「複数担任のストレスを感じてるのって私だけ…?」
「人間関係の問題を抱えたまま保育士を続けていくのが不安」
複数担任のクラスを受けもつと、人間関係のストレスを感じやすいです。性格・保育観の不一致や先輩・後輩の立場ゆえの悩みによって疲弊する保育士は多いでしょう。
人間関係のストレスを放置すると、心の病気にかかってしまったり、保育士としての自信を完全になくしてしまったりと大きな問題につながりかねません。状況が深刻化しないためにも、なるべく早く今の問題を改善するのがよいでしょう。
そこで本記事では、保育士が複数担任でストレスを感じる原因や対処法を徹底解説します。考え方や行動次第で改善できるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
保育士は複数担任のストレスで退職者が多発!?
そもそも、保育士は人間関係で悩みを抱えやすい職種です。
原因の一つは、保育園が女性の多い職場であること。厚生労働省の統計によると保育士の95%以上は女性であり、男性と比率がとれた職場よりも派閥ができやすかったり、噂や陰口が広まりやすかったりする傾向にあります。
また、保育園は園内での業務が主なうえ、外部との接触が少ない職業なので、閉鎖的な環境です。内にこもった環境も人間関係のトラブルを悪化させたり、ストレスを増大させたりする要因になるでしょう。
以下は、厚生労働省の「保育が取り巻く環境」に掲載されている、過去に保育士として就業していた方の退職理由をまとめた資料です。
「職場の人間関係」の退職理由が、保育士の代表的な悩みである「給料の安さ」「仕事量の多さ」の項目を抜いてトップにあがっていました。この結果をみても、多くの保育士が職場の人間関係で悩んでいるのがわかるでしょう。
複数担任でクラス運営するとなれば、お互いの距離感がより近くなるためトラブルも起きやすいです。性格や保育観にあわない一面があれば我慢を強いられるため、ストレスがたまるでしょう。
全体的にみた保育士の人間関係に関するトラブルについての詳細を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
保育士が複数担任でストレスを抱える原因5つ
では、保育士が複数担任でストレスを抱える原因を解説します。
- 保育観があわない
- 情報共有がうまくできない
- 先輩保育士に気を遣う
- 後輩の指導が難しい
- 関係性が悪くなる
原因①保育観があわない
まずは、保育観があわないことです。
保育は、厚生労働省が告示する「保育所保育指針」が基準になっているものの、各園の保育方針や個人の保育観は自由に掲げて問題ありません。
そこで、以下のような保育観のずれがよく起こります。
保育観A | 保育観B |
けんかで手を出したほうをしかる | けんかが起きたら両方の意見に耳を傾ける |
給食を完食させる | 給食は無理に食べさせない |
活動には必ず参加させる | 必ずしも活動に参加しなくてもよい |
人によっては相手の保育観に対して「それだと子どもがかわいそう」「子どものためにならないのではないか?」などと疑問や違和感をもつ場合があるでしょう。
とはいえ、保育観はその方にとっての信念のようなものなので、「私はその考え方は違うと思う」と意見をいうのは難しいものです。相手のあわない保育を目にする毎日に、ストレスを抱える保育士は少なくありません。
原因②情報共有がうまくできない
また、情報共有がうまくできない状況も大きなストレスを感じるでしょう。
クラス運営を円滑にするためには、担任間のこまかな情報共有が必要不可欠です。
- 子どもの出席状況
- 子どもの様子
- 保護者とのやりとり
- 職員会議の内容
情報共有をおろそかにすると、クラスの統一性が図れないほか、子どもや保護者の信頼を損ねる原因になりかねません。
また、複数人で仕事をする場合に大切な報連相(報告・連絡・相談)を怠ると、以下のようなトラブルを引き起こす可能性もあります。
報連相 | 行為 | トラブル例 |
報告 | 仕事の進捗状況を伝える行為 | 仕事の進捗状況を伝えずに勝手に作業を進めて、信頼を損ねる |
連絡 | 大事な情報や予定を知らせる行為 | 保護者からの大事な話を引き継ぎ忘れ、問題が大きくなる |
相談 | トラブルや困り事に対してアドバイスをもらう行為 | 相談しないがゆえに、問題や悩みが深刻化する |
情報共有・報連相の大切さを知っている方ほど、うまく共有ができない環境や相手にストレスを感じるでしょう。
原因③先輩保育士に気を遣う
そして、先輩保育士に気を遣う方も少なくありません。
後輩がストレスを感じやすい先輩保育士の特徴は以下のとおりです。
- 指導が厳しすぎる
- 否定的な言葉ばかりかけられる
- 強い口調で指示を出す
- 教育してくれない
「後輩をしっかり育てたい」「先輩らしいところをアピールしたい」などという理由から指導が厳しくなってしまう方や、もともと気難しい性格の先輩保育士もいるでしょう。
どんな相手であろうと、後輩は「先輩に嫌われたくない」という心情が働き、気を遣うケースが多いです。相手を気にかける状態が毎日続けば、精神的な負担は大きいでしょう。
なお、こちらの記事では新人保育士が抱えやすい人間関係の悩みについてまとめているので、先輩保育士との関係性に悩む新人保育士の方はぜひあわせてチェックしてみてください。
原因④後輩保育士の指導が難しい
反対に後輩保育士との関わりに悩む方もいます。
先輩が頭を抱えてしまうような後輩保育士の特徴は、以下のとおりです。
- 教えたとおりに動いてくれない
- 半年も経っているのに成長しない
- 子どもの命を預かる仕事に危機感がない
後輩保育士に変化がみられないと「自分の教え方が悪いのかな?」と悩む原因にもなるでしょう。また、後輩が成長しないと自分の負担も減らないので、疲労感もともないます。
原因⑤関係性が悪くなる
また、関係性が途中で悪くなった場合も、大きなストレスと感じる原因の1つです。
何かのミスや出来事をきっかけに、同じクラスの保育士と不仲になるケースも珍しくありません。ピリピリした空気感や気軽に話しかけられない状況にストレスを感じるでしょう。
関係性が悪くても担任である以上、仕事の情報共有をしたり、協力して保育を進めたりしなくてはなりません。気遣いが絶えない状況なので、当然疲れもたまります。
保育士の人間関係に疲れた場合の対処法はこちらの記事にまとめているので、詳細が気になる方はぜひチェックしてみてください。
保育士が複数担任でストレスを抱えたときの対処法5つ
次に、保育士が複数担任でストレスを抱えたときの対処法を紹介します。
- 上司に相談をする
- 話し合いの機会を作る
- 過度に相手を期待しない
- 世渡り術を身につける
- 相手を知る努力をする
自分の悩みにあった対処法をぜひ試してみてください。
対処法①上司に相談をする
まず、人間関係に悩んだら上司に相談してみましょう。
上司は職員の人柄を把握しているので、話の理解が早いほか、現実的な解決策を提案してくれるはずです。
たとえば、相手の性格を考慮した関わり方を教えてくれたり、長年の経験をもとに複数担任でクラス運営するコツを教えてくれたりするでしょう。
また、相手に直接話をしてくれたり、必要に応じてクラス編成をしてくれたりと上司にしかできない解決策に動いてくれる可能性もあります。物事が大きく動くのは不安を感じるかもしれませんが、信頼できる上司がバックにいるのなら心強いでしょう。
対処法②話し合いの機会を作る
そして、保育観の違いやトラブルにより相手との関係性が悪くなりそうなら、話し合いの機会を作ってみるのもおすすめです。
たとえば保育観のすり合わせで話し合った場合、相手の考え方や狙いがわかり納得できるケースもあります。また、お互いに折り合いをつけられるポイントがみつかりストレスを軽減できる可能性もあるでしょう。
関係性を修復するための話し合いなら、「あなたと仲直りしたい」という気持ちさえあれば和解に進むはずです。
話し合いは相手の考えや想いを聞いて、関係性を深めるチャンスでもあります。向き合うのには勇気がいりますが、今の状況を変えるために行動する価値はあるでしょう。
なお、保育士同士の連携で大切なポイントはこちらの記事にまとめているので、詳細を知りたい方はぜひ合わせてご覧ください。
対処法③過度に相手を期待しない
過度に相手を期待しないのも、ストレス軽減の方法です。
以下のような心理が働いているときは、相手への期待値が高い傾向にあります。
- こんなに丁寧に教えているのに後輩が成長してくれない
- こんなに相手に寄り添おうとしてるのに向こうはわかってくれない
- こんなに子どもを大切にしているのに私の保育観を理解してくれない
自分の期待に応えてもらえないと、悲しい気持ちになるでしょう。裏切られた感覚で、苛立ちに変わるケースも珍しくありません。
人はなかなか簡単には変わらないものです。心のゆとりを手に入れるためにも、相手への期待は手放していきましょう。
対処法④素直に従う姿勢をもつ
そして、先輩保育士との人間関係に悩む方は、素直に従う姿勢を意識してみるとストレス緩和につながるケースもあります。
あからさまに先輩保育士が間違った指導をしていたら、反抗したくもなるでしょう。しかしグッと気持ちを抑えて素直に従う姿勢をみせると、先輩の態度が丸くなるケースも珍しくありません。先輩は自分についてきてくれる後輩を好む傾向になるからです。
相手に非がある場合に素直に従うのは癪に触るかもしれませんが、自分のメンタルケアだと思って意識を変えてみるのもよいでしょう。
対処法⑤相手を知る努力をする
相手を知る努力をするのも、ストレスを軽減するための方法の1つです。
関係性がうまくいっていなかったり、相手に不満をもっていたりする状態だと対象者を非難しがちになります。そのような状況では、関係性は一向によくならないでしょう。
相手の良い一面がみえるようになると、受け入れ態勢が作れます。相手を尊重した言動に変わるので良い関係性を構築できるでしょう。
現在、マイナスな見方しかできていない方は、ぜひ相手を知る努力をしてみてください。
保育士が複数担任のストレスを感じるなら転職をするのもあり!
自分にあった対策法を試しても状況が改善しないようであれば転職するのもありです!
保育園や相手に根本的な問題があれば、個人の力で解決するのは難しいです。変わらない環境のなかで働き続けるのは大きなストレスでしょう。
世の中には、以下のような人間関係が良好な保育園はたくさんあります。
- 後輩・先輩の関係性が良い
- 全員が同じ方向を向いて保育している
- 園長先生が良い方で職場全体の雰囲気が良い
- 労働環境が整っていて職員の心にゆとりがある
すでに環境が整っている保育園に転職をすれば、今の悩みやストレスから解放されるでしょう。ストレスを我慢して働き続けるのは自分のためによくありません。「最近、仕事が楽しくない」「毎日人間関係で悩んでいる」という状態であれば、ストレスの少ない職場に転職するのがよいでしょう。
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まとめ:保育士が複数担任でストレスを感じたらまずは自分にできることを試してみよう!
複数担任のクラス運営では連携が必要不可欠ですが、うまく情報共有ができなかったり、相手との相性があわなかったりすれば大きなストレスになるでしょう。
そんなときは本記事で紹介した対処法で、改善できそうなものを試してみてください。
- 上司に相談をする
- 話し合いの機会を作る
- 過度に相手を期待しない
- 素直に従う姿勢をもつ
- 相手を知る努力をする
考え方や行動を変えてみるだけで、人間関係が良好になるケースは多々あります。
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