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保育園での2歳児クラスの保育方法を元保育士が徹底解説!

2歳児は「魔の2歳児」と言われており、自我が芽生えて、第1反抗期がやってくる年齢です。

「自分でしたい」という気持ちが現れ始め、要求も多くなってきます。

そのため、「子どもが言うことを聞いてくれない」と、対応に困る保育士さんが多いです。

この記事では

「2歳児ってどんな時期?」

「イヤイヤ期はどうやって対応したら良い?」

「2歳児の保育方法が知りたい」

と、2歳児を担当に持つ保育士さんに向けて、2歳児の特徴や、おすすめの遊び、関わり方を解説します。

2歳児の特徴は?

2歳児になると、自分の意志を通そうとして、大人の言うことを素直に聞いてくれなくなります。

また、身の回りのことを何でも自分でしたがる時期です。

言葉数が一気に増えて、簡単な言葉のやり取りが可能になります。

ここからは、2歳児の特徴について、1つずつ詳しく解説していきますね。

イヤイヤ期に突入する

2歳児は「第1反抗期」とも言われる「イヤイヤ期」が始まります。

自我が芽生えることで、自分の思いを大人に伝えようとしますが、上手く言葉で伝えられず、「イヤ」という言葉を使います。

大人が言うことに対して、何にでも「イヤ」と拒否をするため、対応に困りますね。

しかし、「イヤイヤ期」は心が成長している証であり、自立心が芽生え始めていると言えます。

「イヤイヤ期」を迎えた際は、出来る限りは子どもの要求に応えてあげることが重要。

根気がいる時期ですが、子ども自身も葛藤していることを理解しておきましょう。

歯が生えそろう

2歳半までには上下合わせて20本の乳歯が生えそろいます。

保育園では幼児食へ移行し、固い物も食べられるようになります。

しかし、乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすいです。

定期歯科検診や、家庭での歯磨きをしっかりと行う必要があります。

睡眠時間が安定する

2歳児の睡眠時間は、12時間程度です。そのうち、2時間ほどお昼寝をします。

午前中の活動でしっかりと身体を動かした後は、ぐっすりと眠ります。

しかし、体力がついてくるため、活動的に遊ばなかった日は、なかなか寝付けないことも。

また、「保育園でお昼寝をしたら、夜寝付くのに時間がかかる」と、保護者から相談を受けることがあります。

このような場合は、保護者の気持ちを受け止め、子どもの様子を見ながら、お昼寝の時間を少し短くするなどの対応を行うと良いでしょう。

トイレトレーニングを始められる

2歳児は、トイレトレーニングを始める子どもが最も多くなります。

排尿の間隔がだいたい2時間置きになり、子ども自身も排尿を知らせるようになるからです。

便器に興味を持ったり、オムツが濡れる間隔が空いてきたりしたら、始めると良いでしょう。

トイレトレーニングは保護者との協力が必要になりますので、始める際は、子どもの様子を共有しながら、ゆったりとした気持ちで始めるのがポイントです。

最初はこまめに誘い、徐々に間隔を伸ばしていきましょう。特にお昼寝後、オムツが濡れていない時はチャンスですよ。

また、季節によって排尿の間隔が変わり、寒くなると間隔が短くなるので、夏に始めるのがおすすめです。

運動能力が上がる

全身の機能が発達し、歩行が安定する2歳児。

運動能力が身に付き、走ったり、投げたりなどの運動遊びを楽しめるようになりますよ。

また、鉄棒にぶら下がることもできるようになり、遊びの幅が広がります。

さらに、階段の上り下りがスムーズになってきますが、その分危険も伴うため、安全に留意することが重要です。

走れるようになると、行動範囲が広がるので園庭では、保育士の目が届きにくい場所へ行くことも考えられます。興味関心が最も深まる時期なので、保育士間で連携を図ることが大切です。

言葉のやり取りができるようになる

2歳を過ぎると、「ブーブーいた」や「まんまたべる」などの2語文を話すようになります。2歳の後半には3語文を話し、大人との会話がスムーズになってきますよ。

この時期は、「あれなに?」「これは?」などの質問がかなり増え、「質問期」とも呼ばれます。

物の名前を覚えると同時に、好奇心を満たす時期です。

様々な事柄に興味を持ち、絵本の内容や歌もしっかりと覚えるようになりますよ。

ごっこ遊びや模倣遊びを楽しむ

子どもは大人の行動をよく見ており、真似をします。

2歳を過ぎると、見た物や、聞いたことをそのまま遊びに取り入れる「ごっこ遊び」や「模倣遊び」を楽しめるようになりますよ。

「ごっこ遊び」といえば「おままごと」が一般的ですね。

「模倣遊び」は、身近な物を何かに見立てて遊んだり、真似っこ遊びをすることです。

「ごっこ遊び」や、「模倣遊び」は何かになりきったり、見立てて遊んだりすることから、大きな違いはなく、同じ意味だと言えます。

2歳時は、保育士との言葉のやり取りも楽しむ時期なので、子どもと一緒にイメージを膨らませながら遊ぶことが大切です。

2歳児に取り入れる遊びは?

2歳児の特徴については、お分かりいただけたと思います。

ここでは、2歳児クラスにぴったりな「遊び」はどんなものがあるかをご紹介します。

保育園でおすすめの遊びは以下の3つです。

  • 運動遊び
  • ごっこ遊び・模倣遊び
  • 造形遊び

それぞれの具体的な遊びを解説していきますね。

運動遊び

まずは、身体を充分に動かせる遊びをご紹介します。

室内でも楽しめる遊びを準備しておけば、雨の日でも安心です。

サーキット遊び

サーキット遊びは、様々な運動用具をコース状に並べて、周回する遊びです。

「くぐる」「ぶら下がる」「跳ぶ」などの運動を行うことで、室内でも充分に身体を動かせますよ。

「鉄棒」や「トンネル」「マット滑り台」などを用意すると、長い時間楽しんでくれます。

しっぽとりゲーム

「しっぽとりゲーム」は身体を充分に動かして遊ぶことが可能。

2歳児のしっぽとりゲームではまず、逃げることを楽しめるように、すぐには捕まえないといった配慮が必要ですね。

遊戯室などの広いスペースを使うと、充分に楽しめます。

子どもが慣れてきたら交代して、保育士が逃げる側にしても楽しいですよ。

リトミック

リトミックは、音楽に合わせて身体を使って音楽能力を高める遊びです。

幼い頃からリトミックを取り入れることで、リズム感が身に付き、音楽を楽しめるようになります。

さらに、リズム感だけではなく集中力や、創造力などの非認知能力を高めることにも繋がるため、近年注目されている保育方法ですよ。

ごっこ遊び・模倣遊び

次におすすめの遊びは「ごっこ遊び」や「模倣遊び」です。

2歳を過ぎると会話をしながら、保育士とのやり取りを喜ぶようになります。

ままごと

ままごとでは、「ままごとコーナー」を設置すると、イメージが膨らみやすいです。

例えば、キッチン台やテーブル、椅子などを用意してあげ、子どもが主体的に遊べるようにしましょう。

動物の真似っこ

2歳を過ぎると、見た物を真似するようになります。

「ウサギ」「ゴリラ」などの動物の動きを真似っこして遊んでみましょう。

保育士が見本を見せても良いですが、子どもに自由にさせてみるのも一つの方法です。

子どものイメージを膨らませてあげるのも保育士の役目。一人ひとりの姿を認めてあげ、みんなで楽しめるようにしましょう。

お店屋さんごっこ

2歳児の「お店屋さんごっこ」は簡単な内容で大丈夫です。

幼児クラスになると、子ども達だけでやり取りができるようになりますが、

2歳児では、保育士とのやり取りを楽しむことを「ねらい」にしましょう。

最初は「いらっしゃいませ」や「どうぞ」などの簡単な言葉のやり取りを行い、「お店屋さんごっこ」の雰囲気を味わうことが大切です。

制作遊び

2歳児では「やってみたい」という気持ちが育ち、様々な素材や道具に興味を持ちます。

定期的に「制作遊び」を取り入れて、子どもの興味関心を深めてみましょう。

中でもおすすめの「製作遊び」をご紹介します。

絵の具を使った制作

絵の具を使った制作はおすすめです。

絵の具を取り入れることで、感触を楽しめ、色を覚えることにも繋がります。

例としては、「フィンガーペイント」や筆をつかった「なぐり描き」がありますよ。

指先を使った制作

次は「指先を使った制作」です。

2歳を過ぎると、指先が上手に使えるようになります。

例としては、「のりづけ」や「粘土遊び」を取り入れると良いでしょう。

クレパスを使った制作

最後は「クレパスを使った制作」です。

2歳児では筆圧が濃くなり、しっかりと線や、円が描けるようになります。

また、描きたいイメージを膨らませて、描くことが可能。

顔のパーツなど、細かい部分も描けるようになるので、絵を描く機会をたくさん増やしてあげると良いでしょう。

2歳児との関わりで気を付けることは?

2歳児は「自己主張」や「友達とのトラブル」が多くなる時期です。

成長の証ではありますが、正しい対応の仕方が分からない方は多いでしょう。

ここでは、2歳児の対応のコツを解説しますので、参考にしてみて下さいね。

イヤイヤ期を理解する

2歳児クラスに担当が決まった際は、「イヤイヤ期の子ども達が多い」と、心構えをしておくと、いざ「イヤイヤ期」の子どもと関わった際に、対応しやすくなりますよ。

「イヤイヤ期」は自我が芽生えた証であるので、「成長しているんだな」と広い心で受け入れましょう。

2歳児はまだ自分の気持ちを言葉で表すことが難しいです。

そのため、「何がイヤなのか」「どうしたいのか」など、子どもの気持ちに寄り添うことが重要。

例えば、子どもが「着替えたくない」と言った場合は、まず、「イヤなんだね」と子どもの気持ちを受け止めましょう。

その後に、「着替えたら〇〇ができるよ」と、見通しを持った声掛けが大切。

さらに、「どっちの服にする?」「自分でしてみる?」などと、子どもに選択肢を与えることも効果的です。

しかし、何をしても言うことを聞いてくれない時もありますよね。

そんな時は、子どもの気持ちを代弁して受け止めてあげると、子どもは「自分を受け止めてくれた」と安心し、徐々に落ち着いていきますよ。

「自分で」の気持ちを大切にしてあげる

2歳児は「自分でしたい」という気持ちが顕著に表れます。

これは、子どもの自立心が芽生えているためです。

例えば、大人が着替えさそうとしたり、つい手伝ったりすると、「自分でしたかった」と機嫌を損ねることがあります。なので、時間がかかっても、時には見守ることが重要。

しかし、自分で最後までできなかった時にも、泣いて「イヤ」と諦めることが多いです。

そんな時は、途中まで手伝うか、できるまでそばで見守ってみて下さい。子どもが自分でできた時は、しっかりと褒めてあげましょう。

「自分でできた」という達成感を味わうことで、子どもは自信を持てるようになります。

保育園は集団生活なので、時間が無い時ももちろんありますよね。

この際は、「こっちは先生がするから〇〇をしてくれるかな?」とお願いをしてみるのも1つの方法だと言えます。

友達との関わり方を知らせる

2歳は様々な感情が芽生え、「怒り」「泣き」「嫉妬」などの感情が激しく表れます。

同時に他人への興味関心が深まるため、友達との遊びを好むようになりますが、トラブルも増えていく時期です。

自己主張が強い時期なので、特に玩具の取り合いが目立ちます。

また、取り合いの際には、自分の思いを言葉で伝えられず、手が出たり、噛みついたりする子どもも。

手が出るなどの行動が起こる前に、保育士が仲立ちとなり、お互いの子どもの気持ちを受け止めましょう。

2歳児の玩具の貸し借りは子どもだけでは難しいので、保育士の対応が必要になります。

友達との遊びを楽しめるようになりますが、トラブルが多くなるので、友達との関わり方を丁寧に知らせていきましょう。

まとめ

保育園において、2歳児クラスの保育方法や、具体的な遊びについて解説してきました。

2歳児の特徴が分からなかった方や、どんな遊びを取り入れるべきか悩んでいた方。

ぜひ、今回紹介したような保育方法を取り入れてみて下さい。

2歳児の保育では、「イヤイヤ期」や「自己主張」を受け入れることが大切になります。

また、興味関心が強くなる時期なので、経験を増やせてあげることが重要。

様々な「遊び」を取り入れて、友達や保育士が楽しめる保育を行いましょう。