「保育士が抱えやすいストレスは?」
「たまったストレスの発散方法が知りたい!」
このような疑問に応える記事です。
保育士が抱える代表的なストレスには、職場の人間関係や給料の低さ、残業・持ち帰り仕事のなどがあります。
ストレスを放置すると、心身の不調をきたしかねません。健康的に働き続けるためには、自分の抱えるストレスと向き合い、適切にケアしていくことが大切です。
そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。
- 保育士が抱える代表的なストレス7選
- 保育士がストレスを抱える要因3つ
- すぐできるセルフストレスチェック
- おすすめのストレス発散方法5選
この記事を読めば、あなたが抱えているストレスが明確になり、自分にあったストレス発散法を探せます。ストレスチェックも用意したので、自分の心身の状態を確認したい方は活用してみてください。
保育士が抱える代表的なストレス7選
まずは、保育士が抱える代表的なストレスを7つ紹介していきます。
- 職場の人間関係
- 給料の安さ
- 仕事量の多さ
- 長時間労働
- 保護者対応
- 子どもの対応
- 命を預かるプレッシャー
1つずつ詳しくみていきましょう。
職場の人間関係
職場の人間関係にストレスを感じる保育士は多いです。
厚生労働省の調査により、保育士の退職理由のトップが「職場の人間関係」であることがわかっています。
保育士は女性が多い職場なので、女性特有の人間関係が存在します。いざこざに巻き込まれ、ストレスを抱える方も多いでしょう。
- 噂話や陰口が広まりやすい
- 感情的対立が起こりやすい
- 派閥やグループができやすい
また、クラス運営をする保育園では、職員同士の連携が欠かせません。
その過程で、意見の食い違いから衝突が起こったり、連携がうまくいかずもどかしさを感じたりしてストレスを感じるケースも多々あるでしょう。
私も人間関係のストレスをよく感じていました。厳しい指導をする先輩がいて、精神的ストレスを感じた経験があります。
給料の安さ
給料の安さにストレスを感じる保育士もいます。
実際に「給料の安さ」を理由に退職した保育士の割合は、約30%にのぼります。
保育士の給与水準の低さは、以前から指摘されている課題です。
以下は、保育士と全職種の平均年収を示した表です。保育士の平均年収は、全職種よりも60万円以上も低いことがわかります。
保育士は、子どもの命を預かる責任の重い仕事です。また、子どもの成長・発達をサポートする専門性の高い職種であるため「もう少し給料に反映されてもいいのでは?」と不満をもつ方も多いでしょう。
仕事量の多さ
仕事量の多さにストレスを抱える保育士もいます。
以下の保育士の退職理由をみてわかるとおり「仕事量の多さ」が原因で仕事を辞めた保育士も多いです。
保育士の仕事は子どもの保育だけではありません。事務作業や制作作業など、たくさんの業務を常に抱えています。
- 事務作業
- 室内の清掃
- 玩具の消毒
- 行事の準備
- 担当係の仕事
- 制作物の準備・仕上げ など
手持ちのタスクが多いと「あれもこれもやらなきゃ…」という切羽詰まった心理状態に陥ります。心の余裕がなくなれば、大きなストレスを感じるでしょう。
長時間労働
残業や持ち帰り仕事による長時間労働に、ストレスを感じる保育士もいます。
仕事量の多さから、残業が頻繁に発生するケースも珍しくありません。また、勤怠管理が甘く保育士の残業を黙認する保育園も多いです。
長時間労働は身体的にも精神的にも負担がかかるため、ストレスが蓄積していくでしょう。
わたしも、残業が多い保育園で働いた経験があります。行事前の忙しい時期は日付が変わる頃まで、職場に残って仕事をしていたことも…。大きなストレスを感じていました。
保護者対応
保護者対応にストレスを感じる保育士もいます。
保護者と信頼関係を築くうえで、個々にあわせた対応や配慮が欠かせません。その過程で、気疲れやストレスを感じる方も多いでしょう。
対応が難しい保護者がいると、よりストレス負荷がかかります。
- クレームや要望が多い
- 子育てを園任せにする傾向がある
- 園の助言や提案をなかなか受け入れてくれない
対応や声かけを間違えると、保護者を怒らせてしまったり、関係性が悪化したりしてしまう可能性があります。
神経を使いながら対応する必要があるため、ストレスになりやすいでしょう。
子どもの対応
子どもの対応にストレスを感じる場合もあります。
たくさんの子どもたちをまとめてクラス運営を図るのは、簡単なことではありません。思い通りに保育が進まず、ストレスを感じる方もいるでしょう。
また、疲れているときは、子どもの言動にイライラしやすくなります。しかし、怒りを抑える努力をしている保育士は少なくありません。感情的になって接すると、子どもたちを傷つける恐れがあるためです。
感情に蓋をするぶん、ストレスがたまっていくでしょう。
子どもの命を預かるプレッシャー
子どもの命を預かるプレッシャーにストレスを抱える保育士もいます。
保育士の仕事は常に子どもの命と隣り合わせです。
- 夏場の熱中症
- 遊具や階段からの転落
- 午睡時の乳児突然死症候群
- 玩具や食材の誤飲で起こる窒息
少しの油断が子どもの命を危険にさらしかねません。常に緊張感をもって業務にあたらなくてはならない環境に、ストレスを感じるでしょう。
わたしは、このプレッシャーに押しつぶされそうになった経験が何度もあります。
保育士がストレスを抱える要因3つ
続いて、保育士がストレスを抱える要因を3つ解説していきます。
- 保育士の数が不足している
- 閉鎖的な職場環境
- 厳しい労働条件が定着している
保育士の数が不足している
保育士は慢性的な人手不足の問題を抱えています。
保育士の数が不足すると、一人ひとりの業務量が増え、担当する子どもの数も増加するため、ストレスがかかりやすい環境になります。
以下は、保育士の人手不足状況がわかる「有効求人倍率」のグラフです。
求職者1人に対する求人件数を表す数値のこと。有効求人倍率が1を上回ると、求職者よりも求人数が多いことを意味し、人手不足の状態にあると判断できます。
保育士のデータ(青色グラフ)を見ると、過去10年間で1を下回ったことがありません。長期的に人手不足の状態が続いていると読み取れます。
人手不足の職場では、日中は子どもの保育に追われ、事務作業や制作物の作成といった業務が後回しになりがちです。
その結果、心の余裕がなくなったり、残業が増えたりしてストレスを感じやすくなるでしょう。
閉鎖的な職場環境
散歩や園外行事で外出する機会もありますが、保育士は1日の大半の時間を園内で過ごします。
また、保育士は外部との接触も少ないため、固定化された人間関係のなかで仕事をしています。
このような閉鎖的な職場環境は、気分転換がしにくいためストレスがたまりやすいでしょう。
厳しい労働環境が定着している
厳しい労働環境が定着している保育園もあります。
- 残業や持ち帰り仕事が常態化している
- 業務改善がされておらず仕事量が多い
- ほかの保育園と比べて給料が著しく低い
- 威圧的な態度をとる上司や先輩保育士が在籍している
保育士の離職率低下や定着化を図るために、働きやすい環境づくりを実施する保育園も増えてきました。しかし、労働環境が改善がなされていない保育園もまだまだ多いです。
【セルフストレスチェック】保育の疲れがたまりすぎてるかも!?
ストレスが蓄積した場合に見られる症状を紹介します。
自身の心身の状態を把握するための、ストレスチェックとしてご活用ください。
- 耳鳴りがする
- 吐き気が起こる
- 肩がこりやすい
- 頭痛が頻繁に起こる
- 息苦しいときがある
- めまい、立ちくらみがする
- 1日中気持ちが憂鬱になる
- 他人の目や評価が過度に気になる
- 休日も仕事のことばかり考えてしまう
- 子どもたちが可愛いと思えなくなった
- 仕事のことを考えると朝起きるのが辛い
上記の症状がみられれば、あなたはストレスを抱えている状態かもしれません。
ストレスを解消したい方は、この後に紹介する「保育士におすすめのストレス発散方法5選」を参考にしてみてください。
保育士がストレスを放置するとなりうる病気
ストレスを放置すると「うつ病」や「適応障害」などの心の病気にかかる可能性があります。
ストレスが原因で、強い落ち込みや意欲の低下などの精神的な症状のほか、眠れない、食欲がない、体がだるいなどの身体的な症状がみられる精神疾患
自分の置かれた環境に適応できず、不安感や抑うつ気分、不眠などの症状がみられる精神疾患
心の病気を発症した場合は、専門家の指示に従い適切な治療を進めましょう。
疾患の種類や状態によっては、ドクターストップがかかり休職を余儀なくされるかもしれません。その場合は、心の休養が第一優先なので、専門家のアドバイスを聞いて行動していきましょう。
保育士におすすめのストレス発散方法5選
最後に、保育士におすすめのストレス発散方法を5つ解説します。
- 同僚に相談する
- しっかり睡眠をとる
- リフレッシュする
- 専門家に相談する
- 転職も視野に入れる
自分にあう方法を見つけて、うまくストレスケアをしていきましょう。
同僚に相談する
親しい同僚に相談すれば、心に溜まったモヤモヤや鬱憤を吐き出せます。ネガティブな感情を処理できるので、ストレス解消になるでしょう。
また、同僚も同じ悩みや不満をもっていれば「私だけじゃないんだ」という安心感が生まれます。
一人でストレスを抱える孤独感からも解放され、心が軽くなるでしょう。
人と話す行為はストレス発散に有効です。一人で悶々と考え込みやすい方は、同僚と話す時間を積極的に作っていきましょう。
しっかり睡眠をとる
しっかり睡眠をとるのも、ストレス解消につながります。疲れがとれて、ストレスがたまりにくい状態になるからです。
厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人の理想的な睡眠時間を6時間以上としています。そのため、現在の睡眠時間が6時間を切っている方は、生活習慣を見直して睡眠時間の確保に努めていくとよいでしょう。
以下は、寝つきがよくなる方法です。寝つきが悪く睡眠時間が短くなっている方は、試してみてください。
- 寝る前にヨガや軽いストレッチをする
- 寝る2~3時間前に入浴を済ませておく
- 寝る少し前から間接照明をつけて過ごす
- 寝る前にパソコンやスマートフォンをみない
必要な睡眠時間をしっかりととって、ストレスのたまりにくい体を作っていきましょう。
リフレッシュする
リフレッシュするのは、有効なストレス解消法です。
以下に、代表的なリフレッシュ法とその効果をまとめたので、参考にしてみてください。
ストレス発散法 | 効果 |
---|---|
ランニング・筋トレなどの運動をする | ・気持ちを安定させる ・ストレス耐性を高める ・睡眠の質を高め疲れを取りやすくする |
ヨガ・瞑想などのマインドフルネスを実践する | ・緊張を和らげ身体のストレスを解放する ・ストレスの原因となる雑念から離れられる |
趣味に没頭るす時間を作る | ・楽しさや喜びなどのポジティブな感情体験によってストレスが和らぐ ・日常のストレスから一時的に離れリフレッシュできる |
紹介したリフレッシュ法は、帰宅後に取り組めるものもあります。その日の疲れを、その日のうちにケアする習慣をつければストレスの蓄積を妨げるでしょう。
専門家に相談する
ストレスがたまって気力の低下や気分の浮き沈みなどの症状がみられる場合は、メンタルヘルスの専門家への相談を視野に入れましょう。心の病気にかかっている可能性があります。
以下は、厚生労働省が公表しているうつ病の特徴です。5つ以上(1か2を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することを推奨しています。
- 悲しく憂うつな気分が一日中続く
- これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、あるいは増す
- 眠れない、あるいは寝すぎる
- イライラする、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように思える
- 集中力がなくなる、物事が決断できない
- 消えてしまいたい、いなければよかったと思う
参考記事:厚生労働省|こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜
心の病気は、早期発見・早期治療により回復が早いといわれています。疑わしい症状があれば、専門家に迷わず相談しましょう。
転職も視野に入れる
転職は、ストレス解放の手段の一つです。ストレス要因の少ない保育園に転職すれば、今抱えているストレスと縁が切れるからです。
たとえば、給料の低さにストレスを抱えているなら、自分が納得できる月収を提示している保育園を選ぶとよいでしょう。
また、仕事量の多さに悩んでいるなら、ICTシステムを導入し書類や記録の業務を効率化している保育園を探してみてください。
残業の多さにストレスを感じているなら、職員の数に余裕があり残業になりにくい環境の保育園への転職を検討しましょう。
「条件のよい保育園を自分で見つける自信がない」「自分にぴったりの求人を紹介してほしい」という方は、弊社「しんぷる保育」にご相談ください。
弊社は保育士特化型の転職エージェントを運営している人材紹介会社です。
あなたが転職先に求める条件を丁寧にヒアリングをしたのち、最適な求人をご紹介いたします。「月収23万円以上の職場がいい」「残業が少ない保育園を紹介してほしい」といったご希望にも、条件にあった求人を厳選してご提案させていただきます。
面接日程の調整や保育園との連絡なども弊社が仲介し、内定までの間、あなたの転職活動を全面的にサポートいたします。また、担当者が実際に保育園を訪問して現場の情報を収集しているため、職場の雰囲気や子どもたちの様子といった内部情報も詳しくお伝えできます。
ぜひお気軽にお問い合わせいただき、あなたの理想の職場探しをお手伝いさせてください!
保育士はストレス発散しながら働こう!
保育士はストレス要因が多い仕事です。健康的に働くためにも、本記事で紹介したストレス発散方法を実践しながら、うまくメンタルケアをしていきましょう。
- 誰かに相談する
- しっかり睡眠をとる
- 趣味を見つける
- 休日は仕事のことを考えずに過ごす
- 転職も視野に入れる
もし、ストレス要因の少ない保育園への転職を検討される場合は、弊社「しんぷる保育」にご相談ください!あなたの希望条件にあった求人を紹介します。
無料相談も受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。