
子どもが大きくなったから、また保育の仕事に戻りたい



保育士を辞めたあと別の仕事をしていたけど、やっぱり保育の仕事がしたい



でもブランクが長くて、ちゃんと働けるか不安…
このような悩みや不安をお持ちの方もいるでしょう。
保育の経験のある保育士は、現場では即戦力として歓迎されやすいです。
また、近年は政府や自治体による支援体制の強化により、保育士の復職を後押しする環境が広がっています。
とはいえ、復職したいと思っても「仕事と家庭の両立ができるか」「人間関係の悪さや賃金の低さは改善されているのか」など、さまざまな不安が立ちはだかるものです。
本記事では、保育士の復職事情について徹底解説します。保育士が復帰をためらう理由や復職するメリット、後悔なく復職を果たすポイントも紹介しているので参考にしてみてください。




潜在保育士の人数はどれくらい?





そもそも保育士の仕事から離れている人ってどれくらいいるの?
保育士資格を持ちながら保育士として働いていない方のことを「潜在保育士」と呼びます。
こども家庭が公表している資料によると令和4年度における保育士の登録者数は、約179万人です。そのうち保育園を含む社会福祉施設等で従事していない保育士(=潜在保育士)の数は、約111万人です。
全体の6割以上を占めるため、多くの潜在保育士が存在することがわかります。
参考:保育士・保育の現場の魅力発信に関する取組について|こども家庭庁
保育士が復職をためらう主な3つの理由





復職を考えている人は、どんなことに対して職場復帰の不安を感じているんだろう
職場復帰への不安は人それぞれ違いますが、主な理由としては以下3つが挙げられます。
- ブランクが長く雇ってもらえるか不安
- 仕事と家庭の両立ができるか不安
- 人間関係をうまく築けるか不安
あなたと同じ不安を感じている人も多く「悩んでいるのは自分だけじゃない」と気づくだけでも、復職に踏み出す勇気につながります。
不安を軽減するためのポイントも紹介するので参考にしてみてください。
ブランクが長く雇ってもらえるか不安
新卒や現職の保育士のほうが優先的に採用され「ブランクのある保育士は採用されにくいのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、そのような心配は必要ありません。
のちほど詳しく解説しますが、ブランクがある保育士を歓迎する保育園は実際に多いためです。保育の経験やスキルが保育士は、即戦力として期待されます。
仕事と家庭の両立ができるか不安
保育士だけに限らず主婦の人でも、出産後の働く女性が共通して言っている言葉があります。
それは「家庭や育児との仕事の両立が難しいのではないか」という問題です。
保育所の拘束時間は朝から晩までにおよび、仕事内容も保育日誌・指導案・日案・週案・月案などの記入などさまざまあるので簡単ではありません。
保育の現場に復帰する際は、自分が希望する条件をしっかりとまとめ、その条件を満たしてくれる職場を見つけましょう。
人間関係をうまく築けるか不安
以前の職場に戻る場合は、同僚や保護者との関係が変わっているのではないかと不安になりやすいです。
新しい職場に復職する場合は「既存のスタッフの輪に溶け込めるのだろうか」「年下の先輩とうまくやっていけるだろうか」といった不安を抱える方も多いです。
人間関係は長く働き続けるうえで、欠かせない要素です。園見学や面接時に、スタッフ同士の関わり方や雰囲気を観察し、安心して働ける環境かをチェックしましょう。


保育士が復職する3つのメリット


保育士の復職は、採用活動や実務の場において復職ならではのメリットがあります。
主なメリットは以下の3つです。
- 即戦力として働ける
- 出産・育児の経験を活かせる
- 好条件で復職できるチャンスがある
メリットを理解すると、復職への不安が和らぎます。
復職の強みを知って、自信につなげましょう。
即戦力として働ける
一般企業では、新卒を採用するケースが多いです。しかし、保育業界では経験者を優遇することも多くあります。
保育経験のある保育士は保育知識もあり、保育園の立場から見ても即戦力として期待できるからです。
ブランクがあったとしても、働く中で過去のやり方を思い出し経験を活かせます。



わたしは、保育士を辞めてサービス業に転職した経験があります。
その後また保育士として働きたいと思い、再就職したのですが、これまでの経験を評価していただき温かく迎え入れてもらえました。
出産・育児の経験を活かせる
産後や子育てから復職した保育士は、出産・育児を経験したプロです。
保育士自身が出産・育児経験があることで、子どもに対して伝え方や気持ちも理解ができることが多く、保護者の悩みや不安にも寄り添いやすいです。
独身の頃とは違った視点で仕事ができるため、保育や支援に深みが出ます。
好条件で復職できるチャンスがある
復職する保育士に対して、好条件の求人を出している保育園も少なくありません。
保育経験や育児経験を高く評価し、即戦力として期待しているためです。
実際に保育の求人を見てみると「ブランクOK」「ブランク可」などの記載が多く見られます。
以下は、ブランクのある保育士を歓迎する求人例です。
- 新卒の保育士よりも給料が高く設定されている
- パートや契約社員など、働き方を柔軟に選択できる
- 家庭と仕事の両立がしやすいように時短勤務が選べる
- 土日休みや固定シフトなど、希望に応じた勤務形態が可能
好条件の職場を見つけることで、無理なく復職を実現できるでしょう。
復職保育士が利用できる補助金


国や自治体は保育士の復職を後押しするための補助金制度を設けています。
代表的な補助金は以下の3つです。
- 保育士就職準備金貸付
- 保育所復帰支援事業
- 子どもの預かり支援資金
それぞれの支援内容を詳しく解説します。利用できる補助金はうまく活用して、保育士としての再スタートを切りましょう。
ただし、紹介する補助金はすべて自治体ごとに運用されています。そのため、実施の有無や補助金額は地域ごとに異なります。
詳しくは各自治体に問い合わせて確認してみてください。
保育士就職準備金貸付
保育士として復職するときにかかる費用を無利子で貸してもらえる支援制度です。
準備金として対象となるのは、引っ越し費用や賃貸物件の借り上げに伴う礼金や仲介手数料、申請者の子どもが保育所等で利用する際に必要となる経費などです。
2年間保育士として働き続けると、貸付金の返済が全額免除されます。
保育士就職準備金貸付を実施している自治体をいくつか紹介します。
| 自治体 | 貸付額 |
|---|---|
| 東京 | 40万円以内(一人1回限り) |
| 千葉 | |
| 神奈川 | 20万円以内(一人1回限り) |
参考:潜在保育士の再就職支援事業|東京都社会福祉協議会
就職準備金貸付とは?|千葉県福祉人材センター
保育士就職準備金のご案内|かながわ福祉人材センター



一人暮らしをする保育士は引っ越し代や賃貸物件の礼金や仲介手数料などの負担が大きいです。
これらの費用を貸付してもらえる制度があると、復職へのハードルが下がりますね。
保育所復帰支援事業
未就学児を育てながら保育士として復職する方を対象に、子どもの保育料の一部を無利子で貸し付ける事業です。
保育士就職準備金貸付同様、2年間保育士として継続して働くと、貸付金の返済が全額免除されます。
保育所復帰支援事業を実施している自治体をいくつか紹介します。
| 自治体 | 貸付金 |
|---|---|
| 東京 | 保育料を半額貸付(上限月額27,000円) |
| 埼玉 | |
| 栃木 | 保育料を一部貸付(上限月額27,000円) |
参考:未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業|東京都社会福祉協議会
保育士保育料貸付(旧:保育所復帰支援貸付)|埼玉県福祉人材センター
未就学児をもつ保育士に対する保育所復帰支援事業(保育料一部貸付)|とちぎ職業人材カレッジ



毎月発生する保育料の一部を貸付してもらえると、経済的な負担が軽減されますよね。
2年間継続して働けば、貸付金の返済が全額免除になる仕組みも魅力的です。
子どもの預かり支援資金
未就学児を育てながら働く保育士が対象で、子どもを預かる施設やサービスを利用する際の費用の一部を無利子で貸してもらえる支援制度です。
対象となる施設やサービスは、ファミリーサポートセンター事業やベビーシッター派遣事業などです。
復職を目指す方だけでなく、未就学児を育てる保育士であれば全員が利用可能です。2年間保育士として働き続けると貸付金の返済が全額免除されます。
保育所復帰支援事業を実施している自治体をいくつか紹介します。
| 自治体 | 貸付金 |
|---|---|
| 東京 | 子どもの預かり支援事業利用料の半額(年123,000円以内) |
| 京都 | |
| 大阪 |
参考:未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援資金|東京都社会福祉協議会
未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業利用料金の一部貸付の手引き|社会福祉法人京都府社会福祉協議会
未就学児を持つ保育士の子どもの預かり支援事業|大阪福祉人材支援センター
【政府実施】保育士の復職支援強化


政府は、保育士の復職における支援強化に向けて取り組んでいます。
特に力を入れているのは、保育士・保育所支援センターの役割強化です。
保育士・保育所支援センターとは、保育士資格を持つ人の就職・再就職をサポートする機関です。都道府県、指定都市および中核市が運営しており、令和5年6月時点で46都道府県、72ヵ所に設置されています。
改正案では、都道府県等が設置するセンターの事業を児童福祉法の正式な業務として位置づけることとしています。
これにより、都道府県が持つ保育士登録情報を活用できるようになり、保育士の確保や再就職支援を実施する際に、スムーズな対応が可能になります。
改正案では事務業務における内容の見直しも検討しており、具体的な内容は以下のとおりです。
- 保育所等における保育士確保の動向調査
- 就業を希望する保育士の状況調査
- 保育所等に対し保育士の確保に関する情報の提供・相談
- 保育士に向けた保育に関する知識・技術の研修
- 保育士に対し保育に関する知識・技能の情報の提供・相談
- 保育士に対し就業促進に関する情報の提供・相談
- 保育士に対し無料の職業紹介事業
研修の実施や職業紹介といった復職を検討する保育士を直接支援する業務が強化されます。
ブランクがあり不安な状態であっても、安心して復職に向けた準備ができるようになるでしょう。
参考:保育士の復職支援の強化について|こども家庭庁
保育士が復職で後悔しないためのポイント





復職に失敗するのが怖い…。



復職して後悔しないためのコツはある?
久しぶりの現場復帰だからこそ、このように不安に感じる方は多いはずです。
復職して後悔しないためには、専門機関を頼りつつ、あなたが大切にしたい軸を持つことがポイントです。
ここでは以下3つのポイントを詳しく解説します。
- 保育士・保育所支援センターを頼る
- 自分らしい働き方の軸を決めておく
- 保育士向けの人材紹介会社を利用する
順番に見ていきましょう。
保育士・保育所支援センターを頼る
保育士・保育所支援センターは、保育士の就職・再就職をサポートする機関で、46都道府県、72ヵ所に設置されています。
実施事業は各自治体のセンターごとに若干異なりますが、復職を目指す方は以下のようなサポートを受けられます。
- 再就職する保育園とのマッチング支援
- 保育に関する知識・技術の再習得研修
- 再就職における不安や悩みの相談支援
- 再就職に向けての心構えやキャリアプランの研修
参考:東京都保育人材・保育所支援センター|東京都福祉人材センター
担当者は再就職に関する知識や支援の経験が豊富です。あなたの状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。
自分らしい働き方の軸を決めておく
復職する際は、自分らしい働き方の軸を決めておきましょう。
「採用してくれる保育園なら、どこでもいい」「条件がいい求人だったら、ほかは気にしない」など自分軸がない状態で就職活動していると、ミスマッチにつながりやすいです。
例えば、育児と仕事の両立をしたい方は、子どもの急な体調不良で早退せざるを得ない状況になっても理解してくれる保育園や、時短勤務を選択できる保育園が向いています。
前回、残業の多さが原因で退職した方は、実際の残業時間が少ない保育園や保育士の人数に余裕があり、働きやすい環境の保育園を優先的に選ぶと良さそうです。
働くうえで外せない条件を整理すると、あなたに合う保育園を見つけやすくなります。
以下の記事では、ブラック保育園の特徴や求人の見分け方を解説しています。働きやすい保育園の求人を探す際の参考にしてみてください。


保育士向けの人材紹介会社を利用する
復職する保育士は、保育士向け人材紹介会社の利用した採用活動がおすすめです。
多くの会社は復職者の就労支援の実績があります。そのため、担当者が復職する保育士が内定を得るためのノウハウや、面接対策などの知識を持っています。
個人で採用活動を進めるよりも、スムーズに理想の職場に出会えるでしょう。
また、信頼関係のある保育園と取引しているため、求人情報の質が高いのも特徴です。
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保育士の復職に関するよくある質問


最後に保育士の復職に関するよくある質問と回答をまとめます。
保育士を辞めた人はどんな仕事に就いていますか?
保育士を辞めたあとの就職先に関する統計データは見つかりませんでしたが、退職後の進路は「異業種」または「保育士の資格を活かせる福祉分野」の2パターンです。
異業種への転職先は、事務職や営業、販売職、サービス業などがあります。
一方、保育士の資格を活かせる福祉分野への転職では、児童養護施設や児童館、ベビーシッターなどが挙げられます。
潜在保育士が多い理由はなんですか?
潜在保育士が多い代表的な理由は以下のとおりです。
- 仕事内容と給料が見合っていないから
- 仕事と育児の両立が難しいから
- 残業や持ち帰り仕事が多いから
- 他にやりたい仕事ができたから
主に保育士の労働環境や待遇面に不満を感じて、保育士の仕事から離れている方が多いです。
以下の記事では、保育士が不満を抱きやすい「給料」に関して詳しく解説しています。保育士の具体的な年収や月収を知りたい方は、あわせてご覧ください。


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