転職ノウハウ

保育士が腰痛になりやすい原因を予防と処置を合わせて解説

保育士は腰痛に悩んでいる人が多いことを知っていますか。保育士として働きたいと思っている人や、保育士で腰痛に悩んでいる人は腰痛の予防や適切な処置を知っておくことがとても重要です。

そこで本記事では、保育士が腰痛になりやすい原因を予防と処置を合わせて解説します。保育士として働きたいと思っている人や、保育士で腰痛に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

保育士で腰痛に悩む人は多い

保育士の主な役割は、子どもたちの世話です。そのため、長時間立ちっぱなしや重い物の持ち運びが多く、腰に負担がかかりやすくなります。保育士は子どもたちの成長をサポートする役割を果たしていますが、その仕事の特性から腰への負担が大きいため、予防や処置を知っておく必要があります。

保育士が腰痛の原因となる主なシーン

腰痛の1番の予防は腰痛になる原因を知っておくことです。ここでは、保育士が腰痛の原因となる主なシーンを4つ紹介します。

・子どもの抱っこをするとき

・子どもの着替えをするとき

・子どもをベビーカーに乗せるとき

・子どもと外遊びをするとき

下記では、それぞれのシーンについて解説します。

子どもの抱っこをするとき

子どもを抱っこする際には、姿勢に注意が必要です。特に子どもが重く感じる場合や動き回る場合は、無理に抱っこしようとすると腰に負担がかかることがあります。子どもが重く感じる原因は、無理に抱っこしようとせず、一度体制を整えましょう。

子どもを抱っこする際には、正腰を丸めずに背筋を伸ばし、膝を曲げて子どもを抱き上げるようにすると、腰への負担を軽減することができます。

子どもの着替えをするとき

子どもの着替えをするときには、長時間腰を曲げて立ち続けることがあります。子どもの体を支えながら服を脱がせたり着せたりするため、腰にはかなりの負担がかかります。また、子どもが動き回るため、追いかけたり抱きかかえたりする際にも腰に負担がかかることがあります。

このような動作は腰に負担をかけるため、腰痛や筋肉の疲労を引き起こす可能性があります。そのため、子どもの着替えや動き回る際には、腰の負担を軽減するための工夫や正しい姿勢を心がけることが必要です。

子どもをベビーカーに乗せるとき

腰痛の原因となる主なシーンとして子どもをベビーカーに乗せるときが挙げられます。ベビーカーの高さが合わずに腰を曲げた状態で子どもを乗せると、腰に痛みが生じやすくなります。子どもをベビーカーに乗せるときは、腰の健康に悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

子どもと外遊びをするとき

子どもと外遊びをするときも腰痛に注意が必要です。たとえば、子どもと鬼ごっこなどで走る際に、子どもは小回りがききますが、大人は小回りがきき辛く、体を捻ってしまったり、無理な体制になり腰痛を引き起こしてしまいやすいです。これらの負担を軽減するためには、無理な体制で運動をしないことや腰の筋肉を鍛えることが重要になります。

保育士がすべき腰痛の予防

腰痛の原因となるシーンがわかったら、定期的に予防も行いましょう。保育士がすべき腰痛の予防は大きく分けて4つあります。

・不利な体勢にならないように意識する

・サポーターを使用する

・重たい荷物は台車を使用する

・定期的にストレッチをする

下記では、それぞれの予防について解説します。

不利な体勢にならないように意識する

腰痛を予防するためには、長時間同じ姿勢を続けないことが重要です。特に腰に負担のかかる動作は避けるべきです。長時間座りっぱなしや前かがみの姿勢は腰に負担をかけますので、適度に休憩を取り、姿勢を変えるようにしましょう。また、正しい姿勢を保つためには、背筋を伸ばし、腹筋を使うことが大切です。

背筋を伸ばすことで腰への負担を軽減し、腹筋を使うことで腰を支える筋肉を鍛えることができます。日常生活でこれらのポイントに気をつけることで、腰痛の予防につながります。厚生労働省が保育施設における腰痛予防のポイントをまとめているのでぜひ、こちらも参考にしてください。

参照:厚生労働省 腰痛対策

サポーターを使用する

サポーターは、腰の安定性を高める効果があり、腰への負担を軽減できます。また、抱っこなどの直接腰にダメージがかかるシーンにおいてもサポーターはとても役立ちます。腰の周りをしっかりとサポートすることで、抱っこ中の負担を軽減し、適切な状態を保つことができます。サポーターは、育児をしている人にも1つは持っていて欲しいアイテムです。

重たい荷物は台車を使用する

保育士がすべき腰痛の予防として重たい荷物は台車を使用することが挙げられます。荷物を持ち上げると腰に負担がかかりますが、台車を使うことでその負荷を分散させることができます。腰痛は、長時間重い荷物を持ち運ぶことが原因となることがありますが、台車を使うことでそのリスクを軽減することができます。

定期的にストレッチをする

保育士は、腰痛予防のために定期的にストレッチをすることが重要です。ストレッチは筋肉をほぐし、血流を促進する効果があります。特に腰回りのストレッチを重点的に行うことで、腰の筋肉を強化し、腰痛のリスクを低減できます。おすすめのタイミングは、お風呂から出た後です。

お風呂上がりは筋肉が解れているため、ストレッチの効果が高まりやすいです。定期的なストレッチは腰痛予防に効果的であり、保育士の健康を守るために必要です。

保育士が腰痛になったときの処置

腰痛になったときの処置を知っているかどうかで保育士としての寿命が決まるといっても過言ではありません。保育士が腰痛になったときの処置を3つ紹介します。

・病院で診断してもらう

・仕事の休暇をもらう

・幼児クラスに変更してもらう

下記では、それぞれの処置について解説します。

病院で診断してもらう

腰痛がある場合は、まずは医師に相談しましょう。医師は症状や原因を診断し、必要に応じてレントゲンやMRIなどの検査を行います。これにより、骨や筋肉、神経などの状態を詳しく確認できます。医師の指示に従い、適切な治療方法や薬の処方を受けましょう。応急処置で腰の痛みが引いたとしても、根本的な治療ではないため、繰り返し腰痛を発症しやすくなってしまいます。そのため、早めに医師の診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。

仕事の休暇をもらう

腰痛がひどくて仕事に集中できない場合は、早急に上司へ報告しましょう。その後、医師の診断を受け、必要な書類を提出して有給休暇を取ることをおすすめします。腰痛が長期間続く場合は、労災申請も検討しましょう。

労災申請には、医師の診断書や労働条件の証明書などの書類が必要です。腰痛は保育士の仕事に大きな影響を与えるため、早めの対処が重要です。

幼児クラスに変更してもらう

腰痛になった場合の処置として、幼児クラスに変更してもらうことが挙げられます。幼児クラスは体を動かすことが比較的少ないことや、身体の軽い園児の抱っこは腰にダメージがかかりにくいといったメリットがあります。上司には腰痛の状況を理解してもらい、幼児クラスへの異動を依頼しましょう。

また、異動が難しい場合でも、業務内容の一部を変更してもらい、前かがみなどの腰に負担がかかりやすい作業を減らす工夫が必要です。

保育士の腰痛以外のデメリット

保育士には腰痛以外のデメリットが存在します。ここでは、保育士の腰痛以外のデメリットを3つ紹介します。

・勤務時間が長いこと

・休みが取りにくいこと

・給料が安いこと

下記では、それぞれのデメリットについて解説します。

勤務時間が長いこと

保育士の仕事は、長時間労働で体力的にも大変です。長時間の勤務により、疲労が蓄積しやすく、ストレスや健康問題のリスクが高まります。保育士は、体力的な負担だけでなく、メンタル面でもストレスがかかりやすい職業だといえます。

休みが取りにくいこと

保育士の腰痛以外のデメリットとして、休みが取りにくいことが挙げられます。保育士は休日や夜間の勤務が多く、連休や長期休暇を取りづらいため、プライベートとの両立が難しい傾向にあります。また、保育士は子どもたちの安全と健康を守る責任があるため、急な欠勤や休みを取ることが難しい職業でもあります。

給料が安いこと

保育士の給料は、労働内容や責任に対して低いといわれています。保育士は子どもたちの安全や健康、教育に関わる重要な役割を果たしており、長時間の勤務やストレスの多い環境で働いています。しかし、その労働に見合った給料が支払われていないのが現状です。

保育士の給料が低いことは、資格を持つ人材の確保や職業の魅力の低下につながる可能性があります。保育士の重要な役割を認識し、適切な給料を支払うことが保育士不足の解消につながります。

腰痛になりづらい保育の仕事に転職

腰痛が原因で保育の仕事を諦める必要はありません。腰痛になりづらい保育の仕事の転職先を2つ紹介します。

・病児保育室

・乳児院

下記では、それぞれの転職先について解説します。

病児保育室

病児保育室は、病気や怪我をした子どもたちを専門的にケアする施設です。ここでは、医療スタッフが常駐し、子どもたちの健康状態を管理しています。子どもも比較的小さな子が多いことや、外で遊ぶことも少ないため腰痛になりにくい保育施設となっております。

乳児院

腰痛になりづらい保育の仕事として乳児院が挙げられます。乳児院では、健康管理や食事、入浴などの日常生活のサポートを行います。教育活動では、言葉や数字の基礎を学ぶための教材や絵本を使い、認知能力や言語能力の発達を促します。乳児院での勤務は、保育の負担が少ないため、保育の仕事は続けたいけれど、腰痛に悩んでいる人は特におすすめです。

保育士の経験を活かせる保育以外の仕事に転職

保育士の仕事を活かせる職業は、保育以外でもたくさんあります。ここでは、保育士の経験を活かせる保育以外の仕事の転職先を4つ紹介します。

・助産師

・子ども写真スタジオ

・テーマパーク

・子ども英会話教室

下記では、それぞれの転職先について解説します。

助産師

助産師は、妊娠から出産までの女性の健康管理や助産業務を担当します。保育士と助産師の共通点として、子どもが好きなことが挙げられます。また、助産師も保育士も、子どもの健康や発育に関する専門的な知識を要するため、保育士としての勤務経験が活きてきます。助産師は、生命の誕生に関わることのできる特別な仕事として人気が高いです。

子ども写真スタジオ

子ども写真スタジオは、子どもたちの特別な瞬間を写真にします。スタジオ内では、子どもたちが自然な表情やポーズで撮影されるように工夫された環境が整えられていますが、慣れない環境で泣くこともよくあります。そこで保育士で子どもをあやしてきた経験が活きてきます。

その結果、子どもたちは、明るくて、楽しい雰囲気の中で、リラックスして撮影に臨むことができます。プロのカメラマンやスタッフは、子どもたちとのコミュニケーションを大切にし、自然な笑顔や表情を引き出すために努力します。

テーマパーク

保育士の経験を活かせる保育以外の仕事としてテーマパークが挙げられます。業務内容の接点がないように思われがちですが、根源は、保育士もテーマパークのスタッフも子どもを笑顔にさせることが仕事です。したがって、保育士としてたくさんの子どもと関わってたくさんの笑顔を引き出した経験は、テーマパークのスタッフとして働く際も活きてきます。

子ども英会話教室

子ども向けの英会話教室は、楽しく英語を学ぶ場所です。ゲームや歌などの活動を通じて、子どもたちは楽しみながら自然に英語を身につけることができます。これらの活動は保育園でも行われます。保育士と子ども英会話教室の先生は、子どもたちをまとめて教育するといった共通点があります。

まとめ

本記事では、保育士が腰痛になりやすい原因を予防と処置を合わせて解説しました。保育士で腰痛に悩む人が多いことや、保育士が腰痛になりやすい原因を理解することができたかと思います。

保育士として働きたい人や、保育士で腰痛に悩んでいる人は、本記事で解説した腰痛の予防や処置を知っておくことがとても重要です。また、保育士の経験を活かせる仕事への転職の道もあることも視野に入れて働くことが大切です。