「保育士の仕事が辛くて辞めたい…」
「辞めたいと思ったらどうしたらいいんだろう…」
このような悩みや疑問に答える記事です。
仕事内容に見合っていない給料や残業・持ち帰り仕事の多さ、子どもの命を預かるプレッシャーなどの悩みから「この仕事を辞めたい…」と考える保育士は少なくありません。
同じように悩んだら、まずは辞めたいと思った理由を明確にしましょう。理由ごとにできる対策が異なるためです。また、ネガティブな感情をしっかり消化しないと、衝動的に転職したり、上司に不満をぶつけたりするなど後悔する行動をとりかねません。
そこで本記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。
- 保育士を辞めたくなる理由11選
- 辞めたいと思ったときにやるべきこと2つ
- 保育士を辞めるメリット・デメリット
- 辞めたいのに辞められない理由
- 保育士を辞めた後の選択肢
この記事を読めば、自分の気持ちを整理し、次にとるべき具体的な行動がわかります。辞めるメリット・デメリットも解説しているので、後悔のない選択をしたい方は最後までご覧ください。
実際に保育士を辞めた人の割合は10.7%!
厚生労働省の調査によると、保育士の離職率は10.7%であることがわかっています。全職種の離職率が15.0%程度なので、保育士の離職率はそれほど高くはありません。
しかし、離職はせずに「保育士を辞めたい!」と考えている方はたくさんいるはずです。
「保育士を辞めたいのに辞められない理由」については、後ほど詳しく解説します。
保育士を辞めたいと思う理由11選
ここからは、保育士を辞めたいと思う代表的な理由を解説します。自分の今の悩みとマッチするものがあれば、チェックしてみてください。
人間関係の悩み
職場の人間関係の悩みを抱えて、辞めたいと考える保育士は多いです。
以下は、厚生労働省が実施した保育士の退職理由の調査結果です。「職場の人間関係」を理由に辞めた保育士が、実際に多くいるのがわかります。
女性職員が多い保育園では、女性特有の人間関係が存在します。そこからトラブルに巻き込まれ、疲弊する方もいるでしょう。
- 噂話や陰口が広まりやすい
- 感情的対立が起こりやすい
- 派閥やグループができやすい
また、クラス運営をする保育園では特定の保育士とチームを組んで仕事をします。相性や意見があわない人とペアになった場合でも、協力しあわなくてはなりません。
このように、保育園は人間関係でストレスを感じやすい環境です。悩みを抱えれば、どんどん心が疲弊して辞めたい気持ちが膨らんでいくでしょう。
関係性がうまくいってない人と毎日顔をあわせるのは、辛いですよね…
給料の低さ
給与の低さに不満をもち、辞めたいと思う保育士もいます。
実際に、厚生労働省の調査で「給料が安い」を理由に退職を決めた保育士が約3割いるのがわかっています。
以下は、保育士と全職種の平均給与を示した表です。比較してみると、保育士の平均年収は全職種より60万円以上も低いです。
保育士は子どもの命を預かる責任の重い仕事であり、子どもの健やかな成長・発達をサポートする専門性の高い職種です。
しかし、給与水準が低いのが現状です。仕事内容と給与が見合っていないと感じ、モチベーションが落ちる保育士も多いでしょう。
仕事量の多さ
仕事量の多さに負担を感じて、保育士を辞めたくなる方もいます。
厚生労働省が調査した退職理由で「職場の人間関係」「給料の低さ」の次に多かったのが「仕事量の多さ」でした。
保育士は子どもの保育以外にもたくさんの業務を担当しています。
- 事務作業
- 室内の清掃
- 玩具の消毒
- 行事の準備
- 担当係の仕事
- 制作物の準備・仕上げ など
仕事量が多くなると、心にも余裕がなくなります。「こんなに大変なら辞めたい…」というネガティブな感情も芽生えやすくなるでしょう。
残業・持ち帰り仕事が多い
残業や持ち帰り仕事の多さに耐えられず、保育士を辞めたくなる方もいます。
実際に、厚生労働省の調査で「長時間労働」が理由で辞めた保育士の割合が約25%であることがわかっています。
長時間労働は、心身の疲弊を招きます。また、残業や持ち帰り仕事は大切なプライベート時間が削られるため、労働意欲も低下するでしょう。
わたしも残業が多い保育園で働いた経験があります。行事前の忙しい時期は、日付が変わる頃まで職場に残って仕事をしていたことも…。それが退職をした理由のひとつにもなっています。
子どもにケガをさせることへの恐れ
子どもにケガをさせることへの恐れから、保育士を辞めたいと考える人もいます。
子どもにケガをさせてしまった場合、園への報告や保護者への謝罪が必要です。それらの行為に恐怖心が芽生え、子どものケガに必要以上に敏感になるケースも少なくありません。
緊張状態を維持する環境に耐えられず、保育士を辞めたくなる場合も多いでしょう。
わたしも子どものケガに敏感になり、精神的に疲れた時期があります。「子どもにケガをさせてないけない」というプレッシャーから、保育士を続ける自信をなくしたこともありました。
休みの取得の難しさ
休みを取得しづらい環境が原因で、仕事を辞めたいと考える保育士もいます。
- 休めば陰口を叩かれる
- 代休がなかなか取れない
- 希望する日に休みがもらえない
- 休みの希望を伝えると不機嫌な態度になる
自由に休暇を取得できない職場だと、不信感が募りやすいです。また、労働者の健康や休む権利を軽視されていると感じて、仕事のモチベーションも下がるでしょう。
結婚を控えての退職
結婚を控えて、退職を検討する保育士もいます。
実際に、厚生労働省の調査では、保育士の退職理由の18.4%が「結婚」となっています。
長時間労働が常態化している保育園で働いている場合、家庭と仕事の両立が難しくなります。
「結婚をしたら家庭を大切にしたい」という想いから、退職の道を検討する保育士も多いでしょう。
保育方針のミスマッチ
園の保育方針と自身の保育観があわないのが理由で、退職を考える保育士もいます。
たとえば、以下のような考え方の不一致はよく起こります。
- 園の方針:完食を求める
- 自身の保育観:無理強いはせず、苦手な食べ物は一口だけでもOKとする
- 園の方針:けんかの仲裁に入り、その場で仲直りをさせる
- 自身の保育観:子ども同士で解決できるようできる限り見守る
自分が望む保育ができないと徐々にストレスが蓄積していきます。その結果「この園では働き続けられない」と退職を決意する保育士も出てくるでしょう。
保護者対応が難しさ
保護者対応の難しさに悩まされ、保育士を辞めたいと考える方もいます。
性格や考え方が異なる保護者一人ひとりと向き合うのは大変です。また、対応の難しい保護者もなかにはいるため、関わり方に悩む保育士も多いでしょう。
- クレームや要望が多い
- 子育てを園任せにする傾向がある
- 園の助言や提案をなかなか受け入れてくれない
保護者対応の難しさをきっかけに、仕事を辞めたいと考える保育士は少なくありません。
新人の頃に、保護者を怒らせてしまったことがあります。関係の修復に時間がかかり「保育士を辞めたい…」という考えが浮かんだときもありました。
心身の不調
健康上の理由で、退職を検討する保育士もいます。
人間関係のストレスや残業の疲労により、身体的・精神的不調をきたすケースも少なくありません。
- 体力の限界
- 慢性的な腰痛や肩こり
- 繰り返しかかる感染症
- うつ病
- 適応障害
※うつ病は、ストレスが原因で、強い落ち込みや意欲の低下などの精神的な症状のほか、眠れない、食欲がない、体がだるいなどの身体的な症状がみられる精神疾患。
※適応障害は、自分の置かれた環境に適応できず、不安感や抑うつ気分、不眠などの症状がみられる精神疾患。
心身に不調を感じたら、自分の健康のために退職を検討するのは自然な流れといえるでしょう。
身体や心の状態によっては、ドクターストップがかかり、休職や退職を余儀なくされる可能性もあります。
保育士に向いていないと感じる
「自分は保育士に向いてないかも…」と思い悩み、辞めたいと考える方もいます。
- ピアノがうまく弾けない
- 保護者と親しくなれない
- タスクをうまくさばけない
- 連絡帳や書類を書くのが遅い
- 子どもにイライラしてしてしまう
- 人とのコミュニケーションが苦手
- 制作物でよいアイディアが浮かばない
- 人の前に出て話をするのが恥ずかしい
- 子どもの言動にあわせて臨機応変に対応できない
理想どおりに動けないと、自分を責めがちになります。その結果、自信を失い「この仕事向いてないから、保育士を辞めたほうがいいのでは…」という考えもよぎりやすくなります。
新人の頃、子どもが全然いうことを聞いてくれずついイライラしてしまいました。そこで「保育士向いてないかも…」と考えたことが何度もあります。
保育士を辞めたいと思ったらまずすべき2つのこと
保育士を辞めたいと思ったとき、まずすべきことが2つあります。
- 辞めたいと思った理由を明確にする
- 保育士を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかを判断する
辞めたいと思った理由を明確にする
まずは、保育士を辞めたくなった理由を明確にしましょう。感情のもととなっている原因を探らなければ、適切なアプローチができないからです。
気持ちを整理するのに有効なのは、辞めたい理由を紙に書き出してみる手法です。思いを言語化し目で見える形にすると、自分の感情や状況をわかりやすく整理できるでしょう。
気持ちを整理しておかないと、感情に流されて、急に退職に踏み切ったり、怒りを上司にぶつけたりするなど後悔するような行動を取りかねません。
冷静に次の行動を選択するために、辞めたいと思う理由を明確にしておきましょう。
保育士を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかを判断する
辞めたい理由が明確にしたら、次に「保育士を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのか」を判断します。
たとえば、辞めたい理由が以下の場合は、保育士を辞める選択肢が濃厚になります。
- 子どもと関わる仕事から離れたい
- 保育士の給与水準に納得できない
- 女性が多い職場は自分にはあわない
一方で、以下のような理由であれば、今の職場を辞めて別の保育園に転職をすることで悩みが解決する可能性があります。
- 給料が極端に低い
- 休みが取得しづらい
- 残業が習慣化している
- 業務改善がなされず仕事量が多い
保育士を辞めるか、今の職場を辞めるかの選択は人生に大きな影響を与えます。進んだ道で後悔しないためにも「何を辞めたい」のかをしっかり判断していきましょう。
保育士を辞めずに働き続けるための3つの改善策
ここでは、今の職場でできる改善策を3つ紹介します。
辞めたい理由の根源となっている課題を改善できれば、保育士を辞める必要はありません。
- 働く環境の改善に取り組む
- 保育士としてスキルアップする
- 積極的にリフレッシュする
のちほど詳しく紹介しますが、仕事を辞めるにはリスクもあります。そのため、自分の職場でできる改善策をまずは試してみるとよいでしょう。
働く環境の改善に取り組む
まず、辞めたいと思う原因の職場環境を改善する方法です。根源を断ち切れば、ストレスなく働き続けられる可能性があります。
以下に、代表的な改善策をまとめました。
改善策 | 具体的な取り組み |
---|---|
上司に相談をする | ・業務の見直しを提案する ・人員不足なら増員を要請する |
クラスに働きかける | ・子どもの怪我が発生しにくいチーム体制を作る ・残業や持ち帰り仕事にならない環境を全員で作る |
個人で対策をする | ・業務の効率化を図る ・残業をしないと決める |
上司やクラスの職員に相談したからといって、そのとおりに改善できるとは限りません。話を受け流されたり、施策が計画どおりに進まなかったりする可能性もあります。
しかし、行動しなければ何も変わらないのも事実です。変化に期待をもって行動していく姿勢が大切でしょう。
保育士としてスキルアップする
自分の力不足により自信を失っている方は、保育士としてスキルアップを図ってみるのが効果的です。
知識や技術が向上すれば自信がつき、辞めたいという気持ちが和らぐ可能性があります。
スキルアップの方法を、以下にまとめました。
- 園内外の研修に参加する
- 保育関連の本を読んで学ぶ
- 振り返りをおこない反省と改善を繰り返す
- 先輩保育士に相談してアドバイスをもらう
できなかったことができるようになれば悩む機会も減り、辞める気持ちを抱きにくくなるでしょう。
積極的にリフレッシュする
疲れやストレスがたまっている方は、積極的にリフレッシュをするのがおすすめです。
疲れやストレスがあるとネガティブ思考になりがちです。小さなことでもイライラしたり、不満を感じたりして「こんな園辞めたい!」と考えやすくなるでしょう。
リフレッシュをしてストレス発散できれば、辞めたいほどの強い感情が湧かなくなるかもしれません。
リフレッシュ法としては、以下のようなものがあげられます。
リフレッシュ法 | 効果 |
---|---|
ランニング・筋トレなどの運動をする | ・気持ちを安定させる ・ストレス耐性を高める ・睡眠の質を高め疲れを取りやすくする |
ヨガ・瞑想などのマインドフルネスを実践する | ・緊張を和らげ身体のストレスを解放する ・ストレスの原因となる雑念から離れられる |
趣味に没頭るす時間を作る | ・楽しさや喜びなどのポジティブな感情体験によってストレスが和らぐ ・日常のストレスから一時的に離れリフレッシュできる |
自分にあったリフレッシュ法を見つけて、ストレスを減らしていきましょう。
保育士を辞める3つのメリット
ここからは保育士を辞める3つのメリットを紹介します。
- ストレスから解放される
- 給与や待遇がよくなる可能性がある
- 新しいキャリアへのチャレンジができる
ストレスから解放される
保育士を辞めれば、保育士ならではのストレスから解放されます。
- 低い給与水準
- 女性特有の難しい人間関係
- 体力を消耗する子ども相手の仕事 など
男性との比率がとれた会社や、大人の顧客を相手にする仕事など、保育園と異なる環境を選択すれば、働きやすさを感じる可能性があります。
ただし、仕事を変えたからといってストレスはゼロになるとは限りません。仕事には何かしらのストレスがつきものだからです。
給与や待遇がよくなる可能性がある
職種を変えれば、給料や待遇がよくなる可能性があります。
保育士よりも給料のよい仕事はたくさんあります。一例として、未経験者の採用も多い営業職とIT業界の平均年収をみてみましょう。
業種・職種 | 平均年収 |
---|---|
保育士 | 391万円 |
営業(保険) | 446万円 |
IT業界(ソフトウェア作成者) | 550万円 |
※平均年収:「きまって支給する現金給与額」に12を乗じた額に「年間賞与その他特別給与額」を足した額
保育士の平均年収と比較してみると、営業職の平均年収の差は50万円以上、IT業界は150万円以上の差があるのがわかります。
また、一般企業には、待遇のよい会社もたくさんあります。
- 高い有給取得率
- 定時退社を推奨
- 長期休暇が取得しやすい
- 年間休日数が120日以上
このように、給料や待遇のよい企業を探せば、今よりも条件のよい環境で働けるでしょう。
新しいキャリアへの挑戦ができる
保育士を辞めるのは新しいキャリアへの挑戦でもあります。
新たな挑戦は大変なことも多いですが、得られるものも多いです。
- 視野が広がる
- 人間関係の幅が広がる
- 自分の可能性を試せる
- 新しい知識・スキルが手に入る
新しい景色をみて視野が広がれば、人生に深みが増すでしょう。
保育士を辞める3つのデメリット
次に、保育士を辞めるデメリットを3つ紹介します。
- 後悔する可能性がある
- 今よりも労働条件が悪くなるケースもある
- 一時的に収入が減る
辞める前に、覚悟しておくべきポイントをみていきましょう。
後悔する可能性がある
保育士を辞めたら、後悔する可能性があります。
- 子どもと関わる仕事に戻りたい
- 女性が多い職場の温かみが恋しい
- 保育士の仕事が自分にあっていた
入社して間もなければ「やっぱり保育士に戻りたい!」と思っても、すぐには戻れません。早期退職は勤め先に迷惑をかけてしまうからです。
後悔しないためにも、辞める前によく検討することが大切です。
今よりも労働条件が悪くなるケースもある
ほかの仕事に転職したからといって、保育士より労働条件がよくなるとは限りません。
未経験の職種に転職すれば、新人扱いとなるため、今よりも給料が下がる場合があります。また、求人には「残業少なめ」と記載されていたのに、実際に働いてみたら毎日残業だったというケースも珍しくありません。
一般企業でも保育園より労働条件が悪い会社はたくさんあります。「保育士を辞めたら、すべてがよくなる」という高すぎる期待をもたないほうがよいでしょう。
一時的に収入が減る
仕事を辞めると、会社からの収入がなくなります。そのため、次の就職先が見つかるまでは、貯金を切り崩して生活しなければなりません。
思うように転職活動が進まなければ、経済的に苦しくなっていくでしょう。
しかし、前職で雇用保険に加入していれば「失業手当」を受給できる可能性があります。
失業手当とは、これまでの給与の一部が一定の期間支給される、再就職支援を目的とした制度です。制度を利用すれば、経済的不安を軽減して転職活動に打ち込めるでしょう。
申請手続きは、各自治体のハローワークでおこなえます。今の仕事を辞めて休職する方はチェックしてみてください。
保育士を辞めたいのに辞められない理由
「保育士を辞めたい」と思っていても、なかなか決心をつけられない方もいます。ここでは、保育士を辞められない3つの理由を解説していきます。
- 新しい環境に飛び込む勇気がない
- 周りに迷惑をかけてしまう不安がある
- 上司や同僚の反応が怖い
行動に移すポイントも紹介しているので、同じような状況の方は参考にしてみてください。
新しい環境に飛び込む勇気がもてない
異業種や新しい職場に飛び込む勇気がもてず、退職に踏み切れない方は少なくありません。
現在の環境に不満があったとしても、慣れ親しんだ場所には安心感があります。先の見えない不安よりも安心感のほうが心地よいため、現職にとどまる選択をするのでしょう。
しかし、現状維持では「辞めたい気持ち」を消化できません。現職で労働環境を改善できないようであれば、働きやすい職種・職場への転職を検討しましょう。
周りに迷惑をかけてしまう不安がある
「自分が辞めたら周囲の人に迷惑がかかるのではないか…」という不安から、辞める決心ができない方もいます。
- 同僚の負担が増えてしまうのではないか
- 子どもたちを見放すことになるのではないか
- 保護者をがっかりさせてしまうのではないか
しかし、正しい手順を踏んで退職の準備をすれば、大きな迷惑はかかりません。
大事なのは「自分がどうしたいか」です。周囲の目や評価を気にして「辞めたい…」という気持ちに蓋をせずに、自分の気持ちとしっかり向き合っていきましょう。
上司や同僚の反応が怖い
上司や同僚の反応が怖くて、退職の意向を言い出せない方もいます。
- 変に噂が広がるのではないか
- 陰口をいわれるのではないか
- 冷たい態度をとられるのではないか
仮に懸念したことが現実になったとしても、過度に恐れる必要はありません。
退職は自分の人生をよりよくするための選択肢の一つです。考え抜いて退職を決めたなら、自分の決断に誇りをもって前に進みましょう。
保育士を辞める流れ3ステップ
保育士を辞める流れを3ステップで解説します。
- ステップ①退職時期を決める
- ステップ②上司に退職の意向を伝える
- ステップ③仕事の引き継ぎをおこなう
退職を決意した方は、この手順に沿って進みましょう。
ステップ①退職時期を決める
まずは、退職時期を決めます。
保育士の退職は、年度末のクラス替えの時期が望ましいです。年度途中の退職だと、クラスの子どもや職員に負担がかかってしまうからです。
体調不良やその他のやむを得ない事情を除いては、年度末の退職を検討するのがよいでしょう。
ステップ②上司に退職の意向を伝える
退職時期を決めたら、上司に退職の意向を伝えます。
退職理由が給料の低さや残業の多さといったネガティブな内容である場合、そのまま伝えるのは避けたほうがよいです。上司との関係性が悪化するリスクを招きかねません。
退職理由は「別の環境でキャリアアップを目指したい」「挑戦したい仕事がある」など、前向きな理由を伝えるのが望ましいです。
この際、引き留めにあう可能性があります。「あなたに辞められたら困る」「もう1年だけ頑張ってみようよ」など説得されるかもしれません。
会社側には、労働者の退職の意向は尊重する義務があります。労働者の気持ちを無視した引き留め行為は、本来あってはいけません。
そのため、引き留めがあっても惑わされないように、意思を固めておきましょう。
ステップ③仕事の引き継ぎをおこなう
退職の許可がおりたら、仕事の引き継ぎをおこないます。これは、会社員としての最後の責務です。あなたが仕事を辞めた後も、業務が円滑に進むような状態を作りましょう。
- 担当係や行事の引き継ぎをおこなう
- 必要な書類や資料の整理・引き渡しをする
- 次のクラスの職員へ子どもや保護者の情報を共有する
適切な引き継ぎをおこなえば、職場の方々から気持ちよく見送ってもらえるはずです。お世話になった感謝の気持ちを込めて、引き継ぎ業務を進めていきましょう。
保育士を辞めた後の選択肢4つ
保育士を辞めた後の選択肢は、大きく分けて4つあります。
- 別の保育園に転職する
- 別分野の保育施設に転職する
- 異業種に転職する
- 雇用形態を変えて働く
別の保育園に転職する
「保育士の仕事は続けたいけれど、今の園の労働環境で働く自信がない…」という方は、別の保育園への転職を検討してみましょう。
たとえば、以下のような悩みは、ほかの保育園に転職すれば解決される可能性があります。
- もっと給料をあげたい
- 残業の少ない職場で働きたい
- 人間関係のよい環境で働きたい
月収を高く設定している保育園や、残業を減らす取り組みをしている保育園はあります。また、風通しのよい職場もあるでしょう。
保育士を続けたい方は、自分の希望を叶えてくれる職場探しをしてみてください。
「希望条件にあう求人の探し方がわからない…」という方は、弊社「しんぷる保育」にご相談ください。提携しているたくさんの保育園求人のなかから、あなたにぴったりの求人を厳選しご紹介いたします。
登録・サービス利用は完全無料です。お気軽にお問い合わせください。
別分野の保育施設に転職する
保育の資格や経験が活かせる別分野の保育施設に転職する手もあります。
「保育園の保育士はもう疲れたけど、子どもと関わる仕事は続けたい」そんな方におすすめの選択肢です。
ここでは保育園以外の施設をいくつか紹介します。
施設 | 施設の目的 |
助産施設 | 経済的理由で入院助産できない妊産婦を入所させ、助産をサポートする施設 |
乳児院 | 保護が必要な乳児を入所させ、養護を目的とする施設 |
母子生活支援施設 | 保護が必要または配偶者がいない女性と子どもを入所させ、生活支援をする施設 |
児童養護施設 | 保護が必要または保護者がいない児童を入所させ、児童を養護し、自立を支援する施設 |
障害児入所施設 | 障がいのある児童を入所させ、日常生活の指導や独立支援する施設 |
子どもや保護者の置かれている環境やニーズによって、各施設でサービス内容が異なります。気になる施設があればさらに情報を収集してみてください。
異業種に転職する
保育とはまったく別の異業種に転職する方法もあります。「保育の仕事から距離を置きたい」という方にあっている選択肢です。
保育士として培ったスキルは、ほかの職種でも活かせます。たとえば、相手の立場になって気持ちに寄り添う力や、臨機応変に対応する力などです。
「未経験の仕事は心配…」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、実際には「未経験者歓迎」の求人が多数あります。
- 営業
- 接客業
- 事務員
- IT業界
未経験者を対象とした研修を取り入れている企業もあるので、そういった企業を選ぶと安心でしょう。
雇用形態を変えて働く
雇用形態を変更するのも一つの選択肢です。
「正社員のフルタイム勤務が辛い」「正社員としての責任やプレッシャーから開放されたい」と感じている方には、パートや派遣社員といった、柔軟性のある働き方が向いているかもしれません。
- 時間を短縮して働ける
- シフトを自分の都合にあわせやすい
- 正社員ほど責任が重くない
正社員より収入が低くなる可能性が高いです。しかし、メリハリをつけて働けるので、仕事のモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
自分らしい働き方を模索したい方は、雇用形態を変える方法も検討してみてください。
まとめ:保育士を辞めたい理由を整理して自分にあった選択肢を選ぼう!
「保育士を辞めたい…」と感じたら、まずは理由を明確にしましょう。そのうえで、保育士を辞めたいのか、今の職場を辞めたいのかを判断し、次の行動を考えていきます。
取れる行動は大きく分けて2つあります。
- 現職で辞めたい原因となっている課題を改善する
- ほかの職種・職場に転職する
現職での課題解決が難しい場合は、転職を検討するのがおすすめです。
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弊社は保育士特化型の転職エージェントを運営している人材紹介会社です。
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