ4 ふり返りをする

研修後には振り返りの時間を設けるようにしましょう。研修して終わりにするのはあまりにももったいないです。研修で学んだことを明日からの保育にどうつなげていくか、それぞれがどう子どもとの接し方、保護者との接し方を変えていけるかを考える時間を作ることが大切です。

園内研修で取り組む具体的テーマ例4選

園内研修を効果的にするため、それぞれが悩みや考えを出し合うことが必要です。しかし「なんでもいいからテーマを出す」というのも難しいもの。ここでは多くの保育園で実施されているテーマ例を紹介します。

子どもに関わること

子ども見せる姿や行動、特徴や発達障害などに対して知識を深めていくテーマです。実際に困った場面や特徴的な具体例を出し合うことで、より鮮明にイメージでき、研修がより現実的になります。

指導や支援に関わること

保育士によって指導の仕方が異なると子どもは混乱するもの。同じ園の保育士はなるべく同じ方向性で子どもと接するのが良いでしょう。

・このようなときどう対応するか

・◯◯君に対してどんな言葉をかけるか

など保育士としての接し方に焦点を当てたテーマです。

保護者に関わること

保育士が抱える大きな悩みの一つは保護者支援です。保育士で共通した方針を持っておくことで園全体として統一された保護者対応が可能になります。

・ケガやトラブルがあった時の対応

・こだわりが強い子どもの保護者への対応

・虐待やネグレクトが疑われる場合の対応

適切な対応が求められる場面なので、職員で共に研修することが望ましいテーマの一つです。

仕事の悩みに関すること

仕事の悩みに関することを出し合うというテーマで研修を計画するのも良いでしょう。普段子どもと接しているときに悩んだり考えたりしたことも、慌ただしい毎日では忘れたり、特に考えなくなったりすることもしばしば。

みんなで研修する時間を確保するからこそ、普段の悩みや相談したいことを出し合い、それぞれの考えを話し、出し合える時間になれば有意義な研修となります。

園内研修に取り組む際のポイント

園全体で保育の質を上げるために行う園内研修。以下のポイントを守らず進めてしまうと、逆効果にもなることも。より効果的にするためにも気を付けるべきポイントを解説します。

明るい雰囲気づくりをする

明るい雰囲気で研修が進むようにしましょう。意見を出したり、講義を聞いたりする時間が多いとどうしても暗い雰囲気になりがちです。子どもの成長につなげるための保育をするという目的を達成するための研修ですから、保育士みんながより良い学びにできるよう、明るく楽しい雰囲気で研修を進めたいですね。

全員で参加する

研修を設定する時間や体制にもよりますが、なるべく全員で参加できる方が望ましいですね。なぜならその場の雰囲気や学びを全員で共有できるからです。参加できなかった職員には議事録や資料を後から渡しますが、研修の場での学びを得ることはなかなかできないものです。なるべく多くのメンバーで学べるよう研修を設定するようにしましょう。

みんなの意見を出しやすくする

若手からベテランの保育士、それぞれが意見を積極的に出せる工夫をしましょう。つい経験年数の長い人や役職が高い人が中心となって研修を進めてしまいがちですが、それでは一部の職員の学びに終始してしまいます。保育士や職員それぞれが意見を出し、考えを述べたり、思いを出せたりする研修にしてこそ、保育園全体の保育の質が高まることにつながります。

実践につながるようにする

何より実践につながる内容の研修にしましょう。「そんなの当たり前では?」と思う人がいるかもしれませんが、案外研修は理論的なことに終始してしまうことも多いものです。学んだことは実践してこそ意味があるもの。明日からの保育に変化が出るような実践的な学びができるよう研修テーマを考える担当者は意識したいものですね。

まとめ

ここまで、保育士が学びたい園内研修について解説してきました。

  • 園内研修は保育の質を上げるために欠かせない
  • 園内研修の目的は「スキルアップをする」「悩みと向き合う」「情報や知識の共有をする」「保育観をアップデートする」「チームワークを高める」こと
  • 園内研修は「講義」「ディスカッション」「公開保育」「外部講師の招聘」などの方法で行う
  • 研修を効果的にするため「1 テーマを出し合う」「2 テーマを決める」「3 研修を行う」「4 ふり返る」という4ステップで行う
  • 園内研修は「みんなで」「明るく」行えるようにする

子どもを取り巻く環境やニーズは刻々と変化している現代。幼少期を支える保育士さんは欠かせない存在です。ぜひ現状に満足せず、より良い保育の実現のため、園全体で協力できる園内研修を行なってみてくださいね。