「働きやすい保育園の特徴が知りたい」
「どうやったらそんな保育園と出会えるの?」
このような疑問に答えていきます。
この記事を読めば、働きやすい保育園の特徴をおさえて理想の職場を探せるようになります。
保育士が働きやすい都道府県も紹介しているので、どのエリアで働こうか迷っている方もぜひ参考にしてみてください。
働きやすい保育園の特徴5つ
では早速、働きやすい保育園の特徴を解説します。
- 労働条件が自分の希望とあっている
- 保育方針が自分がやりたい保育と一致している
- 保育園の環境が自分にあっている
- 休みを取得しやすい
- 人手に余裕がある
順番にみていきましょう。
特徴①労働条件が自分の希望とあっている
働きやすい保育園は、労働条件が自分の希望とあっているかどうかが肝心です。理想の条件がそろっていなければ、長く働く環境としてはふさわしくありません。
働きやすさを大きく左右する5つの条件をピックアップしました。
- 給与面
- 年間の休日日数
- 園独自の福利厚生(特別休暇・手当など)
- 労働時間
- シフトの種類
1つずつ順番にみていきましょう。
給与面
給与が自分の期待にそっているかどうかは、働くモチベーションを維持するうえで大きな要因です。
今の給与に対して「こんなに頑張ってるのに、もらえる額はこれだけ…」と感じているなら、不満を抱えたままの状態なので働きやすい職場とはいえないでしょう。
給与は経験年数や都道府県ごとに異なります。適切な給与を受け取れているか判断するためにも自分の条件に見合った報酬の水準を知っておく必要があるでしょう。
以下に「経験年数別」「都道府県」の平均給与をまとめたので、希望の給与を定める際の参考にしてみてください。
まずは「経験年数別」のデータです。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
次に「都道府県別」のデータです。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
給与額に満足すれば、労働のエネルギーに変えられるでしょう。
年間の休日日数
休みを大切にしたい方は、年間の休日日数を意識してみてください。
労働基準法で定められている年間休日の最低ラインは105日。しかし、完全週休2日制を導入していたり、「バースデー休暇」「リフレッシュ休暇」といった独自の休みを取り入れたりしている保育園では年間105日以上の休みを期待できます。
以下は、令和2年度に独立行政法人福祉医療機構が実施した正社員保育士が実際に取得した年間休日日数に関する調査結果です。
106日以上と回答した保育士は全体で6.5割ほどでした。そのなかで約2割の方が「121日以上」の項目を選択しています。
休息をしっかりとることで仕事で高いパフォーマンスを発揮できる方は、年間の休日日数が多い職場を選ぶとよいでしょう。
園独自の福利厚生(特別休暇・手当など)
福利厚生は、いわばその保育園ならではの特典です。福利厚生が充実しているほど、得られる恩恵が増えるためやりがいを感じやすいでしょう。
用意している福利厚生は各園で異なりますが、代表的なものは以下です。
- 住宅手当
- 資格手当
- 役職手当
- 交通費負担
- 給食費負担
- 研修費負担
- 退職金制度の導入
- 健康診断や人間ドックの受診料
- 提携しているホテルやスポーツクラブの利用割引
これらの福利厚生によって給与が加算されたり、一部の費用が負担されたりします。お得感を味わえるので、長く働くモチベーションにつながるでしょう。
健康診断の受診料を負担してくれる保育園で働いた経験があります。受診料は1万円くらいするので負担してもらえるのは、ありがたい福利厚生でした!
労働時間
自分の健康を維持しながら働くには、労働時間が守られる環境が必要です。
保育業界は、業務量の多さや人手不足の観点から残業が常態化しがちです。ですが、働き方を見直して労働時間を適切に管理する保育園が増えてきました。
残業を減らすための施策には、以下のようなものがあります。
- 業務内容を見直し効率化を図る
- シフト体制の徹底により勤務時間を適切に管理する
- 余裕をもった人員配置で一人ひとりの負担を軽減する
残業が当たり前の職場では、心身ともに疲弊してしまうリスクがあります。職場を選ぶ際は、労働時間に対する園の取り組みをよく確認しましょう。
労働時間の管理がずさんな保育園だと残業が発生しやすくなります。健康を維持して働き続けるためにも、ここは重要なチェックポイントといえます。
以下の記事では、保育士の残業事情や残業を減らす方法を解説しているので、詳細が気になる方はあわせてご覧ください。
シフトの種類
シフトの種類は、働き方に直結する要素なので事前のチェックは欠かせません。
主なシフトパターンは、以下のとおりです。
シフトの種類 | 特徴 |
固定シフト | 毎日同じ時間に出勤・退勤する |
シフト制 | 何パターンかある勤務時間のなかで組まれたスケジュール通りに勤務する |
変形労働時間制 | 繁忙期と閑散期に応じて労働時間が変動する |
固定シフトの場合はプライベートの予定が立てやすいので、仕事とプライベートのメリハリをつけたい方にあっているでしょう。
シフト制や変形労働時間制を導入している保育園は、シフトのパターン数や早番・遅番の頻度を確認してください。勤務時間がコロコロと変わるシフトなら、生活リズムが崩れやすくなるデメリットがあるためです。
長く働き続けるためには、自分のライフスタイルにあったシフトを選択するのも大切でしょう。
特徴②保育方針が自分がやりたい保育と一致している
保育方針は、保育士としてのやりがいに直結する大切な要素です。保育方針とやりたい保育がマッチしない場合、自分の意思と反する保育をおこなう機会が増えるためストレスがたまりやすいでしょう。
以下のように、保育方針には両面性があります。
- 自由保育/一斉保育
- 教育的要素が強い保育/子どもの主体性を尊重する保育
- 日常生活に重きを置く保育/英語や体操など専門性を重視する保育
職場を選ぶ際は、自分が楽しく働くイメージがもてるほうを優先するとよいでしょう。
園の方針と自分の保育観がピッタリあうと、やりたい保育を実行できるため仕事の充実度が増します。いきいきと働くためにも保育方針もしっかり確認しましょう。
特徴③保育園の環境が自分にあっている
保育園の環境も働きやすさに大きく影響します。
注目すべきポイントは「立地」「規模感」「設備」の3つ。以下に、それぞれの「働きやすい条件」をまとめました。
- 駅から徒歩5分以内
- マイカー通勤可能で駐車場も完備
- 利用する交通機関が悪天候の影響を受けにくい
自分が通勤しやすい環境が整っているかのチェックが大切です。遠距離通勤だとプライベートの時間が削られるので、自宅と職場はあまり離れていないほうがよいでしょう。
- 家庭的な雰囲気のある少人数の保育園
- にぎやかな活気のある大人数の保育園
「大人数の子どもを対応するのが苦手…」という保育士も少なくありません。そのような方は、少人数制の保育園が向いているでしょう。
わたしも大規模保育園があわなかった保育士のひとりです。子どもの定員数が200人近くの保育園で働いたことがありますが、一人ひとりの子どもとうまく向き合えず悩みました。そのため次の転職先では、自分にあう規模感を大切にし定員数が60人ほどの保育園を選びました。
- 広々とした園庭がある
- ICTシステムを導入している
- おもちゃや教材が豊富にある
設備が充実している園だと保育の幅が広がります。また、ICTシステムを導入している保育園は業務が簡略化されている傾向にあるので、仕事の負担軽減が期待できるでしょう。
環境によって仕事のパフォーマンス力も変わってくるので、しっかりチェックするのをおすすめします。
特徴④休みを取得しやすい
休みは労働者に与えられた大切な権利です。そのため、自分の権利を堂々と主張できる環境がある職場は、働きやすい保育園といえるでしょう。
なかには休みをとることに否定的な態度をみせる保育園もあります。
たとえば、休みを申し出たときに嫌な顔をされたり、休んだことに対して後から文句をいわれたり。そのような環境下では、休むことに罪悪感を覚えるほか、休みをもらえたとしても心が休まらないでしょう。
保育士が健康で意欲的に働き続けるには、休みを取得しやすい職場環境が欠かせません。働きやすい保育園の指標として、休む権利が尊重されるかどうかのチェックは大切です。
特徴⑤人手に余裕がある
人手に余裕がある保育園は、保育士にとって働きやすい環境といえます。人員が十分に確保されていれば、一人ひとりの保育士の業務量が減り、心身の負担が軽減されるからです。
保育士の人数は国が定めた配置基準にあわせて配属されていますが、ただ基準を満たせばよいのではありません。
- 0歳児…3:1(子ども3人に対し保育士1人)
- 1・2歳児 …6:1(子ども6人に対し保育士1人)
- 3歳児 …20:1 (子ども20人に対し保育士1人)
- 4歳以上児 30:1(子ども30人に対し保育士1人)
出典:厚生労働省「児童福祉施設最低基準」
配慮が必要な子どもが多かったり、保育士の実力が足りていなかったりすれば、基準の人数だけでクラスを運営するのが困難な可能性があるからです。
そのため、現場の状況にあわせて人員追加を検討する姿勢をもちあわせているかが大切です。
働きやすい保育園を見分ける方法5つ
働きやすい保育園を見分ける方法を解説します。
- 求人情報をこまかくチェックする
- 園見学をさせてもらう
- 就職・転職フェアに参加する
- 面接の際に気になるポイントを質問する
- 転職エージェントを活用する
方法①求人情報をこまかくチェックする
働きやすい保育園を見分けるには、求人を細かくチェックする作業が欠かせません。希望条件を満たす理想の職場が見つかれば、長く働き続けられるでしょう。
以下に、求人情報のチェック項目をまとめました。
- 給与…経験や能力に見合った水準か
- 勤務時間…ライフスタイルにあっているか
- 年間休日…納得できる休暇の日数か
- 福利厚生…待遇面が充実しているか
- 立地条件…通勤しやすいか
- シフト体制…自分の生活リズムにあうか
- 子どもの定員数…自分の理想とする規模感か
- 保育理念・保育方針…自分の保育観とあうか
すべての条件をクリアする求人はなかなか見つからないため、希望条件には優先順位をつけておくのがおすすめです。「絶対に譲れない条件」を満たす求人を優先して探していくと、職場探しがスムーズになるでしょう。
方法②園見学をさせてもらう
園見学をさせてもらうと、求人情報だけでは伝わりきらない現場のリアルな情報を取得できます。
園の雰囲気や職員の様子を肌で感じると「ここで働いてみたい!」と直感が働いたり、自分が楽しそうに仕事をするイメージが浮かんだりします。そういった直感や湧き出るイメージを信じるのも理想の職場を探すうえで大切でしょう。
実際に自分の目で確認をすれば「求人情報の書かれている内容と違った!」といったミスマッチも軽減できます。
わたしは必ず園見学をするようにしていました。実際に保育している様子や園内の保育環境を観察すると、リアルな情報が集まりより納得できる判断がくだせるからです。
方法③就職・転職フェアに参加する
就職・転職フェアでは、採用担当者や現役の保育士が参加者を待っています。直接話を聞くことで、求人票だけでは得られない、リアルな情報を収集できるでしょう。
就職・転職フェアのよさは、面接とは違って気軽に情報交換ができるところ。会場の和やかな雰囲気を頼りにすれば、以下のような一歩踏み込んだ質問もできるでしょう。
- 職員同士の仲は良いですか?
- 残業の頻度はどのくらいですか?
- 有給休暇の取得率はどれくらいでしょうか?
自分にあった保育園を探していくためには、小さな疑問を解決していく作業も欠かせません。その作業ができる場として就職・転職フェアはぴったりでしょう。
方法④面接の際に気になるポイントを質問する
面接の際に気になることを質問して、働きやすい職場かどうかを確認する方法もあります。
モヤモヤとした疑問があれば、しっかり担当者に確認しましょう。
- 残業はありますか?
- 有給休暇は取得しやすいですか?
- どのような保育をおこなっていますか?
- 各クラスには何人の保育士が配属されていますか?
質問責めだと印象がよくないので、タイミングとバランスを見計るのが大切です。
会話の流れのなかで、自然に尋ねるよう心がけましょう。
方法⑤転職エージェントを活用する
働きやすい保育園を探す際には、転職エージェントを利用するのも効果的です。
担当者がついて、求職者の転職活動をフルサポートしてくれる人材紹介会社。希望条件にあった求人を紹介してもらえるほか、書類の添削や面接の対策、入社・退職サポートなどが受けられる。
転職エージェントは園の連絡も仲介してくれるので、気になる質問や疑問点があったら確認してくれます。求人情報と実際の情報をすり合わせられるため、ミスマッチも軽減できるでしょう。
働きやすい保育園が多い県ランキング5選
求人数や待遇の充実さをもとに、働きやすい保育園が多い県をランキング形式でご紹介します。
- 東京都
- 神奈川県
- 千葉県
- 大阪府
- 埼玉県
順番にみていきましょう。
1位.東京都
日本の首都、東京は保育園の数が豊富。弊社で用意している東京都の公開求人数は、2024年3月現在で5,245件にのぼります。
たくさんの求人のなかから、自分にあった保育園を見つけやすいのが大きな魅力といえるでしょう。
東京都の保育士の平均年収は450万円と全国でもトップクラス。処遇改善のためのキャリアアップ制度の導入が積極的で、待遇面をサポートする福利厚生が充実しているのも魅力です。
また、東京都は最新の保育への取り組みも盛んです。時代にあわせて「子どものための保育とはなにか?」を追求した保育を提供する園が多いため、スキルアップも目指しやすいでしょう。
東京都の保育園で働いた経験があります。わたしが勤めていた保育園は、基本給が高く、給与の加算対象となる福利厚生が充実していたため自分の納得できる給与が受け取れました。
2位.神奈川県
東京都に次いで、保育士にとって働きやすい環境が整っているのが神奈川県です。
首都圏に位置し、求人数が豊富。弊社で用意している神奈川県の公開求人数は、2024年3月現在で3,351件に達します。
神奈川県の保育士の平均年収は438万円と高水準。東京都と同様に、キャリアアップ制度を実施している保育園が多く、福利厚生が充実している職場が多いです。
たとえば、賃貸物件の費用を支援する保育士借り上げ社宅制度では、自治体によって最大82,000円の家賃補助が受けられます。
家を借りて一人暮らしで生活する保育士にとっても働きやすい環境が整っているといえるでしょう。
以下の記事では、保育士の借り上げ社宅制度の詳細や利用するメリットを解説しているので、家賃をおさえたい方はぜひチェックしてみてください。
3位.千葉県
首都圏に位置する千葉県には、保育園が数多く存在します。弊社でも、千葉県の公開求人を2024年3月現在で1,911件保有しています。求人の選択肢が多いぶん、自分にあった働き口を見つけやすいでしょう。
千葉県も、東京都や神奈川県と同様に、キャリアアップ制度や借り上げ社宅制度が整っている園が多いです。
借り上げ社宅制度を導入している自治体の補助金を一部紹介します。
千葉県は東京に近接しながらも緑豊かな環境も多いため、プライベートも充実させやすいでしょう。
4位.大阪府
西日本最大の都市である大阪には、多数の保育園が集中しています。求人数が多いため、自分にあった職場を探しやすいでしょう。
大阪府内の自治体では、保育士の処遇改善に向けた取り組みが活発です。キャリアアップ制度や家賃補助などを利用すれば、収入の安定化を目指せます。
大阪は大都市ならではの利便性の高さもあるため、関西圏で働きやすい保育園を探したい方はぜひ1度チェックしてみてください。
5位.埼玉県
東京に近接した埼玉県には、多くの保育園が点在しています。
弊社で保有している埼玉県の求人数は2024年3月現在で2,206件にのぼります。複数の求人を比較検討しながら、理想の職場を探せるでしょう。
埼玉県内の自治体では、保育士の処遇改善や保育環境の向上に力を入れています。家賃補助制度や研修制度などを有効的に活用すれば、給与面を考慮した働き方ができるでしょう。
アクセスが良好な埼玉県は通勤の利便性が高いため、一人暮らしをする保育士にも選ばれやすいエリアのひとつです。
働きやすい保育園をお探しの方は弊社「しんぷる保育」にご相談ください!
働き方改革の浸透により、労働者の権利を尊重し、保育士一人ひとりを大切にする保育園が増えてきています。やりがいをもって保育の仕事を続けるためには、働きやすさを重視している職場を探しましょう。
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弊社は担当者が実際に保育園まで行って現場の情報をリサーチしています。そのため、職場・職員の雰囲気や子どもたちの様子といった内部情報も詳しくお伝えできます。
「求人情報の内容があっているか保育園に確認してほしい」とのご要望があれば、確かな情報をリサーチしたうえで回答いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:働きやすい保育園に就職してストレスの少ない環境で働こう!
やりたい保育を我慢したり、労働時間が守られず無理に働き続けたりしたら、心身的に大きな負担がかかります。保育士の仕事にやりがいをもっていたとしても、ストレスが増えれば楽しめなくなるでしょう。
自分らしく、いきいきと仕事をしていくためには、自分の希望条件にあっており尚かつ保育士を大切にする保育園で働くことが大切です。
「理想の求人を自分で見つけられる自信がない…」という方は、ぜひ弊社「しんぷる保育」にご相談ください。あなたの希望条件にあう保育園の求人を厳選し、ご紹介させていただきます。
相談だけでも無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。