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ブランクのある保育士必見!復職への不安を払拭する方法を解説

疲れた表情をみせる保育士

「保育士に復職したいけれど、ブランクがあって不安」再就職する際にそう悩む保育士は少なくありません。ブランクがあっても、保育士としての専門的知識を持っていることは事実です。当然、その専門知識を活用して保育士として復職することも可能です。

今回は、ブランクのある保育士向けに、復職を後押しする情報を紹介します。保育士への復帰を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ブランクのある保育士が感じる復職への3つの不安

ブランクがあるために、保育士として復職することに大きな不安を感じる方は一定数います。ブランクのある保育士が復帰の際に感じる不安には、次のようなものがあります。

  • 知識やスキルに対する不安
  • 体力面の不安
  • 人間関係に関する不安

ブランクのある保育士が感じている復職への不安について、詳しく確認していきます。

知識やスキルに対する不安

1つめの不安は、知識やスキルに対する不安です。ブランクがあると、保育士としての知識やスキルへの不安がさらに高まる方がいます。不安を感じる具体例は次のとおりです。

  • 現役時代の保育知識が現在の保育に役立つのか
  • パソコン等の操作を覚えられるのか
  • 最近の保育知識がなくても仕事はできるのか

厚生労働省の「就労するにあたっての自分自身の不安要素」でも、「最新の知識・技術」が挙げられています。ブランクによって、自身の知識や経験への自信を失いやすいことがわかります。

保育を取り巻く環境は日々変化するので、自分の知識は合っているのか、今のスキルで保育士として適応できるのかなど、保育士としての知識やスキルに多くの不安を感じる保育士がいるのが現状です。

参考資料:厚生労働省「潜在保育士の実態について〜全国潜在保育士調査結果〜」

体力面の不安

2つめの不安は、体力面に関する不安です。保育士は、オフィスワークと比べて身体を動かす場面が多いためです。不安を感じる具体例をいくつか紹介していきます。

  • 子どもたちの体力についていけるのか
  • 抱っこやおんぶなどができるのか
  • シフト勤務に対応できるのか

厚生労働省の「就労するにあたっての自分自身の不安要素」でも、全体の半数近くの人が「自身の健康と体力」を不安要素に挙げています。ブランクがあることで、体力勝負ともいわれる保育士への復職にさらなる不安を感じてしまうのかもしれません。

参考資料:厚生労働省「潜在保育士の実態について〜全国潜在保育士調査結果〜」

人間関係に関る不安

3つめの不安は、人間関係に関する不安です。人間関係に関する不安には次のようなものがあります。

  • 女性が多い職場で閉鎖的に感じる
  • 保育士の年齢層が広くコミュニケーションが心配
  • 人手不足による人間関係の悪化

保育園は女性職員の比率が多い職場です。そのため、独特な雰囲気を感じやすい傾向にあります。人間関係の悩みは、ブランクがある保育士にも、大きな不安要素のひとつになっています。

ブランクのある保育士が必要とされる3つの理由

ブランクがあるからといって、復職を諦める必要はありません。じつは、ブランクがあっても、以前からの知識やスキルは重保されます。自分が思っている以上に、元保育士は貴重な人材として必要とされています。ブランクのある保育士が必要とされる理由は、次のとおりです。

  • 潜在保育士の需要の高さ
  • 子育て経験者が貴重な人材
  • 保育士資格と保育士経験は即戦力

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

潜在保育士の需要の高さ

ブランクがあっても必要とされる理由の1つめに、潜在保育士の需要の高さが挙げられます。保育現場を一旦離れていたとしても、以前に身につけた知識やスキルは時代を越えて役に立つためです。万年人手不足である保育業界にとって、すでに知識とスキルを持ち合わせている潜在保育士は、歓迎される存在です。

子育て経験者が貴重な人材

ブランクがあっても必要とされる理由の2つめは、子育て経験者は貴重な人材だからです。ブランクの理由が出産や育児である保育士は、とくに必要とされています。日々の保育の業務で、子育て経験が数多く活用できるためです。とくに、次のような場面で、子育て経験が活かせます。

  • 子どもとの関わり方
  • 育児経験を活かした保育ができる
  • 保護者の気持ちに共感しやすい

たとえブランクがあったとしても、上記のように子育て経験があるからこそ活かせる強みがあります。

保育士資格と保育士経験は即戦力

ブランクがあっても必要とされる理由の3つめは、保育士経験があるだけで即戦力になるからです。保育園では、子どもの人数に対して、保育士の配置人数が定められています。そのため、保育園は適切な人数の保育士を配置しなければなりません。

常に人手不足である保育業界にとって、少しでも保育経験のある保育士資格保有者は貴重な人材です。ブランクはあるものの、保育士資格と保育経験があれば、すでに即戦力になる人材と考えられるでしょう。

参考資料:厚生労働省の定める「保育所の設備運営基準」

ブランクのある保育士が復職前に準備できること

ブランクがあっても歓迎される保育士ですが、復帰までに準備できることがあります。準備できることは次のとおりです。

  • 復帰支援研修の受講
  • 潜在保育士に対する補助金の利用
  • 体力づくり

ブランクの不安を少しでも払拭するために、それぞれの準備について解説していきます。

復職支援研修の受講

ブランクのある保育士を支援する制度の1つに「復職支援研修の受講」があります。厚生労働省ホームページ「保育士確保」でも復職支援研修の受講について説明があります。研修の種類には次のようなものがあります。

▼行政機関で開催される研修

行政機関が行う支援研修のひとつに、各自治体に設置されている「保育所・保育士支援センター」の「保育士復帰のためのセミナー」があります。厚生労働省ホームページ「保育士・保育所支援センターの連絡先」に、全国自治体の連絡先が掲載されています。

▼民間企業で開催される研修

民間の企業が行う研修は、保育士を専門に就職支援を行う企業や、人材紹介会社が実施しています。研修内容は、講習会、研修会以外に、就職相談や求人案内を行う場合もあります。昨今では、オンラインでの受講が可能なケースもあります。

潜在保育士に対する補助金などの支援制度利用

ブランクのある保育士(潜在保育士)の支援として、補助金などの制度が利用できます。

それぞれの自治体が独自におこなっている支援もありますが、ここでは東京都の3つの支援制度を例にして紹介します。

▼保育所復帰支援資金

保育士として復帰した際に自分の子どもの保育料(月額27,000円以内)を東京都が貸し付ける制度です。

公式ホームページ未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業|東京都社会福祉協議会
対象者(すべての条件を満たしている必要あり)令和3年8月以降に東京都内の対象施設で勤務を開始した又は、産休・育休から復帰した週20時間以上保育士として勤務している
貸付額保育料の半額(月額27,000円以内)
貸付期間保育士が勤務する期間(最長1年間)
返還免除となる条件対象者の条件のもと保育士として2年間継続勤務すること
貸し付けを行っている団体東京都福祉協議会

▼再就職支援資金

東京都が再就職に必要な費用を1人1回限り、40万円以内で貸し付ける制度です。

公式ホームページ潜在保育士の再就職支援事業|東京都社会福祉協議会
対象者(すべての条件を満たしている必要あり)保育士養成施設の卒業又は保育士試験合格から1年以上経過している対象施設を離職した又は保育士として勤務経験がない東京都内の対象施設(保育所等)で保育士として勤務している東京都内の対象施設(保育所等)で週20時間以上勤務している
貸付額40万円以内(一人1回限り)
貸し付けを行っている団体東京都福祉協議会

▼子どもの預かり支援資金

東京都がファミリーサポートセンター事業やベビーシッター等の利用料金(年額123,000円以内)の一部を貸付けする制度です。

公式ホームページ未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援資金|東京都社会福祉協議会
対象者(すべての条件を満たしている必要あり)未就学児の子どもがいる令和4年8月1日以降に対象施設(保育所等)で勤務している早朝や夜間などの勤務時間帯に子どもの預かり事業(ファミリーサポートセンター事業やベビーシッター等)を利用している
貸付額年額123,000円以内(最長2年間)
貸付期間保育士として継続勤務した期間(最長2年間)
貸し付けを行っている団体東京都福祉協議会

制度を上手に利用すれば、復帰への頼もしい手助けとなるでしょう。

体力づくり

体力面に不安を感じる方は、基礎体力づくりを始めてみましょう。ストレッチやウォーキングであれば、自宅周辺で気軽に始められます。また、体力づくりと同時に、規則正しい生活習慣を作っておくことも復職では大切です。

ブランクのある保育士におすすめの働き方や条件

ブランクがあることに不安を持つ保育士は数多くいます。ただ、ブランクへの不安要素は、働き方や働く条件を工夫することで軽減可能です。ブランクのある保育士におすすめの働き方や条件について、解説していきます。

パートやアルバイトの選択

パートやアルバイトなど、自分に合った勤務形態を選ぶようにしましょう。パートやアルバイトで働くメリットは次のとおりです。

  • 正社員の指示のもと働ける
  • 責任ある仕事が少ない
  • 勤務時間が短い

実際、パートでの勤務を希望している潜在保育士は多数存在します。下記のグラフを見てわかる通り、過半数以上の潜在保育士がパートでの復職を希望しています。

出典:厚生労働省「潜在保育士の実態について~全国潜在保育士調査結果~」

年代別に見ても、やはりパートを希望する方が圧倒的に多い傾向です。

出典:厚生労働省「潜在保育士の実態について~全国潜在保育士調査結果~」

中には、「仕事に打ち込みたい」「働くのであれば責任感のある正社員がいい」など、熱意を持って復職を希望する方もいるかもしれません。しかし、最初は無理せずに働ける勤務形態がおすすめです。

自分に合う条件の保育園を選択

保育士によって、働きやすい条件は異なります。自分が保育士として働くときの条件を明確にしてから、保育士の求人を探してみましょう。働く時に検討したい条件には、次のようなものがあります。

保育園で働く時に検討するべき条件
保育園の種類子どもの人数と大人の配置人数保育方針・理念雇用形態勤務時間勤務日数賃金賞与の有無退職金の有無手当の種類福利厚生の制度通勤時間通勤手段

全ての条件に該当する保育園を探すことは難しいかもしれません。自分の中で優先順位を明確にし、なるべく自分に合う条件の保育園を探してみましょう。また、人の入れ替わりの少ない離職率の低い園もぜひチェックしてみてください。

家庭と仕事の両立を考慮した働き方

家庭と仕事の両立を考慮した働き方を検討するのもおすすめです。家庭と仕事を両立しやすくするためのポイントは次のとおりです。

  • 通勤時間や勤務時間の短縮
  • 職場の雰囲気がよくストレスが少ない
  • 家庭の都合などに理解を示してくれる

家庭と仕事を両立するためには、肉体的にも精神的にも無理せずに負担を減らすことが大切です。仕事に責任を持つことは当たり前ですが、家庭も大切という気持ちを理解してくれる保育園がおすすめです。

ブランク期間中に保育士が身につけるべきスキルと知識

いずれ、保育士への復職を考えている方や勤務開始前で時間がある方は、ブランク期間中にスキルを身につけることをおすすめします。「ブランクがあるから」と、マイナスに考えるのではなく、「ブランク中に勉強したから」と、プラスに捉えられる行動を心がけましょう。ブランク期間中に身につけるべきスキルと知識を紹介していきます。

最新の保育のトレンド

ブランク期間中に、最新の保育のトレンドを学んでみるのも効果的です。インターネットなどの保育情報サイトはもちろんのこと、現在は、保育雑誌なども多く発行されています。さまざまな情報源から、最新の保育のトレンドを収集できるでしょう。

2018年には、厚生労働省「保育所保育指針」が改訂されています。改定の理由については、厚生労働省「保育所保育指針解説」で説明されています。改定前の保育所保育指針のみしか知らない場合は、一度読み返してみるだけで、最新の保育の考え方の参考になるでしょう。

ピアノや遊びなど保育の活動内容

ブランクの期間中に、ピアノや遊びなどの保育活動の内容をチェックするのもおすすめです。ちょっとした時に子どもを惹きつける以下のようなスキルは、保育士にとって身につけたいものです。

  • 子どもと簡単にできる月の製作
  • 子どもの好きな音楽
  • 幼児クラス向けの集団遊び
  • おもちゃや環境設定

時間があれば、自分自身のピアノスキルを磨いたり制作物のアイデアを考えてみたり、ICT化に向けてパソコンの使い方を確認したりするのもおすすめです。

子どもの心理とコミュニケーション

保育知識とは別に、子どもの成長や発達に合わせた心理を学んでみるのもおすすめです。子育て経験があれば、すでに持ち合わせているスキルかもしれません。子どもとのコミュニケーションの取り方を再確認してみてください。身近に小さな子がいれば、積極的に関わってみることも効果的です。

ブランクを乗り越えて保育士をするモチベーション維持方法

ブランクを乗り越えて働くためには、自分自身でモチベーションを維持していくことが重要です。ブランクがあることで、保育士としての自信が持ちにくいかもしれません。そこで、ブランクを乗り越えて働くためのモチベーション維持方法を紹介していきます。

自分自身の価値を再認識する

1つめは自分自身の価値を再認識することです。保育士としてだけではなく、ブランクがありながら社会復帰を果たしたことを自分自身で認め、褒めてあげてください。そして、「今までの保育士としての経験やスキルを活かして働けている」「人に必要とされている」と、自己評価を高めていくことも大切です。

同じ境遇の仲間との交流

2つめは、同じ境遇の仲間との交流です。境遇が同じ方には共感できる部分も多く、親しみを感じやすいからです。そのため、ブランクを乗り越えて働いている友人や同僚がいたら、積極的に関わってみましょう。

目標設定と達成の喜び

3つめは、目標設定と達成の喜びを繰り返し経験していくことです。復職に向けた具体的な手順や、復職後にどんな保育士としてありたいかなど、具体的な目標を立ててみましょう。設定する目標は、小さな目標でも構いません。繰り返し目標を立てて達成していくスモールステップが、モチベーションの維持へとつながります。

まとめ

ブランクがあっても保育士へ復職は可能です。長年のブランクは「本当に保育士として働けるだろうか」と、大きな不安材料になります。しかし、ブランクはデメリットばかりではありません。保育業界では、逆にブランクがメリットになることもあります。


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