
保育士の業種は何になるの?



履歴書や書類に業種を書くとき、どう記入すれば良い?
このような疑問をおもちの方もいるのではないでしょうか?
保育士の業種は「児童福祉事業」に分類されます。
転職活動や各種手続きで業種・職種を記入する際、正しい分類がわからず迷ってしまう保育士は少なくありません。とくに「サービス業」と混同されやすく、間違った記入をしてしまうケースも見られます。
また、保育士資格を活かして働く職場によっては、職種欄の記入方法が異なる場合もあるため、適切な書き方を知っておくと今後に役立ちます。
本記事では、保育士の業種・職種の正しい分類について詳しく解説します。具体的な記入例や、職種欄に「保育士」の項目がない場合の対応方法も紹介しているので参考にしてみてください。




保育士の業種は「児童福祉事業」に分類される


保育士の業種は、総務省の日本標準産業分類において「児童福祉事業」に分類されます。この分類は以下のような階層構造になっています。
- 大分類「医療、福祉」
- 中分類「社会保険・社会福祉・介護事業」
- 小分類「児童福祉事業」
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大分類「医療・福祉」
日本標準産業分類の大分類とは、職業を大きな種類に分けたものです。
「農業」「建設」「金融」などに分類項目が分けられており、保育士は「医療、福祉」に属します。
「医療、福祉」分類には、医療業をはじめ、保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業が含まれており、人々の健康や福祉に関わる幅広い事業が対象です。
保育士も子どもの健全な成長と福祉を支える職業として、この分類に位置づけられています。



私もどの項目を選択すれば良いのか迷うことが多かったです。
保育は子どもの命・幸せを守る福祉事業に触れる仕事のため、医療・福祉に分類されるのですね。
中分類「社会保険・社会福祉・介護事業」
中分類とは大分類で分けた業種をより細かく分けたもので、保育士は「社会保険・社会福祉・介護事業」に該当します。
「社会保険・社会福祉・介護事業」分類は、社会保険事業や社会福祉事業、介護事業など、社会保障制度に基づく事業を包括しています。
保育園や認定こども園などの児童福祉施設も、児童福祉法に基づく社会福祉事業として運営されているため、この中分類に含まれています。
小分類「児童福祉事業」
小分類は、中分類で分けた職業区分をさらに細かくしたもので「児童福祉事業」が保育士の業種です。
児童福祉事業には、保育園や認定こども園のほか、児童養護施設、乳児院、児童発達支援センターなどが含まれます。
保育士が働く職場の多くは、この児童福祉事業に該当するため、業種欄への記入時は「児童福祉事業」と書くのが適切です。
以下の記事では、保育施設の種類を一覧で紹介しています。施設ごとの特徴や役割も解説しているので、あわせてご覧ください。


保育士の業種は「サービス業」ではない


保育士の業種は、サービス業と混同されがちですが、上記で解説してきた通り、正しくは「児童福祉事業」です。
サービス業とは、顧客のニーズに応えて形のないサービスを提供し、対価を得る業種を指します。顧客の「○○がしたい」「○○をしてほしい」といった要求に応える仕事で、顧客満足の追求が主な目的です。
一方、保育園は保護者からの委託を受けて、幼児や乳児を預かる福祉事業所です。お金の対価としてサービスを提供しているわけではなく、あくまで福祉業として保育をおこなっているにすぎません。
また、認可外保育園や企業運営の施設が増加し、顧客対応に近いサービスが求められる場面もあります。しかし、保育士にとって保護者は顧客ではなく、子育てを協力しておこなうパートナーという位置づけです。
保育士の職種は「保育士」に分類される


保育士の職種は「保育士」です。職種欄に記載する際は「保育士」と記載しましょう。
職種は一般的な用語を選択すれば問題ありません。
そのため、保育教諭の場合は「保育教諭」、保育補助の場合は「保育補助員もしくは保育補助スタッフ」、幼稚園教諭の場合は「幼稚園教諭」と記載します。
職種が「保育士以外」になるケース


保育士資格を持って働いていても、以下のケースでは職種が「保育士」以外になります。
- 公立の保育園で働く保育士
- 病院で働く保育士
働く職場や雇用形態によって職種の記載が変わるため、それぞれの違いを理解しておきましょう。
公立の保育園で働く保育士
公立の保育園で働く保育士の職種は「地方公務員」です。
公立保育園は市町村が運営する施設であり、そこで働く保育士は地方公務員として採用されているためです。履歴書や各種書類の職種欄には「地方公務員」と記入します。
「地方公務員」に該当するのは、正規職員として採用された保育士のみです。公立保育園でも臨時職員や非常勤職員として働く場合は、そのまま「臨時職員」「非常勤職員」と書くのが一般的です。
病院で働く保育士
病院で働く保育士は、業務内容に応じて以下のように職種が分かれています。
- 病院内保育士:医療従事者の子どもを病院内で預かる
- 病棟保育士・医療保育士:病院で入院している子どものケアをする
どちらも保育士資格があれば従事できる職種です。
職種欄には「保育士」とだけ記載しても問題はありませんが、具体的に書いたほうが相手に伝わりやすくなります。
職種欄に「保育士」の項目がない場合の対応方法


履歴書や各種書類の職種欄に「保育士」の選択肢がない場合は「その他」を選択し、備考欄や詳細記入欄に「保育士」と明記します。
もし「その他」の項目もない場合は、最も近い職種を選択します。保育士の場合、「教育関係」「福祉関係」「専門職」などが近いです。
この場合も備考欄に「保育士」と記入しておきましょう。



保育士の項目がないと、どう対応すれば良いのか困りますよね。
そんなときは備考欄をうまく活用して、保育士であることを伝えればいいのですね!
【施設別】保育士資格を活かせる職場一覧
保育士以外でも保育士資格を活かせる職場は、いくつかあります。
- 認定こども園
- 病院・企業内保育園
- 乳児院
- ベビーシッター
- 放課後デイサービス
- 学童保育
- インターナショナルスクール・プリスクール
- 美容院・商業施設の託児所
それぞれの職場の特徴について見ていきましょう。
認定こども園
保育士として、認定こども園で勤務することも可能です。
認定こども園は、幼稚園と保育園の良さを兼ね備えた施設で、保育と教育を同時に提供します。
認定こども園の保育士として勤務するためには、保育士資格と合わせて幼稚園教諭資格が必要になる場合があります。
また、各こども園によって資格条件が異なり、保育士資格のみで勤務することも可能です。


病院・企業内保育園
病院や企業内保育園では、保育士の専門性を活かして、働く職員の子育てを支援できます。
病院内保育園では、医師や看護師の子どもを預かり、夜勤や不規則な勤務に対応した保育をおこないます。24時間保育や急な預かりにも対応するため、保育士の柔軟性と専門知識が求められます。
企業内保育園では、その企業で働く職員の子どもを対象とした少人数・異年齢保育が一般的です。
働く保護者の勤務時間に合わせた保育時間の設定や、職場環境に馴染んだ保護者との近い連携が特徴です。


乳児院
乳児院とは、親が自ら子育てできない・しない1歳未満の乳児を預かる社会養護施設です。乳児院は24時間生活の保育であり、乳児院は、医師・看護師・栄養士・児童福祉士・家庭支援専門相談員で定められた職種の職員が働いています。
その中で保育士も子どものお世話をします。乳児院の保育士は1歳未満の子どもの親代わりとして関わる仕事であるため、責任感があり協調性のある人におすすめな仕事です。
ベビーシッター
ベビーシッターは、依頼者の自宅で保育をする仕事です。預かる子どもにあわせて保育ができる点が、やりがいにも繋がります。保育園とは違い、一斉保育をするわけではないため、自分の保育観で1人の子どもに集中して自由に保育ができます。
パート・派遣会社・アルバイトなど、さまざまな雇用形態で仕事ができるのも人気の理由です。時間帯が早朝や夜間になるときは賃金が増えることもあり、一般的なシッターの場合は、1時間あたり1,500円〜3,000円が基本です。
ベビーシッターに似た仕事として、自宅で子どもの保育をおこなう小規模の保育サービスの「保育ママ制度」があります。詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。


放課後デイサービス
放課後デイサービスにおいて保育士は、障がいをもつ子どもたちの成長をサポートする役割を担います。
放課後デイサービスは、6歳から18歳までの就学児童が放課後や休日に通う施設で、障がいがある児童だけではなく、発達に特性がある子どもも利用対象です。
保育士資格は児童指導員として働くための要件のひとつです。子どもたちの個性や発達段階に応じた支援をおこない、社会参加に向けたスキルを身につけるサポートをします。
保育士としての子どもとの関わり方や遊びの技術が、障がいをもつ子どもたちの療育にも大いに活かされます。
学童保育
学童保育士とは、日中家に保護者が仕事でいない放課後の小学生を対象にした保育です。仕事内容は、小学校横にある学童保育所で放課後の子どもたちに学校の宿題を教えることもあります。
他には一緒にグラウンドで野球・サッカー・鬼ごっこ・縄跳びなどを使って遊ぶことも仕事であり、小学1年生〜6年生まで幅広く保育をしたい人にはおすすめです。
学童によって行事は異なりますがよくある行事では、お誕生日会・ハロウィン・クリスマス会・映画遠足や地域との関わりがあります。


インターナショナルスクール・プリスクール
インターナショナルスクールとは、海外で育った子どもが通う学校のことです。対してインターナショナルプリスクールは、日本で外国語を身に付けるために通う学校のことを指します。
最近では、保護者の考えの一つとして子どもには将来に向けて、英語や中国などさまざまな国の勉強を小さい時から習わせたい人が多く人気が高まっています。
また、将来のことを考えプレゼン力・コミュニケーション力・想像力などを伸ばすことに注力する園が多く、先進的な教育を受けられるのも魅力の一つです。
美容院・商業施設の託児所
美容院や商業施設の託児所では、保護者が安心してサービスを利用できるよう子どもたちを預かります。
美容院併設の託児所では、保護者がヘアカットやパーマをしている間、子どもたちが安全に過ごせるよう見守ります。短時間の預かりが中心となるため、子どもたちがすぐに馴染めるような環境づくりが大切です。
商業施設内の託児所では、保護者が買い物やお食事を楽しむ間の一時保育をおこないます。初めて会う子どもたちとも素早く信頼関係を築く必要があるため、保育士のコミュニケーション能力が特に活かされる職場といえるでしょう。
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保育士の業種についてのよくある質問


最後に保育士の業種に関するよくある質問と回答をまとめます。
履歴書や職務経歴書の部署名は何と書いたらいいですか?
履歴書や職務経歴書の部署名欄には、実際の担当や部門を簡潔に記載します。
保育園では明確な部署名がない場合が多いため、「乳児クラス担当」「幼児クラス担当」「0歳児クラス担当」「5歳児クラス担当」などと担当クラスを記載すれば問題ありません。
無理に部署名を作る必要はなく、職種欄で「保育士」と明記していれば十分です。担当していた業務の詳細については、職務内容欄で具体的に説明しましょう。




転職の際には履歴書や職務経歴書のほか「在職証明書」が必要になります。以下の記事で保育士の在職証明書について解説していますので、参考にしてみてください。


クレジットカード申込で該当する業種欄がないときはどうしたらいいですか?
クレジットカード申込時に保育士の業種に該当する選択肢がない場合は、「その他」や「該当なし」を選択しましょう。
多くのクレジットカード申込書では、一般的な業種のみが選択肢として用意されており、「児童福祉事業」の項目がない場合があります。その場合には無理に近い業種を選ばず「その他」を選びます。
備考欄や自由記入欄がある場合は、そこに「保育士」と具体的に記入しておきましょう。カード会社が職業を正確に把握できるため、審査もスムーズに進みやすくなります。
また、働き方を尋ねられた際は、公務員や個人事業主ではなく「会社員」が適切です。私立保育園で働く保育士は、雇用形態としては会社員に該当します。
申込時の業種・職種欄は審査に影響するため、できるだけ正確な情報を記入することが大切です。不明な点がある場合は、カード会社に直接問い合わせて適切な記入方法を教えてもらいましょう。
保育士の業種を理解して自分の仕事を正しく伝えよう!


保育士の業種は「児童福祉事業」に分類され、サービス業ではありません。
職種は基本的に「保育士」ですが、働く職場によっては異なる分類になる場合もあります。
履歴書や各種書類への記入時に迷わないよう、正しい分類を理解しておくことが大切です。
本記事で紹介した業種・職種の分類方法や記入例を参考にして、転職活動で使用する書類には、職種・業種をきちんと把握して、職務内容欄を充実させましょう。
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