転職ノウハウ

転職時期に悩む保育士さんへ。ベストなタイミングや注意点を詳しく解説

保育士として働きながら、転職するか悩んだ経験はありますか。変則的なシフトに、思った以上の重労働、人間関係や命を預かる責任の重さと、保育士職には日々の悩みも多くあります。いざ転職を決心しても、どのような時期に転職活動を進めたらよいか悩んでしまうこともあるでしょう。この記事では

  • 保育士の転職にベストな時期
  • 4月入職を目指す場合のスケジュールとポイント
  • 勤務しながら転職するメリットとデメリット
  • 転職活動をはじめるときと退職をきめたら気を付けたい注意点
  • 転職に便利な無料サービス

を詳しく解説します。転職時期に悩む方はぜひ参考にしてみてください。

保育士の転職にベストな時期とは

転職をするなら、よりよい条件で働きたいですよね。そのためには、保育士の転職に最適な時期を知りましょう。多くの求人の中から、自分に合う求人を見つけるために、転職にベストな時期を紹介します。

勤務開始は4月がおすすめ

保育士の転職では、4月の勤務開始がおすすめです。理由は

  • 新年度のスタート時から仕事に就ける
  • 4月入社が一般的なので同期も多い
  • 3月末の退職がしやすい

一般的に4月に進級して新年度が始まり、3月に年度が終わる保育職は、4月にスタートを切ります。契約面、子どもや保護者との関わり、職場の人間関係どれをとっても、4月スタートが最もキリがよいと言えるでしょう。そのため同期も多い傾向があります。

また、前職も年度末である3月末の退職がしやすいため、4月の勤務開始がおすすめです。

求人が豊富になるのは10月以降

保育士求人が豊富になるのは10月以降と言われています。前述したように、3月末退社、4月入職を目指す保育士さんは多くいます。そのため、4月の新年度の人員配置を考えて、休日が10月頃から多く出始める傾向にあります。

年度途中でも転職は可能

4月の入職がおすすめですが、年度途中の転職ができないわけではありません。産休に入る職員がいたり、やむを得ない理由で欠員が出たりしたときには、求人募集がかかります。そのため、4月の入職を意識し過ぎて無理して仕事を続ける必要はありません。

ただ、4月入職の求人数よりも、求人数は少なく、条件が限られる場合もあるので覚えておきましょう。

4月入職を目指す保育士におすすめのスケジュール

新しい職場への転職に不安を感じる方も多いでしょう。でも、見通しを持って早めに活動をはじめれば、スムーズに転職活動が進むかもしれません。ここでは1番多い4月の入職を目指す保育士さんにおすすめのスケジュールを紹介します。

【9~10月】気になる園をリサーチする

9〜10月には、気になる保育園をしっかりとリサーチし、情報収集をしましょう。ポイントはつぎのとおりです。

  • インターネットなどを使って情報を集める
  • 保育士転職エージェントサービスに登録する
  • 気になる園がある時には自分で問い合わせしてみる

9〜10月では、より多くの情報収集が必要となります。情報収集後に、どのように転職希望先と連絡を取るのかも一緒に考えておきましょう。たとえば、自分で見つけた候補園だとしても、転職エージェントサービスに相談すると、面接日の設定や、給与交渉などを仲介してくれる場合もあります。

限られた時間の中での転職活動は、利用できるサービスをフルに使って、進めるのがポイントの1つになるでしょう。また、新規園の求人は保育士の人員確保のために、9〜10月から求人が出たり、早めに面接を行ったり、内定が決定したりする場合もあります。早めの情報収集が鍵となるでしょう。

【12~1月】退職の意志を勤務している園に伝える

12〜1月には、現在勤務している保育園に退職の意志を伝えましょう。ポイントはつぎのとおりです。

  • 勤務している保育園と面談する
  • 退職の意志を伝える
  • 退職時までに必要な書類や手続きなどを事務窓口に確認する

来年度の勤務状況を聞くために、面談を設定している保育園もあります。その場合は、面談時に伝えてもよいでしょう。早めに伝えるのは大切ですが、早すぎる時期に退職の意志を伝えるのはよくありません。引き留められたり、辞めるまでの期間が長くなり、働きにくくなる場合もあります。

今までの退職者情報をもとにしながら、自分の退職までの流れをイメージできると安心ですね。また、退職時までに必要な手続きも確認しておきましょう。家賃補助などの手当をもらっている場合はとくに注意が必要です。

【1~3月】新しい勤務先が決定する

1〜3月には新しい勤務先が決定していると安心です。ポイントはつぎのとおりです。

  • ピックアップしていた保育園の求人がでる
  • 必要書類を準備する
  • 面接を受ける
  • 面接の合否が届く
  • 入職・退職の手続きを進める

1〜3月には新しい勤務先を決定しましょう。前述した12月〜1月頃の面談で退職者の出た園は1〜3月でさらに求人が出る可能性もあります。事前に集めておいた情報をもとに、ピックアップしていた保育園の求人情報を再度確認してみましょう。

また、転職エージェントに登録をしておくと、求人が出た段階で連絡をくれる場合もあります。面接や入社の手続きを見越して、有給取得も考えておきましょう。新しい職場への準備と同時に現在の職場での仕事の引継ぎもあります。多忙な時期になるであろうことも想定しておくと、精神的にも楽でしょう。

保育園に勤務しながら転職する3つのメリット

仕事を退職してからの転職活動には大きな不安を感じる方も多いでしょう。そのため、保育園に勤務しながら、転職活動をする方は多くいます。保育園に勤務しながらの転職活動には、どんなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットを確認してみましょう。

①安定した収入を得られ続ける

勤務しながら得られる転職活動の1番のメリットは「安定した収入がある」という点でしょう。転職活動をしていても、収入が減らずに働き続けられるのは精神的な安定にもつながります。

また、仕事を退職してから探す場合に比べて、貯金を崩す必要もないため、生活水準を下げずに日常生活を送れるのも安心です。

②次の職場でも即戦力になれる

保育士として働きながらの転職活動には、次の職場の率先力になるメリットもあります。

新しい勤務先にとっても、即戦力になる保育士は助かる存在でしょう。また、ブランクなく働けるのは、自分自身の自信にもつながるのではないでしょうか。保育士不足である昨今では、即戦力になる人材はもっとも重保される存在でしょう。

③就職に有利になる

就職に有利になるのもメリットの1つでしょう。たとえば、同じ経験年数がある保育士がいた場合、ブランクのある保育士よりも、即戦力になる保育士の方が就職に有利です。現場経験が重要視される保育士にとって、働き続けながらの転職は、大きなプラスポイントでしょう。

保育園に勤務しながら転職する2つのデメリット

働きながらの転職活動には多くのメリットがあります。反対に覚えておきたいデメリットもあります。メリットとデメリットを理解し、自分の転職活動に上手くいかせるとよいですね。

①転職活動に割ける時間が少ない

デメリットの1つめは、転職活動に割ける時間が少なくなる点です。日中に保育士として働いていると、必然的に転職にかけられる時間は少なくなるでしょう。保育士の仕事と転職活動の両方はなかなか大変かもしれません。

また、保育士という職務上、勤務中の電話やメール対応は難しいでしょう。転職活動をすべてを勤務時間外に行う必要があり、意識して計画的に時間を作る必要があります。

②スケジュール管理が難しい

2つめのデメリットは、スケジュール管理の難しさです。シフト勤務である保育士は、勤務時間も不規則です。加えて、隔週の土曜出勤もあります。急なトラブルが発生すれば、定時ちょうどで上がれない場合もあるでしょう。

唯一の休みである日曜日は、転職先の保育園も休みであり、見学などは難しくなります。園に出向くときには、スケジュール管理に難しさを感じるかもしれません。

転職活動をはじめるときの注意点

限られた時間の中での転職活動だからこそ、ポイントを知ることが重要です。しっかりと注意点を理解し、後悔なく転職活動を進められるようにしましょう。ここでは、3つの注意点を紹介します。

現在の園で働き続けることはできないか検討する

転職活動をはじめる前に、現在の園で働き続けることはできないのかを再度検討してみましょう。下記のような悩みは相談によって改善されることがあります。

  • 一緒のクラスを担当している人との人間関係
  • 自身の環境変化による勤務時間の問題
  • 勤務地や通勤時間への不安

園長先生の理解は必要ですが、

  • 一緒に担任を持つ職員を配慮してもらう
  • 時短勤務制度の利用やパート職員への転向を検討してもらう
  • 同じ法人内で勤務先を移動させてもらう

などの配慮がされれば、問題が解決するのではないでしょうか。今一度、検討してみるのもおすすめです。

他の職員に転職活動をすることは言わない

他の職員に転職活動することはむやみに言わないのもポイントの1つです。中には「自分はこの園が好きで働いているのになぜ退職するのか」と、負のイメージを持つ保育士もいるかもしれません。転職活動に良いイメージを持たない職員もいるでしょう。

また、転職活動について知らせていなければ、何か理由があって転職活動を辞めたときにも、気まずくなりません。円満に転職活動を進めるためにも、他の職員に転職活動を知らせないことをおすすめします。

無理はしない

転職活動に辛さや困難を感じたときには、無理をしないようにしましょう。忙しい中での転職活動は想像以上に体力と気力を使います。転職活動をしながら、体調を崩してしまっては本末転倒です。自分の体力と精神状態を把握し、無理のない範囲で転職活動を進めるようにしましょう。

また、自分の希望するような転職先が見つからないときは、少し転職活動を休んでみてもよいでしょう。転職を決めたからといって、意地になって必ず転職する必要はありません。

退職を決めたら気を付けたい4つのポイント

自分に合った転職先が見つかり、退職を決めたら勤めている職場に報告しましょう。ただ、円満に退職するには、報告してから辞めるまでにも配慮が必要です。いままで一生懸命働いてきた職場だからこそ、最後も気持ちよく去りたいですよね。

①退職日の3か月前には伝える

退職日の3か月前には、退職の意志を伝えましょう。今後の担任配置や、求人の再募集、引継ぎ業務など、退職にともない必要となる業務を調整するのは自分ではありません。勤めている保育園もさまざまな調整が必要になるため、最低でも3か月前の報告がおすすめです。

自分の業務の引継ぎや書類整理、有休消化なども考え、3か月程前に伝えた方が自分自身も退職の準備がしやすいでしょう。

②上司に直接相談する

園長先生にはもちろん、直属の上司には自分から相談や説明をしましょう。関係性によって、相談が難しい場合は無理する必要はありません。ただ、関係が良好な場合は、直接報告することをおすすめします。

突然、第三者から退職の報告を受けた場合、あまりよい印象を持たない職員もいるでしょう。今までの感謝の気持ちを込めるなら、面倒を見てくれた先輩や、一緒に担任をしている先生には、自分からの直接報告の方が気持ちが伝わるかもしれません。

③退職理由に配慮する

退職の理由への配慮も忘れないようにしましょう。たとえ、人間関係や園に対する不満があったとしても、本心を伝えてしまうと残りの期間が働きにくくなります。

  • 引越すことになった
  • 異業種にも興味がある
  • 実家に戻るまたは実家を出ることになった
  • 体調が思わしくない

など、上手に本音を隠した理由を準備できると、よいかもしれません。

④最後まで任された仕事に責任を持つ

退職が決まったあとにも、自分の仕事には最後まで責任を持ちましょう。次の職場が決まっていても、退職日まではその保育園の保育士の1人です。引継ぎなどの仕事の多さに嫌気がさしてしまうこともあるかもしれませんが、子どもや保護者にとって、退職は関係ありません。大変ではありますが、最後の日まで子ども達と楽しく過ごせるとよいでしょう。

最後まで1人の保育士として、しっかりと仕事をこなすことが、次の職場への姿勢やモチベーションにつながるのではないでしょうか。

転職に便利な無料求人サービスとは

時間が限られた中での転職活動は、いかに要領よく情報収集できるかがポイントになります。参考に忙しい保育士の転職活動の味方となるサービスを紹介します。自分に合う情報サイトを上手に利用できるとよいでしょう。

ハローワーク(公共職業安定所)

1つめは、誰でも手軽に利用できる「ハローワーク(公共職業安定所)」です。

ハローワークとは、国(厚生労働省)が運営する、総合的雇用サービスの機関で仕事を探している人や求人を出したい事業主に対して、さまざまなサービスを無償で提供しています。

出典:ハローワーク |厚生労働省

全国にあるハローワークは500カ所を超え、職業紹介や雇用保険、雇用対策など、幅広い相談が可能です。雇用に関する多くの支援を行っています。全国の求人情報を検索でき、さまざまな業種の求人が網羅されているハローワークでは、もちろん保育士の求人も数多く取り扱っています。

窓口だけではなく、ネット検索のハローワークインターネットサービスからも求人検索が可能です。以下、ハローワークの概要になります。

利用できる曜日平日※一部施設は平日夜間、土曜日に相談可能
利用可能時間8:30~17:15
取り扱い業務職業相談・職業紹介・雇用保険の受給資格決定
専門的な相談障害者関連窓口マザーズハローワーク外国人関連窓口新卒応援ハローワーク   など

出典:ハローワーク |厚生労働省

保育士派遣サービス会社

2つめは、保育士派遣サービス会社です。保育士派遣サービス会社とは、派遣会社と派遣保育士が雇用関係を結び、条件に合った保育園に保育士を派遣します。給与の支払いや社会保険、福利厚生は派遣会社が行います。

派遣サービスは数多くありますが、保育士の仕事を探すなら、保育士に特化した人材派遣サービスの会社がおすすめです。ヒトシア保育 派遣 | サービス | 株式会社ネオキャリアも、保育士に特化した派遣会社の大手企業の1つです。

「正社員で働くか迷っている」「パート保育士よりも給与がもらいたい」など、働き方に悩んだときには、候補の1つの保育士派遣サービスの利用を考えてみてはいかがでしょうか。

費用もかからず、担当者が親身になって、理想の派遣先を選んでくれるサービスは保育士に特化した派遣会社ならではでしょう。

保育士転職エージェント

3つめは、保育士転職エージェントの利用です。転職の希望条件を登録すると、保育士転職エージェントが間に入り、条件に合った保育園を紹介してくれます。紹介だけではなく、面接日の設定や給与交渉など、保育園との調整まで行ってくれるのに費用はすべて無料です。

忙しい方のために、時間を気にせず利用できるようLINEでやりとりのできる会社もあります。保育士転職エージェントは、転職活動に時間の割けない方にはピッタリのサービスでしょう。保育士ワーカーも保育士転職エージェントサービスを行っている会社です。効率よく転職活動を進めたい方には頼もしいサービスの1つでしょう。

まとめ

転職を考える保育士さんの中には、転職時期に悩んでしまう方もいるでしょう。たしかに、求人数の多さなどを考えれば、最適な時期は限られるかもしれません。ただ、専門職で国家資格の保育士は、常に求人も絶えないでしょう。

自分の状況に合わせて無理のない範囲で転職活動を進められるとよいですね。見通しをもって、計画的に転職活動を進めることが、よい保育園に巡り合う一歩につながるのではないでしょうか。

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