
男性保育士に将来性はあるの?



給料が低いから将来、結婚できるか不安…
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
結論、男性保育士でも収入アップの方法や働きやすい職場環境を手に入れるための知識を身につけておけば、将来を見据えた働き方ができます。
希望をもって保育の道を進むためには、視野を広げてキャリア形成や職場の選択をしていく姿勢が大切です。
本記事では、男性保育士の給料事情や将来性、年収を上げるための具体的な方法を詳しく解説します。
男性保育士が働きやすい職場の特徴も紹介しているので、転職先を決める際の参考にしてみてください。


男性保育士の割合は1割未満|少ない理由も解説


そもそも男性保育士って、全体の何%を占めているの?
以下は、厚生労働省の資料に掲載されている「保育施設の性別職員の構成割合」です。
- 男性:4.0%
- 女性:95.8%
参考:厚生労働省|保育士の現状と主な取組
保育施設で働く男性職員は、全体の1割未満です。女性職員は95.8%というデータから、保育の仕事は女性が大多数を占めているのがわかります。
男性保育士が少ない背景には、歴史的な要因や社会的なイメージが関係しています。
かつて保育士は「保母さん」と呼ばれており、保育は母親のように女性が担うものと考えられていました。
現在は名称が「保育士」に変更され、性別に関係なく働ける環境が整いつつあるものの、昔の価値観が残り、男性保育士が増えにくいのが現状です。
一方、近年は保育における男性の役割が見直され、男性保育士の活躍も注目されています。
以下は、こども家庭庁が公開している男女別の保育士登録者数を示した表です。


男性保育士の数は年々上昇傾向にあり、2014年(平成26年)に54,423人だった男性保育士の登録者数は、6年後の2020年(令和2年)には82,330人で約3万人増加しています。
数字が示すように、保育士という職業の性別イメージは、確実に変化しているといえるでしょう。
男性保育士の給料事情|年収や月給はどれくらい?





男性保育士の平均的な給料が知りたい
以下は、政府統計の調査結果をもとに算出した性別による保育士の平均月収・平均年間賞与・平均年収です。
男性保育士 | 女性保育士 | |
---|---|---|
平均月収 | 30万6,600円 | 26万8,900円 |
平均年間賞与(特別給与含む) | 80万6,000円 | 70万5,500円 |
平均年収 | 448万5,200円 | 393万2,300円 |
出典:政府統計|令和5年賃金構造基本統計調査により算出
平均月収・平均年収ともに、女性保育士よりも男性保育士が高い傾向にあります。
平均年収では約50万円以上も男性保育士のほうが高くなっています。



ほかの職種と比べると男性保育士の給料は安いの?
このような疑問をもつ方もいるでしょう。
国税庁の統計調査によると、全職種における男性の平均給与は569万円です。
男性保育士の平均年収は約450万円なので、全職種の平均よりも100万円以上低い水準となっています。
保育士の待遇面での課題は社会で認識されており、現在も対策が進められている状況です。
男性保育士が働くうえでのメリット


男性保育士の存在は、保育園の運営や子どもたちのサポートにおいて良い影響が多くあります。
ここでは、男性保育士がいることで得られる4つのメリットを紹介します。
- ダイナミックな遊びや力仕事で活躍できる
- 父親が相談しやすい
- 防犯面で安心につながる
- 男性トイレに入って介助できる
順番に見ていきましょう。
ダイナミックな遊びや力仕事で活躍できる
ダイナミックな遊びや力仕事は、体格的な特徴のため、男性保育士のほうが向いています。
たとえば、男性保育士は、鬼ごっこやサッカーといった運動遊びで、子どもたちと全力で走り回れる体力をもつ方が多い傾向にあります。
大人が全力で遊ぶ姿は、子どもたちのやる気を引き出す効果が期待できるほか、遊びの楽しさもダイレクトに伝えられるでしょう。
また、男性保育士は、運動会や発表会などの行事で、大きな道具を運んだり、設営したりする際にも貢献しやすいです。
このように男性保育士は、子どもたちにとっては父親のような存在、女性保育士にとっては頼れる存在となりうる可能性があります。
父親が相談しやすい
保護者である父親の中には、同性の男性保育士のほうが気軽に話せて相談しやすいと感じる方も少なくありません。
父親には父親ならではの悩みがあります。抱えている悩みを安心して相談できる存在は、子育てをする父親にとって心強い味方となります。
話しやすい保育士がいれば、相談だけでなく、普段の何気ない子どもの姿や成長も共有しやすいでしょう。
父親が育児の不安を解消したり、子育ての楽しさを分かち合ったりできる環境は、子どもの成長や発達に良い影響を与えます。
このような利点を踏まえると、男性保育士の存在は大きいといえます。



男性保育士が勤務する職場で働いたことがありますが、保護者の父親が男性保育士と楽しそうに話している現場を何度も見たことがあります。
同性だからこその話しやすさも感じているようでした。
防犯面で安心につながる
男性保育士が職場にいれば、防犯面で安心につながります。
男性は存在感の観点から女性よりも一定の威圧感が生まれます。そのため、不審者が近づきにくい効果が期待できるでしょう。
男性保育士の存在は、子どもを預ける保護者の不安軽減にも貢献します。
男性トイレに入って介助できる
男性保育士がいれば、園外保育時のトイレ介助がより柔軟に対応できます。
たとえば、遠足や散歩中に男児が男性用トイレを使用する場合、女性保育士は中まで入れません。
男性保育士がいれば、トイレ内の安全を確認したうえで、必要な介助や見守りができます。
これは子どもの安全面や保育の質向上の視点においてもメリットになります。
男性保育士が感じやすいデメリット


次に、男性保育士が感じやすいデメリットを見ていきましょう。
- 結婚・将来設計に不安をもちやすい
- 保護者に偏見をもたれる場合もある
- 女性が多い職場で人間関係に気を遣いやすい
こうした不安にどう向き合うかが、長く働き続けるためのポイントになります。
結婚・将来設計に不安をもちやすい
先述のとおり、男性保育士の平均年収は、全職種よりも低い傾向にあります。
そのため、結婚や子育てなど、将来設計に不安を感じる男性保育士は少なくありません。
男性は結婚したら「家計を支える」「家族を養う」といった責任を感じやすい立場にあります。
低い収入への不安は、男性保育士のキャリア継続における課題となるでしょう。
保護者に偏見をもたれる場合もある
「保育士=女性」というイメージの根強さから、男性保育士に対して偏見をもつ保護者もいます。
たとえば、以下のような偏見をもたれやすいです。
- 保育が雑なのではないか
- 子どもを性的な目で見ているのではないか
- 女性である母親の気持ちや不安が理解できないのではないか
このような偏見は、男性保育士にとってストレスになるほか、保育に専念できない状況を生み出すリスクもあります。
女性が多い職場で人間関係に気を遣いやすい
保育園は女性が多い職場なので、男性保育士は人間関係に気を遣いやすくなります。
たとえば、女性同士の会話に雰囲気を合わせるのが難しかったり、女性特有の人間関係に悩まされたりする場面に遭遇しやすいでしょう。
人間関係でトラブルが発生した際に、男性保育士は少数派のため肩身が狭くなりがちです。
女性社会でうまく立ち回るため、言動や振る舞いに気を遣い続ければ、ストレスがたまるでしょう。


男性保育士が将来性を高める4つの方法





男性保育士としてのキャリアに不安を感じる。
どうすれば安定して長く働けるのか知りたい。
安定して働くには、将来を見据えた行動が必要です。将来性を高める4つの方法を解説するので、自分に合った選択肢を見つけてみてください。
- キャリアアップを視野に入れる
- 条件が良い保育園に転職する
- 高収入が期待できる保育施設に転職する
- 公務員の保育士になる
順番に解説します。
キャリアアップを視野に入れる
男性保育士として将来性を高めたいなら、キャリアアップを視野に入れましょう。
キャリアアップして役職に就けば、手当がついて収入アップが期待できるだけでなく、保育士としての専門性も高められます。
キャリアアップの具体的な方法として、今の職場で経験や信頼を積んで、主任や園長を目指す道があります。
また、キャリアアップ研修の受講もキャリア形成における手段の1つです。
要件を満たしてキャリアアップ研修を受講・修了すれば「副主任リーダー」や「職務分野別リーダー」といった役職につけるチャンスが広がります。
キャリアアップ研修の修了効力は、全国で有効です。そのため、転職先でもキャリアを継続して積み上げていけます。


条件が良い保育園に転職する
男性保育士が将来性を高めるためには、条件が良い保育園に転職するのも戦略の1つです。
職場によって、働きやすさや給与が異なります。好条件の職場で働けば、より安定したキャリアを築きやすくなるでしょう。
以下は好条件の候補としてあげられる一例です。
- 家賃補助がある
- 手当が充実している
- 残業代がしっかり支給される
- 賞与の回数が多く年収が高い
- キャリアアップ支援制度がある
条件が良い職場に転職すると、将来設計を立てやすくなります。
また、地域によっても平均給与に違いがあります。最低賃金の差や自治体ごとの補助金額などが影響するためです。
より良い条件を求めるなら、働く地域を選択することも視野に入れてみましょう。


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高収入が期待できる保育施設に転職する
収入面で不安があるなら、高収入が期待できる保育施設に転職するのも選択肢としてありでしょう。
たとえば以下の保育施設は、深夜・早朝手当がついて、収入アップが期待できる職場です。
保育施設 | 施設の特徴 |
---|---|
24時間対応の託児所 | 仕事や家庭の事情で夜間や休日に子どもを預けられる施設 |
乳児院 | 家庭での養育が困難な0~2歳の乳児を保護して、家庭に代わる環境で養育・自立支援をおこなう施設 |
児童養護施設 | 家庭での養育が困難な2~18歳の子どもを保護して、家庭に代わる環境で養育・自立支援をおこなう施設 |
収入面を考慮したい方は、保育園以外の保育施設への転職も検討してみてください。
公務員の保育士になる
男性保育士として将来性を高めたいなら、公務員の保育士になるという選択肢があります。
公務員は年功序列で経験年数に応じて、昇給する仕組みを採用しています。そのため、給与が安定しており、将来設計も立てやすいでしょう。
また、公務員は国の職員という位置付けから、福利厚生や各種手当も民間企業よりも充実している傾向にあります。
たとえば、以下の待遇は、民間企業は任意で、公務員は義務化されているものです。
- 退職金
- ボーナス
長期的な視点で見ても、公務員は安心して働ける環境が整っているといえます。
公務員の保育士になるには、各自治体が実施する試験に合格する必要があります。
自治体によっては年齢制限を設けている場合があるため、早めに情報を集め、計画的に準備を進めましょう。
男性保育士が働きやすい職場の特徴





男性保育士が働きやすい職場の共通点はある?
男性保育士が働きやすい職場の特徴は以下の4つです。
- 男性保育士が複数人いる
- 職場の人間関係が良い
- 園長や主任が男性保育士の働きやすさを考慮している
- 男性用の更衣室が完備されている
順番に見ていきましょう。
男性保育士が働いている
同性の保育士が働いている職場は、心強い仲間ができて働きやすさを感じやすいです。
保育の現場では、子どもとの接し方や保護者対応など、男性保育士ならではの悩みを抱えるケースも少なくありません。
一人だけでは解決が難しい問題も、同じ立場の人と意見を交わせば解決策も見つかりやすいでしょう。



わたしが働いていた保育園では男性保育士1人でしたが、姉妹園では複数人の男性保育士が在籍していました。
男性保育士が働く環境が整っていることを肌で実感しました。
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職場の人間関係が良い
職場の人間関係が良い職場は、男性保育士が働きやすさを感じやすい環境です。
人間関係の悪い職場は、自分の意見を言いづらく、ストレスをためて悩む方も少なくありません。
職場の人間関係が良い職場であれば、男女の区別なく協力し合う雰囲気が生まれます。



わたしが働いていた保育園では、男性保育士が1名いましたが、職場全体の雰囲気は良かったと感じています。
男性保育士が主任だったこともあり、積極的な意見交換がなされていました。
園長や主任が男性保育士の働きやすさを考慮している
園長や主任が男性保育士の働きやすさを考慮しているかどうかも大事なポイントです。
以下は、現場で実施されている考慮例です。
- 保護者への理解を促す取り組みがある
- 悩みや不安を相談しやすい体制を作っている
- 男性保育士が活躍できる場を意図的に設けている
職場のトップが男性保育士の存在を重視すれば、職場のチーム全体も同じ雰囲気で協力的になります。
男性用の更衣室が完備されている
男性用の更衣室があれば、周囲を気にせず準備ができ、落ち着いた気持ちで仕事をはじめられます。貴重品の管理もしやすくなるため、安心して働けるでしょう。
男性用の更衣室が完備されていない職場では、以下のような状況が見られます。
- 個人用のロッカーがない
- 更衣室代わりにトイレを使用する
- 簡易的に作られた狭いスペースしかない
男女の対応差は、労働意欲の低下にもつながります。
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