「保育士の人間関係に疲れた…辞めるべき?」
「人付き合いが苦手な自分は保育士に向いてないのかな?」
職場の人間関係に疲れ、仕事を続けるべきか迷う保育士は少なくありません。現に、厚生労働省の調査によると、保育士の退職理由でもっとも多かったのは職場の人間関係でした。
人間関係によるストレスは、気力や体力をうばう原因のもとです。そのため疲れを放置すれば、保育士を続ける自信もなくなっていくでしょう。
気持ちに余裕をもって働きたいなら、疲れを癒すための対策をとる必要があります。
そこで本記事では、保育士が人間関係に疲れる原因を解説します。そのうえで、悩み別の対処法をお伝えするので、人間関係に疲れている方はぜひ試してみてください。
保育士の人間関係に疲れて退職する者の割合は33.5%!
まずは、保育士の退職理由から人間関係の実態を考察してみましょう。
厚生労働省の「保育が取り巻く環境」で公開された、過去に保育士として就業していた方の退職理由をみてみると、「職場の人間関係」と回答した方の割合は33.5%でした。
保育士の悩みとしてよく取り上げられている「給料」や「仕事量」の項目よりも、高い割合であることから、保育士の人間関係は疲れやすい傾向にあるのが予測できます。
保育園で働く職員は、大半が女性なので、女性特有の人間関係が問題を起こしている可能性があります。また、外部との接触が少ない閉鎖的な職場環境も保育士が悩みをため込む要因の1つでしょう。
【相手別】保育士が人間関係に疲れる5つの理由
次に、保育士が人間関係で疲れる理由を相手別にみていきます。
- 園長先生
- 同じクラスの保育士
- 同僚
- 非常勤の保育士
- 保護者
①園長先生
まずは、園長先生です。職場のトップなので、もっとも気を遣う存在でしょう。
園長先生との人間関係でよくある悩みを以下にまとめました。
- 過度な指導を受ける
- 理不尽な要望が多い
- あわない保育観を押し付けられる
園長先生との関係性がこじれれば、職場に居づらくなる可能性があります。そのため、園長の指導法や保育観があわない場合でも受け入れる保育士は多いでしょう。
しかし、自分の気持ちにふたをして我慢し続ければ、ストレスが蓄積していきます。
なお、こちらの記事では新人保育士が抱えやすい人間関係の悩みをまとめているので、園長先生との向き合い方に迷っている新人保育士の方はぜひあわせてチェックしてみてください。
②同じクラスの保育士
また、同じクラスの保育士との人間関係に悩む方も少なくありません。
クラス運営をするなかで、意見をすり合わせたり、相手の性格にあわせて関わったりする機会が多いので、気疲れをしやすい相手です。
さらに、上下関係に悩みを抱える新人保育士も多いでしょう。先輩保育士の態度が大きかったり、丁寧に教育してくれなかったりする場合、同じクラスで一緒に働くのがストレスになります。
担任になった以上、たとえ相性があわなくても相手との関係性を維持していなければなりません。毎日顔をあわせながら仕事をするので、人間関係のトラブルも生まれやすいでしょう。
複数担任ならではの人間関係の悩みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
③同僚
そして、同僚との関係に悩む方もいます。
同僚は年齢や入社日が近かったり、同じ役職だったりする共通点から、職場のなかではもっとも親しい関係になれる存在です。しかし、人付き合いが苦手な方は、仲を深める行為自体に疲弊しやすいでしょう。
また、1つの言動で、同僚との関係性が悪化するケースもあります。ピリついた空気のなかで仕事をするのは、ストレスも大きいはずです。
④パート・アルバイト
さらに、パートやアルバイトとの関係性に苦労する保育士もいるでしょう。
正社員は仕事柄、パートやアルバイトに指示を出さなくてはいけません。しかし相手が自分より年上で、保育経験がある方だと気を遣ってしまうでしょう。
また、パートやアルバイトが現場を仕切るケースも珍しくありません。とくに職場の在籍数が長い方が、目立った行動をとる傾向にあります。
正社員と非正社員の立場が逆転すれば、ストレスを感じてしまうのは仕方ないでしょう。
⑤保護者
また、保護者との人間関係に悩む保育士も多いです。
保護者にはさまざまな性格の方がいて、保育士は一人ひとりにあった関わり方をしていかなくてはなりません。なかには配慮が必要な保護者もいるので、対応に苦労する保育士も多いでしょう。
- クレーマー気質の方
- 保育に非協力的な方
- その日によって態度が変わる方
- 質問がこまかい方
そして、子どもに怪我をさせてしまったり、対応に不満を感じさせたりして、保護者を怒らせるケースも珍しくありません。
怒りが治るまではピリピリした雰囲気のなかで対応しなければならないので、毎日の顔合わせにストレスを感じるでしょう。
保育士が人間関係に疲れた場合の対処法5つ
続いて、保育士が人間関係に疲れた場合の対処法を5つ紹介します。
- 上司に相談する
- 積極的にコミュニケーションをとる
- 適度な人間関係を保つ
- リフレッシュする
- 転職する
自分の悩みにあう対処法をぜひ試してみてください。
対処法①上司に相談する
まずは上司に相談する方法です。
上司はあなたの人柄や職場の人間関係を把握しているので、現実的な解決策を提案する力があります。また、権力を活かして、大胆な対応でトラブルを解消するケースもあるでしょう。
- 直接、本人に話をしてくれる
- 必要に応じてクラス編成をしてくれる
- 長年の経験から人間関係の築き方を教えてくれる
問題の悪化をおそれて、上司への相談をためらう方も少なくありません。しかし信頼できる上司であれば、あなたを守りながら最適な解決に向けて動いてくれるはずです。
対処法②積極的にコミュニケーションをとる
また、積極的にコミュニケーションをとるのも人間関係の問題を解消させる効果があります。
というのも、コミュニケーション不足で相手との関係性に溝ができている場合は、どうしても相手を非難したり、警戒心を向けたりしがちです。そのため相手と会話をする機会を増やすだけでも関係性はよくなるでしょう。
こまめに報連相(報告・連絡・相談)をするのもコミュニケーションの1つです。情報共有をすれば業務の質をあげられるほか、協力し合える関係性を構築できるでしょう。
保育士同士の連携で大切なポイントはこちらの記事にまとめているので、詳細を知りたい方はぜひチェックしてみてください。
対処法③適度な人間関係を保つ
さらに、適度な人間関係を保つ意識も大切です。
人間関係に疲弊する方は、相手に好かれようとしすぎている傾向にあります。そこで相手の顔色を伺って嫌われない努力をするために、疲れてしまうのでしょう。
そもそも、職場で公私混同する関係性は好ましくありません。保育士は子どもの命を預かる仕事なので、仕事上の関係性を維持して緊張感をもって働くのが正しい選択です。
よって「仲良くなれなくてもOK!」「苦手な相手に無理に近づかない」というスタンスを身につけつつ、相手と程よい関係性を保ちましょう。
対処法④リフレッシュする
また、人間関係の疲れをとるにはリフレッシュも大切です。
疲れがたまると、イライラしやすかったり、気持ちが沈みやすかったりしやすいです。その結果、問題が深刻化したり、心の病気につながったりする可能性もあるので、疲れはなるべくためないようにしましょう。
- 自然のなかで過ごす
- 友人に悩みを聞いてもらう
- 自分の好きな趣味に没頭する
- ヨガやジョギングなどで体を動かす
- 感情にふたをせず泣いたり、怒ったりしてみる
仕事とストレスは切っても切り離せません。ストレスとうまく共存していくためにも、自分にあったリフレッシュ法をみつけてみてください。
対処法⑤転職する
そして、転職も人間関係の悩みを解消する方法の1つです。
人間関係の問題のなかには、個人の力で改善するのが難しいものもあります。
- 固着した風通しの悪い雰囲気
- 園長や先輩保育士の過度な指導
- 回復の難しい亀裂の大きい人間関係トラブル
上記のような問題は、園全体や相手の変化が必要となるので、自分の力で状況を覆すのは困難でしょう。その場合は、すでに良好な人間関係の環境が整っている保育園に転職して再スタートを切るのが有効な手段といえます。
今の問題とじっくり向き合ってみて、職場内で解決できそうな問題は改善に努め、難しい場合は転職も視野に入れて考えてみてください。
保育士が人間関係に疲れにくいおすすめの転職先3選
次に、保育士が人間関係に疲れにくいおすすめの転職先を3つ紹介します。
- 子どもの定員数が少ない保育園
- 保育士の配属が求められる福祉施設
- 子どもと接点のある一般企業
①子どもの定員数が少ない保育園
まずは、子どもの定員数が少ない保育園です。
定員数の多い保育園はそのぶん保育士の数も多く、人間関係で疲れやすいです。そのため、人付き合いが苦手な方は、小さい規模の保育園があっているでしょう。
また、子どもの数が少ないとアットホームな雰囲気が生まれやすいです。穏やかな空気が流れる保育園では、職員や保護者とも良好な人間関係を築きやすいでしょう。
以下は、定員数が少ない保育園です。
- 定員数が少ない一般の保育園
- 小規模保育園
- 企業内・院内保育園
一般の保育園の定員数は20人以上なので、20〜60人定員の小・中規模の保育園を選ぶとよいでしょう。小規模保育園の定員数は6〜19人なので、こじんまりとした保育園で働きたい方におすすめの転職先です。社内や病院のなかに設立された企業内・院内保育園は敷地が限られているため、定員数は少なく設定されている傾向にあります。
子どもとゆったりと関われる環境なら職員間のピリついた空気が生まれにくいため、人間関係の疲れを軽減できるでしょう。
②保育士の経験が重宝される児童福祉施設
また、保育士の配属が求められる児童福祉施設への転職もおすすめです。
児童福祉施設とは、児童福祉法に基づいて事業をおこなう施設の総称で、心のケアや特別なサポートを必要とする女性や子どもが入所または通所する施設のこと。保育園や認定こども園もこのなかに該当します。
児童福祉施設は全部で12施設ありますが、ここでは5つの施設を紹介します。
施設 | 施設の目的 |
助産施設 | 経済的理由で入院助産できない妊産婦を入所させ、助産をサポートする施設 |
乳児院 | 保護が必要な乳児を入所させ、養護を目的とする施設 |
母子生活支援施設 | 保護が必要または配偶者がいない女性と子どもを入所させ、生活支援をする施設 |
児童養護施設 | 保護が必要または保護者がいない児童を入所させ、児童を養護し、自立を支援する施設 |
障害児入所施設 | 障がいのある児童を入所させ、日常生活の指導や独立支援する施設 |
施設ごとに必要な専門的知識やサポート力が必要となるため、保育園とはまた違った難しさもあります。しかし、生活に踏み込んだ支援が多いぶん、利用者から直接感謝の言葉をかけてもらう機会が多いので、やりがいも強く感じられるでしょう。
③子どもと接点のある一般企業
そして、子どもと接点のある一般企業に転職も考えてみましょう。
- 写真館
- 習い事の先生
- 子ども服売り場
資格は基本的に不要なので、保育士として転職はできません。しかし、子どもへの共感力や対応力に長けていたりする観点から、保育士資格があると重宝されやすいです。
一般企業であれば、保育園ほど、子どもや保護者と密な関係を築く必要はありません。その日限り出会いが多いので、保護者対応ほどのプレッシャーはないでしょう。
また一般企業には、女性だけでなく男性スタッフも混じっているため、女性特有の人間関係に悩みにくくなります。
保育士の人間関係に疲れて転職する方は保育士特化型の転職エージェントの活用がおすすめ!
保育士の人間関係に疲れたら、本記事で紹介した対処法を参考に、まずは今の職場で実践できるものを試してみましょう。勇気を出して、相談をしたり、相手との関わり方を変えたりすれば、人間関係を修復できるチャンスはあります。
ただし、風通しの悪さが定着した園や、修復不可能な相手との関係性であれば、対処法を試しても改善が難しい可能性があります。その際は、転職をしてストレスの少ない環境の職場に転職するのが、最適な選択といえるでしょう。
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まとめ:保育士の人間関係に疲れたら無理をしない選択をしよう!
保育士の人間関係に疲れたら、まずは自分を労わりましょう。疲れているときは、自分を責めやすかったり、ミスが続いたりと、すべてがマイナス方向に進みやすいです。
よって、心身に疲労を感じたら、上司に相談したり、程よい人間関係の作り方を学んだりして自分自身の癒しにつながる行動を起こしましょう。
それでも人間関係の修復が難しいと判断した場合は、転職も1つの選択肢です。その場合は、ぜひ1度しんぷる保育にご相談ください!人間関係の良い職場を厳選しつつ、あなたの就活・転職活動を完全バックアップし、内定獲得までをサポートいたします。
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