ピアノが弾けなくて、保育士を続けていく自信がない。
ピアノを弾く機会が少ない保育園があれば教えてほしい。
このような疑問をおもちの方もいるのではないでしょうか？
保育士にとって、ピアノのスキルは必須と思われがちです。
しかし、人には当然、得意・不得意なことがあり、保育士でもピアノが苦手な方は一定数います。
ピアノが苦手な方は、練習方法を変えてみると上達につながっていきます。また、転職を期にピアノを弾く機会が少ない職場に入社するのも、選択肢の1つです。
このように対策はあるので、ピアノが苦手だからといって保育士としての可能性を狭める必要はないのです。
本記事では、保育士にピアノのスキルが必須かどうかの真相や上達するための練習方法を解説します。ピアノを弾く機会の少ない保育園も紹介しているので、新たな職場を探す際の参考にしてみてください。
そもそもピアノが弾けないと保育士になれないの？
結論、ピアノが弾けなくても保育士として働けます。
「保育士資格取得にはピアノのスキルが必須」という条件は法律で定められていないからです。
しかし、大学や専門学校の保育士養成課程では、音楽が必修科目とされています。
科目のカリキュラムにピアノが含まれている場合、卒業に必要な単位を取得するためにピアノの練習は避けられません。
学校によっては、課題曲・自由曲の演奏や弾き歌いが実技試験となっているため、ピアノが苦手な方にとっては試練に感じるでしょう。
片野秋子わたしもピアノが大の苦手でした。
しかし、通っていた学校で、課題曲と自由曲を演奏する試験があったので、そのときは必死に練習したのを覚えています。
一方、通信教育や独学で保育士資格を取得する場合は、実技試験を「音楽」「造形」「言語」の3つから2つ選択できます。
「音楽」を選択した場合はピアノ演奏が課題となりますが、「造形」や「言語」を選択すればピアノが弾けなくても受験可能です。
ただし、求人の応募条件に「バイエル修了程度のピアノスキル」を求める保育園もあります。
ピアノが苦手な方は、応募条件をよく確認しておきましょう。
「ピアノが弾けなくて辛い…。保育士を辞めたい。」と悩んでいる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
保育士はなぜピアノのスキルが求められるのか
保育士にピアノのスキルが求められるのは、保育所保育指針が深く関わっています。
保育所保育指針とは、保育の基本的な考え方や保育目標を示した公的なガイドラインです。
保育所保育指針には、保育目標の軸となる「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という5領域が定められています。
領域の1つである「表現」では、子どもの成長において、音楽に触れる機会が重視されており、保育所保育指針には以下の内容が記述されています。
| 内容 | |
|---|---|
| 1歳以上3歳未満児 | ・音楽、リズムやそれに合わせた体の動きを楽しむ ・生活の中で様々な音、形、色、手触り、動き、味、香りなどに気付いたり、感じたりして楽しむ |
| 3 歳以上 | ・生活の中で様々な音、形、色、手触り、動きなどに気付いたり、感じたりするなどして楽しむ ・感じたこと、考えたことなどを音や動きなどで表現したり、自由にかいたり、つくったりなどする・音楽に親しみ、歌を歌ったり、簡単なリズム楽器を使ったりなどする楽しさを味わう ・感じたこと、考えたことなどを音や動きなどで表現したり、自由にかいたり、つくったりなどする |
出典：こども家庭庁｜保育所保育指針解説
これらの内容を実施するために、ピアノは重要なアイテムです。
生の音色をその場で届けられるほか、弾きながら子どもたちの反応を見て、その場で演奏を調整できる点も魅力です。
ただし、くりかえしですが、保育の現場でピアノは必須ではありません。ピアノを使用しない形で音楽活動を展開する選択も可能です。
保育士に必要なピアノレベルの目安
保育士に求められるピアノのレベルは、バイエル修了程度が目安とされています。
求人の応募条件に「ピアノスキルがバイエル修了程度の方」と記載されている保育園もあり、採用基準の一つとして考えられています。
そもそもバイエルとは、ピアノ初心者向けの教則本として広く知られている教材です。バイエルを修了すれば、以下のような技術を身につけられます。
- 両手で同じリズムを刻める
- 簡単なメロディーを滑らかに演奏できる
- 基本的なコード（和音）を理解し奏でられる
- 指くぐり・指またぎなどのテクニックが使える
これらの技術があれば、日々の保育で必要な演奏をこなせるでしょう。
保育士におすすめのピアノ上達方法
ピアノが苦手でも、基本を押さえた練習をすれば上達できます。
ここでは、ピアノが苦手な方に向けて、ピアノの上達方法を5つ紹介します。
- ゆっくりとしたテンポの曲で練習する
- 片手から覚える
- 動画を見ながら弾く
- 初心者向けの楽譜本を参考にする
- ピアノ教室に通う
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
ゆっくりとしたテンポの曲で練習する
ピアノを上達させるには、最初はゆっくりとしたテンポで練習するのを心がけてみてください。
ゆっくりとしたテンポで練習すると、正確な指の動かし方を覚えやすく、楽譜の読み方にも少しずつ慣れていきます。
反対に、速い曲を無理に弾こうとすると、ミスが増え、指の動きが乱れやすくなります。
初心者に適したゆっくりとしたテンポの曲には、以下のようなものがあります。
- きらきら星
- ちょうちょ
- チューリップ
- メリーさんの羊
ゆっくりの曲が弾けるようになったら、少しテンポを上げた曲に挑戦してみてください。
片手から覚える
両手で弾くのが難しい場合は、片手ずつ練習するのが効果的です。
片手ずつ練習すると指の動かし方や鍵盤の位置などをじっくり確認できるため、理解が深まります。
反対に、ピアノの演奏に慣れていない方が、両手で一度に練習すると混乱を招き、挫折しかねません。
ピアノは基本的に、右手は主となるメロディー、左手は和音による伴奏を担当します。
それぞれのリズム感を個別に習得できれば、両手での演奏もスムーズになるでしょう。
初心者向けの楽譜本を活用する
ピアノが苦手な方は、初心者向けの楽譜本を活用するのがおすすめです。
初心者向けの楽譜本には、簡単なコードで伴奏できる曲が多く収録されており、初心者が演奏しやすいようにアレンジされています。
難しい楽譜で練習すると、弾けなくて挫折しやすいです。
自分のレベルに合った楽譜から始めれば、無理なく技術を積み上げられます。
動画を見ながら弾く
最近では、ピアノ講師やピアノが得意な方が初心者向けのレッスン動画をネット上に公開しています。
動画の内容が気になる方は「ピアノ 初心者 両手」「ピアノ 初心者 童謡」などのキーワードで検索してみてください。
動画でピアノを練習するメリットは以下のとおりです。
- 指づかいや鍵盤の位置を画面で確認できる
- 視覚的情報なので理解しやすい
- つまずく箇所を繰り返し練習できる
楽譜だけでは演奏のコツが掴みにくい方は、動画を見ながらの学習が効果的です。
ピアノ教室に通う
独学での練習に限界を感じた場合は、ピアノ教室に通うのも選択肢の1つです。
プロの指導により、効率よく上達できます。
ピアノ教室の中には、保育士向けのレッスンを提供しているところもあります。
保育園でよく使われる楽曲を重点的に練習したり、弾き歌いのコツを教えてもらえたりするため、現場ですぐ実践できるスキルが身につくでしょう。
保育士がピアノを弾く機会が少ない職場6選
転職を考えていて、ピアノを弾く機会が少ない職場で働きたい。
そのような職場ってあるの？
保育士がピアノを弾く機会が少ない職場は存在します。
代表的な職場は以下の6つです。
- ピアノが苦手な保育士に理解がある保育園
- ピアノ演奏を必須としない保育園
- 小規模保育園
- 企業内・院内保育園
- 学童保育
- 放課後等デイサービス
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ピアノが苦手な保育士に理解がある保育園
保育園のなかには、ピアノが苦手な保育士に理解のある園も存在します。
こうした園では、役割を分担してお互いの得意・不得意を補っているケースが多いです。
たとえば、ピアノが得意な保育士が演奏を担当し、ピアノが苦手な保育士は得意な絵本の読み聞かせやダンスの指導を担当するといった対応です。
ピアノが苦手な保育士にとって、理解のある保育園は安心して働ける環境といえるでしょう。
片野秋子わたしは、この環境の保育園を、転職エージェントに探してもらい、転職した経験があります。
「苦手なことを無理に頑張らなくていい」という考えをもつ園長だったので、行事のピアノ担当にはならない状況を作ってもらえました。
ピアノ演奏を必須としない保育園
ピアノ演奏を必須としない保育園もあります。
たとえば、以下はピアノの代わりによく使用されている手段です。
- CDを含む音楽プレーヤーの活用
- スマホやタブレット端末での音楽再生
ピアノ以外の方法を採用する保育園では、音楽活動において保育士の負担を軽減できます。
小規模保育園
乳児期の子どもが対象となるため、音楽活動は手遊びや簡単な歌が中心になります。
このような環境では、ピアノを使わずに声だけで対応するケースも少なくありません。
また、幼児がいない小規模保育園では、大きな行事や発表会の機会は限られており、ピアノの演奏機会は自ずと減ります。
イベントで使われる曲は通常のものより難易度が高い傾向にあるので「自分がピアノ担当になったらどうしよう…」という不安も軽減するでしょう。
企業内・院内保育園
企業内保育園・院内保育園は、企業や病院で働く職員の子どもを預かる施設です。
保護者が働きやすい環境を整えるために設立された施設なので、子どもの登園時間は従業員の勤務時間に合わせて柔軟に設定されています。
そのため、一般の保育園のように全員が揃っての活動を実施するのが難しく、音楽活動も少なくなりやすいです。
また、落ち着いた雰囲気の病院・企業の場合は、周囲の環境にあわせて、大きな音が出やすい音楽活動を控えめにしている施設もあります。
学童保育
学童保育では、小学生を対象に放課後の時間を安全に過ごせる環境を提供する施設です。
学童保育での子どもの活動は、宿題の取り組みや自由遊びが中心です。
そのため、スタッフがピアノを演奏する機会はあまりありません。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障がいや発達に特性のある子どもを放課後に預かり支援する施設です。
障がいの程度や成長発達に応じた個々の支援が中心となるため、保育園と比べて集団活動の機会は少なくなります。
支援プログラムに音楽活動を取り入れている施設もありますが、ピアノを使わないリズム遊びや楽器に触れる活動などが実施されるケースも多いです。
ピアノが弾けないことや転職にお悩みなら「しんぷる保育」にご相談ください
ピアノを弾く機会が少ない保育園の探し方がわからない。
ピアノが苦手だと自ら応募先の保育園に伝えにくい…
このように転職に関してお悩みなら『しんぷる保育』にご相談ください。
しんぷる保育は1都3県の東京・神奈川・千葉・埼玉を中心に、保育士の就職・転職サポートをおこなっている人材紹介会社です。
ピアノが苦手な保育士さんからのご相談があれば「ピアノのスキルが必要か」「ピアノが苦手な方はどうやって保育をしているのか」など、事前に採用担当者に確認します。
そして、なるべくピアノの負担が少ない保育園を厳選してご紹介いたします。
しんぷる保育は関東のほぼすべての保育園と取引しており、応募条件に「ピアノスキル不問」の保育園だけを紹介することも可能です。
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保育士でピアノが弾けずに辛いなら練習方法の見直しや転職を検討しよう
保育士にとってピアノのスキルは、法律上の必須条件ではありません。
ピアノが苦手でも、保育士として活躍できる可能性は十分にあります。
大切なのは、あなたにあった道を選択する考えです。
ピアノを使わない音楽活動の実施やピアノの演奏機会が少ない職場への転職など、さまざまな選択肢があることも覚えておきましょう。
転職を考えていて、ピアノを弾く機会の少ない保育園を探したい。
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