「保育士は休みが取得しづらいって本当?」
「保育士な年間でどれくらい休みがあるの?」
このような疑問に答える記事です。
事実、人手不足の問題や休むことに消極的な考えをもつ保育園では、思うように休暇を取得できません。また、ゴールデンウィークや年末年始も保護者の就労ニーズにあわせてギリギリまで開園するため、年間休日の日数は全職種の平均を下回ります。
とはいえ、保育士には有給休暇や産休・育休といった権利として与えられる休暇はしっかりと確保されています。もちぶんの休みをフルに消化していくためには、休暇に関する理解を深める姿勢が大切でしょう。
そこで本記事では、保育士に関係のある休暇について詳しく解説します。より多くの休みを取得できる保育園の特徴も紹介しているので、現在の休暇日数に満足できない方はぜひ最後までご覧ください。
保育士に与えられる休みの数【月間・年間でどれくらい?】
では早速、月間・年間ごとの保育士の休暇日数をみていきましょう。
月間の休日日数
労働基準法第32条によって、労働時間は原則として1週間に40時間以内、1日8時間以内と定められています。そのため、1日の労働時間が8時間であるならば、週に5日働いて残り2日が休み(8時間×5日=週40時間)となるのが一般的です。
ただし、土曜保育を実施している保育園が多いため土日休みとは限りません。土曜日に出勤した場合は、平日に振替休日を設ける園が多いでしょう。
年間の休日日数
労働基準法にもとづく年間休日の最低ラインは105日です。
〈最低ラインの計算方法〉
労働基準法において労働時間は原則、1日に8時間、1週間に40時間。
365日÷7日(52週間)×40時間 = 2085時間
2085時間÷8時間=260日
365日-260日=105日
厚生労働省の調査によると労働者1人当たりの年間休日総数の平均は116. 1日でした。法定の最低ラインを上回る数値であるのがわかります。
この情報を踏まえたうえで、保育士の年間休日にスポットを当ててみていきましょう。
以下は、独立行政法人福祉医療機構が実施した正社員保育士の年間休日数の調査結果です。
出典:独立行政法人福祉医療機構「2020年度 「保育人材」に関するアンケート調査」
全体の4割以上の保育士が111日以上の年間休日を取得しています。つまり、保育士の年間休日日数は明らかに少ないわけではありません。
保育士は長期休み(夏休み・年末年始休み)が取りにくいワケ
そもそも保育園は、保護者の就労ニーズにあわせて開園しているため、幼稚園のように夏休みや冬休みといった長期休暇がありません。ゴールデンウィークや年末年始も可能な限り開園し、連休明けの保育再開も早めに設定されるのが一般的です。
大型連休を取得できる一般企業に憧れていました。保育士にも、そのような機会が与れてほしいですよね…。
ただし、その時期には長期休みを取得できる保護者が増えるため、登園する園児が減る傾向にあります。
子どもの人数に応じて、保育者の出勤を調整する保育園も少なくありません。うまく休みをもらえれば、休暇を長めに取得できる可能性があるでしょう。
保育士の有給休暇について【もらえる日数・取得率】
有給休暇の付与日数は法律で定められており、継続勤務年数に応じて10日から20日の範囲で付与されます。
継続勤務年数(年) | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
付与日数(日) | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
出典:厚生労働省「次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」
- 雇用した日から6ヶ月継続勤務
- 全労働日の8割以上出勤
2019年4月からは、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、年5日の年休取得を義務付ける法改正が施行されました。有給休暇には2年の時効があるため、付与された日から2年以内に使い切ることが求められます。
全国保育協議会の調査によると、保育施設全体での有給休暇取得日数は「3〜6日」の割合が44.2%ともっとも高く、次いで「7〜9日」が42.5%でした。
出典:全国保育協議会「全国保育協議会会員の実態調査2021報告書」
また、独立行政法人福祉医療機構が実施したアンケート調査でわかった保育士の有給休暇取得率は以下のとおりです。
有給休暇の消化具合 | 割合 |
---|---|
40%未満 | 18.8% |
40%以上60%未満 | 34.0% |
60%以上80%未満 | 25.5% |
80%以上100%未満 | 18.0% |
100%消化 | 3.6% |
出典:独立行政法人福祉医療機構「2020年度 「保育人材」に関するアンケート調査」
付与された休暇を使いきれない職場がある一方で、有給休暇を100%消化できている保育園もあります。取得率は園の姿勢によって大きく異なるといえるでしょう。
有給休暇をすべて取得できないまま退職した経験があります。休みを申告しづらい雰囲気があったのが要因のひとつでした。
保育士の産休・育休について【もらえる日数・取得状況】
産休・育休は労働者に与えられた大切な権利です。
各休暇の内容を以下にまとめました。
産休 | 育休 | |
---|---|---|
法律 | 労働基準法 | 育児・介護休業法 |
対象者 | 女性労働者(アルバイト、派遣も含むすべての労働者) | 男女労働者(勤続1年以上などの要件を満たした労働者) |
期間 | 産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)産後8週間 | 原則、子が1歳に達するまで(保育所に入れない 場合等は1歳6か月まで延長可) |
もらえるお金 | 健康保険より 出産日以前42日から出産日後56日までの間、休業1日につき賃金の3分の2相当額 | 雇用保険より 180日目までは休業開始前の賃金の67%。それ以降は、50% |
出典:厚生労働省「産休と育休(まとめ)」「産休と育休(お金のこと)」
妊娠がわかったら、できるだけ早い段階で園に報告し、産休・育休の希望を伝えましょう。ギリギリの申請だと園側も対応に困ってしまいます。
なかには出産を機に退職を決断する保育士も少なくありません。厚生労働省の調査では「妊娠・出産」を理由に退職された方の割合が全体の22.3%を占めていました。
出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
産休・育休が取得しづらい背景には、休暇取得を推奨しない職場の風潮や職場復帰への消極的な対応などが考えられます。
以下の記事では、働きやすい保育園の特徴や見分け方を解説しているので、休みをもらいにくい環境でお困りの方はぜひチェックしてみてください。
保育士の休みが増える福利厚生の特別休暇について
法律で定められた休暇以外にも、園独自の福利厚生として設定されている特別休暇があります。
- バースデー休暇…誕生日月にもらえる休暇
- 夏季休暇…夏休み期間中に取得できる休暇
- リフレッシュ休暇…心身の疲労回復を目的とした休暇
種類や取得条件は園によって異なるため、全員が同じ待遇を受けられるわけではありません。しかし、このような特別休暇によって仕事を休める機会が増えるのは労働者にとって魅力的な制度といえるでしょう。
わたしが勤めていた保育園では「バースデー休暇」がありました!誕生日のためにお休みがもらえるのは嬉しかったです!
保育士の休みを増やす方法
保育士が休みを増やす方法は、主に以下の2つです。
- 休暇が多い保育園で働く
- 休暇が取得しやすい保育園で働く
「休暇が多い保育園」を見極めるポイントは、年間休日日数と福利厚生による特別休暇の充実度です。121日以上の年間休日を取得できる保育園も存在するので、休日数に着目してみるとよいでしょう。また、バースデー休暇やリフレッシュ休暇といった園独自の休暇制度の有無も重要な判断材料となります。
「休暇が取得しやすい保育園」であるかどうかも大切な視点です。休暇取得の権利があっても、有給休暇や産休・育休の申請が思うように通らないケースも珍しくありません。
自分のもつ休暇をしっかりと取得するためにも、有給休暇の取得率が高い保育園や産休・育休取得者の職場復帰を積極的に支援する保育園を選ぶことをおすすめします。
保育士の休み日数は保育園によって異なる!
121日以上の年間休日がある保育園や有給休暇の取得率が100%の保育園も存在します。より多くの休みを取得したいなら、休日数が充実していたり、休暇取得を推奨する職場環境が整っていたりする保育園を探してみるとよいでしょう。
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