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保育園でのトイレトレーニング法解説!子どもに合わせた進め方も紹介

保育園では、排泄の自立に向けて段階的にトイレトレーニングを進めます。排泄機能の成長は個人差が大きいため、集団生活の中でもそれぞれのペースを尊重して援助しなければなりません。本記事では、保育園での子ども一人ひとりの発達に合わせたトイレトレーニングの進め方を説明します。

保育園でトイレトレーニングを始める時期

クラス運営をしていく上で、いつトイレトレーニングを開始するのかは悩みどころです。子どもに負担をかけず自然な形でスタートするためには、家庭や保育士間で連携をとりながら計画的に進める必要があります。ここでは、トイレトレーニング開始時期をどう決めるのかを説明します。

いつ始めるかは年齢だけでは決められない

トイレトレーニングをスタートするタイミングは、一人ひとりの子どもの発達状況に合わせて決定します。膀胱など体の機能の発達は個人差が大きく、◯歳◯ヶ月だからと年齢では決まりません。

保護者から保育園でトイレに行かせ始める時期について質問された場合も、子どもの発達に合わせて一番良い時期にスタートすると伝えましょう。

子どもの発達を見極める

トイレトレーニングの開始時期は、早すぎても遅くても良くありません。目安は2歳の誕生日前後ですが、子どもの発達状態から適したタイミングを見極めます。体の準備ができていると判断できれば、トイレトレーニングがスタートできます。具体的には以下の3点が基準になるので、それぞれの子どもの状況を確認しましょう。

  • 排尿の間隔が2時間以上あく
  • 1回の尿量が増える
  • 午睡明けにオムツが濡れていない

参照:子どもの力が伸びる 2歳児の保育12か月 (ナツメ社保育シリーズ)p27

参照:HOME ALSOK研究所トイレトレーニングはいつから始める?開始の目安や進め方、ポイントを紹介

他の保育士の意見を聞く

トイレトレーニング開始のタイミングは、他の保育士と相談して決定します。複数の目で子どもの発達を正確に把握し、子どもの負担にならないように進めるためです。判断に迷う場合は、主任や園長などベテラン保育士の意見も聞いてみてください。

トイレトレーニングはクラス担任全員で連携をとって進めます。クラス内のミーティングで意見交換をおこない、子どもの状況やおおまかな方針を共有することも大切です。

家庭での様子を保護者に聞く

そろそろ保育園でトイレトレーニングが開始できそうだと判断したら、保護者に状況を説明し、家庭での子どもの様子や保護者の考えを聞きます。必ず保護者の同意を得てから、保育園でのトイレトレーニングを始めましょう。

家庭でトイレの練習を始めている場合や、反対に家庭ではできないので保育園主導で進めて欲しいと希望が出る場合もあります。それぞれの保護者の思いや状況に理解を示し、家庭と保育園で協力し合いながら進めていくのが大切です。

トイレトレーニングの具体的な進め方

トイレトレーニングは、正しく進めないと子どもにとって負担を与えてしまいます。子供に負担なくトイレを覚えてもらうために、どういう手順でトイレトレーニングを進めていくのか説明していきます。

活動の切り替わり時にトイレに誘う

はじめは、活動が切り替わるタイミングで子どもに声をかけ、トイレに誘います。給食や散歩の前後にオムツを確認し、出ていなかったらトイレで便座に座ってみる時間を作りましょう。子どもによって排泄間隔に差があるので、個別に把握しておくといつ誘えばいいか判断できます。午睡明けは、どの子どもにとっても成功しやすいタイミングです。

子どもが排尿のサインを出したときにトイレに誘う

子どもによって排尿のサインはさまざまです。以下のような行動が見られたら、トイレに誘います。

  • 体をもぞもぞ動かす
  • しきりにオムツを触る
  • 歩き回る
  • じっと座り込む

サインを見逃さず、子どもが排尿したいタイミングでトイレに誘えば成功率が上がります。「ちっち」など発語で知らせる子どももいるので、聞き逃さないようにしましょう。

最初はスムーズにいかないのが自然なので焦らず見守る

トイレに誘っても嫌がって行かない、トイレには行くが便座に座らないなどは、トイレトレーニングを始めた時期によく見られる姿です。子どもにとってトイレで排泄するのは新しい習慣なので、慣れるまでには時間がかかります。その日の体調や気分も影響するので、調子が悪い日は無理に進めようとせず、ゆったり関わってみてください。

子どもがトイレに行かないからと注意するのはやめましょう。保育士がトイレトレーニングを強制すると、子どもが抵抗感を抱いてしまい、余計に進まなくなります。

トイレでの排泄が多くなったら布パンツへ移行する

トイレで排尿する回数が増えてきたら、少しずつ布パンツで過ごす時間を作ります。室内ならすぐトイレに行けるので、まず保育室内での活動時間に布パンツを履こうと誘ってみましょう。子どもの様子を見ながら、戸外活動や午睡時はオムツ着用、室内遊びの時間は布パンツと使い分けて段階的に進めていきます。

この時期は、便座に座っても排尿せず、布パンツを履いた後におもらしすることがよくあります。まだ膀胱や尿道の筋肉をコントロールできない時期なので、叱らず穏やかに受けとめてください。排泄が自立するまではある程度時間がかかるので、排尿をコントロールする力が育つのを長い目で見て待ちましょう。

参照:2歳児のすべてがわかる! 保育力がグーンとアップする生活・遊び・環境づくりの完全ナビp48

トイレトレーニングを進める上での注意点

排泄の自立が進むと、子ども自身がオムツから解放され快適に過ごせるようになります。そのため、子どもの保育園での生活を援助する保育士としては、少しでも早く自立を進めたくなりますが注意が必要です。保育士側の思いだけではなく、子どもにとって何が大切かを考える視点を持ちましょう。

子どものペースに合わせる

トイレトレーニングを開始する時期の子どもは、心の発達面では自我が形成される段階で、自己主張が強くなり自分でしたい気持ちが高まっています。トイレに向かうタイミングやズボンやオムツの着脱を急かすと、子どもの意欲を萎ませてしまいます。保育士が子どものペースに合わせるよう配慮してみてください。

なんでも先回りしてやってしまうと、子ども主体の援助になりません。集団生活の場では時間の制約がありますが、できる限り子どもが自分で動き出すのを待ちます。

声かけをしながら楽しい雰囲気で援助する

トイレトレーニングでは、保育の他の場面と同じように、笑顔で関わり子どもの行動を認める言葉がけをします。トイレで排泄が成功したときは一緒に喜び、成功しなくても「トイレに上手に座れたね」とできている部分を褒めてあげます。

褒めるときは、ハイタッチをしたりスキンシップをとったりして、子どもの心が満たされるように楽しい雰囲気で援助しましょう。

間に合わず失敗したときの援助に注意する

布パンツに排泄してしまっても、責めたり注意したりせず「着替えようね」と穏やかに援助します。子どもの自尊心を傷つけたり、失敗したら怒られると感じさせたりしないような配慮が必要なためです。保育士は子どもの自我の発達をふまえて、トイレトレーニングでも心の健やかな発達につながる保育を心がけます。

トイレトレーニングでは停滞や逆戻りも経験しながら、少しずつ排泄の自立へ向かっていきます。できるようになったと思っていても、その日の体調や気温などの影響で失敗することはよくあると理解しておくことが大切です。

安全のためのルールはしっかり伝える

トイレの床や便器はかたくて危険なため、けがを防止するためのルールを繰り返し丁寧に伝えるのが重要です。便器に座っていて前に倒れると、床に頭や額をぶつけて大けがにつながります。便器には深く座り、手すりがある場合は手すりを持つことを最初に教えましょう。手すりがない場合は、便座の前部分に手をついて体を安定させる姿勢を教えます。

ズボンやパンツを膝まで下ろしたまま歩く子どもがいますが、転倒して顔を打つので危険です。排泄が終わったら、すぐズボンとパンツを腰まで上げる習慣がつくよう援助してあげてください。保育士は安全確保のため子どものそばを離れず、1つずつ一緒に動作をやって見せながらルールを教えます。

保育園のトイレトレーニングでは保護者のフォローも大切

2歳前後の子どもの保護者にとっては、子どものオムツが取れるかどうかは大きな関心事です。保護者がゆったりと子どもを見守れるように、保育士は保護者の気持ちをフォローして寄り添います。

子どもの発達を長い目で見ていく姿勢を共有する

トイレトレーニングは、保護者とともに子どもの成長を長い目で見守りながら進めます。保護者によっては、オムツが外れるのが遅れるのではと心配するあまり、家庭でトイレトレーニングをやりすぎる方もいます。まずは不安を受け止め、子どもが抵抗感を抱いてしまうと逆効果になると説明しましょう。

日々の保護者とのやり取りの中で、子どもにプレッシャーを与えずゆったり取り組んでいくほうがよい結果になると伝えます。膀胱など体の発達の問題があるので、時期がくれば排泄は自立すると説明して、保護者の不安が和らぐように話します。

保育園主導で進めて保護者の負担を減らす場合もある

保護者の状況によっては、保育園が中心となってトイレトレーニングを進めて、家庭ではおこなわない場合もあります。家庭の事情はそれぞれ違うので、家庭でトイレトレーニングができない状況にも柔軟な対応を心がけます。保護者の状況への自己判断はせず、子どもにとって最善の保育をおこなうことに集中しましょう。

家庭でトイレトレーニングができないケースでも、保育園で子どもが成長している様子を伝えて喜びを共有します。

保育園でのトイレトレーニングがスムーズに進む工夫

子どもは楽しいことが大好きなので、楽しいと感じれば自分から進んで取り組みます。トイレトレーニングでも、子どもが楽しいと感じて自ら進んでトイレに行けるような環境づくりを工夫していきましょう。簡単に実践できるアイデアを3つ紹介します。

トイレの壁に動物やキャラクターの絵を貼る

保育園のトイレを、子どもが行きたくなる明るい雰囲気の場所にしましょう。かわいい動物やクラスで人気のキャラクターのイラストを飾ると、トイレへの興味が生まれます。イラストをきっかけにして「うさぎさんに会いにいこう」「くまさんが待ってるよ」など、子どもの意欲が湧く誘い方ができます。

楽しい場所だと認識してもらえると、自発的にトイレへ誘えます。キャラクターの歌を歌っても良いでしょう。ラミネートしたイラストを直接トイレタンクや壁に貼るため衛生面にも注意し、トイレ清掃時に一緒に消毒して清潔に保ちます。

トイレの絵本を読み聞かせする

トイレトレーニングについての絵本は、数多く出版されています。多くの絵本の中からクラスの子どもが好きな本を探して、トイレトレーニングに取り入れてみましょう。気に入った絵本を繰り返し読み聞かせすると、子どもの中で膨らんだイメージが行動にも影響して、スムーズにトイレに行くようになります。

2歳前後の子どもは、見聞きしたことのイメージを再現する遊びを始める発達段階です。トイレで排泄するイメージを持てれば、絵本の世界を模倣しようとして、自然とトイレトレーニングへの意欲が育ちます。絵本の主人公のセリフを言ったりストーリーを話したりして、子どもと一緒に再現遊びを楽しみながらトイレに誘いましょう。

パペットやペープサートを活用する

トイレでのルールは、口で説明したり注意したりするよりも、わかりやすいストーリー仕立てで伝えたほうが子どもの頭に入ります。お話を作って子どもに見せる際に活躍するのが、パペットやペープサートです。

トイレでは走らない、使った後は水を流す、ズボンとパンツはすぐ上げるなど、必ず覚えて欲しい約束事は短いお話にしてパペットやペープサートで演じましょう。ストーリーになっていると話の展開が気になるので、しっかり子どもの記憶に残ります。

まとめ

保育園でのトイレトレーニングについて、子どもの発達に寄り添いながら進める方法を説明しました。排泄は食事や睡眠と同じく、子どもの生活に密着した大切な活動です。子どもが自分のペースで楽しくトイレトレーニングを進めていけるように、丁寧に援助していきましょう。

トイレトレーニングをはじめ、子どもの日々の成長を支えるのが保育士ですが、保育園によって保育環境や方針はまったく異なります。子ども一人ひとりを大切に尊重しながら、自分が納得して働ける保育園を探してみませんか。

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